インタビュー
「FFXIV: 黄金のレガシー」パッチ7.3「明日への道標」インタビュー
新たな旅路では再び冒険者が物語の中央に。開発の考える遊びへのこだわりを聞いた
2025年7月31日 17:00
- 【ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー】
- パッチ7.3「明日への道標」
- 8月5日実装
スクウェア・エニックスは、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Windows/Mac/Steam用MMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」のメジャーアップデートパッチ7.3「明日への道標」を8月5日に実装する。
「黄金のレガシー」でトラル大陸を舞台に展開してきた物語の完結編であり、次の拡張パッケージに続いていくストーリーの序章にもあたる。また、アライアンスレイド「エコーズ オブ ヴァナ・ディール」の新章「サンドリア:ザ・セカンドウォーク」や、ディープダンジョン「ピルグリム・トラバース」、「コスモエクスプローラー」の新エリア「ガラスの星 パエンナ」など様々なコンテンツも同時に実装される。
今回は、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏にパッチの見どころや今後の「FFXIV」について話を聞くことができた。
スフェーンの物語が結末、再び冒険者が主人公の物語が始まる?
――最初にメインストーリー「明日への道標」についてお伺いします。今回は完結編であり、かつ新たな展開に向けての始まりということで、どういうストーリーが展開していくのか、ヒントとか注目ポイントを教えてもらえますか?
吉田氏: 「黄金のレガシー」の7.0までは、ウクラマトたちそれぞれのキャラクターが自らの進むべき方向を決めるということが物語の結末になっていました。この“進むべき路”という言葉は7.Xシリーズを通してのテーマでもあります。今回はその「黄金編」の最終的な方向性が明確になります。
「黄金のレガシー」7.0の中では、光の戦士は進むべき方向を探している若い世代に対して、時にはメンターのように手を貸し、時には叱咤してきました。そうして見守ってきた旅路は今回綺麗に完結します。
これまで、英雄の夏休みという言い方をしてきましたが、一旦英雄を一休みした後、また新たに光の戦士自身の物語へと進んでいくことになります。その先に何があるのか、今回の終盤ではその片鱗や予感が少し見えてくるのではないかと思います。
プリザベーションの正体は何なのか、カリュクスというキャラクターがどう着地するのかというところはもちろんきちんと描かれていますし、クライマックス感はしっかり作ったつもりです。いま最終調整をやっているところで、クオリティも限界ギリギリまでこだわり抜いてお届けしようと思っています。
スフェーンがどうなるのかに関しても今回綺麗に決着を付けています。本人の意志とは関係なく数百年眠り続けさせられていたスフェーンと、逆にそのスフェーンの記憶から数百年歩み続けてきた先代スフェーンは、同じ人格から発生しているとはいえ、違う路を歩んできてしまっています。その2人の想いがどう一つになるのか……といった部分にもご注目していただけると嬉しいです。
――さきほどメンターと言われましたが、確かに「黄金のレガシー」では、冒険者がウクラマトたちを背後から見守るシチュエーションが何度かありました。これが、自分が主人公ではなく傍観者になってしまったような印象を受けるプレイヤーがいて、コミュニティにも賛否があったかと思います。ここで一度物語が完結して、次の物語が始まることになりますが、次の物語では冒険者はまた主人公になるのでしょうか?
吉田氏: 今も主人公である、という部分は崩しておらず、その局面に対して「自身にどこまで戦う理由があるのか」というアプローチについて、敢えて以前とは変えていた部分になります。以前のインタビューでもお話していますが、短いスパンで考えると確かに「世界の危機に立ち向かう主人公」という緊張の連続はアリだと思うのですが、そればかりだと敵が絶えずインフレしていくことになってしまいます。あれだけ激しい死闘を繰り広げた「終焉を謳うもの」が、次の拡張がきたら即、「ヤツはしょせん前座に過ぎない!」となってしまうと、プレイヤーの皆さんの冒険自体が、「なんだったんだよ……」となってしまいかねないと思うんです。僕にはどうしてもそれができなくて。
もちろん「暁月のフィナーレ」からの激変には、ある程度の賛否はあるだろうとは思っていて、この「黄金編での主人公の立ち回り」があればこそ、ここから先の更なる戦いの物語が、きっとより一層厚みを増すことになる、そう考えて意図的に段階を踏んで演出しています。いずれまた大きな物語をじっくり書いていくことになる前に、いったんきちんと色々なものを整理して書かないといけないという部分もありました。
今回はストーリーの後半になると冒険者が正面に帰ってくるぞという感じを強めてあります。いよいよ本格的に戦線復帰かなと思っていただいても大丈夫です。
――いろいろありましたが、それでも夏休みではあったのですね。
吉田氏: はい。その夏休みは、僕たちにとっても大きな学びの機会になったと思っています。
――今回スフェーンがコンテンツサポーターとして一緒に戦ってくれるのですよね。
吉田氏:ここも丁寧に描こうとしてきたところですね。数百年の眠りから覚めて、すぐさま戦い始めるのも御都合が過ぎるということで、現在の状況を受け入れたわけではないけれど一旦飲みこもうとした7.2のスフェーンの物語があって、そこから7.3までの時間軸の間に魔力も含めて戦う準備をしてきたことが今回の物語につながるようになっています。今回は魔導書を手にとって戦線に出る準備はしています。
――スフェーンがどんな風に戦ってくれるのか楽しみです。
吉田氏: インスタンスダンジョンもそうですが、その先のまだ公開できない敵との戦いにもしっかり繋がっていくと思っています。スフェーンがどんな動きをするのか楽しみにしていただければ嬉しいです。
「エコーズ オブ ヴァナ・ディール」では「FFXI」の思い出が詰まった場所やボスを選定
――次は「エコーズ オブ ヴァナ・ディール」の第2弾「サンドリア:ザ・セカンドウォーク」についてお伺いします。今回サンドリアが舞台になるようですが、どこが舞台になるのかはどういうふうに決められているのですか?
