【特別企画】

ソニックがかわいい! かわいすぎる! ビジュアルだけじゃない映画「ソニック・ザ・ムービー」の魅力を語る

ソニックの“デザイン修正”は大正解! 映画独自のアレンジがすべていい方向に

6月26日公開

 いよいよ、日本でも映画「ソニック・ザ・ムービー」が公開となる。アメリカを始めとした海外ではすでに公開されていたが、日本では新型コロナウイルス感染拡大の影響による外出自粛のタイミングと重なり、公開が延期となっていた。ゲームファン注目の映画、ついに封切りである。

 さてその感想だが……本作を見終わって、まず一番に「よかったー!」と思った。全体的によかったと思えたことももちろんあるが、その8割くらいは「ソニックのデザインがこれで本当によかった」というニュアンスである。

 喋るソニック、走るソニック、泣き顔のソニック、驚くソニックなどなど、映画の中でソニックはさまざまな表情を見せてくれるが、どれもこれもかわいらしいのでずっと見ていられる。最初から最後まで、かわカッコいいソニックを思いっきり堪能できるので個人的な満足度はとても高い。

よかった! このデザインで本当によかった!

 そもそも本作は、もう1年以上前の話になるためもう忘れている人もいると思うが、
ソニックのデザインに関してひと悶着あった。原因は、初公開されたビジュアルを受け、「どうしてこうなった!」と世界のファンが猛烈に反発したこと。この騒動によって、制作陣はソニックをまるごと作り直す決断をした。

 おそらく、映画としてはほとんど完成している時期の決断だったと思う。予算にはない膨大な資金を垂れ流しながら、しかも最速で最高クオリティの修正を求められる。スタッフ全員の胃に穴が空くレベルの大鉈が振るわれたわけだが、全米の「ゲーム原作映画史上最高のオープニング成績」(公開3日間の興行成績570万ドル)という結果を見ても、実際に見た感想としても、この判断は大正解だったと言わざるを得ない。当初のビジュアルのまま公開に突き進んでいたらと思うと……。ちょっとゾッとする。

 しかし、結果オーライとはまさにこのこと。世界的なスマッシュヒットが影響してか、5月には続編の制作が決定とも報道された。なんだかんだ言って、ソニック映画は絶好調なのである。

 なお、映画公開記念としてプレゼントコーナーにてムビチケカードを2組4名様にプレゼントするのでぜひふるってご応募いただきたい!

かわいいは正義なのです

ソニックの悩み、保安官との友情が熱い!

 本作はソニックのキャラクターの描き方が興味深い。本作でソニックは、“スーパーパワーを持つがゆえに、常に追われる存在”である。元々はゲーム「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のグリーンヒルゾーンのような世界で暮らしていたが、力を奪おうとする敵から逃れるため、宇宙を転々としながら地球にやってきたキャラクターとなっている。

 音速スピードの万能感と、逃げ続けなければならない孤独感の板挟みをソニックにあえて与えることで、キャラクターやストーリーに深みを出している。本作では、このソニックの悩みが話の中心になってくる。

クールなだけじゃない本作のソニック。リングの設定にも大胆なアレンジがある

 また楽しいのは、本作が「バディもの」であること。アメリカの小さな田舎町「グリーンヒルズ」の保安官、トム(ジェームズ・マーズデン)とソニックがある事件をきっかけに2人旅の仲間となるのだが、その出会いと育まれていく友情がとにかくいい。

 何しろソニックにとって、トムは初めてできた友達。旅の中でやりたいこと、遊びたいことがたくさんありすぎてしょうがない。その頃には、2人は政府の科学者ドクター・ロボトニック(ジム・キャリー)に追われて立派な逃亡犯に仕立て上げられているのだが、隠れて進まないといけないはずなのにソニックは人があふれるバーに突撃するなど「あれがやりたい、これがやりたい」とずっとはしゃいでいるし、そのはしゃぎように根負けするトムもいい人感が満載でいい。

 ソニックがどれくらい嬉しそうかというと、ドアを閉められてひとりになってからもずっと喋っているくらい。独り言もふくめて出演シーンはほとんど喋りっぱなしで、全年齢向けのデッドプールかと思うくらいよく喋る。バカをして騒いで仲良くなる、2人の関係性の変化にも魅力が詰まっている。

トムはトムで悩みがある。2人の思いが交錯する描き方もいい
「アー!!」 「ギャー!!」

 もうひとつ、本作でぜひ触れておきたいのがドクター・ロボトニックを演じたジム・キャリーだ。「トゥルーマン・ショー」や「マン・オン・ザ・ムーン」といったシリアス路線の演技も印象深いが、本作のジム・キャリーはどちらかというと「マスク」や「エース・ベンチュラ」系。筆者が子どもの頃に見て大好きになった、いわゆる顔芸演技を存分に炸裂させている。ジム・キャリーが素っ頓狂な顔をして迫ってくるだけでもう面白いという、本当にいい役どころを演じている。

一周回っていつもの感じに戻ってきたジム・キャリー

 映画は全体的にテンポがよく、長さも100分ととても見やすい。日本での公開はソニックの修正で1回、新型コロナウイルスの影響でもう1回と2度の延期となってしまったが、子どもと見るにもピッタリだし、さまざまな困難をクールに駆け抜けていくソニックはカッコいいし、映画ならではアレンジはどれも納得できるものなのでオススメだ。

 そうそう、「ソニックなんて常識」というゲームファンなら、ラストシーンまでしっかりと見逃さないように。