【特別企画】
ボクシングジムで「ジャストダンス2023」をやったらみんなで超盛り上がった話
会長&東洋太平洋チャンプは“エクササイズ”として太鼓判!
2023年3月17日 00:00
- 【ジャストダンス2023エディション】
- 【提供:ユービーアイソフト】
- 2022年11月22日 発売
- 価格:6,380円(税込)
ユービーアイソフトより発売中のプレイステーション 5/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch用ダンス「ジャストダンス2023エディション」。「ジャストダンス」シリーズは古くは2009年にWii用タイトルとしてリリースされて以来、年に1度前後のタイミングで新作がリリースされ続けている人気のダンスゲームシリーズだ。
ダンスゲームというと、リズム通りに正しく動かないと画面上でミスと表示されたり、ダンスが途中で終わってしまうようなイメージもあるが、「ジャストダンス2023エディション」ではダンスの正確さに関係なく、楽曲を最初から最後まで通してプレイできるのが特徴。さらには正確な動きができなくても、特にネガティブなメッセージが表示されない。ダンス初心者から上級者まで、とにかくみんなで楽しくダンスしよう!という感覚で楽しむダンスゲームとなっている。
今回「ジャストダンス2023エディション」をプレイするにあたって、気になっていたポイントが2つあった。1つは、本作が最大6人のマルチプレイに対応していること。1人でも楽しいは楽しいが、せっかくなら、なるべく多くのプレーヤーで同時にダンスして盛り上がりたいと思っていた。
そしてもう1つだが、ダンス=エクササイズのイメージもあることだ。つまり、街中などでよく見かけるフィットネスジムなどと比べてどのくらいの運動量なのだろう、というのがとても気になったのだ。そこで今回、ボクシングをベースとしたエクササイズを行なっているボクシングジム「TEAM10COUNT」にご協力いただくことができた。
「TEAM10COUNT」は、東急目黒線の西小山駅から徒歩45秒にあるボクシングジム。いつもはレッスンに通っている会員さんたちと一緒に「ジャストダンス2023エディション」を遊んでみてもらったのだが、これが予想以上に盛り上がった。一通りプレイして、ボクシングレッスンとの違いや運動量などについて聞こうと思っていたが、聞く隙間がないほどみなさんにウケが良かった。「ジャストダンス」の“みんなで踊るほど楽しくなる”というタイトルの良さが存分に出ていた取材となった。
さらにスペシャルゲストとして、同ジム所属の現役女子プロボクサーであり、第4代・5代OPBF東洋太平洋女子アトム級王者の松田恵里選手が我々と一緒にダンスで遊んでくれた。その様子も合わせてレポートしていきたい。
「TEAM10COUNT」は元OPBF東洋太平洋バンタム級チャンピオンの鳥海純氏が手掛けるボクシングレッスン中心のエクササイズジム。レッスンは、シャドーボクシングとサンドバッグ打ちを交互に行なう「MIX」や音楽に合わせてミット打ちを行なうエンジョイ系エクササイズ「フィールボックス」、音楽に合わせて筋トレとサンドバッグを打つ「アンダースロー」など。
ダイエットだけでなく、メンタルとフィジカルも鍛えられ、サンドバッグ打ちやミット叩きといったボクサーならではのメニューが魅力。東急目黒線の西小山駅から徒歩45秒と駅からも近いのも特徴だ。
第4代・5代OPBF東洋太平洋女子アトム級王者の松田恵里選手(左)と、「TEAM10COUNT」にてボクシングレッスンを指導する鳥海純会長(右)。ジム内には、鳥海会長のチャンピオンベルトや現役時代の写真、そして松田選手の写真なども飾られている。松田選手は現在、世界王者を目指して鍛錬しつつ、ジムでの指導にもあたっている。
ミスも気にせず勢いで手軽にダンスが楽しめる!
