【特別企画】
「GO SEGA - 60th ANNIVERSARY Album -」&「SEGA 60th Anniversary Official Bootleg DJ Mix」先行試聴レポート
セガ設立60周年記念アルバムで歴代の音楽108+60曲がまとめて楽しめる!
2021年3月23日 00:00
- 【「GO SEGA - 60th ANNIVERSARY Album -」】
- 3月24日発売
- 価格:6,460円(税別)
- 【「SEGA 60th Anniversary Official Bootleg DJ Mix」】
- 3月24日発売
- 価格:3,000円(税別)
昨年から現在までの間にさまざまな商品が発売され、イベントが開催されてきたセガ設立60周年プロジェクト。そのラストを飾るのが、今月24日に同時発売される「GO SEGA - 60th ANNIVERSARY Album -」と、「SEGA 60th Anniversary Official Bootleg DJ Mix」の両CDアルバムだ。
「GO SEGA」は、歴代のセガ選りすぐりのサウンド108トラックを収録し、「DJ Mix」はセガ関連タイトル60曲を、ひとつのDJ Mix作品としてまとめ上げたもの。以下、筆者が全トラックを聴いたうえで気付いた、それぞれのアルバムならではの特長や聴き逃せないポイント、楽しみ方などをご紹介していこう。購入または鑑賞する際の参考になれば幸いだ。
なお、発売日にあたる明日3月24日には、両CDの製作者インタビューもお届けする。是非お楽しみに!
「GO SEGA」編:歴代のあらゆるジャンルの曲を、タップリかつ高音質で収録
本アルバムはCD4枚組で、セガ関連作品のサウンドを年代順に全108トラック収録している。当初は60周年にかけて60トラックの収録予定だったが、途中から108トラックへと大幅に増やし、発売日を延期してまで完成させたという、いかにもセガらしい(?)サービスぶりだ。
収録タイトルは、1979年に発売されたアーケードゲーム「ヘッドオン」から、昨年発売された「ゲームギアミクロ」「アストロシティミニ」に至るまで、幅広い時代の曲をカバー。しかもアーケードや家庭用ゲームだけでなく、CMソングやハードの起動音、さらにはセガの社歌までもが収録されており、ジャンルの幅が凄まじく広いのも、60周年記念アルバムならではの大きな魅力だ。
本アルバムには、商業用として初めて収録された曲が多いことも要注目ポイントだ。前述した「ヘッドオン」や社歌「若い力(135)」」をはじめ、往年の名作「モナコGP」や、ゲームキューブ版「スーパーモンキーボール」、アーケード版「甲虫王者ムシキング」、スマホ版の「ぷよぷよ!!クエスト(時空を超えて久しぶり! -ぷよクエ Ver.-)」、あるいは「DARTSLIVE(ダーツライブ)」の起動音などなど、そのラインナップは実に多彩かつマニアックだ。
また、アーケードゲームの収録曲はビデオゲームに限らず、プライズゲームの定番「UFOキャッチャー」シリーズに加え、メダルゲームの「StarHorse」(初代「スタホ」メドレー)や「ホルカ×トルカ」、占いマシンの「それいけ!!ココロジー」の曲までもが網羅されている。アーケードだけでもこれだけバラエティに富んだ曲が聴けるという点でも、本アルバムは非常に珍しいかつ貴重なものだ。
懐かしい、かつ貴重な版権曲が入っているのも見逃せないところ。とりわけ、初期のアーケードゲームの名作「ペンゴ」の「Popcorn」や、「スーパー・ロコモーティブ」の「ライディーン」(※こちらも初収録曲)が聴けるとあっては、80年代からゲームセンターに通っていた往年のセガファンであれば、これらの2曲だけを目当てに本アルバムを買う価値も十二分にあるのではないだろうか。
「スペースハリアー」や「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」「バーチャファイター」シリーズなど、過去に何度も音源化されている有名曲も、セガを代表する作品ゆえ当然ながら多数収録されている。セガファンを自称する人であれば、「もうこれらの曲は聴き飽きたよ!」と思うかもしれない。だが、本アルバムに収録された音源は全曲Hiro師匠監修のマスタリングということもあって非常に音質が良いので、改めてよ~く聴いてみると、昔のアルバムよりも聴こえ方が微妙に異なっていることにきっと気付くだろう。つまり、音質の良さも本アルバムの素晴らしいところであり、過去の音源と聴き比べることでさらに楽しさが増す。
音源だけでなく、ブックレットの内容もこれまた素晴らしい。冒頭には、歴代のセガ作品や出来事をカラー写真付きで紹介した年表が掲載され、次のページにはCI(コーポレート・アイデンティティ)についての詳細な解説も載っており、セガの「沿革」を知ることができる。収録曲はタイトルだけでなく、発売または公開された年や作詞・作曲者、使用ハードに至るまで詳しく書かれており、ボーカル曲は歌詞も載っている。また、本アルバムのCo-A&Rでもある奥成洋輔氏による、収録曲を時代順にまとめた解説も非常に情報が充実しているので、曲を通じてセガの歴史を楽しく学ぶための「参考書」としても大いに価値がある。
セガの長い歴史を、全108トラックを通じて耳で楽しめて、なおかつ1トラックあたり100円にも満たないと考えれば、本アルバムは十分に「お得」と言って差し支えないであろう。また、近年は音楽ゲームで、あるいは「龍が如く」シリーズの作中に登場するゲームセンターなどがきっかけで古いゲーム、あるいは曲の存在を初めて知った若い世代も少なからずいることだろう。そんな若者たちにも、高音質の原曲が存分に聴ける本アルバムをぜひおすすめしたい。
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