インタビュー

「Diablo」30年の軌跡を辿る新シーズンとは? 「ディアブロ IV」開発者インタビュー【BlizzCon】

新クラス「アマゾネス」やSwitch2版、今後の展開についても深掘り

【BlizzCon 2026】
2026年9月12日、13日 開催(現地時間)
会場:米国アナハイムコンベンションセンター
ゲーム・ディレクターのBrent Gibson氏(左)と、ゲーム・デザイナーのDan Tanguay氏(右)

 Blizzard Entertainmentのファンイベント「BlizzCon」では「Diablo(ディアブロ)」関連の情報も盛りだくさんに公開された。「Diablo V」が電撃発表され、Nintendo Switch 2版「Diablo IV」の正式発表、「Diablo IV」の新シーズン「獄遺継承」と新クラスパック「アマゾネス」、さらにNetflixでアニメ版「Diablo」が制作されることなどが明らかとなった。「Diablo」は2026年で30周年を迎える。多くの発表はそんなアニバーサリーイヤーを彩るものとなっている。

 「Diablo V」は2029年春発売の予定。舞台はなんとサンクチュアリが陥落し、ディアブロが勝利した世界となる。なんとか悪魔の侵攻を退けてきたこれまでのシリーズとは逆の、英雄が敗北したパラレルワールド的な世界で物語がスタートする。公式サイトのアナウンスでは、「世界が既に崩壊した時、あなたは一体何者になるべきか」という問いがプレイヤーに問いかけられている。

「Diablo V」

 Nintendo Switch 2版「Diablo IV: 憎悪の時代 コレクション」は9月15日に発売される。既に発売されている2つの拡張パック「憎悪の器」と「憎悪の帝王」が含まれており、日本語にも対応している。

 「Diablo IV」の新シーズン「獄遺継承」は30周年を祝うために、過去作のレガシーキャラクターや敵、場所、戦利品などが登場する。初代「Diablo」から登場し、シリーズを象徴する人物の1人、デッカード・ケインが復活してプレイヤーを導き、プレイヤーは三大悪(バール、メフィスト、ディアブロ)と戦うことになる。

 また、「アマゾネス」クラスパックでは、「憎悪の帝王」でNPCキャラクターとして一足早く登場していた「アマゾネス」が、プレイアブルな新クラスとして実装される。

 今回は、「BlizzCon」現地にてゲーム・ディレクターのBrent Gibson氏と、ゲーム・デザイナーのDan Tanguay氏に、主に「Diablo IV」の新要素についてインタビューすることができた。なお、「Diablo V」については質問することができなかったので、今後の情報公開を待って欲しい。

新シーズン「獄遺継承」では過去のレガシーな人物やボスが登場

――新シーズン「獄遺継承」でデッカード・ケインが復活することは、物語としてどういった意味を持つのですか?

Gibson氏: 30周年を祝うにあたり、デッカード・ケインの声がとても特徴的だと感じていたので、彼にガイドをしてもらうのが最適だと感じていました。そのためにシーズンに合う形でキャラクターを作りました。私たちは新シーズンのテーマを「死と覚醒」としていますが、そのテーマにも沿っています。このアイデアは死のカルトたちがサンクチュアリに混乱をもたらそうとしているだけでなく、彼ら自身も蘇生されているというアイデアにつながっています。2つのアイデアがとてもいい感じに結びついて、お互いにシナジーがあることに気づいた時、とても興奮しました。

30周年のロゴ

 デッカードは戻ってきた魂ですが、幽霊ではなく肉体を取り戻しています。しかし生きていられる時間は限られており、このシーズンだけに存在することになります。彼は自分が生きていた時に解決できなかった問題を抱えており、そのために罪悪感を感じています。それを解決してからまた死にたいと思っています。

――「Diablo」にはほかにも伝説的なキャラクターが登場しますが、彼らが復活することはありますか?

