【特別企画】

「水星の魔女」の次に観たい「機動戦士ガンダムSEED」【夏休み特集】

“それでも守りたい世界があるんだ!”仕方なく戦うから不戦を志す心の成長を描くガンダムアニメ

【機動戦士ガンダムSEED】

放送時期:2002年10月~2003年9月(全50話)

 テレビアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」が7月2日に最終回を迎え、次に何を観るべきか悩むユーザーも多いかと思う。

 本誌では、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」からガンダム作品を観始めたユーザーを対象に、過去のガンダム作品に注目して次に観てほしいガンダムアニメを紹介する。

 本稿では2002年10月に放送されたアニメ「機動戦士ガンダムSEED」に注目して、大まかなストーリーや登場するガンダムを紹介し、おすすめポイントなどをお伝えする。

「機動戦士ガンダムSEED」とは

 「機動戦士ガンダムSEED」は、2002年10月から2003年9月にかけて全50話を放送したガンダム作品となり、主人公「キラ・ヤマト」を中心に物語が展開していく。

 ガンダム作品の特徴でもあるモビルスーツ(以下MS)によるバトルシーンは、多彩なオプションパーツで戦場の変化に対応する「ストライクガンダム」、圧倒的な火力、機動力を持って戦場を舞う「フリーダムガンダム」が活躍し迫力のあるシーンとなっている。

 また物語のシナリオにおいても、登場する豊富なキャラクターたちによるキラの様々な心や感情の変化も細かに描かれ、複雑に揺れるキラたちに目が離せない作品となっている。

「機動戦士ガンダムSEED」の主人公キラ・ヤマト

「機動戦士ガンダムSEED」のストーリー

 キラ・ヤマトは、“遺伝子調整によってあらかじめ強靱な肉体と優秀な頭脳を持った新人類”と言われる人種「コーディネイター」。中立国オーブのコロニー・ヘリオポリスで工学を専攻する学生で、友人のサイ、ミリアリア、トール、カズイの4人と一緒に学生生活を謳歌していたが、同コロニー内で極秘裏に開発されていた地球連合軍のガンダムに関しての情報が洩れ、ザフト軍の襲撃を受けてしまう。

友人のサイ・アーガイル
ミリアリア・ハウ
トール・ケーニヒ
カズイ・バスカーク

 その際に5機のガンダムの内4機が奪取されるが、残りの1機である「ストライクガンダム」にキラが搭乗し、襲撃を仕掛けてきたザフト軍を撃退する。その後「ストライクガンダム」を操作する際にOSを書き換えてしまった関係でキラしか操縦できなくなってしまったことから、地球連合軍の戦艦「アークエンジェル」に同行することになる。

地球連合軍の強襲機動特装艦「アークエンジェル」

 物語はここから始まり、地球連合軍で「ストライクガンダム」に搭乗して仲間を守る第1パート、戦争を止めるために戦う第2パートの2構成で物語が構築されており、第1パートと第2パートで戦う理由が変わっていたり、キラの心が少しずつ成長する様子を見ることができるのが注目ポイントとなる。

「ガンダムSEED」で登場するガンダムの紹介

 本作品に登場するMSや機体は、全50話を通して膨大な機体が登場する。ザフト軍は、量産型MS「ジン」、「ゲイツ」をはじめ、水中用の「グーン」や陸上用の「バクゥ」など環境に合わせた機体が数多く存在しており、地球連合軍は「スカイグラスパー」や「メビウス」などMSよりも戦闘機が多く登場する。

ザフト軍 量産型MS「ジン」
ザフト軍 地上用機体「バクゥ」
地球連合軍 戦闘機「スカイグラスパー」

 なお本作においてのガンダムは、「水星の魔女」のGUND-ARM(ガンドアーム)の略称のように、機体を起動時に表示される“General Unilateral Neuro–link Dispersive Autonomic Maneuver”の文字の頭文字「GUNDAM」からきた言葉で、地球連合軍とザフト軍で表示される文字に違いはあるが略称は同じとなる。(ちなみにザフト軍の場合は“GENERATION UNSUBDUED NUCLEAR DRIVE ASSAULT MODULE”の略称である。)

 本項目では、全ての機体を取り上げることは難しい上に長くなるため、主要なガンダムについて紹介していく。

ストライクガンダム

 地球連合軍が極秘裏に開発していた5機のガンダムの内の1機。スタンダードな中・近距離宇宙戦仕様「エールストライク」、実剣を装備した近接戦闘仕様「ソードストライク」、長距離砲を装備した砲撃戦仕様「ランチャーストライク」の3タイプのストライカーパックに換装することで様々な用途に対応できるオールマイティな機体。搭乗者はキラ・ヤマト。

