【特別企画】

サービス開始から20年以上続く、「リネージュ」シリーズ最新作「リネージュW」をいち早くプレイ!

世界の広がりやプレーヤーの多様性にスケールの大きさを体感

【リネージュW】

11月4日 配信開始

プラットフォーム:iOS、Android、PC(PURPLE)

利用料金:基本無料(アイテム課金制)

 1998年にサービスを開始し、以降20年以上にわたり運営が続けられている「リネージュ」シリーズ。その最新作となるタイトルが、11月4日にiOS/Android/PC向けにリリースされた、ダークファンタジー系MMORPG「リネージュW」だ。プレーヤーは、PC版「リネージュ」から150年後となるアデン大陸を舞台として、「君主」、「騎士」、「魔術師」、「エルフ」という4つのクラスから1つを選び、それぞれの立場からの物語を体験していくことになる。今回、リリースと同時にプレイしてみたので、そのファーストインプレッションをお届けしよう。

【【リネージュW】 リリース記念トレーラー】

 シリーズの原点となるのは、1998年にサービススタートとなった「リネージュ」。2Dが主流だった時代にクォータービューを採用したことで要求するPCスペックが高かったものの、当時としてはハイスペックなグラフィックなどが話題を呼んだ作品だ。その後、2004年には後継作品として「リネージュ2」が配信され、どちらも人気を博すこととなる。

 今回配信が始まった「リネージュW」は、1作目の流れを汲みながらもグローバル展開を見込んで開発された作品だ。全世界のプレーヤーが1つのワールドに集いつつ、円滑なコミュニケーションが図れるような仕組みが設けられているので、これまで以上にワールドワイドな冒険を楽しむことができる。映像面でも力が入れられており、美しいフル3Dグラフィックとクォータービューを採用している。事前から盛り上がっていたこともあり、サービスイン直後は混乱もあったようだが、幸いにして筆者は巻き込まれることなくスムーズにゲームを始めることができている。

 今回は、タブレット「iPad mini(6th Generation)」を使用してプレイしてみた。スマートフォン「iPhone 6s Plus」にも本作をインストールし画面を比較した。スマートフォンでは、キャラクターや文字情報が非常に小さく表示されるため、せっかくの演出もこぢんまりとしてしまい、もったいないという印象に。できれば、8インチ以上の画面サイズがあるタブレット端末で遊ぶのがオススメだ。NCSOFT独自のクロスプラットフォーム「PURPLE」を通じて、PCからさらなる大画面でプレイすることもできる。

「iPad mini(6th Generation)」(写真左)と「iPhone 6s Plus」(写真右)での画面比較

 ログインしたプレーヤーが最初にすることは、クラスの選択だ。「君主」、「騎士」、「魔術師」、「エルフ」から1つを選んで名前を入力すれば、それぞれのプロローグが語られた後に各種説明が行われつつゲームが進行していく。ちなみに今回は、好みの職業ということで魔術師を選択してみた。なお、名前は早い者勝ちとなっているので、始めるのが遅くなるほど選択肢が減ってしまうのには注意したいところだ。その後に性別を選ぶと、いよいよデビューとなる。

ダークファンタジーな世界観のなかで物語が進んでいく。選んだクラスごとに、さまざまな闇深い過去を秘めているため、そのシチュエーションには驚かされるだろう。流れる映像は非常に美しいが、ヘビーなものも多いので、視聴には注意が必要かもしれない。セリフはフルボイスなので、迫力も十二分。
キャラメイク時に選択できるのは名前と性別のみ。ビジュアルはムービーなどで登場してきたキャラクターそのものだ
通常の移動は、左下の操作パッドを使うか、または行きたい場所をタップする。攻撃は右下の攻撃ボタンをタップすれば行えるが、例えば主人公の師匠エクシードのように魔法などのスキルを装備している場合は、アイコンをタップすることでスキルが発動可能だ。

 プロローグ終了後に“話せる島の村”と呼ばれる場所の騎士団訓練場に到着したプレーヤーだが、現在は村人の失踪事件が相次いでいることを耳にし、その手助けを行うこととなる。右も左も分からない場所に1人で放り出されるのかと思いきや、道中は騎士団魔術師の「アリッサ」が同行してくれるということで、一安心。

 なお、画面下にはリアルタイムチャットが刻々と流れてくる。何も設定していなければ各国の言語で表示されるが、AI翻訳を設定しておけば自動で日本語に変換してくれるため即座に内容が判別できる。さらに、喋った言葉を自動でテキストに変換してくれる「Voice to text」機能も搭載しているので、キーボードでの入力が苦手という人でもチャットを楽しめるのだ。これなら、“今までチャットは疎遠だった”という人でも盛り上がれるだろう。

ここに集合しているキャラクターたちは、同じくらいのタイミングで始めた同期の者(?)となる。見えている名前から類推するに、韓国&台湾プレーヤーの割合が多いようだ。
画面下には、逐一チャットが表示される。ワールドワイドで展開されているということもあり、映し出される言語はさまざま。AI翻訳をオンにすると、リアルタイムで翻訳された文章が流れるようになるので、安心して会話を楽しもう。

 ここからは、クエストに合わせてさまざまな場所に移動して話を聞きつつ、ダンジョンを探索し目の前に掲げられた目的を1つずつクリアしていくこととなる。右上には地図が表示されているので、それを見ながら歩き回るのもいいのだが、キャラクターステータスが表示されている真下に次の行動が逐一表示されるので、そこをタップすれば迷うことなく目的地へと向かえるのが非常に便利。

