【特別企画】
骨太なRTSがPS5/Xbox Series S|Xで遊べる!「アイアンハーベスト コンプリートエディション」プレイレポート
ディーゼルパンクな世界観で戦うストイックな対戦RTS
2021年10月27日 18:00
- 10月28日 発売予定
- 価格:6,930円(税込)
EXNOAが運営するDMM GAMESから、 10月28日にプレイステーション 5/Xbox Series S|X用ディーゼルパンクRTS「アイアンハーベスト コンプリートエディション」が発売される。価格は6,930円(税込)。
本作は、第一次世界対戦終結直後の、戦争の爪痕からまだ復興できていない1920年代のヨーロッパが舞台。現実世界の科学技術とは別に、ディーゼルを使用した巨大ロボットの技術が発展したディーゼルパンクな世界観になっている。オフラインでは1人プレイ専用、オンラインでは最大6人でプレイできる。
人々はボルトアクションライフルやショットガン、手榴弾など現実世界の科学技術で生まれた武器を使いながら、巨大ロボット(本世界では“メック”と呼ぶ)に乗り込んで戦う。依然争いの火は消えることなく、各国家が争い合っているのだ。
本作はそんな世界を舞台にしたRTS(リアルタイムストラテジー)作品だ。プレーヤースキルが如実に反映されるストイックなゲーム。だからこそ負けると悔しいし、自分が上手くなって勝てるようになるのが面白い。本稿では、そんな本作の魅力に迫っていきたいと思う。
役割が変化する「歩兵」と超強力「メック」が活躍
本作における「メック」は、現実世界における歩兵と戦車のような関係をイメージしてもらうのがわかりやすいだろう。メックは足の生えた戦車のような格好をしていて、様々な種類がある。マシンガンを持っているメック、火炎放射器を持っているメックといった具合だ。
メックは歩兵に比べると段違いに打たれ強い。ただし背面は弱かったりするなど、歩兵でも手榴弾を投げることで大ダメージを与えることができる。しかし、それでもかなり手強い相手であり、味方につければこれ以上ないほど強力になる。
最初は歩兵の数ユニットだけで少しずつ攻略していって、拠点を獲得するなどでユニットを増強。その先でメックを鹵獲するなどして戦力を一気に上げて、敵勢力に畳み掛けていく。こうした戦闘が、本作の大きな流れだ。
ゲームは、歩兵ユニットが基本となっている。歩兵ユニットは数人がグループになっていて、それぞれマシンガンや手榴弾など、戦場で拾う装備によって見た目も性能も変化する。変化のひとつには「エンジニア」があり、地雷の設置やメックの修理ができるなど、複雑化する戦闘には欠かせないユニットになる。
ユニットは個別でも動かせるが、全選択してまとめて動かすこともできる。状況に応じて全員で動くのか、遊軍を作るのか、様々な行動の選択ができる。
なお本作には、「ポラニア」、「ザクセン」、「ロスヴィエト」、「ユーソニア」といった4つの国家が登場する。プレイ当初はポラニアのストーリーをプレイしながら、襲い来るロスヴィエト軍の脅威と戦っていく。最初は操作方法から始まって、ストーリー仕立てで本作のプレイや流れを知ることができるだろう。
シビアだが楽しい。RTSの面白さを堪能できる
ゲームシステムのベースはRTSとなっている。リアルタイムストラテジーゲーム、つまり戦略ゲームなのだが、その魅力は“咄嗟に求められる判断力と自分の操作能力が上がっていく面白さ”にあると筆者は思っている。
ターン制のゲームであれば自分のターンに行動をじっくりと考える時間がある。相手プレーヤーがその前のターンでこう動いたから、自分はこう動こう、将来の戦いのためにこうしようという戦略を練られる。
逆にリアルタイムストラテジーは基本的にそのような余裕はない。文字通りリアルタイムに戦況は変わっていくし、自分の部下への指示出しもリアルタイムに進んでいく。例えば「マップの東側を攻めようかな? 西側を攻めようかな? まずは敵地を偵察して……」なんてことを考えていると、両地点から敵が自陣に攻めてきてあっけなく敗北してしまう、そんなシビアさもある。
