【特別企画】

「ドラゴンズドグマ 2」インプレッション&インタビュー

何もかもが正当進化! シリーズ初心者&アクション好きにもオススメしたい

【ドラゴンズドグマ 2】

発売日・価格:未定

 カプコンの王道ファンタジーアクションRPG「ドラゴンズドグマ」の正当続編「ドラゴンズドグマ 2」が、イベント「東京ゲームショウ2023」に出展された。ブースでは試遊に加え、ドラゴンのフォトスポットなど作品の魅力が盛大に宣伝。未だ全体像が謎に包まれている中、作品の世界観を堪能できた。

 「ドラゴンズドグマ 2」では、プロデューサーを「バイオハザード RE」シリーズでも活躍する平林良章氏が、ディレクターを「ドラゴンズドグマ」シリーズの他「デビルメイクライ」シリーズでも活躍してきた伊津野英昭氏がそれぞれ担当している。本稿では1時間に及ぶ試遊で感じたことと交えて、お2人に伺ったインタビューの内容を「世界観」、「ポーン」、「アクション」の3つに分けて紹介していく。

プロデューサーの平林良章氏
ディレクターの伊津野英昭氏

 今回の試遊では、人間の国「ヴェルグンド」を舞台にファイターで冒険した。プレーヤーは獣人のライオン顔で非常に強そうな見た目。どのような獣人が登場するのかも気になるポイントだ。

 最初に全体的な所感を述べるならば、本作は初心者向けだ。正当続編ではあるものの、根幹となるドラゴンやポーン(プレーヤーの仲間になるNPC)などの世界のルール以外が異なる平行世界が舞台となっている。そのため、これまでシリーズに触れてこなかった方も入りやすいと思う。

 本稿執筆時点(9月21日)では、ストーリーについてはほとんど判明していないものの、試遊では“自然や町の情景などの世界の美しさ”と“本能に訴えかけてくるような暗闇の恐ろしさ”、“リアルな所持重量と密度の高いフィールドでの冒険”といった、旅人・冒険者になりきるという意味でのロールプレイを非常に高い水準で楽しめた。平林氏によれば“実在感”を大切に開発しているとのことで、伊津野氏は「今できるマックスのドラゴンズドグマを目指して開発している」とのことだった。

 加えて、進化したポーンとのやり取りだけを見ても完成度が高かった。さらに、アクションも前作よりさらにスタイリッシュに洗練されているので、純粋にアクションゲームを楽しみたい方にもオススメだ。

 それでは早速、「剣と魔法のファンタジー世界」の紹介に入る。

ロールプレイが捗る世界観! 美しさと危険な雰囲気を同時に感じるファンタジー世界を自由に冒険

 前述したように、本作は没入感が非常に高くロールプレイが捗るファンタジーな世界観となっている。実際にゲーム中も「本当に冒険しているんだ!」と感じる場面が多々あった。それは、「プレーヤーのやってみたい」を実現できるギミックであったり、街の人々の会話であったり、美しい自然への憧憬と暗闇への根源的な恐怖であったりと多岐にわたる。

 試遊では、坂の上に設置された丸い巨大な岩を固定具を破壊して下にいる敵を攻撃するギミックを確認できた。他にもたくさん用意されているようなので、自由度はかなり高そうだ。さらに、マップの密度が高く、少し歩いたら山賊がいたり魔物がいたりとマップを歩いているだけでも次々と新しい発見がある。中には突然ボス級の敵が出てくる場面もあった。

豊かな自然が広がっているが危険も潜んでいる
マップにはサイクロプスやグリフィンなどお馴染みの強敵も跋扈している

 また、本作では焚き火の痕のような場所でキャンプできる。キャンプでは時間を進めて昼から夜にしたり、スキルの調整をしたりといったことが可能で、「次の日に備える」というまさに旅をしている感覚を味わえる。そこで驚いたのが、夜の暗さだ。時間を夜に進めると突然横からうめき声が聞こえ、ゾンビに襲われた。ホラーゲームが苦手な筆者としてはかなりの恐怖体験だったものの「ファンタジー世界での野宿なら見張りを立てているイメージがあるし、起き抜けに魔物に襲われることもありそう」と素直に納得できた。

 インタビューでも伺ったが、確かに「緊急性も無いのに夜に“スタコラサッサ”と目的地まで行く」というのは考えにくい。まして月のない世界ならば、より危険になるのは必定なので、キャンプ要素も非常に没入感を高めている。さらに、夜には前述したゾンビなどのアンデッドが活発に出てくるようになる他、洞窟のような場所には骸骨の魔物がいる場合もあったので、そういった部分でも王道ファンタジーらしさが強い。お約束な展開を楽しめるのだ。

 伊津野氏によれば夜や暗闇へのこだわりは「肝試し」などの原体験からきているという。しかし、夜は何も怖いだけではなく、星空の美しさもある。これは平林氏のこだわりポイントなようで、ふとした瞬間に「旅してるかも」と感じてもらえる様に開発している模様だった。プレイしていた時には、まさしくその通り、覚者というキャラクターではなく、自分自身が覚者としてそこにいるかのような臨場感を楽しめるのが大きな魅力になっている。

この廃村は昼間は山賊によって占拠されている
夜の廃村ではゾンビが出てくる
寝ることで時間を朝にも夜にもできる
キャンプでは自分とメインポーンスキルを変更できる
寝る直前にはメインポーンが話しかけてくれた

 さらに、城の中にも入れた。夜は城内の警備が厳重らしく、適切な衣服を着ていないと捕まってしまう模様。敷地内には問題なく入れたが、城内に入るための扉は基本的に施錠されており、衛兵もそこかしこに配置されていた。加えて、前作同様にポーンは城の敷地内に入れないので、ひとりで探索することになるので無理は禁物だ。