 特殊な装甲「フェイズシフト装甲(以降PS装甲)」を内蔵しており、エネルギー消費を代償に実弾兵装による攻撃をはじく特性を付与することができる。なおPS装甲はエネルギーの消費が激しい欠点があり、エネルギーが切れると装甲を維持できなくなり機体色がグレーの単色になる「フェイズシフトダウン」が発生してしまう。

 なお本機体に装着するストライカーパックは戦闘機「スカイグラスパー」にも装着でき、アニメ作中ではランチャーパックを装着したスカイグラスパーなどを見ることができる。

型式GAT-X105「ストライクガンダム」
中・近距離宇宙戦仕様「エールストライク」
近接戦闘仕様「ソードストライク」
砲撃戦仕様「ランチャーストライク」

フリーダムガンダム

 物語終盤にキラが登場するザフト軍のガンダム。動力は従来のバッテリー方式ではなく、核エンジンである二ュートロンジャマーキャンセラーを内蔵しており、PS装甲の欠点であったエネルギー問題を解消している。背中にビーム砲、腰にレールガンと大口径兵器を二門ずつ装備し、複数の敵に対し全武装を一斉掃射するフルバースト攻撃が強力な機体である。

型式ZGMF-X10A「フリーダムガンダム」

「ガンダムSEED」おすすめポイント

 本アニメにおいて注目したいポイントは、キラたち各キャラクターの心の成長を描いた物語と、3種類のパックを戦場に合わせ換装する「ストライクガンダム」、圧倒的な戦闘力で戦場を舞う「フリーダムガンダム」による迫力のある戦闘シーンの2つだ。

 キラたちの心の成長については、序盤やむを得なしに戦う心優しいキラが、助けたかった命を助けられなかったシーン、自暴自棄に陥って友人を貶すシーン、友人を失い復讐に燃えるシーンなど様々な心情が描かれている中で、最終的には人を殺めずに戦争を止める決心をするまで成長したキラの一部始終を見届けることができる。またその中で、旧友のアスランの心情も描かれており、こちらも複雑な思いとそこから成長する様子が描かれ、2人の心が成長する過程を見ることができる。

第30話「閃光の刻」より
第19話「宿敵の牙」より
第31話「慟哭の空」より

 ガンダムによる戦闘シーンは、第1パートでは、3種類の換装形態を持った「ストライクガンダム」で適宜戦場にあわせたスタイルで戦い、友軍のスカイグラスパーより射出されたストライカーパックで戦闘中に換装するシーンは目が離せなくなる。第2パートでは、「フリーダムガンダム」が戦場を舞うシーンや、味方の窮地に上空より舞い降りるシーンなど、迫力・見ごたえのある映像となっている。

第5話「フェイズシフトダウン」より
第16話「燃える砂塵」より
第35話「舞い降りる剣」より

「ガンダムSEED」の続きやこれから

 「機動戦士ガンダムSEED」は一度2003年9月に最終回を迎え終了するが、物語の続編となる「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」が翌年2004年10月から2005年10月にかけて全50話で放送された。「ガンダムSEED DESTINY」を同じ「ガンダムSEED」シリーズとして考えると全100話の大ボリュームなアニメとなり、100話はガンダムアニメ作品史上最大話数となっている。

2004年10月から放送されたアニメ「ガンダムSEED DESTINY」

 「ガンダムSEED DESTINY」では、物語の序盤はオーブに住んでいた主人公シン・アスカが中心となり物語が進んでいくが、終盤になると前作のキラが物語の中心となっている。なおシンがザフトに所属する理由が「ガンダムSEED」で行なわれたオーブでの戦闘による被害によるものとなっていたり、第1話にてアスランが登場していたり、前作「ガンダムSEED」の続きになっていることが分かるようになっている。

「ガンダムSEED DESTINY」の主人公シン・アスカと搭乗機「ディスティニーガンダム」

 更に「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の最終回を迎えた7月2日には、「ガンダムSEED」シリーズの劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」が情報解禁され、1月26日上映開始となり約18年ごしの「ガンダムSEED」シリーズ新作発表が行なわれた。

2024年1月26日上映予定の「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」

 また本劇場版公開にあわせ、過去作品である「ガンダムSEED」、「ガンダムSEED DESTINY」の劇場上映が8月25日より行なわれる予定となっている。劇場の大スクリーンで迫力のある「ガンダムSEED」作品を体験してみたい人は、是非この機会を利用して欲しい。

 劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」が来年2024年1月に上映となり、再び熱気を感じさせる「ガンダムSEED」シリーズをこの機会に一度見てみてはどうだろうか。

【プライムビデオで視聴(dアニメストア for Prime Video)】