【特別企画】

世界で人気を集めたゴシックホラーアクションRPGが、待望のスマホアプリで登場!! 「Bloodstained: Ritual of the Night」プレイレポート

やり込み要素も満載! スマホなら場所を選ばずとことん遊びまくれる!!

 筆者がコンシューマ版で2周もクリアできたのは純粋に面白いというのもあるのだが、ゲームの時間を余り取れない人でも遊べる程よいボリューム感なのも一因だ。ゲームをクリアするだけなら十数時間でエンディングを迎えることができる。

 ゲームをガッツリとプレイできる人にはボリュームが無いと思えるかもしれないが、これはあくまでストレートにクリアした場合だ。本作にはやり込み要素がふんだんに用意されており、そこに手を出したなら何十時間遊べるのかは想像もできない。

 まずは収集要素。アイテムとシャードの数がとにかく膨大で、敵からドロップする物の中には低確率で落とすレアなアイテムも存在するのでコンプリートするのは一筋縄ではいかない。どの敵がどのアイテムを落とすのかはゲーム内の図鑑から確認できるのはとても親切な設計である。

出会った敵は図鑑に記録される。出現場所やドロップアイテムまで書いてある
アイテムや武器も記録されるので、収集好きにはたまらない要素だ

 このゲームを遊ぶからには、やはりマップ踏破率100%を目指したいところ。純粋にエンディングを見るだけならばマップの全てを回る必要はなく踏破率70~80%くらいでクリアできてしまう。

 踏破率を100%にするには文字通り“マップの隅から隅まで余すことなく”回りきらなければならないのだがこれがなかなかに難しい。まだ行ってない場所を回っていけばある程度マップを埋めることはできるのだが、中には隠しエリアなんてものもあり、何の変哲もない壁を攻撃することで壁が壊れて進めるようになる場所も存在する。100%踏破するならもちろん隠しエリアも全て発見しなければならないのでかなりの遊び応えがある。

 他にも、アイテムや装備品の錬成、シャードの強化、料理作り、悪魔の討伐クエストなどなど、簡単には遊び尽くせないやり込み要素がこれでもかと詰まっているのだ。

素材を消費することでシャードの強化が可能
最初はこんなに小さい鉄球だが、シャードの強化でこんなにもド派手に
悪魔討伐クエストをクリアすれば、貴重なアイテムが報酬でもらえるので積極的に受けていきたい

 「Bloodstained」が世界中のゲームファンから絶賛されているのはゲームの面白さだけではなく、ミリアムの人気も結構なウェイトを占めているのではないかと個人的には思っている。本作を未プレイだけど、ミリアムには少し興味があるという紳士に朗報なのが、このゲームではミリアムの髪型や髪色、肌や目の色、さらに服装のカラーまで自由にカスタマイズできる。

 さらに着せ替え的な要素もあり、一部の防具やアクセサリーは装備をするとしっかりと見た目に反映されるのだ。マスクや髪飾りなど好きな装飾品で着飾ることができてしまうのだ。

 髪型が1つ違うだけで雰囲気がガラリと変わりまるで別人のよう。ミリアムを自分好みの見た目に変えればゲームにもさらに熱が入り、プレイする手が止まらないことだろう。変更した見た目は会話やイベントシーンでもしっかり反映されるので、イベントで急にデフォルトの見た目に戻って萎える、という心配もないので心行くまでカスタマイズを堪能してもらいたい。

呪いで悪魔になってしまった美容師のトッド
パーツごとに細かくカスタマイズできる
イメチェンをすれば、新鮮な気分でゲームを楽しめる
装備品が見た目に反映されるのも細かい
イベントシーンも、カスタマイズした見た目に変わっている

 本作のイチファンとして、スマホ版「Bloodstained」がどのような仕上がりになっているのか発表当初からずっと気にはなっていた。そして今回プレイしてみて分かった点は、基本的にはコンシューマ版・PC版と内容的には変更点は無く忠実に移植されていた。

 プレイしてみた感想は、コツコツとプレイするゲームの特性上、手のひらサイズの携帯端末とはとても相性が良い。移動の時間やちょっとした空き時間など、場所を選ばず遊べる点も嬉しいポイント。操作面やメニュー画面などのUIもスマホ用に遊びやすく一から調整されており、ユーザー側の目線に立った良心的な作りである。

 全体的に見て良質な移植作となっているが、残念ながらコンシューマ版・PC版に劣っている部分もあった。比較しなければ気になる程のレベルではないのだが、映像が少し荒くなっているのと、フレームレートの低下により動きが全体的にもっさりとしている印象を受けた。しかし、どこでもプレイできる利便性を考えれば些細な問題である。

上がプレイステーション4版、下がスマホ版。服のラインなどの細かな部分は省略されているが、スマホでこれだけ再現出来ているのは素晴らしい
上がプレイステーション4版、下がスマホ版。多少の粗さは感じるが、プレイしているとほぼ気にならない

 強いて筆者が一番残念に感じた部分を挙げるとすれば操作性の部分だ。画面をタップするという構造上、コントローラー操作と比べるとどうしてもスマートにキャラを動かすのが難しく、ジャンプをタップしたはずが攻撃になっているなどの誤操作も正直付きまとってくる。

 ボス戦などの一撃が命取りになる部分では特に正確な操作が要求されるので、攻撃を見切っていたのに誤操作で大ダメージをもらってしまうというのはかなり痛い。意識して操作していれば誤操作はある程度防ぐことはできるが、それで万事解決といえば嘘になる。

 これがスマホ専用のゲームだったり、別機種のものを触っていなければそこまでの不満はないのかもしれないが、「Bloodstained」本来の快適な操作感を知ってしまっている分どうしても残念に感じてしまう。ちなみにBluetoothのスマホ用コントローラーを使ってプレイしてみたが、コントローラーがあればコンシューマ版と遜色ない操作感でゲームを楽しむことができた。外ではそのままスマホで、家ではコントローラーでのプレイを筆者はオススメする。

スマホ用に調整されたUIの質は高いのだが、物理的にタップ操作に限界を感じた

 昨今のゲームは「映像が凄い」、「ストーリーが面白い」など、ゲームの本質的な部分とは別の所で評価されている作品も多いが、「Bloodstained」は“キャラクターを動かし、プレイしている瞬間こそが楽しい”という本来のゲームの面白さが詰まっている。

 この上質なアクションゲームがスマホで手軽に遊べるというのは非情に喜ばしいことだ。昨今ではスマホ用アプリというと何かにつけて課金要素を盛り込もうとする傾向にあるが、本作は本作は買い切り型の販売となっているので純粋に「Bloodstained」を心行くまで楽しむことができる。

 スマホ版「Bloodstained」は12月配信予定で価格1,220円(税込)。正直、ゲーム内容を考えたら1,220円はお手頃過ぎて、何倍も元が取れてしまう価格設定だ。もし少しでも気になっているのなら騙されたと思ってプレイしてもらいたい。止め時を見失うほどのゲーム体験が待っているはずだ。