インタビュー

ハイスピードアクションへのこだわりや開発秘話など! ガンダムゲーム最新作「GUNDAM ROGUE ORBIT」開発者インタビュー

【GUNDAM ROGUE ORBIT】
2027年3月5日 発売予定
価格: コレクターズエディション 15,840円
デジタルデラックスエディション 11,880円
通常版 8,910円

 バンダイナムコエンターテインメントは、プレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC向けアクションゲーム「GUNDAM ROGUE ORBIT」を2027年3月5日(金)に発売を予定している。

 前回、「GUNDAM ROGUE ORBIT」の最速試遊レポートをお届けしたが、試遊の後に本作のプロデューサーを務める富山 勇也氏と、ディレクターの芹澤義行氏のお2人に「GUNDAM ROGUE ORBIT」開発秘話や、題材となるガンダムについてさまざまなお話を伺ったので、今回はその内容をお届けしよう。

世界中にガンダムゲームを広めるためのワールドワイドな戦略

左からディレクターの芹澤 義行氏、プロデューサーの富山 勇也氏

――本作の企画が生まれた経緯を伺えますでしょうか?

富山氏:本作「GUNDAM ROGUEORBIT」は「国内のみならず世界中のゲームユーザーにガンダム作品を届ける」というミッションのもと、まずはバンダイナムコエンターテインメントで企画が始動し、異なるアプローチの新たな挑戦として、長期間にわたる技術検証と企画議論が重ねられました。様々な可能性を検討しながら試行錯誤を続けた結果、『ガンダム VS 地球外生命体』という新たなゲーム企画へたどり着きました。

――ワールドワイドを意識してのフォトリアルな映像になったのですか?

富山氏:これまでにない取り組みを積極的に進めていく方針のもと、その一つとしてフォトリアル表現にも挑戦しています。

芹澤:今回のRG projectでは新たにSFの世界観で描いているのですが、そこで幅広く世界中のお客様に興味を持っていただきたいと思っておりましたので、フォトリアルにしてSF特有のメカニックの質感やデザイン、キャラとか戦艦を表現しました。ガンダムゲームということも大事なんですが、SFのアクションゲームというところで興味を持っていただくということを狙いとしてやっておりました。

本作はアニメタッチの路線ではなく、本格的なSF感を押し出している

――ガンダムゲームといえばシミュレーションなどいろいろなジャンルがあると思うのですが、今回初のハイスピードアクションという形式を採用された経緯をお伺いできますでしょうか

富山氏:ゲームのジャンルがいろいろある中で、魅力的で高精細なアクションゲームというところでお客さんの層を取っていきたいというところが大きくありました。あとは開発チームが今回はバンダイナムコスタジオのガンダムゲームをたくさん携わってきた方々が手掛けていくというところで、様々な技術検証や経緯を経て、その強みを活かすうえでも、このジャンルを選定させていただいたという経緯がございます。

芹澤氏:あとはプレイヤーが操作するガンダムに対峙するアポカリプスというのを考えて進めている中で、やはりアクションゲームとして大きな敵を倒したときの手応えや気持ちよさというのを重視してアクションゲームになりました。

 歴史あるガンダムゲームの中でもちろん重量感を重視したものもあると思うんですけど、近年のガンダム作品のハイスピードな機能性を重視してハイスピードアクションという選択をしました。

近年のアニメ作品の高速戦闘をゲームに落とし込んだという

――遠距離戦ではなく、近距離戦を主体にした理由を伺えますか?

富山氏:先ほども申し上げた「国内のみならず世界中のゲームユーザーにガンダム作品を届ける」というのがこのプロジェクトのミッションでして、手応えと緊張感のある戦いという部分をしっかりと作っていくことで魅力的なアクションゲームになるだろうと考え、今回のバトルスタイルを選択させていただきました。

芹澤氏:近接アクションをメインにしたのは、先ほどお話したアポカリプスのような巨大な敵に対して部位を破壊したり、そういった手応えを重視したというところは1番大きいです。

アクション性を重視して、ガンダムゲームでは珍しい近距離戦主体のゲーム性になった

――ハイスピードアクションという、本作のアクションのこだわりのポイントなどはありますでしょうか?

