【特別企画】
「NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権」、「リーグ・オブ・レジェンド」部門はルネサンス大阪高等学校なんばeスポーツキャンパス「かれはchillどれん」が優勝!
序盤から猛攻! botレーンでの駆け引きとファイトを制す
2024年2月12日 17:16
- 【「NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権」決勝大会1日目】
- 2月11日 開催
- 会場:ラフォーレミュージアム原宿
- 会場オープン:9時30分
北米教育eスポーツ連盟 日本本部(NASEF JAPAN)は2月11日~12日にかけて、高校生eスポーツ大会「NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権」決勝大会をラフォーレミュージアム原宿にて開催した。
1日目にはライアットゲームズが運営するPC用MOBA「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」決勝戦とプレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Nintendo Switch/PC用スポーツゲーム「ロケットリーグ」準決勝戦が行なわれた。本稿でお伝えする「LoL」部門では熾烈な戦いを勝ち上がってきた2チームが高校生「LoL」の頂点を目指し争った。
本大会はYouTube・Twitch・Xにて無料ライブ配信が実施。MCをOooDa氏、実況・解説として「LoL」の日本リーグでも実況解説を務めるeyesさん・Revolさん、アナリストとしてRecruitさんがそれぞれ担当。また、応援リーダーとしてVTuberの胡桃のあさんも登壇した。
決勝戦を争ったのはルネサンス大阪高等学校なんばeスポーツキャンパス「かれはchillどれん」とルネサンス高等学校池袋キャンパス「強化GGG」の2チームだ。
同じルネサンス高校グループのチームだが、「かれはchillどれん」は対戦相手の作戦を研究し、それに対応することが得意なチームで、各選手が作戦を遂行できるハンドスキルも兼ね備えている。チームの要であるロール「ジャングラー」であり、プロの2部リーグ(アカデミーリーグ)にも参加経験のあるRacon選手の動きが期待されていた。
一方の「強化GGG」は、シーソーゲームの様な激しい戦いを制してきたチーム。不利な状況を集団戦で逆転してきた個人技が特徴だ。何度もチームファイトを仕掛けていき、最後は力で勝負を決めるチームだけあって、ダメージディーラーである「ADC」のGOOD TRY選手にどれだけゴールドが集まるか、そして集団戦でどう活躍するのかが注目された。
試合前、「かれはchillどれん」のキャプテン、Karaage選手は「自分たちのしたいこと、強みを相手に押し付けてきれいなゲームでパーフェクトに仕上げたいと思います」と、強化GGGのmhato選手は「相手は格上だが、要所要所で上回っているポイントはあると思うので、同じステージに来たからには勝って帰りたいと思います」とそれぞれ意気込みを語った。
決勝1戦目。Botを制した「かれはchillどれん」が勝利
決勝戦はBO3(2本先取)となり、オフライン決勝ならではのプレッシャーと選手がどう向き合い集中力を維持するかや、チャンピオン(キャラクター)を禁止・選択するBan/Pickでの戦略が重要となる。配信では、Ban/Pick時の両チームの会話を聞くことができ、どのチャンピオンを選択するかや、相手の選択を考える様子を知ることができた。両チームとも、メタと呼ばれる今強いチャンピオンや自分たちの得意なチーム構成を使えるようにとコミュニケーションを取っており、プロ顔負けのチャンピオンドラフトを見せてくれた。
決勝1試合目、「強化GGG」はプロシーンでもよく使われるほど強力な組み合わせの「ルシアン」、「ミリオ」のbotレーンコンビに加え、リスクはあるが上手くプレイできると強力な「ヤスオ」をmidで選択する強気の姿勢を見せた。対する「かれはchillどれん」は、botレーンで「アフェリオス」、「アシェ」というADC2人の攻撃的な組み合わせを選択。両チームとも序盤からbotレーンで戦闘を起こせる攻撃的な構成となった。
試合は序盤から、「かれはchillどれん」のRacon選手が使う「リー・シン」が動かしていく展開に。試合開始僅か3分未満でBotへの襲撃を決行し、早くも2キルを獲得した。このファイトで「強化GGG」も1キルを返したものの、Racon選手がすぐさま2度目のBotガンクを決めたことで、「かれはchillどれん」が最序盤からBotレーンでの有利を決定付けた。