 ただ、ゲーム開始直後は次から次へとシステム要素が紹介されていくので、すべてを理解して進むのは大変かもしれない。もう少しスローペースで教えてくれるといいのだが、そのあたりは慣れていくしかなさそうだ。

このクエストでは、スケルトンを8体倒す必要がある。戦闘は、ワンタップでオートバトルが発動。ターゲットとなる敵には赤枠がつくので、キャラクターが多数出現しても分かりづらくなることはない。
自動使用リストに回復薬を登録すれば、HPが少なくなったときに自動的に使ってくれるのだが、その加減などの細かな部分はプレーヤーが任意に設定可能だ。自分好みに調整して、ベストの状態で戦闘に望みたい。
クエストの会話中に敵が襲ってくることもある。一連のテキストを表示し終えるまでは反撃ができないので、こうならないよう注意したい。この写真を撮影後に倒されてしまい、やり直しとなった(笑)。
プレイ中には、このように選択肢が表示されることもある。どちらを選ぶかで、相手の反応も変わる!?

 こうしてクエストをひとつずつクリアしていくことで、徐々に物語が進んでいくようになっている。レベル25くらいまでの戦闘は基本的にセミオートで問題なく、体力回復剤を切らしたりしなければ片手間にプレイしていても大丈夫なのはありがたい。ただし、今回選択した魔法使いの場合はMPがなくなると杖で殴りにいってしまうため、せっかくの体力回復剤を無駄遣いしてしまうこともしばしば。そのような事態を避けるためにも、時々はチェックしておく必要があるだろう。

 ある程度ゲームが進むと、依頼掲示板から任意のクエストを引き受けることもできるようになるので、そうなればさらに行動範囲も広がっていく。広大な世界なので、どこへ行けばクエスト対象の敵がいるのかが分からない場合は、クエスト画面から足跡マークをタップすることで目的の場所へと自動で向かってくれるのだ。これも非常に便利で、実際に何度もお世話になった。もちろん、アデナに余裕があるならばワープしてしまう方が早いが……。

 なお、話せる島を出てグルーディオ領地に到着すると、ここから先はストーリーを追うにもキャラクターの強化が求められる。生半可なステータスでは返り討ちに遭ってしまうので、クエストを重ねて資金を稼ぐなどし、キャラクターをしっかり成長させておく必要があったことは伝えておきたい。

各種クエストは、依頼掲示板に掲出される。依頼内容のタイムリミットは29時までとなっているので、引き受けた時はそれまでに終わらせよう。ただし、達成できなかったからといってもペナルティがあるわけではなかった。
地図上では、メインクエストで行くべき場所は巻物で、依頼掲示板から請け負った件については赤い勲章で表示される。掲示板でクエスト遂行地域確認を行い、足跡マークをタップすることで自動的にその場所へと移動する。アデナに余裕があるなら、アデナを使用してテレポートすることも可能だ。
ちなみに、死亡してしまうと近くの街から再スタートとなってしまう。目的地が離れていると、再びそこへ辿り着くまでに時間がかかるので、常に体力回復剤の残り数には気を配りたい。
マップで地名をタップすると、そこにいるNPC一覧が表示される。続けて人物名をタップすれば存在場所がマップ上に示されるので、買い物で迷うことはない。案内ボタンをタップすることで、自分で操作しなくてもそこへ移動してくれるという親切な機能も。アデナに余裕があれば、テレポートという手もアリ。
出会ったばかりの商人から買えるのは初期設定アイテムのみだが、何度もやりとりを繰り返したり、プレゼントを贈って「友好度」を上げることで、新たなアイテムなどを販売してくれるようになる。
モンスターへの変身や武器のエンチャントといった、「リネージュ」でお馴染みの要素も、もちろん盛り込まれている。当時プレイしていたプレーヤーにとっては懐かしく、初めてシリーズ作をプレイする人には新鮮に感じられるだろう。

数ヶ月で遊び尽くすのは不可能なスケールの大きさを感じた「リネージュW」

 配信開始直後の混み合う期間にプレイしてみたが、これといった処理の重さは感じず、非常に快適に遊ぶことができた。ストーリーもまだまだ序盤だが、雰囲気的には漫画「ベルセルク」のような纏わりつく重さが感じられ、ダークファンタジー好きな筆者としては先の展開が非常に楽しみとなっている。これからさらにゲームが進めば攻城戦のような要素も登場してくるため、仲間と協力するシチュエーションも増えてくるだろう。

 気になったのは、操作パッドは360度自由に動くもののキャラクターは8方向にしか移動できないため、今ひとつスムーズにキャラを動かせなかった点。ここは、将来のアップデートで何らかの改良があることを期待したい。また、HPなどはログインしていないと回復しないようなので、「HPが減ったからログアウトして他のゲームを遊んでいる間に回復させよう」というわけにはいかないようだ。

時間経過でステータスを回復させる場合は、ログインし続ける必要がある。端末が1台だと、手持ち無沙汰になってしまうことも。

 総じて、ストーリーだけでなくマップや全世界のプレーヤーが集まってプレイするなど、ログイン中はとにかくスケールの大きさを感じさせられっぱなしだった。できることが多く飽きるという要素も見当たらないので、一度始めたら長い付き合いになることは間違いなさそう。むしろ、時間を持って行かれることは確実なので、ある程度覚悟を決めてプレイするのが正しいのかもしれない。