【特別企画】

アニメの世界をどっぷり"体感"できる! 「サイバーパンク エッジランナーズ」をより楽しむための「サイバーパンク2077」ガイド

【サイバーパンク2077】

2020年12月10日発売

価格:7,370円(税込)より

CEROレーティング:Z(18才以上のみ対象)

 Netflixのアニメ「サイバーパンク エッジランナーズ」が人気である。本作はCD Projekt REDのRPG「サイバーパンク2077」の世界を舞台に描かれる「もう1つの物語」である。ゲームの重厚な世界観を活用しながらも、アニメ制作会社TRIGGERならではの強みを活かしたド派手でスピーディーなストーリーが展開する。

 ゲームとアニメ、ポーランドのCD Projekt REDと日本のTRIGGER。それぞれが表現に強いこだわりを持つクリエイター達だからこそ「サイバーパンク エッジランナーズ」が生み出されるのには脚本を決めるのに2年もの調整にかかったという。特に弊誌のインタビューでも触れられたアニメの主要人物であるかわいらしい女性キャラクター「レベッカ」のデザインについてのやりとりは話題を集めた。アニメではレベッカはとても魅力的に描かれ、Twitterなどでファンアートも多い。

 「サイバーパンク エッジランナーズ」の魅力の1つが"ゲームの舞台であるナイトシティの緻密な描写"である。街の住人や町並みはもちろん、サイバーパンク達が活躍する世界や、緊急時に駆けつける武装救護隊「トラウマチーム」といった社会システムまでしっかり描写しており、ゲームをプレイしていた人に「もう一度ナイトシティに戻り、アニメの登場人物と同じ目線で風景を見たい」と強烈に思わせるのだ。

 本稿ではアニメ「サイバーパンク エッジランナーズ」を見た人が「サイバーパンク2077」をプレイすることで、アニメの世界を追体験することをテーマにしたい。アニメで重要な役割を果たすサイバーパーツ「サンデヴィスタン」を体験したり、アニメの中の場所を訪れる"聖地巡礼"をしたりゲームの中でアニメの要素を探してみたい。

【『サイバーパンク: エッジランナーズ』予告編 - Netflix】

アニメと世界が繋がる濃密なストーリーが体験できるゲーム序盤

 「サイバーパンク2077」はアニメ「サイバーパンク エッジランナーズ」と同じ世界を扱ったRPGである。プレーヤーは駆け出しのV(ヴィー)というサイバーパンクだ。クロームと呼ばれるサイバーパーツを体に組み込むことで、人間を越える筋力やより反応速度が上がる神経を使って巧みに武器を操り、手に触れずにコンピューターなどの機器を遠隔操作、敵対するサイバーパンクの神経を視線を交わしただけで焼き切るような能力を獲得する。

 サイバーパンクはこういった拡張された能力を使って様々な依頼をこなすプロフェッショナルだ。物語の舞台「ナイトシティ」はアメリカのカリフォルニア州にある街だが、国家は崩壊し日本企業アラサカを頂点とした企業に支配されている。格差は大きく多くの人が貧困にあえいでいる。様々な場所がギャングの支配下にあり、NCPD(警察)の目は届かない。サイバーパンクは様々な思惑が渦巻くナイトシティで、フィクサー(手配師)から仕事を請け負い、企業やギャング、一般人の依頼をこなしていく。

 ゲームの序盤であるACT1では、街を自由に移動できないストーリー要素の濃い展開となる。ACT1を通じて、プレーヤーは「サイバーパンク2077」の世界の”ルール”を学んでいくこととなる。その要素には「サイバーパンク エッジランナーズ」とも共通するものも多く、プレーヤーは様々な場所で「これ、アニメの中で見たことある!」となるだろう。

「サイバーパンク エッジランナーズ」では仲間を得て様々な仕事をこなしていく
ゲームでは心強い相棒のジャッキーがいる
ゲームの主人公Vは性別を女性にすることも可能。外見も細かく設定できる

 ゲームの主人公であるV(ヴィー)は、性別もプレーヤーが選択でき、外見もかなり自由度が高いカスタマイズが可能だ。本作はストーリーが大きな魅力であり、アニメから入ってきた人も、プレイしていくことで「サイバーパンク2077」にどっぷりのめり込んでいく。

 Vは駆け出しではあるが、拡張された能力と、手にした武器によって様々な依頼をこなしていく「サイバーパンク」として相棒のジャッキーと共にいつか成り上がろうと日々を過ごしていた。そんな彼等に大物のフィクサー・デクスターにより、仕事の依頼が舞い込んでくる。それは待ちを牛耳る日本企業・アラサカの秘密に深く関わるある"チップ"を巡るものだった。このチップがVの運命を大きく変えていくこととなる……。

契約者の元に急行する武装救護隊「トラウマチーム」
街の有名なフィクサーが仕事を依頼してくる
ネットランナーのバックアップを受けて仕事を進める

 チュートリアルも兼ねた序盤のミッションに登場する「特別契約者の危機を感知することで現場に急行する武装集団・トラウマチーム」は、「サイバーパンク エッジランナーズ」で契約者のみを救護し、主人公デイビッドと母親を見捨てるシーンで印象的なシステムだ。"メジャーになりたい"という上昇志向を持つジャッキーは、アニメ中盤の皆を率いるリーダー・メインと重なる。

 また通信やシステムを通じてV達をバックアップする「ネットランナー」と連携して仕事をこなしたり、怪しげなフィクサーと腹の探り合いをしながら物事を交渉したり、ギャングの巣窟へ仕事をこなすため突っ込んでいったりと、アニメでの「サイバーパンクの仕事の姿」に重なる場面も多い。ゲームのACT1だけでも「サイバーパンク エッジランナーズ」との濃い関係性が見つけられ楽しくなってしまうだろう。なによりアニメと同じ舞台で全く別な物語が展開するこの楽しさを感じて欲しい。

