【特別企画】

「Apex Legends」など最新ゲームで試してみて、ゲーミングノートMSI「GL63 8SE-017JP」はなかなかすごかった!

「Anthem」最高設定でも60fpsで遊べるGeForce RTX 2060搭載モデルの実力を検証

 MSIのゲーミングノートPC「GL63 8SE-017JP」は、同社のゲーミングノートPCラインナップの中ではコストパフォーマンスを重視したGLシリーズの最新機種だ。実はこのマシン、ゲーマーが今現在欲しいと思うものが程よく詰まった非常にバランスのいい1台なのだ。

 価格は、Amazonで販売しているCore i5搭載モデルで199,584円(2月25日現在)と決して安くはないが、MSIのゲーミングノートとしては買い求めやすい部類に入る。今回は「GL63 8SE-017JP(以下、GL63)」の実力を確認するため、2017年冬モデルで、ちょうど1世代前のCPUとGPUを搭載している「GS73VR 7RF-001JP(以下、GS73VR)」と比較してみた。「GS73VR」自体も、まだまだ十分最前線で戦えるだけの性能を有したゲーミングPCだが、どの程度の違いがあるのかを様々な角度から検証してみたい。

コンパクトなボディに強力な冷却性能とフルサイズキーボード

 まずはGL63がどのようなモデルなのかを紹介したい。サイズは383×260×29.5mm(幅×奥行×厚さ)で、重さは2.3kg。GS73VRより一回り小さいが、薄型モデルの「GS73VR」より約1センチほど厚みがある。ディスプレイは15.6インチのフルHD。この最新機種から、リフレッシュレート120Hzのゲーミング液晶パネルが採用されている。

GL63 8SE-017JP(左)の方がGS73VR 7RF-001JP(右)よりも一回り小さい

 上面にはGLシリーズの特徴である2本の赤いラインと、MSIのエンブレム。側面にもMSIのテーマカラーである赤のラインがデザインされている。左側面にはLAN、HDMI、Mini DisplayPort、USB 3.1 Gen2 Type-A、USB3.1 Gen2 Type-C、イヤフォンジャック、マイクジャックが並ぶ。右側面は、ACアダプタのジャックと、USB 3.1 Gen1 Type-Aが2つ、SDカードスロットがある。背面と側面に2つずつの排気口があり、底面は空気を取り込みやすいよう少し底上げされたうえで、大きめのエアインテークが設けられている。本機には7本のヒートパイプと2基のファンでCPUとGPUを強力に冷やす冷却システム「Coller Boost 5」が搭載されている。

 キーボードはSteelSeries製のフルサイズアイソレーションキーボード。シングルカラーバックライトで赤色に輝く。キーボードの右上部分には電源と、クーラーブーストボタン、CPUやメモリなどシステムの状態をコントロールできるオリジナルアプリ「Dragon Center」専用の起動ボタンが付いている。

【GL63 8SE-017JP】
正面から
上面には赤いライン
左側面
右側面
背面
サイドにも赤いラインが入っている
底面
底面には広めの隙間があり、空気が入りやすいようなデザインになっている
赤いLEDで輝くアイソレーションキーボード
キーボードの上には電源ボタンと、クーラーブーストボタン、「Dragon Center」起動ボタン
ACアダプタ
本体とACアダプタ。持ち歩くことはできるが、それなりに重量感はある