取材の様子に入る前に、まず今回プレイする「ジャストダンス2023エディション」について簡単に紹介していこう。前述の通り、シリーズ最大の特徴は「ダンスを楽しむ」ことに焦点があたっていること。動きの成功や失敗は関係なしに1曲を通してプレイできるし、最終的なスコアは、「より上手かった人を称える」くらいのニュアンスになっている。
ゲームの流れはシンプルだ。先ずはダンスしたい楽曲を選択する。すると楽曲に合わせてダンスのお手本を見せてくれる「コーチ」が登場するので、各プレーヤーはその中から1人を選択する。この時選択するコーチは重複しても構わないし、全員が別々のコーチを選んでもどちらでもOKだ。
するとゲーム開始後に、それぞれのコーチが画面上に登場。楽曲が始まれば、自分が決めたコーチのダンスに合わせて踊るだけ。今回はNintendo Switch版を使用したが、Nintendo Swtich版では、片方どちらかのJoy-Conを右手に持って踊るだけで動きや姿勢、リズム、ポーズなどが判定されていく。
なお本作はPS5版、Xbox Series X|S版が発売されているほか、コントローラーには手持ちのスマホが使用できる。iOSとAndroid向けに無料で配信されているアプリ「Just Dance 2023 Controller」をダウンロードし、本作と連動させることで、Joy-Conと同じような感覚でプレイできるようになる。
コーチの人数は楽曲に応じて変わるため、複数のプレーヤーで異なるコーチを選択すれば、それぞれダンスの内容が変化する。複数のプレーヤー同士の異なるダンスを交えた絡みなどもあるため、うまく決められれば盛り上がることは間違いなしだ。
前述通り、ここでたとえコーチの動きどおりに踊れなかったとしても特にペナルティはない。割とアバウトに体を動かしていてもそれなりにスコアが入るので、初めての人でも気持ちよくダンスが楽しめる。
もちろん本来の振り付けに近いダンスを達成できればできるほど、スコアは上がるようになっている。シリーズを初めてプレイする人やダンスが苦手な人から、ダンス上級者まで幅広い層が一緒に楽しめる作り、というわけだ。
また、楽曲についても最新ヒットチャートからの人気楽曲や、多くの人が耳にしたことがあるような往年のヒット曲なども収録している。また日本版向けにはスペシャルトラックとして、なにわ男子による楽曲「初心LOVE(うぶらぶ)」が収録されているほか、新曲追加を含む無料アップデートがゲーム発売日から12か月間実施される予定で、さらに過去作収録の楽曲などをプレイできるようになる有料サービス「Just Dance+」もあり、より多くの楽曲でダンスが楽しめる。
さらにダンスについてだが、これらも実はかなり凝っており、なんと楽曲ごとにプロのダンサーが振り付けを考えて決めているのだという。実際に筆者の遊んでみた感覚としては、とにかくダンスがハードだ。そのため、指示通りのものだけでかなり体を動かす必要が出てくる。
フルコーラス5分弱の楽曲を踊り終えた頃には体の芯から熱くなり、汗をかくレベルの運動量だった。特に普段体を動かす事のない筆者は1曲踊ったらしばらく動けなくなるレベルのハードさだが、これが他の人たちと一緒だと面白い。たとえば同じ振り付けで1人だけミスった時などは、笑いながら慌てて軌道修正するなど、一緒に踊っている人たちとの協調感が心地よかった。
なお、楽曲にはそれぞれ難易度が設定されているので、気楽に踊るなら低難度の楽曲を選択するのがいいだろう。ただし楽曲の難易度と運動量は比例しないため、簡単だからといって運動量が少ないとは限らない。シンプルな振りでハードな運動をする羽目になる場合もあるので、友達同士で遊ぶ場合などは、難易度は気にせずに全員が知ってる共通の楽曲で踊るのが盛り上がるポイントの1つと言えるだろう。
ダンスの楽しさにリピートが止まらない!
今回取材に参加してくれたのは、大熊有美さんと田中恵子さんという2人の女性と、長谷川健人さん、長谷川琴音さんの兄妹の合計4人。みなさん「TEAM10COUNT」の会員で、ここに松田選手と鳥海会長も加わってダンスしてくれるという。
どの会員のみなさんも絶賛レッスンに通い続ける現役メンバーだが、会員になったきっかけはそれぞれ違う。大熊さんは最初はダイエット目的だったものの、「ミット打ちのいい音が快感」となって、ダイエット達成後も続けているという。
田中さんは元々運動に興味があったところ、他の会員に誘われて入会。体を動かすことで気持ちよく汗をかけるし、音楽をかけながら体を動かすのがストレス解消にも繋がるという。
また、長谷川健人さんは小学生4年生ながら、ストレス解消が目的で入会したそう。そのうちにボクシングのカッコよさなどの魅力に気が付き、現在では選手を目指して日々トレーニングに励んでいるという。妹の琴音さんも最初はお兄さんと一緒にいたくて始めたが、今ではボクシングレッスンが楽しくなって通っている。
そんなメンバーだが、長谷川兄妹を除いて、取材時点では鳥海会長や松田選手も含めてNintendo Switchにはあまり親しんでいなかった。そこでダンス自体は右手にJoy-Conを持ってコーチの動きに合わせるだけ、曲の選択などのメニュー画面ではスティックとボタン操作が必要になることなどを簡単に伝えて、さっそくプレイしてもらうことにした。
