インタビュー

【BFG 2013】「Elder Scrolls Online」ディレクターMatt Firor氏インタビュー

「ESO」のメインコンテンツは「冒険」。豊富なPvEコンテンツを用意

「ESO」のメインコンテンツは「冒険」。豊富なPvEコンテンツを用意

ダガーフォールのドック。高低差があり、「Elder Scrolls」シリーズの雰囲気がそのまま再現されている
若干未知数なのがバトル。バトルの作り込み次第で、MMOの寿命は大きく変わるだけに「Skyrim」を上回るのはもちろん、MMOとして楽しめるバトルを期待したい

――「ESO」のMMOとしてのメインコンテンツは何になるのか? やはりRvRなのか。それともPvEやPvPなのか?

Firor氏:メインコンテンツは冒険だ。各種コンテンツやクエストを解いていくというプレイスタイル。PvPも重要なコンテンツだが、もっと重要なのは「Elder Scrolls」の世界の自宅から冒険を行なうことだ。PvPが好きなユーザーもいるだろうが、PvPにまったくアクセスしないユーザーもいるだろう。大きなゲームなのでそれで構わない。ユーザーが好きなコンテンツで遊んで貰えればいい。

――自らの勢力の興隆が決まるRvRに参加しなくても全く問題ない?

Firor氏:問題ない。ダンジョンなどのグループコンテンツを遊ぶだけでもいい。

――PvE(Enemy)コンテンツにはどのようなものがあるか?

Firor氏:詳細はまだ発表できないが、複数のグループダンジョンや多くのダンジョンがある。ダンジョンのデザインは自動生成ではなく固定で、レベル帯毎に複数の種類がある。レベル15帯であれば5つある。レベル25、30というぐあいに自分のレベルに合わせてダンジョンが用意されている。レベル50でもう一度行くとストーリーが変化し、報酬も良いものになる。レベル50がレベルキャップで、コンテンツがリフレッシュされるようになっている。

――PvEを重視しているというのは意外だったが、それでは3つの勢力毎に別のキャラクターを作って、各勢力のダンジョンを遊ぶというプレイスタイルでもいいわけか?

Firor氏:良い質問。それについては北米で発表したばかりだが、3つの勢力にまたがってプレイできるようなシステムを用意している。このため各勢力毎にキャラクターを作る必要はない。具体的には1つの勢力でレベル50でダンジョンを攻略したら、別の勢力でレベル50のままスペシャルバージョンのダンジョンにチャレンジできるようになっている。当然より良い報酬が狙える。それもクリアしたら今度は3つ目の勢力に行ってまたレベル50のままスペシャルなダンジョンに挑戦できるようになっている。さらに報酬が良くなるが、難易度もその分高くなる。内部では50、50+、50++と呼んでいるが、それぞれ150時間ずつぐらいのコンテンツになっている。

――「ESO」の種族設定は公式データをベースにしているのか?

Firor氏:我々のチームには、オリジナルストーリーや設定との整合性をチェックする人が3人いる。もちろんドキュメントを貰って確認しているし、設定が食い違わないようにしている。新しい要素に関しては逆にデータベースを更新していっている。

――デモの映像ではキャラクターの手が見えて相手との距離を掴みやすくなっていたが、バトルの仕様が変更されるのか?

Matt Firor氏:現在、そういう方向で変更している最中。まだプレイしてもらうレベルではないが、今夏のβテストでは新しい仕様でプレイして貰うことになると思う。

――ソーシャル機能に関して教えて欲しい。

Firor氏:「ESO」ではメガサーバーと呼ばれる仮想的な1つのサーバーで運営される。これにより、ギルドは5つまで同時に加入でき、PvPギルドとPvEギルドの掛け持ちのようなこともできる。また、新キャラクターを作っても従来のフレンドと関係を維持したままコミュニケーションが取れる。

――「Elder Scroll」に存在する職能組合としてのギルドにも入ったりできるか?

Firor氏:できる。シーフ、ファイター、メイジなどのギルドも、ゲームプレイ要素のひとつとして導入する予定。それはNPCのコンテンツとして盛り込み、プレーヤーが運営できるわけではない。クエストの形になる。

――サービススケジュール、ビジネスモデルはどうなるか?

Firor氏:(笑)。それについてはまだ話せない。いまβテストの準備に集中しており、スケジュールはβテスト次第になる。

――アップデートはどのような規模、単位になるか?

Firor氏:ローンチ段階で、アップデート、追加コンテンツの作成に入ることになる。月に1回は何らかのコンテンツのアップデートが入ってくると思う。

――今後ゲームコンソールや、タブレット等へのPC以外への展開はあるか?

Firor氏:「ESO」は現在Windows PCとMac向けの開発に集中している。グラフィックスオプションを落とすことで、UltrabookやMac Book Airでもプレイすることができるだろう。もちろんSurface Proでも遊べるが、Surface RTでは動作しない。

(中村聖司)