【特別企画】

電光掲示板inゲーミングノートPC!? 「ROG Zephyrus G14」の表現力がすごい

ゲーミングデバイスはLEDで“語る”時代

5月29日 発売予定

価格:263,800円(税込)

 ゲーミングデバイスといえば何千万色に光るLEDというのが長年のスタンダードだ。最近ではLEDのイルミネーションを複数のデバイス間で同期させたり、さまざまな発光パターンを各社が考案している。そんな中、ASUSからLEDの使い方において新たな時代の到来を示すゲーミングノートPC「ROG Zephyrus G14」が登場した。

 「ROG Zephyrus G14」の特長は、次期フラッグシップとしての高い処理性能に加えて、本体天板に内蔵した1,215個のLEDにある。このLEDシステムは「AniMe Matrix」と呼ばれ、PC上から発光パターンを制御できる。画像を取り込んで表示したり、電光掲示板のように文字をスライド表示したり、アニメーションやPCの情報などを表示することもできる。

 本稿では、特別企画として「ROG Zephyrus G14」が備える「AniMe Matrix」の性能を追求する。使用シーンを検討しながら、どのような情報を表示できるのか、ゲーマーにとってどんな役に立つのかを検証していく。

冒頭の写真の別アングル。LEDの輝度が高いため角度をつけても文字は読める。

次期フラッグシップに相応しいパワフルな性能

 フラグシップを掲げるだけあり、「ROG Zephyrus G14」は性能面も無視できないものがある。LEDの検証の入る前に、今回取り上げるモデルについて簡単に製品仕様を紹介しておこう。

 まず、CPUだがAMDの「Ryzen 9 4900HS」を採用。同CPUはリリースに先駆けた先行採用となっており、向こう約半年間は本機だけが搭載することとなる。モニターは14型ながら高解像度のWQHD(2,560x1,440)に対応。14型のゲーミングノートPCでWQHD解像度対応は世界初だという。

 インターフェースはUSB 3.1 Gen2 Type-CおよびDisplayPort 1.4兼用のポートを備え、パワーデリバリーによる同ポートからの電源供給にも対応する。重量は約1.7kg。14型の小型軽量ボディを生かし、外出先でも自宅でもフレキシブルに活躍できる仕様となっている。

 カラーリングは、今回取り上げる「ムーンライトホワイト」のほか、「エクリプスグレー」のモデルが存在する。両カラーとも価格は263,800円(税込)となる。「AniMe Matrix」の有無や搭載CPU、GPU、液晶パネルが異なるモデルをラインナップし、5月29日より順次発売予定だ。製品仕様別の発売日や価格に関しては下図の通り。

「ROG Zephyrus G14」の製品仕様と価格
ラインナップ一覧
一般向けモデルの価格(税別)と発売日
ASUS Storeおよび一部量販店限定モデルの価格(税別)と発売日

「AniMe Matrix」とは

 「ROG Zephyrus G14」の天板右上半分には、6,536個の穴が空けられている。これは、ASUSのゲーミングブランド「ROG」が受賞した賞の数にちなんでいる。この内側に1,215個の小型LEDが内蔵され、自由に発光を制御できるという仕様だ。

 「AniMe Matrix」の制御は、プリインストールされた本機の統合制御ソフトウェア「Armoury Crate」から行なえる。同ソフトウェアにはPCのパフォーマンスの調整なども含まれるが、メニューの1つに用意された「AniMe Matrix」の中に全機能が格納されている。

天板右上半分に無数の穴が空き、小型LEDが仕込まれている。
「AniMe Matrix」の設定画面には「Armoury Crate」からアクセスする。キーボードにはROGマークの「Armoury Crate」を起動する専用ショートカットキーが備え付けられている。

 設定できるのは、「アニメーションモード」、「システムモード」「オーディオモード」の3つ。初期設定ではPCをスリープモードに移行したりや天板を閉じるとLEDは消灯されるが、点灯を維持するよう設定することもできる。

「アニメーションモード」

 「アニメーションモード」が本機能のメインモードと言える。プリセットには「ROG」のブランドロゴなどのアニメーションが用意され、手軽に「AniMe Matrix」による表現を楽しむことができる。また、画像ファイルやGIF動画の取り込みにも対応している。

 テキスト効果の表示設定は、このモードまたは後述の「オーディオモード」で設定可能だ。テキストは2行から6行まで、フォントサイズは6から24までの範囲で設定できる。フォントはROGオリジナルの「ROG Fonts v1.5」やMSゴシックなどの推奨フォントのほか、Windowsにインストール済みのフォントであればすべてが使用可能となっている。英数字やひらがな、漢字はもちろん、絵文字などの環境依存文字も表示可能だ。

3行表示、フォントサイズ8で「特別企画!! 」と表示した例。遠目に見た可読性も十分。
2行表示、フォントサイズ最大の24で記号の卍を表示した例。1文字をくっきり表示させるなら20~24程度の大きさが適切だ。
6行表示、フォントサイズ最小の6で行間1行空けて特殊文字のスペード・クローバー・ハートを表示した例。流石に何を書いているのか分らなくなってしまった。可読性の限界はフォントサイズ7~8といったところか。

 取り込んだ画像や動画など、アニメーションをつなぎ合わせたものは設定として保存できる。ただし、テキスト効果の内容は保存しておくことができないため、都度表示させたい文字や行数やフォントの設定などを入力しなければならない点は少し煩わしさを感じた。このあたりをセットとして保存する機能もアップデートで実装いただきたいところだ。

「システムモード」

 「システムモード」では、メールの受信や時計、バッテリー残量をアニメーションによる切り替えで表示できる。PCを畳んで作業を中断している際にも、メールの受信などを確認できるので便利だ。

「システムモード」ではメールの着信を点滅で知らせてくれる

「オーディオモード」

 「オーディオモード」では、再生中の音源を検出してイコライザー効果を表示できる。今ひとつ役に立つシチュエーションが思い浮かばないが、激しくアニメーションするのでとりあえず目立たせたい時などストリーミング映えするかもしれない。

どんなシチュエーションで使えるのか?