まずは田中さんと大熊さん、松田選手の3人で「ジャストダンス2023エディション」のオリジナル楽曲「If You Wanna Party」からトライしてもらった。ゲーム開始直後は緊張などもあってか戸惑う場面も見られたが、リラックスしてくるとすぐにゲームの仕組みを理解して、段々とリズムよく体を動かして元気に踊るように。最後には3人それぞれ異なるポーズで決める場面も見られた。プレイを始めてからは一切サポートしていないが、存分に本作を楽しんでいるようだった。
ダンス中の様子を見ていても、各自がコーチの動きをチェックしつつも、動きはキビキビとダンスを楽しんでいる様子が見られた。「ジャストダンス」では、同じ振り付けが1つの楽曲の中で繰り返されることが多くある。最初の1周目では間違えていた振りなどは、3人とも2周目以降でしっかり修正していて、さすがといったところ。よりアゲアゲになったスコア判定の表示を見て、ますます盛り上がりを見せていた。
感覚を掴んだようなので、今度は健人さんと琴音さん、鳥海会長も混ざり、6人全員でBTS(防弾少年団)の「Dynamite」にもトライしてもらった。健人さんと琴音さんの理解はさらに早く、あっという間にダンスのコツを掴んでおり、かなり軽快なダンスを披露して場を盛り上げた。
3人のときよりも、6人でダンスをしているとその笑い声はさらに盛り上がりを見せる。「Dynamite」は知名度の高い楽曲だったこともあり、全員のダンスのキレもかなりのものとなっていた。そんな中でも特に松田選手の動きは段違いだ。ステップのスピードや腕の動きのキレの良さは、流石の東洋太平洋チャンプだ。
その後は、しばらくフリータイムということで、自由に「ジャストダンス2023エディション」をプレイしてもらった。どこかの休憩のタイミングで話を伺おうと思っていたものの、みなさんは次々と楽曲を入れてはダンスを続けていく。続けるほどにかなりの運動量になっているはずだが、これが全く止まらない。そこで、こちらから休憩を提案してようやく一息入れたほど。
話を聞いてみると、「楽しい」という言葉が最初に出てくる。普段のエクササイズに比べれば運動量的には余裕があるとのことで、心配はまったく無用だったようだ。一方で、「ジャストダンス」ならではの楽しさがあり、「まだもうちょっとやりたいなって気分です」との言葉が聞こえてきた。実際のところ、かなり気に入ってもらえたようだ。
エクササイズとの共通点が多い「ジャストダンス2023エディション」
ここで松田選手と鳥海会長にプロの視点から見た「ジャストダンス2023エディション」の感触などを色々と話を聞いてみた。
松田選手のプレイ中に気になっていたのは、BTSの「Dynamite」のスコアが非常に高かったことだ。本来の振り付けに近い高難易度版(エクストリーム)をぱっと踊っていたので聞いてみると、「この曲は以前(鳥海)会長と一緒に2人でインスタで踊って撮ったんですよ。その時のフリを覚えていたからですね」と笑顔を見せた。鳥海会長も「確かにその時はかなり覚えていて、踊れていたんですけど、今踊ろうとしたら全く覚えてなかった!」と真顔でいうので思わず笑ってしまった。
松田選手は、こうしたダンスの振りを覚えたりするのも大好きという。「実際にこうしたダンスの動きをボクシングに取り入れていけたら」と話す松田選手のダンスを間近で見ていたが、同じ曲を2度プレイすると、もう振り付けそのものは完璧になっている。すぐに自分の物として取り入れて高スコアを記録していた。これが東洋太平洋チャンプの実力かと改めて実感させられた。
鳥海会長には「ジャストダンス」がエクササイズとしてどうかを聞いてみたところ、「ボクシングベースのエクササイズも、最初はトレーナーたちの動きをみんなに真似してもらうところから始まります。そこがとても似ていますし、応用の仕方次第ではジムでのレッスンにも使えるかもしれませんね」と答えてくれた。
では、自宅でやるエクササイズとしてはどうだろうか。「ダンスの振りをしっかりやれば、かなりの運動量になりますね。それこそ、家を出てまで運動したくない、という人にはもってこいのゲームではないでしょうか。『ジャストダンス』をガッチリ踊りきれるのであれば、どんなスポーツクラブや、ジムに行っても恥をかくことはないと思いますよ」と太鼓判だ。
ちなみにQueenの「Don't Stop Me Now」などでは、ボクシングのような振り付けも登場する。ダンス風景としては「ジャストダンス」的ボクシングレッスンのようでもあり、「ジャストダンス」とボクシングという一見異なるものが、実は隣合わせにあることがよくわかった。
ここまで2人がボクシングでのエクササイズと「ジャストダンス2023エディション」との共通点が多いと語るので、実際にレッスンを見せてもらう事にした。会長が「やるよー!」と声をかけると、これまでにこやかにダンスしていたみなさんの表情が真剣になる。そして各人が位置につくと、会長がポータブルスピーカーを設置して音楽をかけ始める。掛け声とともに音楽に合わせていよいよレッスンがスタート!