その後も「かれはchillどれん」のBotへの猛攻は止まらず、タワーを折った後もプレッシャーをかけ続けて装備差を広げていき、チームを強化できるドラゴンをたて続けに獲得していった。対する「強化GGG」は、mattya選手の使う「カサンテ」が相手の隙をつきキルを獲得するなど、逆転のチャンスに目を光らせていた。
試合は22分。「かれはchillどれん」が仕掛けた集団戦に対し、「強化GGG」のRABI選手の使うヤスオが、mattya選手と合わせて敵陣に飛び込む見事な動きを見せるも、「かれはchillどれん」もそれにしっかりと対応し被害を最小限に抑えて反撃。そのまま「かれはchillどれん」が装備差を活かして4キルを獲得し、集団戦での勝利によって、チームをより強化する効果を持つドラゴンソウルとバロンバフを一気に獲得した。
「強化GGG」は負けじと最後まで集団戦を挑む。mattya選手が相手を行動不能にする見事なプレイを見せるも、「かれはchillどれん」がそれに続こうとするヤスオをしっかりと妨害し逆転の芽を摘み取った。そのまま装備差を活かした強気なプレイで「かれはchillどれん」が大勝し、そのまま試合に勝利した。botレーンでの駆け引きとファイトを制した「かれはchillどれん」が優勝への王手をかけた。
2試合目は序盤からキルを取り合う激しい展開に
決勝2試合目。ここで勝てば優勝となる「かれはchillどれん」はmidのKaraage選手に変えてhiyoko選手が出場した。Ban/Pickでは「強化GGG」が相手のチャンピオン選択を先読みするも、それを外してしまう形になってしまったが、チームで会話しながら修正して構成を整えていく対応力を見せていた。
一方の「かれはchillどれん」は、「ニダリー」と「ザイラ」という強化を受けたばかりのチャンピオンを選択。長らく見なかったチャンピオンだけに、選手が使いこなせるかが注目だ。
試合はまたも最序盤からbotレーンで戦闘が起こる展開でスタート。「かれはchillどれん」は「強化GGG」のジャングラーmhato選手の襲撃を警戒して視界が広がるワードを設置。読み通りにmhato選手がbotに襲撃し、これを防げるかとも思えたが、「強化GGG」like0324選手の使う「アリスター」の見事な仕掛けもあって「強化GGG」が襲撃を成功させる。しかし、「かれはchillどれん」も負けておらず、botレーンにmidレーナーのhiyoko選手、ジャングラーのRacon選手を交えての攻撃を決行しキルを獲得した。
激しい展開はその後も続き、両チームともジャングル内で果敢に戦闘を起こしそれぞれがキルを獲得していく。こうした攻防の中で「かれはchillどれん」のADC、TenT選手の使う「カリスタ」にゴールドが集まっていったことで、「かれはchillどれん」はカリスタを中心に試合を動かす作戦を決行。botで仕掛け、キルを獲得すると、そこから一気にゲームを支配していく。高い連携と個人技で雪だるま式に有利を広げていった。
それに対し強化GGGは、自軍の陣地を攻撃する「かれはchillどれん」陣営の隙を見逃さず、GOOD TRY選手の使う「ヴァルス」のアルティメットスキル「穢れの連鎖」から集団戦を仕掛ける。midのRABI選手が使う「アジール」の敵陣深くまで入る命がけのプレイもあって、「強化GGG」が3キルを獲得。試合を勝利するために大事となる構造物・インヒビターを失ったものの逆転の可能性を見せた。
試合を決めたのは27分、バロンを獲得し攻め込んでくる「かれはchillどれん」に対し、「強化GGG」は果敢に集団戦を仕掛けていく。しかし、順調に育った「かれはchillどれん」チームの勢いを止めるには至らず、「かれはchillどれん」がエースを獲得。そのまま「かれはchillどれん」が優勝を決めた。
試合後のインタビューでは、惜しくも準優勝に終わった強化GGG、mhato選手が「最後に負けてしまったのは悔しいけれど、準優勝という結果を残せたことに満足はしているので、胸を張ってメダルを持って帰りたい」、「5人の高校生大会はこれで最後ですが、2年生は続きの高校生活があり、これからプロを目指していくメンバーもいるので応援してくれると嬉しいです」と語った。
また、優勝した「かれはchillどれん」キャプテンのkaraage選手は「ミスをしたとしてもフィジカルで上回ってカバーするという動きができ、そのまま優勝できたのでよかったです」、「僕たちはもう少しで卒業するが、今後大会にでる後輩に、自分たちの知識などを教えられたらいいと思います。今後プロを目指すメンバーもチームにいるので、自分たちの姿を、応援してくれる皆さんに届けられたらと思います」と語った。
年々レベルアップしている高校生「LoL」シーン、今回も高校生のハンドスキルや連携のレベルの高さに驚かされた。本大会に参加した選手の中には、プロを目指す選手も存在する。彼らには、今後の国内リーグに新たな風を吹き込んでくれることを期待したい。
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