加えて、資源を確保してユニットを生産する要素も非常に重要だ。激しい戦闘が行なわれている前線を常に意識しながら、資源を確保して戦力を増強していく。あっちにこっちにと、あたふたしてしまうこの忙しなさが面白い。
「アイアンハーベスト」についても、そういったシビアさは全体的に感じる。咄嗟に戦況を判断し、迅速に自分の部下へ指示を出していく。判断の速さはもちろん正確な操作も要求される。味方の歩兵ユニットAは柵の後ろでカバーをさせて、こちらのユニットBは側面から攻撃、そして別のユニットCは後方から支援させる。これらの操作を捌き切らなければならない。
本作、特に今回発売となるPS5/Xbox Series S|X版の面白いところは、こうした忙しい操作がゲームパッドで実現できている点だ。本作は元々マウス操作前提で作られたゲームのため、扱いに少しユニークな部分はあるが、それでも丁寧なチュートリアルを進めれば自然に馴染めると思う。
具体的に言うと、基本となるのはメックなどを含めたユニットを選択、その後ユニットにさせたいアクションを指示、そして対象を選択という3つの操作になっている。
ユニットの選択はL1/R1で選択、もしくは画面内にいる全てのユニットを○で選択する。移動や攻撃といったアクションは左のアナログスティックで対象を選択し、✕で決定をする。ユニットごとの特殊なアクションなどは△か、L2で表示されるリングメニューで選択する。
正直なところ、チュートリアルや説明を読まずにいきなり戦闘に入って勝てるような甘いゲームではない。しかし、甘くはないからこそ、格別な勝利の喜びを感じることができる。
一方遊びやすさで言えば、生産要素はかなり簡略化されている。マップ上に存在している「鉄」と「原油」という資源の施設周囲を制圧して占領すると、その後は時間経過によって自動で資源が入手できる。資源の種類は2種類なのでそれほどややこしくはない。
敵プレーヤーより多くの資源を獲得すれば、多くの兵士やユニットを作成できる。つまり敵プレーヤーを数で圧倒することができ、戦いを有利に運ぶことができる。シンプルにすべきところはシンプルにして、RTSの醍醐味をより手軽に味わえるようなイメージだ。
骨太の世界観とゲームシステム、その融合にロマンを感じる!
ゲームモードは「キャンペーン」、「ミッション」、「マルチプレイ」の3モードがある。
「キャンペーン」ではストーリーに沿いながらゲームを進めていく。チュートリアル的な要素もあり、まずはこのモードを進めていくのが良い。
「ミッション」は「スカーミッシュ」というモードと「チャレンジ」という2つのモードがある。スカーミッシュがいわゆるインスタントな対戦モードで、マップやAIの難易度を選択してシンプルな戦闘ができるモードだ。そしてチャレンジは難易度の高いミッションを攻略するモードになっている。
「マルチプレイ」は文字通り他のプレーヤーとプレイするモードで、「クイックマッチ」と「ランクマッチ」がある。今回は発売前のプレイのため遊ぶことはできなかったが、恐らく戦績に基づいてマッチングされる「ランクマッチ」とランク戦とは別にカジュアルに遊べる「クイックマッチ」に分かれていると予測できる。
本作の魅力はなんといってもこの世界観にあると筆者は思う。1920年代、第1次世界対戦終了直後のローテクな世界に、メックという今の技術から見てもオーバーテクノロジーな兵器。このアンバランスな組み合わせがワクワクさせてくれる。
また見た目だけでなく、ゲーム的にもマッチしているのが素晴らしい。生産コストが安く数を生産できる一方打たれ弱い歩兵、そして生産コストが高く量産するのは難しいが歩兵に対して圧倒的に優位に運べるメック。この2種類を組み合わせて戦う戦略性、それが本作の魅力である。
そこにRTSというゲームシステムを持ってきたのも良い。知識と腕でぶつかりあうストイックな対戦ゲームに仕上がっているし、複雑になりがちな操作をきっちりゲームパッドに落とし込んできたところも気合を感じる。PS5/Xbox Series S|Xにおいて、特に骨太なゲームを求めているゲーマーにはピッタリの作品だと感じた。