 ここからは具体的なシチュエーションを考えながらゲーマーにとって「AniMe Matrix」という革新的な機能がいかに役立つかを考えてみよう。

オフ会で初対面の仲間たちへの目印

 ゲーム仲間との初めてのオフ会。落ち合う場所はLANパーティやゲームイベントのような人の多い会場であったり、カフェだったり、待ち合わせをするにも相手とは初対面なので少し難しさがある。そんなときに役立つのが「ROG Zephyrus G14」だ。

 たとえば事前にチャットなどで合い言葉を伝えておき、本機の天板にその文言を表示させておく。あとは待ち合わせ場所でノートPCを開いてゲームにでも興じていれば、どんなに人が多くても間違いなくフレンドとの合流に成功するだろう。待ち時間の退屈しのぎもこなせて一石二鳥だ。

アルファベットで6文字程度なら十分表示可能

eスポーツ大会でひいきチームの応援

 続いて考えられる使い方は、eスポーツイベントのオフライン観戦だ。国内のeスポーツ大会では、会場規模にもよるが選手たちのプレイの妨げとなるため大声で応援するということが許されない場合も多い。そこで選手への応援に役立つのが本機だ。LEDで応援メッセージを書いたり、ひいきチームのロゴを画像として取り込んで膝の上にでも置いておけば目立つこと間違いなしだ。

手頃なチームロゴがなかったので今回はGAME Watchのロゴを取り込んでみた。
そのままだと緑の部分まで発光して真っ白になってしまうので、緑背景を透過する加工を施している。

LANパーティでの交流に

 LANパーティとは、ホール会場などを貸し切ってゲーマーが自前のゲーミングマシンを持ち寄って一日中ゲームの交流会などをして遊ぶイベントだ。ぐいぐい声をかけていけば交流の輪は広がるが、受け身の姿勢だと何も起こらないこともありうる。会場にはいろんなジャンルのゲーマーが混ざり合っているので、自分が何に興味があるのか示すことが大事なのだ。

 そこで、「ROG Zephyrus G14」があればパッシブなコミュニケーションができる。たとえばゲームのロゴや略称を天板LEDに表示し、テキストでユーザーIDやマッチングのIDなどを表示しておけば対戦希望者や同ジャンルのゲーマーが自然とあつまってくるのではないか。また、明らかに異色を放つPCなので、周囲の目を引くことは間違いない。PCゲーマーの集まるLANパーティならば、本機自体が話題の切り口ともなるだろう。格闘ゲームなどの対戦相手を募集するのであれば、会場での戦績を表示させるのも面白いかもしれない。

タイトルとIDを書いておけば自然と人が集まるのではないか。テキストはスクロールさせることも可能なので、表示できる情報量は多い。

ストリーミングにも最適

 昨今オンラインでの発表会などが増えているため、ゲームのライブ配信に限らずノートPCの天板を生放送で目にする機会が増加している。こういった配信では、話者が使うノートPCの天板にスポンサーのロゴシールなどがペタペタと貼り付けられているということもあるが、視聴者からするとなんだか美しくないPCという風に映ってしまうかもしれない。

 「ROG Zephyrus G14」では、複数のロゴ画像を取り込んで、アニメーションとして順番に表示させていくことが可能だ。配信に用いるノートPCをドレスアップしつつ、本来静的な表示領域にアニメーションを置くことで、配信の画面領域を有効に活用することができる。ゲーム配信であれば、「システムモード」で現在時刻を天板に表示させておけば、アーカイブ視聴する視聴者にもシーンの背景が伝わりやすいだろう。

画像を直接取り込んだASUSロゴ
本機にCPUを提供するAMDのロゴ
本機にGPUを提供するNVIDIAのGeForce RTXロゴ
取り込んだ画像は向きを正して拡大縮小、表示位置を移動して綺麗に表示されるよう微調整が必要だ。それぞれの表示時間を調整すれば連続したアニメーションとして表示できる。

LEDが1,215個もあれば可能性は無限大

 以上、ASUSのゲーミングノートPC「ROG Zephyrus G14」の特徴的な機能「AniMe Matrix」の性能に迫った。ゲーミングデバイスといえばカラフルなLEDという認識が定着してきた昨今、1,000個超のLEDを搭載するというのは革新的だ。本機はこれまでドレスアップ以外の意味を持たなかったLEDに、明確に意味合いを持たせる。まさしく新たな時代を切り拓く存在だと言える。

 今回はゲーミング的な用途に限定して紹介したが、「AniMe Matrix」を通じてファミリーレストランなどに長時間居座る際に「お冷やいらないです」などと意思表明したり、オフィスで席を離れる際に戻り時間を記したりなどの使い方も便利だ。テレワーク中にWeb会議に参加していることを家族へアピールするという使い方もできる。ユーザーの発想次第で使い方は無限大となるだろう。