芹澤氏:ハイスピードに寄せていけば寄せていくほどモビルスーツらしさが失われるところもあり、そういったところで強攻撃やソードランスの重みであったり、攻撃の後の硬直などの重さは気をつけています。しかし、ハイスピードアクションを目指している上で重さを重視するよりはアクションの気持ち良さを重視しています。

 例えばタクティカルスキルがあると思うんですけど、あらゆる行動中にいつでも使って割り込めたり、隙を消せたりできます。そういった形でハイスピードでありながらも重みもありつつ、リスクのある重い行動を瞬時に素早いアクションに切り替えるみたいなところは意識して、うまくバランスをとってハイスピードアクションとモビルスーツの重みを大事にしています。

富山氏:アクションのアニメーションについても、ガンダムゲームにこれまで携わってきた開発チームのいろいろな知見が込められているかなというところで、これまでのガンダムゲームの魅力が詰め込まれたアクションになっているかなと思っております。

どこかの作品で見たことがあるような要素が詰まっている

――本作では外装が変えられてますが、本作におけるガンダムとはどういった立ち位置なのでしょうか?

富山氏:本作の物語の中で、ガンダムヘリックスがどのような存在なのかはまだお伝えできていない部分がほとんどとなります。そういった部分も含めて、ゲームを遊んでいただいた時に、今作の魅力は感じていただけるようになるかなと考えております。

芹澤氏:ゲームのコンセプトであるエースパイロット体験を世界中のお客様に提供したいという思いがありました。

 モビルスーツというものはこういうものだという表現には非常に重視しております。ガンダムヘリックスにパイロットが乗り込むシーケンス、ハッチが開いてコックピットに乗り、外部の映像が流れる環境であったり、艦長やオペレーターから作戦の説明が与えられている場面とか。次にカタパルトから出撃するといった場面をゲームプレイで感じてもらいたいと思っていました。

 あとは人間ドラマ部分ですね。完全新作ということで、ちゃんと人間ドラマというところもしっかり描いています。主人公のレクスがさまざまな人と出会い、エースパイロットとして成長していく姿を描くことで魅力や面白さを感じてもらえればと思っております。

――人が乗り込むロボットというお話が出ましたが、海外だと知性を持っているロボットはキャラクターとして親しまれていますが、モビルスーツは乗り込み型のロボットっていうことで、ワールドワイドに向けての取り組みや勝算などがあれば教えてください。

富山氏:ゲームだからこそ自分がパイロットとなって操縦しているという感覚はしっかりと得られるようにかなり注意をして開発を進めていました。

 開発をする中でも、バンダイナムコエンターテインメントの海外メンバーを含めたいろいろな意見を取り込む中でコックピットのシーンが加わったり、人が乗り込むロボットにそれほど馴染みがない方にもこのようなエンターテイメントのコンテンツがあるところをしっかりと感じ取ってもらえるゲームになっているかと。新しい魅力として世界中の方々にもお届けしたいと思っております。

芹澤氏:しっかりとガンダムゲームの良さ、そのモビルスーツに乗り込み、戦場で自分がエースパイロットになるというカタルシスであったりとか、戦闘以外での人間ドラマや葛藤と成長など、そういうところをガンダムゲームとしてゲーム作品ならではの方法で世界中にお届けしたいと思っています。

同じガンダムでも、外装を変えることでこれほど別物に
「戦争」、「モビルスーツ」、「人間ドラマ」。この3つのガンダムらしさを心がけて開発されている

――先ほどワールドワイドを狙っているという話がありましたが、具体的にどういった層を狙っているのか伺えますか?

富山氏:昨今いろいろなタイトルで手触りが良いアクションというところを楽しんでいる方々が多いという中で、世界中の方々が日本の爽快で手触りが良いアクションゲームというところに対して非常に魅力を感じていただける機会がすごく増えていると思いました。日本の開発チームの強みではあると思っておりまして、そこの魅力を伸ばしていくという意味で、我々でしか開発ができない魅力的なものを作っていけると思っております。

 そういった魅力を伸ばすことによって、ガンダムファンの方はもちろん、ガンダム作品を知らない方々が興味を持てるようなゲームとして、グラフィックに関してもフォトリアルに挑戦し、これまでのガンダムゲームにはないような、高精細で魅力のある見た目にできているんじゃないかなと思っております。

