【特別企画】

「ストリートファイター6」新キャラ「A.K.I.」を触ってきた! 中・遠距離からジワジワと毒で追い込む”いやらしさ”が堪らない【#TGS2023】

【A.K.I.】

9月27日 実装予定

 現在開催されている「東京ゲームショウ2023」のカプコンブースでは、「ストリートファイター6」にて9月27日実装予定の新キャラクター「A.K.I.」の試遊プレイが開催されている。

 「ラシード」に続く「Year 1 Character Pass」2人目の追加キャラクターとして発表された「A.K.I.」だが、その独特の風貌通り既存のどのキャラクターとも異なる変則的な攻撃と立ち回りを楽しむ事ができるキャラクターとなっていた。先日公式より先んじて公開されたキャラクターガイド動画で、その片鱗を感じたプレイヤーも多いのではないだろうか。

 今回はそんな「A.K.I.」を一足早く触るべく早速カプコンブースに遊びに行ってきてたので、その使用感についてレポートしたいと思う。

【『ストリートファイター6』キャラクターガイド|A.K.I.】

毒使い「A.K.I.」。「毒状態」と「毒破裂」を使いこなす中・遠距離が得意なキャラクター

 カプコンブースで行なっている「A.K.I.」の試遊スペースでは「ファイティンググラウンド」の「VSモード」のみプレイする事ができるようになっており、「ワン オン ワン」でのCPUとの対戦か2人プレイヤーでの対戦を楽しめる。試遊スペースには「PS5コントローラー」と「アーケードコントローラー」の2つが用意されているため、自分が慣れている操作感で試遊を体験することができるだろう。ただしコントローラーは1つずつしかないため、2人で対戦プレイを行う場合に両者が「アーケードコントローラー」を使うといった事ができない。試遊する場合は、予めどちらがどのコントローラーを使用するか決めておこう。

カプコンブースにはデカデカと「ルーク」と「A.K.I.」の姿が!

 では早速「A.K.I.」の特徴や必殺技について触れて行こう。

 「A.K.I.」は全体的に中・遠距離から相手に触れる技が多く、一部の技がヒットすると一定時間相手にスリップダメージを与える「毒状態」を付与できることが大きな特徴となっている。

 「毒状態」は一定の時間経過か「A.K.I.」自身がダメージを受ける事で解除されるのだが、この仕様から察するに相手を自分に近づけさせない戦い方も想定されていそうだ。また「毒状態」はスリップダメージを与える以外にも、「毒状態」の敵に特定の必殺技をヒットさせる事でダメージ増加やコンボ増加を引き起こせる「毒破裂」の効果がある。「A.K.I.」を使う上で「毒状態」は非常に重要な要素となっている。

 実際に使ってみた感覚は、全体的に攻撃のリーチが長く、相手を近づけさせない牽制で使える技が多い印象だが、キャラクターの挙動はそこまで遅くなく、移動技や下段・中段崩しに使える技も揃っている事から近距離からコンボで大ダメージを狙うプランも十分に想定されているようだった。

 相手の嫌がる位置をキープしながら中・遠距離で「毒状態」を狙いつつ、「ドライブラッシュ」を絡めて一気に相手との距離を詰めて「毒破裂」を組み込んだラッシュで一気にダメージを取るといった挙動が基本になりそうだ。

【毒状態】
「毒状態」となるとキャラクターの周りに毒々しい紫色のエフェクトが掛かる。放置すると体力が減るため毒状態にして距離を保たれ続けるだけでも結構辛かった印象だ
【毒破裂】
「毒破裂」を持つ必殺技を「毒状態」の相手に当てると特殊な炸裂エフェクトが入り、技ごとに通常とは違うボーナスが付く。相手をその場で無防備にさせてコンボに繋げる事ができたり、ダメージが増えたりと効果は様々だ

遠距離攻撃や癖のある移動技が豊富! 「A.K.I.」必殺技紹介

 次に筆者的に気になっていた必殺技について紹介しよう。

【コマンドリスト】

 一番基礎的かつ振る機会が多そうな必殺技の「蛇頭鞭」は、リーチが非常に長いかつ技の出も比較的速いため牽制として非常に優秀。当然ヒットすれば「毒状態」を付与できつつ、「毒状態」の相手にヒットさせれば「毒破裂」も狙える非常にお得な技となっていた。

 そのリーチと性能的に相手の位置に合わせて弱中強の「蛇頭鞭」を使い分けるだけでも十分な脅威となりそうで、対空性能もバッチリな事からも完全に牽制モードに入った「A.K.I.」に近づくのはかなり至難な印象だった。また、どの位置の相手にも当てやすいためコンボの締めとしても使い勝手が良く、「毒破裂」した場合に追撃として入れ込みやすかった事からも非常に使い勝手はいい。