その様子を見て、「なるほど」と思った。鳥海会長の掛け声の有無こそ異なるが、ダンサブルな音楽に合わせてボクシングの動きを見せる会員さんたちの動きはもう正に「ジャストダンス2023エディション」そのままだ! 勿論ボクシングの動きが中心のエクササイズと、全身でダンスする「ジャストダンス2023エディション」とでは印象は異なるが、「コーチの振りを真似て」「音楽に合わせて体を動かす」という点で、やっていることの本質はそれほど変わらない。
そしてボクシングでのエクササイズは後半がかなりハードだ。後半になるにつれ、鳥海会長の声のピッチも上がっていく。疲労を見せる会員さんたちは段々と言葉数が減る人もいれば、逆に顔が段々と楽しそうになっていく人もいる。1セットを終えた会員のみなさんは、口では厳しかったと語り合いながらも、充実感が感じられるいい表情を見せていた。
自宅トレーニングは「ジャストダンス2023エディション」、外ではボクシングでのエクササイズ!
以上、「ジャストダンス2023エディション」と「TEAM10COUNT」のボクシングレッスンという一見すると真逆のような2つの異種格闘技戦を一緒にやってみたら思いのほか同じだったという、書いている筆者自身が1番驚く不思議な展開となった。
今回、多くの人たちと一緒に踊りまくる事で「ジャストダンス2023エディション」は、友達同士で集まってワイワイやるのが楽しいことが改めて理解できた。その上で、高スコアを狙うくらいの真剣さで臨むことで、プロたちも太鼓判を押すくらいの運動量が得られるという新たな知見を得られた。パーティにもエクササイズにも向いた、まさに一挙両得なタイトルということだろう。
さらに本作は、シーズンアップデートを順次実施している。今後も新たな楽曲が追加される予定となっており、ゲームとしての幅は広がり続けている。どのような楽曲とダンスが追加されるのか、こちらも楽しみだ。
身体は動かしたいが、ジムに通ったりするのが面倒と思っている人は、まずは「ジャストダンス2023エディション」で好みの楽曲を使ったダンスを楽しみながら極めてみてはどうだろうか。これをガッツリやりこむ事が自信にも繋がり、もしさらなる興味が出てきたら、「TEAM10COUNT」のようなジムで、「リアルにミットを打つ快感」に手を伸ばしてみてもいいと思う。
最後に、現役王者の松田選手のエピソードにも触れておきたい。体を動かす事が好きだと語る松田選手だが、元々はプロでやるつもりはなかったそうだ。偶然、松田選手がジムを訪れてその動きを見たところ、鳥海会長がその才能にべた惚れ。どうにか選手として育て上げられないかと、エクササイズのレッスンを通してどうにか選手として育て上げられないかと説得したという。
鳥海会長はその時の衝撃を「15年に1人の逸材」と評する。具体的には、「様々な動きを、やってみせたらすぐできる」のだという。ダンスの振りについても覚えるのが異様に速いと思ってはいたが、これは松田選手ならではの才能だったようだ。そして鳥海会長いわく、覚えの速さに加えて、ステップやパンチなどのあらゆる動きがしなやかで、まるで男子のボクシングを見ているような動きなのだという。
現在、鳥海会長は、松田選手に世界を獲らせるのが1番の目標だという。現場では常に明るく元気でかわいらしい表情を見せていた松田選手だが、実は2022年2月に世界戦に挑み、ここで初黒星を喫してしまっているのだ。そのため、現在はOPBF東洋太平洋女子アトム級王者だが、近い将来、再度世界戦を目指して、牙を研いでいる状況だ。
鳥海会長の期待があまりにも高すぎるあまり、強く言いすぎてしまう事もあり、1度ガチの大ゲンカが発生した事もあったというが、現在は2人で足並み揃えて、あと1歩まで届きかけている世界チャンピオンを目指しているという。「ジャストダンス2023エディション」での取材を通して生まれた縁だが、素人の筆者から見ても松田選手の動きは確かに凄かった。「ジャストダンス」と合わせて、松田選手の今後にもぜひ注目しておきたい。
©2022 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Just Dance, Ubisoft, and the Ubisoft
logo are registered or unregistered trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries.