【特別企画】

【今日はなんの日?】マンガで振り返るゲーム業界:ハドソンが「第1回全国キャラバンファミコン大会」を開催(1985年7月21日)

 1985年7月21日、ハドソンが小学館「コロコロコミック」とタイアップし、TDKが協賛したゲームイベント「TDK全国キャラバンファミコン大会」を開催した。

 本イベントは、同年にハドソンから発売されたファミコン用シューティング「スターフォース」を使用した、全国プレーヤー日本一決定戦。同日に北海道のダイエーサッポロ麻布店と、ダイエー鹿児島店の2カ所で開催されたのを皮切りに、夏休み期間を利用して全国58カ所で開催された。

 大会は予選と決勝の2ラウンド制で、予選は参加者全員が2分間プレイしたうえで、得点順で上位に残ったプレーヤーが決勝戦へと進出し、決勝で最高得点を獲得した人が優勝となる。全会場での大会終了後、各地で優勝したプレーヤーの中から、最も得点の高かった人が、栄えある第1回大会のグランドチャンピオンに認定された。

高橋名人のブログ「16連射のつぶやき」の「今日はFC版『スターフォース』の誕生日」のページ

当時について

 本大会の告知は「コロコロコミック」を通じて行なわれ、MCは当時ハドソンの社員だった高橋名人と大学生だった毛利名人で、南キャラバン(西日本)は高橋名人が、北キャラバン(東日本)は毛利名人が担当しました。高橋名人のYouTubeチャンネルで公開された動画によると、本大会の参加者数はなんと24,000人、動員数は実に89,000人というのですから、いかに人気がすごかったのかがわかります。

 実は筆者も小学生時代、本大会に出場しました。会場では、ハドソン製のジョイスティックを使用するルールになっていたため、お小遣いがなくてジョイスティックを買えなかった筆者はぶっつけ本番で挑むしかなく、あえなく予選落ちとなりました(超言い訳)……。しかし、約500人が参加して熱気ムンムンの会場で遊べたこと、参加賞をゲットできたこと、毛利名人にお会いできたこと、そして会場となった某デパートが後日、本大会を真似て開催した「スターフォース」大会で優勝したことは一生の思い出になりました。

 翌年には「スターソルジャー」を使用した第2回大会が開催され、以後「全国キャラバン」はハドソンの名物イベントとして定着したことは、ファミコンまたはPCエンジン世代の皆さんであれば、よくご存知のことでしょう。

【1985 第1回全国キャラバンドキュメント】
「今日は何の日?」とは

 不定期に過去に起きたゲーム業界に関する出来事をマンガでふりかえるコーナーです。

絵:橘 梓乃

 すでにライターデビューから30年が経ちましたが、自身初となるマンガ企画を当GAME Watchにて担当させていただくことになりました。今後もゲーム業界の歴史をユル~く、かつ真面目にご覧いただけるネタをいろいろご用意したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

 ゲーム歴40年超のフリーライター。主な著書・共著は「ファミダス ファミコン裏技編」、「ゲーム職人第1集」、「デジタルゲームの教科書」、「ビジネスを変える『ゲームニクス』」、「ナムコはいかにして世界を変えたのか ゲーム音楽の誕生」など。2014年より日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表も務める。

テキスト:鴫原 盛之(フリーライター)