【蛇頭鞭】
牽制かつ追撃にも使えて使い勝手のいい「蛇頭鞭」は弱・中・強で鞭の方向を変える事ができる
状況に合わせた対空技としても使いやすいため、相手を近づかせない立ち回りの中では特に多用する技になるだろう

 「A.K.I.」の中・遠距離戦を強めている要素として、弾技である「紫煙砲」も忘れちゃいけない。ただの弾技と違い、ヒットするとコチラも「毒状態」になる必殺技なため、波動拳以上に喰らいたくない技となっている。

 また「紫煙砲」を発射後に追加入力で爪を伸ばして攻撃する「紫煙追」の存在もかなりいやらしい。ヒットした後の追撃として優秀な事は当然ながら、タイミングを少しずらす事でガードを緩めた相手を攻撃できたり、撃たないなら他の技と合わせて近づく事ができたりなど、追撃の存在がある事自体が非常に優秀な印象だ。時間がなく今回は試せなかったが弾の撃ち合いになった際にも追撃を混ぜる事でパターンを崩せそうな雰囲気があり、「蛇頭鞭」の牽制と合わせる事でかなり近づくのが難しいキャラクターとなっていた。

【紫煙砲&紫煙追】
弾の挙動としては普通だが、追加効果の「毒状態」が非常に凶悪なためしっかりガードしておきたい技となっている
ガードを解くタイミングや反撃のタイミングも追撃の「紫煙追」を考慮した上で動かないと狩られてしまう点も非常に強力だ

 他にも相手の行動を縛る技として、地面に「毒溜まり」を設置できる「紫泡泉」の存在も重要だ。適度に設置しておくことで、「毒状態」を嫌う相手の行動をジャンプや移動技へ誘導できたり、「毒状態」を無視して果敢に突っ込んで来ようものなら、「蛇頭鞭」の「毒破裂」からコンボをスタートできたりと相手からしたら忌々しい存在になる事間違いない。

 ただこの技の真価はこれだけでなく、起き攻めとして活用できる点にあると筆者は考えている。コンボで相手をダウンさせた後に適当に設置しておけば「毒状態」にした状態から攻めを継続できたり、壁際で使おうものなら有無を言わさず「毒状態」にできたりと凶悪な動きが可能だ。「A.K.I.」を使う上では、立ち回りの中でこの「紫泡泉」をどのように入れ込むかでダメージレースが大きく変化するだろう。

【紫泡泉】
相手の着地場所やダウン状態に合わせて「毒溜まり」を設置すれば安全かつ効率的だ。如何に隙を生まずに「毒溜まり」を作って「毒状態」を維持する立ち回りができるかが重要となりそうだ

 ここまで見ると、中・遠距離攻撃に特化したキャラのように思えるがそうではなく、隙を見せたら一気にヌルっと近づいて大ダメージを狙えるのがこのキャラクターの面白いポイントだ。

 このキャラを表す独特の動きとして一番特徴的なのが「悪鬼蛇行」による移動だ。地面に寝そべって移動するこの技は、相手の攻撃や弾を避けながら動くことができる。さらにそこから様々な技に派生することができ、素早い突進で奇襲を仕掛けられる「猛毒牙」は飛び道具を用いるキャラに刺さりがいい。実際の試合では「悪鬼蛇行」でゆっくり近づいていく場面などはほぼなかったが、弾を避ける際に一瞬使い、即座に「猛毒牙」を狙って近づくといった行動は悪くなさそうだったので近距離戦に持ち込む択としては十分な性能だ。

 その他、低い姿勢から2段攻撃を仕掛ける「蛇連咬」、コマンド投げとなる「雁字搦」に派生可能だ。

【猛毒牙】
開幕から一気に近づいて攻撃できるほど素早くリーチも長い攻撃となっている。余程の距離じゃない限り何かしらの攻撃が届くため、遠距離で固めるか奇襲を仕掛けるかの2択を常に迫れるのも「A.K.I.」の強みと言えそうだ

 他にも、距離を詰める方法として必殺技「蛇軽功」が存在する。「悪鬼蛇行」は低姿勢でゆっくりと前進する技だが、「蛇軽功」は低姿勢になりながらもスッと素早く移動してくれる必殺技となっている。そしてこの技こそが「A.K.I.」の根幹を担う技だと筆者は感じている。

 「悪鬼蛇行」と同じく一部の攻撃をスカしながらも素早く相手に近づく事ができるため、中版の「蛇軽功」で相手の飛び道具に合わせて不意に近づいてコンボを狙ったり、弱版の「蛇軽功」がその場でグルっとするだけのフェイント技になっている事で相手の行動をかき乱す事もできる。