芹澤氏:トレンドというわけでもないかもしれませんが、高難易度ゲームの差し合いのようなアクションゲームが今非常に多いかなと思うんですけど、本作ではそういったものは主ではなく、『ガンダムシリーズ』のファンの方はもちろん、”ガンダム”を知らない人でも興味をもっていただきたいというのが主でありますので、多くの方々に手に取って楽しんでいただきたいということから、気持ち良さを重視しています。

海外のユーザーが触る初めてのガンダムゲームになるという気概で開発されているのだそうだ

開発のガンダムへのこだわり

――世界観の設定に神山 健治監督たちが関わられているとのことですが、基本的にどのような話し合いで、神山監督がどのような形でご参加されているのかお聞かせいただければと思います。

富山氏:本ゲームの神山監督への関わりについては、神山監督のアニメ『機動戦士ガンダムRG XARX-ZERO』シナリオ会議に開発メンバーが参加させていただき、一部のアートデザインなどもゲームと共有させていただいています。

 アニメの世界観の設定構築がなされたのち、ゲームスタッフ側へそれをご共有いただき、それを基礎に据えたうえで、ゲーム体験を最大化させるためにアニメ『ガンダム RG XARX-ZERO』で描かれる時代と本作『ROGUE ORBIT』で描かれる時代を分け、ゲーム用のシナリオへ我々で新たに落とし込んでいったという形になります。

 モビルスーツのデザインでは、腰のデザインの部分が実は共通の機構を持っていたり、そういった設定なども組み込まれていたりします。他にも、細かな要素としての連動した設定が入っています。

芹澤氏:年代はずれているとかそういったところはあるんですけど、それぞれ世界観を共通ではあるので、どちらかを見たりプレイしてからでないと楽しめないというコンテンツにはしないようにしております。

 僕も55歳なんですけど、僕は本当にガンダムをリアルタイムで1979年の第1回の放送から見ていた世代です。その中で非常に多くのガンダム作品がある中で、今回、RG project の一部として生み出された世界観は非常に僕は刺激的で、うまくゲームで出していきたいというのがありました。世界観のリンクとしては三つの福音の「重力制御」、「超光速通信」、「マテリアライズ」といった共通のワードを使うことで世界観の共有はしております。

アニメとゲーム、それぞれ単体でも楽しめる作品になっているようだ
それぞれが思う、ガンダムへの熱い想いを語る

――ゲームのプレイ時間や登場するモビルスーツのボリューム感など伺えますでしょうか?

富山氏:ボリューム周りに関してですが、具体的なパーツ数であったり武器の数であったりというのはこれから情報を出させていただく想定ではあるので、あくまで今登場しているものは一部であるという形でお答えできればと思います。ゲームボリュームとしては、ストーリーをまっすぐ進めていくというところでいくとおそらく20時間前後くらいにはなるのではないかと思っております。

 もちろんいろいろな装備を試したりだとか、自分好みの機体を作って試して進めていくと人によっては違いはあると思うんですけども、おおよそのボリュームとしてはそれくらいになるのではないかと思っています。

――ガンダムゲームとして「ここだけは守ろう」とした軸となる要素や気をつけた点などを伺えますでしょうか。

富山氏:そちらについては公開させていただいた映像の中だとお伝えしきれていない部分があるんですが、アポカリプスという未知の存在との戦いを描くゲームにはなるんですけど、その中で描かれる人と人とのドラマが中心の話であるというところをしっかりと作り上げているのがブレないようにしております。

芹澤氏:デザイン的なところですと、パッと見てもガンダムだって分かる記号的なものはしっかり残しつつ、デザイン的な魅力を損なわないよう意識しております。ディテールが細かったり、面ではなくて流線形の機体の表現にしているのも、ちょっと触ればモビルスーツだと意識してもらえるようなデザインに気をつけております。

 あとはガンダム作品で重要な、機体に乗り込んで出撃するところであったり、近接アクションがメインではあるんですが、チャージビームライフルで高ダメージも出せるけど、基本的には近接アクションで戦うというところをやります。そういった必要な要素は残して、ハイスピードアクションが実現するように意識しました。

――ありがとうございました。ガンダム愛に満ちた「GUNDAM ROGUE ORBIT」の完成を期待しています。