Gibson氏: リアもこのシーズンに登場します。それ以外の名だたるボスやキャラクターもかなりたくさん出てきます。

Tanguay氏: 彼らはデッカードのような形ではなく、主に記憶や悪夢として再登場します。

デッカード・ケインはシーズンを象徴する存在としてキーアートにも描かれている
新シーズン「獄遺継承」

――このシーズンで登場する「Waking Nightmare」では過去の場所にも訪れるのですね。このコンテンツの目的は過去を懐かしむことだけなのでしょうか、それとも世界観の中に落とし込まれているのでしょうか

Gibson氏: 「Waking Nightmare」はなじみのある場所を紹介していく1つの方法です。ここで登場するのはデッカードだけではありません。三大悪の魂をその身に宿した3人の人物も戻ってきます。

過去に戦った悪魔たちも再登場する

 「Diablo I」に登場した戦士エイダン、後に「闇の放浪者」となった人物です。そしてバールのソウルストーンをその身に宿したタル・ラシャ。さらにメフィストのソウルストーンを埋め込んだサンケクルも登場します。

 プレイヤーは彼らが抱える悪夢の中に実際に入り込み、その魂を安らかにするために行動することになります。

――今回懐かしさを前面に押し出しているのは「Diablo V」で全部壊すからですか?

Gibson氏: 今日の他のメディアのインタビューで、「『Diablo IV』が初めての人たちは懐かしさを感じることができませんが、彼らにとってはどういう意味を持つのですか?」と聞かれました。

 私たちが進めている旅は、彼らにとっては思い出の道ではありません。しかし私たちが本当に望んでいるのは、このシーズンの物語を通して、今までの物語に興味を持ってそれがきっかけになって「I」、「II」、「III」に手を伸ばしてくれたらということです。これは楽しい実験になると思います。

――Switch 2版もそういった意味合いですか?

Gibson氏: Switch 2版についても、Switch 2では遊ぶけれどPCゲームは遊ばないという層にリーチできます。拡張パックも入っているので、入門としては最適なバージョンになっていると思います。

Switch 2版には拡張パックも付属している

――Switch 2版「Diablo IV」はクロスプレイ、クロスプログレッションに対応していますか?

Gibson氏: 両方に対応しています。

――オンラインの常時接続も必要ですか?

Gibson氏: はい。インターネットへの接続が必要です。

――日本語には対応するのでしょうか?

Gibson氏: 現在他のプラットフォーム版で対応している言語にはすべて対応しています。

アマゾネスは4つの戦闘スタイルと2つの武器が選択可能

――アマゾネスは新DLCとして実装されるのですよね?

Gibson氏: そうです。クラスパックなので課金要素になります。

――以前のアマゾネスに似た感じになるのでしょうか? それとも全く違うキャラクターになるのですか?

Gibson氏: アマゾネスは4つの異なるプレイスタイル(アーキタイプ)を選択できます。そのうち2つはかなり懐かしいスタイルで、2つは新しいスタイルです。アマゾネスは昔のビルドを懐かしむと同時に、さらに進化させていく余裕があります。開発でもまだ実験段階ですが、試作が楽しみです。

アマゾネスがプレイアブルなクラスとして実装される

――アマゾネスは弓のほかにジャベリンを使いますが、「Diablo IV」でのジャベリンはどんな武器になるのですか?

Gibson氏: ジャベリンは片手の遠距離武器です。先ほどお話した4つのプレイスタイルにおいて、ジャベリンと他の武器、例えばシールドを組み合わせることができるようになります。

 これによって中距離や近距離にも柔軟に対応できるようになります。現在もさらに実装方法を試行錯誤しています。非常に多用途な武器として、様々な戦闘スタイルやダメージタイプに対応できる武器だと思います。

――ジャベリンは過去にも存在した武器ですが、「Diablo IV」に実装するために、なにか新しい要素を考えましたか?

Gibson氏: まだ実験段階なのでどう使うか試行錯誤しているところで詳細は語ることができません。「Diablo II」と「Diablo IV」を比較すると「Diablo IV」には新しい要素を入れる余地がかなりあります。弓もジャベリンも「Diablo II」とは違う新しいことを提供するつもりです。

――「Diablo IV」での三大悪の破片はどのようなものか教えてください。ペナルティはどのくらい深刻なものになるのですか?

Tanguay氏: 闇の放浪者を倒すごとに、三大悪の破片を手に入れることができます。3種集めると、そのうち1種の各悪魔の力を取り入れることができます。ディアブロの破片は火炎ダメージ、バールは冷気ダメージ、メフィストは物理ダメージを発生させます。

 破片は使うことでレベルが上がります。レベルアップすると新しいタイプの力がアンロックされます。「ウォープラン」のアクティビティツリーのアップグレードノードもアンロックできます。

 私たちは今後のシーズンでウォープランを本格的に構築することが重要だと考えています。ウォープランはエンドゲームをプレイする非常に強力な方法だと思います。簡単な例を挙げると、バールの破片から得られるアップグレードの1つでは、「ねぐらのボス」からより簡単にルーンを得られるようにドロップ率を上げられます。 ウォープラン全体にも他のタイプのアップグレードがあります。

エンドコンテンツ「ウォープラン」

――今のエンドゲームは非常にハイリスクハイリターンで一撃で即死することもあります。三大悪の破片によってペナルティはどのくらいシビアなものになるのですか? どうバランスを取るのですか?

Tanguay氏: ここでは2つの点に触れておきたいと思います。まずバールの破片で解放できるアップグレードの中には、キャラクターのパワーを高めるものが含まれています。先ほど話に出た「一撃で倒されてしまう問題」の調整が多少難しくなる可能性はあります。

 しかしだからこそ、私たちは破片のアップグレードを単純にキャラクターのパワーを高めるだけではなく、ゲーム内の他の要素に作用するよう設計しました。ゲーム全体を通じて価値を感じられるものにしたかったのです。

 もう1つお伝えしておきたいことがあります。現在プレイヤーの皆さんが不満を感じている一撃死の中には、実際にはバグによって発生しているものがあるということです。私たちは現在それらの不具合の修正に取り組んでおり、「獄遺継承」が出るまでには解消されることを願っています。

まだまだ遊べる「Diablo IV」! 今後も多数のシーズンが登場予定

――Netflixのアニメ版「Diablo」について話せることはありますか?

Gibson氏: 私たちは現在制作のどの段階なのかはまったくわかりません。ただ開発チームも、ファンと同じように興奮しています。

――「Diablo V」のリリース後も、「Diablo IV」の開発を続けるのでしょうか。2029年や2030年までに新しいクラスや拡張パックを見ることができるのでしょうか?

Gibson氏: 私たちが「Diablo IV」について考える時、実際にはディアブロ全体についても考えます。「Diablo II」や「Diablo III」は現在も非常に活発なコミュニティを持っています。多くのプレイヤーにとってはそれが彼らの「Diablo」です。そして引き続き「Diablo IV」をプレイし続けるプレイヤーもいると思います。私たちはそんなプレイヤーをサポートすることにコミットしています。しかし、今はまだその形について積極的に議論しているところです。その作業が終わっていないのでお話することはできません。

 今チームが注力しているのは今後のシーズンです。「獄遺継承」の後にもたくさんのシーズンが控えています。アマゾネスのクラスパックもあります。今後数年はたくさんのプレイ要素があります。「Diablo IV」の最終的な形についてはまだ模索中です。

――シーズンの期間は変わらないのでしょうか? それとも今後長くなったり、短くなったりすることもありますか?

Gibson氏: それは現在も私たちが取り組んでいることです。私たちは常にシーズンの長さを調整して、最適な形を探ってきましたし、今後もそれを続けていくと思います。

――ありがとうございました!