【特別企画】
「プレイステーション クラシック」先行試遊レポート
小さな本体に1、2、3でゲームを変えたタイトルがぎっしり!
2018年11月27日 22:00
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、12月3日に9,980円(税別)にて発売予定の「プレイステーション クラシック」の、メディア向け体験会を開催した。
こちらで実際に「プレイステーション クラシック」の本体に触れ、ゲームプレイなども試してきたので、試遊レポートとしてその模様をお伝えしていこう。
まずは「プレイステーション クラシック」本体の外観からチェックしてみた。
本体のサイズは約149×33×105mm(幅×高さ×奥行)と、初代の「プレイステーション」と比べると、縦横で約45%、体積で約80%コンパクトになっているということで、いわゆる手の平のサイズに近いものだ。重量も約170gと軽い。
それでいて、本体の色や質感であったり、ロゴの位置や各部ボタンや端子の形状、それらにプリントされている文字のフォント、側面や背面に至るまで、ディテールの再現度は非常に高い。小さいながらも安っぽさはなく、精巧なミニチュアとして見た目も楽しめるクオリティだ。
本体に備えられているボタンは3つで、天面の左下にあるのが電源オン/オフの「POWER」ボタンで、通電状態を示すLEDランプも備えられている。LEDは待機状態だとオレンジ、電源オン中はグリーンに点灯する。その上の小さめのボタンはプレイ中のゲームを中断してホームメニューに戻るための「RESET」ボタンだ。
天面の右にある「OPEN」ボタンは、初代プレイステーションだとディスクトレイオープンボタンとなってたが、この「プレイステーション クラシック」では、例えば「ファイナルファンタジーVII インターナショナル」のようにディスク複数枚のゲームで、プレイ中にディスク入れ替えが必要なときに使うボタンになっている。残念ながらディスクトレイ自体は形状のみ再現されていて開閉はしない。
本体手前側には、初代の「プレイステーション」と同じ箇所にコントローラ接続端子が並ぶ。ただしこちらでは接続端子はUSB Type-A端子を使用している。付属コントローラの接続端子周りもしっかりと初代の「プレイステーション」を再現しているので、見た目はまさにそのものが再現されたものになっているのが嬉しいところだ。メモリーカードスロットもあるが、こちらは形状のみ再現されたものになっている。
コントローラは、初代の「プレイステーション」付属のコントローラと同じサイズ、同じ重量の約140gと徹底して再現されている。こちらも本体同様に質感や細かなディテールもしっかり再現されていて、方向キーの軽くザラつきがあるキートップ、△/〇/×/□ボタントップの丸み、スタート/セレクトのゴムボタンの質感も、初代のものに非常に近い。
当日は初代の「プレイステーション」本体やコントローラなど一式を持参していたので触り比べもしてみたのだが、経年劣化による色味の違いといった事情の違いはあるが、それ以外に大きな違いは感じられなかった。コントローラの再現度も非常に高い。
本体に戻って背面を見ると、接続用のHDMI端子と、給電用のUSB Micro-B端子がある。背面の左側には初代の「プレイステーション」にもあった外部拡張端子があるが、こちらも形状のみ再現されているもので、フタを外したりはできない。
この試遊で本体を手に取ってまじまじと眺めてみると、懐かしい気持ちもありつつ、この本体デザインのスタイリッシュさにあらためて驚かされるところがあった。この「プレイステーション クラシック」の小さいボディでも、それを十分に感じられる。
参考用に商品概要と本体概要を掲載するが、これまで審査中であったCEROレーティングは「D」の17才以上対象となった。
【「プレイステーション クラシック」商品概要】
商品名 | 「プレイステーション クラシック」 |
---|---|
発売予定日 | 12月3日 |
希望小売価格 | 9,980円(税別) |
同梱物 | 「プレイステーション クラシック」本体 × 1、コントローラ × 2、HDMIケーブル × 1、USBケーブル × 1、印刷物一式 |
CERO | D(17才以上対象) |
【「プレイステーション クラシック」本体概要】
型番 | SCPH-1000Rシリーズ |
---|---|
映像出力 | 720p、480p |
音声出力 | リニアPCM |
入出力 | HDMI端子、USB端子(Micro-B)、コントローラ端子 × 2 |
電源 | DC 5V/1.0A |
最大消費電力 | 5W |
外形寸法約 | 149×33×105mm(幅×高さ×奥行) (コントローラ除く) |
質量 | 本体 約170g、コントローラ 約140g |
動作環境温度 | 5℃~35℃ |
本体をひとしきりチェックした後は、ゲームプレイへ。電源をつけると初代の「プレイステーション」の起動音が流れる。会社名はソニー・コンピュータエンタテインメントではなく、現在のソニー・インタラクティブエンタテインメントのものになっているが、それでも初代起動画面に寄せてくれているのは嬉しい作りだ。
初回起動でも起動は2秒程度。すぐに言語選択の画面が表示されて選択するとホーム画面が現われる。
ホーム画面は、上に内蔵タイトルのパッケージ画像がサークル状に並べられている。青紫色の背景に、PLAYのUIデザインは今見るとちょっと奇抜な感じのするレインボーが使われているが、このデザインはいずれも初代の「プレイステーション」のメモリーカード管理画面のデザインをモチーフにしたものだ。
ホーム画面の下側には、「設定」、「ガイド」、「仮想メモリーカード」、「再開ポイント」の項目が並んでいる。