 強版の「蛇軽功」は隙が大きいものの、相手の背後まで移動できるため追い詰められた状況からの脱出や一気に有利な状況を作る事ができたりなど、弱・中・強を使い分ける事で様々なアプローチから近接コンボに繋げる事が可能となっていた。

 遠距離で「毒状態」を絡めた牽制戦をしてた所で唐突にヌルっと近づかれるのは相手からしたら脅威この上なく、その方法も背後まで周って来るのか無難に近づいてコンボなのか、見てから判断しようにもフェイントの可能性があったりと「A.K.I.」の間合いに入った時点でかなり苦しい択を押し付けられてしまう印象だ。

 対人戦で輝きそうな必殺技だが、筆者は今回CPU戦しか試せなかったため、読み合いにおけるこの必殺技の面白さを体感するできなかったのが本当に悔やまれる。ただそもそも移動技として優秀かつ「A.K.I.」の近距離性能を飛躍的に上げてくれる技となっていた事は実感できたため、キャラクター性の根幹を担っている技だという事は違いないと確信している。15分プレイしただけでは上手く活かせる気がしなかったが、上級者が立ち回りの中で的確に使う「蛇軽功」はとんでもない性能を発揮するだろうと今からワクワクしている。

【蛇軽功】
弱・中・強で移動距離や性能がガラッと変わるため読み合いの場面において非常に嫌な選択肢を押し付けることができる
遠距離線が得意で弾の撃ち合いにも有利そうって話をしてたのに、さらに他の択として避けながら奇襲してくるのはかなりいやらしい必殺技のレパートリーといえる

 そんな中で、今回近距離戦に持ち込むためにひたすら振りまくってた必殺技が「凶襲突」だ。この必殺技はお手軽かつ「蛇軽功」と合わせた際の択として非常に優秀な存在となっていた。

 「凶襲突」は相手に近づくようにジャンプしつつ、上空から連続で攻撃を行なう必殺技なのだが、内容が非常にてんこ盛りとなっている。まず、ジャンプする事でタイミングによっては相手の一部の攻撃を躱しながら攻撃する事ができる。遠距離戦をしているところから唐突に近距離戦に持ち込める技の選択肢として非常に優秀だ。

 さらに中段攻撃となっているため崩し技としても優秀かつ、出すボタンによって移動距離が変わる上、強版「凶襲突」がヒットした場合はそこから様々なコンボに繋げる事が可能となっている。「毒状態」から強版「凶襲突」に繋がれば「毒破裂」も絡んでとんでもないダメージが期待できるだろう。

 下から近づく「蛇軽功」、上から近づく「凶襲突」の存在で、中距離の読み合いはかなり難しく、近づこうにも多種多様すぎる牽制技もある事でそれも難しい。慣れてないプレイヤーには「蛇頭鞭」と「紫煙砲」と「凶襲突」を適度に振るだけでも脅威になりそうなほど、この技の奇襲性と使い勝手の良さは格別となっていた。

【凶襲突】
とりあえず遠距離でチクチクしながら隙を見てこの技を振るだけでもそれっぽく叩けてしまうぐらい使い勝手が良く、奇襲を迫る択が「蛇軽功」、「猛毒牙」、「凶襲突」と豊富なため受けづらい事この上ないだろう。強版「凶襲突」からコンボが繋がるため相手からしたら一番油断してはいけない技となる

 今回は時間制限もあったので、前情報を見て直感的に強力そうに感じた牽制技や必殺技を中心に試してきたのだが、この他にも近距離コンボの連係で有利が取れる「紫泡撤」や、切り返しやコンボの締めとしても優秀なスペシャルアーツ「死屍累々」と「紫煙裂爪」など、コンボを知る事で「A.K.I.」ならではの独自すぎる挙動が活かされる技も数多く存在していた。上手い人がプレイするとどうなってしまうのか今からワクワクしてしまう。

【紫泡撤】
眼の前に毒の泡を作り、即座にそれを割る近距離攻撃。連係やコンボで役に立つ

 試遊内では「蛇頭鞭」と「紫煙砲」による牽制&遠距離戦を軸に、近づかれたり画面端に追い込まれた時にはOD「蛇軽功」で攻撃を透かしながら逃げつつ、「凶襲突」やOD「蛇頭鞭」で隙を突いて一気に近づきモダンお手軽コンボを叩き込むプレイを徹底していた。こんなプレイでも戦えるかつ、「A.K.I.」が持つ中・遠距離の広い間合いでトリッキーに戦うスタイルと強みは存分に楽しむ事ができたので、非常にポテンシャルの高いキャラクターだったと言えるだろう。

 今までにない独自性が光るキャラクターとなっていたので、気になる人は是非「TGS2023」の試遊ベースに赴いて見てはいかがだろうか。