スペックの比較

【スペック比較】

GL63 8SE-017JPGS73VR 7RF-001JP
CPUCore i7-8750HCore i7-7700HQ
GPUNVIDIA GeForce RTX 2060 6GB DDR6NVIDIA GeForce GTX 1060 6GB GDDR5
メモリDDR4-2666 16GB(8GB ×2、最大32GB)DDR4-2400 16GB (8GB×2、最大32GB)
ストレージ256GB M.2 NVMe SSD/1TB HDD256GB M.2 NVMe SSD/1TB HDD
チップセットインテル HM370インテルHM175
ディスプレイ120Hz駆動、15.6インチ、フルHD(1,920×1,080)、ノングレア120Hz駆動17.3インチ、フルHD (1,920×1,080)、ノングレア、ワイドビュー、TRUE COLORテクノロジー搭載、NTSCカバー率94%
映像出力端子HDMI ×1、Mini DisplayPort ×1HDMI ×1、Mini DisplayPort ×1
I/OポートUSB3.1 Gen2 Type-C ×1、USB 3.1 Gen2 Type-A ×1、USB 3.1 Gen1 Type-A ×2、ヘッドフォン出力×1、マイク入力×1USB 3.0 Type-A ×3、Thunderbolt3 (USB3.1 Type-C) x1、ヘッドフォン出力×1、マイク入力×1
外形寸法383×260×29.5mm(幅×奥行×厚さ)411.8×284.9×19.6mm(幅×奥行×厚さ)
重量2.3kg(バッテリー含む)2.43kg(バッテリーを含む)
バッテリー駆動時間3時間10分(JEITA 2.0)約3.1時間

 CPUはインテルのハイエンドノート用の第8世代(Coffee Lake)プロセッサCore i7-8750H。このCPUは「GS73VR」に搭載されている第7世代(Kaby Lake)Core i7-7700HQの後継に当たる。コア数はCore i7-7700HQが4コア8スレッドだったのに対し、Core i7-8750Hは6コア12スレッド。ベースクロックはCore i7-7700HQの2.80GHzに対して、2.20GHzと下がっているが、ターボブースト時には4.10GHzまで上がる(Core i7-7700HQは3.8GHz)。内臓のグラフィックスチップIntel UHD Graphics 630は4K Ultra HD (UHD)に対応ている。さらなる多コア化とグラフィックス処理能力の向上によって、特に高負荷の時に高いパフォーマンスが期待できる。

 GPUはNVIDIA GeForce RTX 2060。まったく新しいTuringアーキテクチャによって前世代から最大6倍もの大幅なパフォーマンス向上を可能にし、リアルタイムレイトレーシングやAI、プログラマブルシェーディングなど次世代の映像表現に対応している。RTXシリーズのミドルクラスに位置するGeForce RTX 2060はCUDAコア数が1,920(GeForce GTX 1060は1,280)、メモリはDDR6になり、性能の向上と低電力化を同時に達成している。

 これらに合わせてメモリやマザーボードのチップセットなども最新のものに変更されており、総合的にパフォーマンスを向上させている。ストレージは高速なM.2 NVMeの256GB SSDと1TB HDDのデュアル構成。256GBでは少し足りないという場合は、販売店で追加のM.2 NVMe SSDを搭載することもできる。

ベンチマークの結果はすべてのテストで「GL63」が圧勝

 ベンチマークは2台のPCを並べて交互に行なった。OSとグラフィックドライバのバージョンは以下の通り。PCの能力を総合的に判断する「PCMark 8」と「PC Mark 10」では、より負荷の高いテストが試せる「PC Mark 10」でスコアに開きが出た。

 DirectXを使った3Dグラフィックス性能を測る「3DMark」では、DirectX 12世代のGPU性能を見る「Time Spy」と、DirectX 11世代の性能を見る「Fire Strike Ultra」をテストした。こちらもより負荷の高い「Time Spy」の方がスコアの差が開いた。

【バージョン】
OS 1803
Geforce Game Ready Driver 418.81

【PCMark 8】
【PCMark 10】
【3DMark Time Spy】
【3DMARK Fire Strike Ultra】
【CrystalDiskMark】

オンラインゲームなどの定番ベンチマーク

 前世代のPCではデスクトップのゲーミングPCでもなかなか数字が伸びない「FFXV」のベンチマークだが、「GL63」は高品質と標準品質で「快適」、軽量品質で「とても快適」となった。「GS73VR」は高品質で「普通」、標準品質で「やや快適」、軽量品質で「快適」という結果になった。「GL63」の世代ではノートPCでも美麗なグラフィックスで快適にプレイができるようになっている。

【FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク】

 「FFXIV」のベンチマークは7,000以上のスコアであれば快適にプレイできるので、どちらの機種でも最高品質で快適に遊ぶことができる。そのうえでスコアを比べると、最高品質から標準品質(デスクトップPC)までは同じくらいの差でスコアが並行移動しているが、標準品質(ノートPC)のみどちらの機種でもスコアが伸び悩んでいる。

【ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーターベンチマーク】

 「ドラゴンクエストX」のベンチマークでも、すべてのテストで最高評価の「すごく快適」を記録した。ビデオカードがないPCでも動く軽いゲームなので、品質によるスコアの差が少ないようだ。

【ドラゴンクエストX Windows版 ベンチマークソフト】

 「PSO2」のベンチマークでは最高品質の「設定6」でテストした。スコア5,000以上で快適に動作するので、スペック的には「ドラゴンクエストX」と同様全く問題がないのだが、こちらは2つの機種で約1.86倍という大きな差が付いた。

【PSO2キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4】

ローンチ直後の「Anthem」でもベンチマークをテスト

 2月22日に発売されたばかりの「Anthem」とベンチマークでは定番の「Battlefield V」、EAの新しいバトルロイヤルゲーム「Apex Legends」ではフレームレートを計測してみた。

 「Anthem」のテストは、画質「ウルトラ」設定でスタート直後のチュートリアルミッションをプレイし、2つの機種で同じシーンを60秒間ずつ5回計測。その平均のフレームレートを比較した。

 「Battlefield V」も同様に「最高」設定でシングルプレーヤー用のキャンペーンモード「大戦の書」のイントロダクション「祖国のために」をプレイ。操作できるシーンで、歩兵、戦車、空中戦など5つのシーンを計測して平均を出した。なお、公平さを期すために「Battlefield V」はDX11でレイトレーシング無しの設定で計測した。

 「Apex Legends」は3人のプレーヤーでチームを組んで戦うバトルロワイヤルゲーム。フレームレートは地上に降下した後の対戦中に計測したものの平均で比較している。グラフィックス設定は以下の通り。

【「Apex Legends」環境設定】

 「Battlefield V」では67と90というスコアで、最高設定でもどちらも60fps以上でプレイすることができた。

 「Anthem」で「GL63」が72、「GS73VR」では48とあまり振るわない結果になった。「Anthem」は人工知能でグラフィックス品質を最適化し、効率よく高精細な画面を実現するDLSS技術が使われており、RTXシリーズのビデオカードを使うことでより美しい画面で遊ぶことができる。もちろん、「Battlefield V」をリアルタイムレイトレーシングありで遊ぶにもRTXシリーズが必須だ。

 「Apex Legends」はどちらも60fpsは超えていたが、こちらも「GL63」の優位がはっきりわかる結果となった。勝つためにグラフィックス設定を落とすのは、この類のゲームでは常套手段だが、どうせなら少しでも綺麗な画面で遊びたいという欲求も十分にかなえてくれる。

【Battlefield V】
【Battlefield V】
【Anthem】
【Anthem】
【Apex Legends】
【Apex Legends】

GeForce GTX 1060とGeForce RTX 2060の差がはっきり! どうせ買うなら最新機種

 ここ数年はPCの進化が停滞気味という印象があったが、第8世代CPUとRTXシリーズの登場で、性能の階段を確実に一歩上った感がある。今からゲーミングノートPCを購入するなら、予算以外で最新機種にしない理由はないだろう。リアルタイムレイトレーシングやAIを使わないゲームや他の作業でも大幅な性能の向上が期待できる。

 4月からの新生活に向けてゲーミングPC購入を考えている人も、バランスのいい本機を候補の中に入れてみてはどうだろう。

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