「設定」では、スクリーンセーバーや省電力設定、言語設定などの項目があるが、画面表示やサウンド周りの設定、ゲームの動作に関わるような項目などはない。映像出力周りの設定がないのはちょっと意外なところだ。
「ガイド」は、「プレイステーション クラシック」のWEBサイトURLを表示したり、本体の3つのボタンを説明するというものになっている。
「仮想メモリーカード」は、各タイトルのセーブデータの管理をする項目で、この「プレイステーション クラシック」では各タイトルにひとつずつ仮想の「メモリーカード」を用意するという方式が取られている。セーブデータの管理画面はまさに初代の「プレイステーション」のメモリーカード管理画面そのものだ。
「再開ポイント」は、プレイしていたゲームを中断したところから再開できる機能。ゲームプレイ中にリセットボタンを押してホーム画面に戻ると、その時のプレイ中の場面が再開ポイントとして保存されて、ここから続きをプレイすることができる。
「再開ポイント」は1タイトルにつき1つ保存できるようになっていて、保存された再開ポイントからは何度でもプレイを再開できる。ホーム画面に戻った時に既に再開ポイントがある場合は、それを上書きするかを選択するようになっている。
内蔵されているゲームをプレイしてみた。内蔵されているソフトウェアタイトルは20タイトル。あらためてタイトルを見てみると、RPG作品が印象的なのもあって多めに思えるが、アクションあり、レースあり、シューティングあり、パズルありと、ラインナップのバラエティ感も考慮されているのが感じられる。
まずは「R4 RIDGE RACER TYPE 4」をプレイしてみた。本作の発売日は1998年12月3日で、この「プレイステーション クラシック」の発売は2018年12月3日なので、ちょうど20年目のその日に登場となる。
初代の「プレイステーション」が当時のゲームシーンに与えたインパクトは様々だが、やはり3DCGのリアルタイム描画であり、プリレンダのムービーも豊富だったところにあるだろうか。中でも秀逸だった「R4 RIDGE RACER TYPE 4」のオープニングムービーを久々に見てみたのだが、その魅力は、今も色褪せていない。
そこから各種のタイトルをプレイしてみたのだが、「プレイステーション クラシック」に内蔵されているゲームデータは特に手が入れられているような様子もなく、原則パッケージ版そのままという印象だ。
プレイするときの流れは、「ゲームを選択」→「ゲームプレイ」→「リセットボタンを押して次のタイトルへ」というシンプルなものになる。ゲームプレイ中に表示する独自のメニューなども特にないので、本体に手を伸ばしつつ遊ぶ、本当にシンプルな扱い方になる。
前述のように映像表示周りの設定もないので、テレビ画面にフィット表示された画面で楽しむ以外はできない。さすがにブラウン管を再現するようなこだわりの映像フィルターを求めるまではいかずとも、ここにはある程度の機能が欲しかったと感じるところだ。
ちなみに、この試遊には4Kテレビが使われていて、そこに720pで出力されている初代の「プレイステーション」世代のゲーム画面がいっぱいに拡大されて表示されるという環境だったのだが、想像していたよりずっとゲーム画面は見やすいしキレイに楽しめる。
ソフトウェアの動作の全般的なところを見ても、特におかしな挙動もなく気になったところはない。むしろ初代の実機からすれば良くなっている印象だ。
例えば、「女神異聞録ペルソナ」は初代の「プレイステーション」だと、戦闘のたびにCD-ROMディスクを読み取るピックアップレンズが激しく動いてデータを読みこむので物理的にもかなり時間がかかっていたが、この「プレイステーション クラシック」ではレンズが動くということ自体がないので、オリジナル版よりスピーディーに読み込みが終わる印象。
……もしかしたら、そういうところも初代の「プレイステーション」版と同じがいいという人もいるかもしれないが、それはなかなかマニアックかつマゾいこだわりであり、筆者的にはこの仕様でいいんじゃないかなと思えるところだ。
操作においては、同梱されているのはアナログスティックのないコントローラなので、アナログスティックに慣れてしまった今では、さすがに戸惑うところもあった。
「女神異聞録ペルソナ」や「ファイナルファンタジーVII インターナショナル」などで、斜め移動をする場面だと“方向キーの上下左右を45度ずらして斜め移動に割り当てられている”操作があり、「当時はこういう操作だったなぁ……。」と久々に感じたのだが、さすがに今では懐かしさと同時に不便さも同居する。
このあたりはある意味、アナログスティックのついた初代の「DUALSHOCK」の良さを再認識させてくれるところもあり、初代の「DUALSHOCK」も使えるようなパッケージなり別売りコントローラなりが出てくれたら、嬉しかったかもしれない。
「プレイステーション クラシック」を試遊してみたが、本体やコントローラは細かなディテールまでしっかり再現されていて満足度は高いし、ソフトウェアのラインナップもクリアまでのプレイ時間が結構なボリュームになるゲームもあり、今も本格的に遊びこめるものになっている。価格相応以上の満足度が得られるのではと感じた次第だ。
いわゆる2Dドット世代の復刻とは異なる、“懐かしいけど、比較的、新しさもある”という独特な世代のラインナップを手軽に楽しめるものになっていた。
「プレイステーション クラシック」はあくまで数量限定の製品ということなので、購入を迷っているという人は、気がついたら入手が難しくなってしまっていた、なんていうことのないよう、しっかりチェック頂きたい。
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