 ACT2からはナイトシティを自由に歩き回ることができる。アニメでの舞台となった実際の土地を訪れロケ地を探すのをアニメファンは"聖地巡礼"というが、アニメと同じナイトシティを舞台とした「サイバーパンク2077」では、ゲームの中でアニメの各シーンのロケーションを回ることができるのだ。

 アニメは開発中のゲームで"ロケハン"が行われており、ドライブシーンの道筋や、仲間との集会場などゲームの中に実際にある場所がアニメで取り入れられている。次章ではゲームでアニメの舞台を追いかけてみよう。

ナイトシティでサイバーパンク達憧れのバー「アフターライフ」。アニメでもこのバーは登場する
アニメの世界に自分がいるような感覚。ゲームとアニメの相互作用で没入感はさらに高まる
ACT1を経て、Vの物語は本格的に幕を開ける

デイビッド達の足跡をたどる聖地巡礼、ジャケットが入手できるサイドジョブ

 「サイバーパンク2077」のACT2からはプレーヤーは自由に動けるようになる。それではいよいよ、聖地巡礼をしていこう。「サイバーパンク エッジランナーズ」の人気を受けて、アニメの中で使われたロケーションを紹介しているファンページも多い。様々な情報からゲームの中でアニメの主人公・デイビッドの足跡をたどってみるのも良いだろう。

 聖地巡礼の時にオススメなのがそのものズバリ「エッジの向こう側」というサイドジョブ。「サイバーパンク エッジランナーズ」をテーマとしたサイドジョブで、アロヨ南の「H4メガビルディング」のゴミ箱に捨ててあるBD(ブレインダンス)を見ることでスタートする。このサイドジョブを進めることでアニメでも印象的だった、デイビッドのジャケットを着ることができる。

【エッジの向こう側】
デイビッドが住んでいたビルでジョブがスタートする
BDを拾うとアニメの冒頭を見ることができる。デイビッドが見ていたBDと同じものだろう
ジョブを進めることでデイビッドのジャケットを入手できる

 このBDを拾える場所こそデイビッドが母親と住んでいた場所だ。このビルの建つ「サントドミンゴ」は、北西のアロヨ地区が工業地帯、南東のランチョ コロナドが住宅街になっている。この住宅街はボロボロで、サントドミンゴの生活水準がわかる。この貧しい地域から脱するために、デイビッドの母親は無理をして息子をアラサカの学校に通わせていたのだ。

 デイビッドが通っていたアラサカの学校はゲーム内では確認できないが、シティセンターの中央である「コーポプラザ」にそびえ立つ、アラサカタワー内にあるようだ。アラサカタワーはこの街を牛耳る権力の象徴であり、ゲームのストーリーでも印象的な場所だ。ダウンタウンはデイビッドの通学風景でも見覚えがあるロケーションが登場する。

【デイビッドの住んでいたビル】
アロヨ地区のメガビルディングにデイビッドは住んでいた。今このビルは入ることができない
【アラサカタワー】
ゲームでもアニメでも非常に重要なアラサカタワー。デイビッドの学校もビル内にあったようだ

 デイビッドにサンデヴィスタンを埋め込み、その後も様々な世話を焼くリパードクはデイビッドの自宅近くで開業していたが、今は違う医者が仕事をしているようだ。「サイバーパンク エッジランナーズ」はゲームよりもほんの少し前の世界である。サイバーパンク達が集まるバー「アフターライフ」では、デイビッドの名前を冠するカクテルを飲むことも可能だ。

 デイビッドは謎めいたネットランナー・ルーシーと彼女の仲間であるメイン率いるサイバーパンクチームに加わり新たな人生を歩んでいく。一仕事追えたチームが酒を飲む場所はウエストブルック地区のジャパンタウンの北西にある。また、フラッシュバック的な回想シーンで登場する仕事の数々は「サイバーパンク2077」のACT1の場面と重なるシーンも多く、ゲームをプレイすると気がつくシーンも多いだろう。

 また、「サイバーパンク エッジランナーズ」で人気キャラクターのレベッカだが、「サイバーパンク2077」では彼女の銃を入手できる。その場所はアラサカタワー近くのメモリアルパーク。なぜここに彼女の銃があるか……これはアニメを見た人ならばわかるだろう。グッと来る演出である。

【リパードク】
怪しげな男だったが、何かとデイビッドの世話を焼いていたリパードクの仕事場。今は別の医者がいる
【レベッカの銃】
レベッカの銃はアラサカタワーの前のメモリアルパークに落ちている……

 他にもルーシーやレベッカが拠点としていた場所や、物語で描かれたルートなど、ゲーム内の地形がアニメでそのまま再現されているのがわかる。また、電脳街のカブキや、怪しげなマーケットがあるウェルスプリングス、ギャングが支配するかつての観光地コーストビューなどゲームでは他にも多数の印象的な場所が存在する。

【デイビッドの初仕事】
メインにテストとして請け負った仕事でのバー。レベッカが運転手をここに足止めした
【打ち上げ場所】
仕事を終えたメインが仲間達と祝杯を挙げた場所
【ジョギングの場所】
ネットランナーでも体は大事。デイビッドとルーシーがジョギングした場所

 次ページではより個性的なサイバーパンクとなり、ナイトシティの"住人"となれるやりこみ要素を紹介していきたい。デイビッドと同じサイバーパーツ「サンデヴィスタン」をその身に装着することも可能なのだ!