街壁のそとに広がる穀倉地帯
外からの街の様子
夜の城に入ろうとすると丁寧なチュートリアルが出た
来賓用の部屋で入手した拝謁用の衣装
王の私室まで入れる
調度品などの小物にもこだわりが感じられる非常に精巧なタペストリー

懐かしいローカルマルチ感をを味わえるポーン! 経験済みならクエストの案内もしてくれる

 「『ドラゴンズドグマ』といえばポーン」そう思う方は多いと思う。それほどにこの「ポーン」というシステムは特徴的なのだ。ポーンは他の世界からやってくる覚者に付き従う従者。忠実で頼りになる存在として、プレーヤーの旅路を助けてくれる。伊津野氏によればコンセプトは「親の顔が観たくなる」というものらしく、特に今作ではポーンのデータ量が大幅に増えていた。以前までは共に戦い、成長するメインポーン1人と他プレーヤーの作成したポーンを2人まで引き連れて旅ができた。今作でもそこは同じものの、他プレーヤーのポーンが、プレーヤーの受けているクエストを完了していた場合などには案内までしてくれるようになっている。

 伊津野氏はこれを「プレイ済み友達が横で色々アドバイスをくれるような遊び方」と表現していた。なるほど確かに小さい頃の友達をゲームをしていた感覚を思い出すので「シングルプレイながらもマルチプレイ」という感覚を味わえた。それも、どこか懐かしさを感じるローカルマルチプレイといった風情で、昨今中々味わえていない感覚だった。

 敵との戦闘中や、移動中、寝る前など多くの場面で話しかけてくれるのも嬉しい。個人的な感想だが、ポーンは世界の外側から来た存在として、どちらかと言うとプレーヤー寄りの存在に思えるので、余計にマルチプレイをしていると感じるのかもしれない。

 また、今作ではポーンを雇う方法にも少し変更が加えられている模様だった。というのも、マップのあちらこちらに壊れたリム(ポーンを呼び寄せる石碑)が設置されていて、修復することで街中でなくても新しいポーンを探せる。こういったリムにはテーマが設定されていて、それに合った性格のポーンが出現するようで、それぞれ特色が異なっていた。「欲しいポーンのテーマを持ったリムを求めて旅をする」というのも立派な行動基準になりそうだった。

マップに点在する壊れたリム
触れることで修復。中に入れる
試遊ではカプコン作成の奇抜な見た目のおじさんポーンもいた
街中のポーンギルドにもリムはあるのでテーマを絞らない探し方もできる

進化したスタイリッシュアクション! アクションメインでも楽しめる

 「ドラゴンズドグマ 2」は、これまで紹介してきた通り、王道ファンタジーRPGでゲームの中の世界を実際に感じられるほどに“実在感”が高められている。しかしながら、決して本作はRPGだけではない。無印「ドラゴンズドグマ」の頃から戦闘においては敵によじ登って弱点を攻撃したり、スキルを用いてスタイリッシュな戦闘を楽しめる点も評価されていた。

 今作では、そのスタイリッシュさに拍車がかかり、スローモーション演出の入る“渾身の一撃”という敵がダウンした際に「ダークソウル」などでいうところの“致命の一撃”を加えられるようになっている。魔物毎にモーションも多彩だ。他にも、ファイターでバラバラに砕いた骸骨の頭蓋めがけて剣を振り下ろすモーションに感動した。「実際にアンデッドと戦うにはそういったトドメの刺し方をしそう」と納得できるものになっている。加えて、上から下にいる敵に攻撃する時には強攻撃をするとモーションが変化し、上から突き刺すような攻撃ができた。

盾でのガードすると派手に火花が散る
PS5の操作方法

 もちろんファイター以外のクラスでもスタイリッシュなアクションがある。特に9月21日の「TGS2023 カプコンオンラインプログラム」で公開された前作から引き継がれている「マジックアーチャー」や、新ジョブとなる魔剣士など、見るからに進化した動きをしていたので、色々なクラスを試したくなる。「さすがは『デビルメイクライ』シリーズを手掛けてきた伊津野氏だ」とうならされた。平林氏も「アクションゲームからもRPGからもどちらから入っても楽しめるように作っている」として太鼓判を押していたので期待できる。

【【DD2】「ドラゴンズドグマ 2」試遊ダイジェスト【TGS2023】! 戦闘・ポーン・街の様子紹介 概要欄URLではインプレッション記事公開中】

初心者にオススメ! RPGとしてもアクションとしても楽しめる本作に期待大

 約10年ぶりの正当続編ということもあり、初見の方にはなかなかハードルが高く思えるかもしれない。しかしながら、RPGとしてもアクションゲームとしても楽しめるゲーム性と、前作などとはルール以外が異なる並行世界を舞台にしているということもあり、とっつきやすい印象だ。ゲームだけでなく小説や映画など媒体を問わず「剣と魔法のファンタジー」が好きな方にオススメしたい一作となっている。

 本稿を読んで興味を持った方は、前作本編とDLCが合わさった「ドラゴンズドグマ:ダークアリズン」を発売前の予習としてプレイしてみてほしい。プレイステーション 4/Xbox One/Nintendo Switch/PC(Steam)でプレイできるので、多くの方が手に取りやすいと思う。なお、PS Store以外では9月25日前後まで1,000円以下のセールが実施されている。

□PS Store「ドラゴンズドグマ:ダークアリズン」のページ
□Microsoft Store「ドラゴンズドグマ:ダークアリズン」のページ
□My Nintendo Store「ドラゴンズドグマ:ダークアリズン」のページ
□Steam「ドラゴンズドグマ:ダークアリズン」のページ

「東京ゲームショウ2023」のカプコンブースでは覚者になるために心臓をえぐってもらえるフォトブースもある