吉田氏: 「FFXI」はMMOとして大先輩で、それこそ数えきれないほどの歴史と冒険が詰まっています。「エコーズ オブ ヴァナ・ディール」が3回あるとはいえ、「FFXI」にあるすべての要素を再現することはできないので、かつて「FFXI」のプレイヤーだった方や、今もプレイしてくださっているプレイヤーの皆さんが、「ここはああだったよね」、「こんなやついたよね」と思い出のある場所や強く語れるような要素をつなぎ合わせています。
「FFXIV」で再現されることによって、「FFXI」という偉大なMMORPGに、FFXIVプレイヤーの方に興味を持ってもらいたいという思いがあります。そういう意味で、サレージャが仕掛けている記憶の残滓を具現化して戦わせるという、ある意味トーナメントぽい形をとっているのです。基本的には名場面から持ってきて、皆さんにそれぞれを体験してもらおうという形を取っているので、「FFXI」にあるエピソードがそのまま再現される、というわけではありません。
――今回サンドリアがでますが、今後ウィンダスやバストゥークが必ずしも出るわけではないということですか?
吉田氏: たまたま今回サンドリアですが、三国すべてを出すというコンセプトでやっているわけではないです。これは「三国必ず出そう!」という企画ではない、という意味ですので、議論して全体を構成した結果、「これは出した方が盛り上がるね!面白くなるね!」となれば、登場の可能性もあるかと思います。
――今、開発状況はどの程度なのですか?
吉田氏: ちょうど昨日、僕の24人での仮組チェックを経て、今度は24人での初見テストをやりました。結局6時間くらいチェックをしましたが、ボスのアクション調整ももちろんですが、エリア同士のつなぎだったり、不自然さがないかどうかも重点的なチェック対象でした。開発者には現役も含めて多くの「FFXI」プレイヤーもいるので、彼らに都度意見を聞き、それから逆にまったく「FFXI」を知らないスタッフと両方の意見を聞いて、どう感じるかを確認した上で調整したりとか、ギリギリまでかなり細かくやっている状態です。
――「FFXI」に思い入れのあるスタッフやプレイヤーから、あそこを入れて欲しいとかこのボスを入れたらどうかといった色々な意見が出ていると思います。最終的な取捨選択はどういった判断基準でなされているのですか?
吉田氏: 今回の担当チームには特に「FFXI」プレイヤーだった人間が集まっているので、エリア選出やボスの選出、プロットメイキングを行なっています。それを藤戸(「FFXI」プロデューサーの藤戸洋司氏)にぶつけて、藤戸がどう感じるか、どう思うのかを最優先にしてもらい、藤戸がOKを出したものを僕がその後チェックするという形をとっています。
僕がOKを出してから藤戸チェックだと、やりづらくなってしまうと思うんです。一応部門的には僕の方が上司になってしまうので、ひっくり返しにくいだろうな、と。ですから、僕はあくまでも最後にフラットな視点で、「ここはちょっと思いを込めすぎなんじゃないか」とか「ここはむしろもっとやってもいいんじゃないかな」という最終的なバランス調整をしています。やはり「FFXI」プレイヤーのことを一番考えているのは藤戸たちなので、彼らの意見をものすごく重要視しています。
――ある意味「エコーズ オブ ヴァナ・ディール」は「FFXI」チームのお墨付きがあるということなのですね。
吉田氏: これは「FFXI」に限らず、すべてのクロスオーバーコンテンツでは、必ず相手先に敬意を持って作ることが第一なので、すべて監修していただいていますし、それが普通だと思ってやっています。
――イベントマップとなっているジュノには何か変化がありますか?
吉田氏: ジュノは具現化したエコーズとして存在しているので、「サンドリア:ザ・セカンドウォーク」をクリアしたり進行するとNPCが増えたりと変化します。小ネタではありますが、結構いろいろな要素があるのでクリアしたらぜひそちらも見ていただけると嬉しいです。
「ガラスの星 パエンナ」では新たなメカが登場
――次は「コスモエクスプローラー」に実装される新たな星「ガラスの星 パエンナ」についてお伺いします。コンテンツ自体がどう変更されていくのか、また月とどんなところが違うのかを教えてください。
吉田氏: ガラスの星「パエンナ」は、文字通りガラスの結晶に覆われた惑星です。皆さんの活躍により月面の探索と設備建造が進み、マシン操作の先発隊がパエンナを発見、いよいよ冒険者を乗せ、新たな星の探索が始まる……というのが今回の導入になります。パエンナの環境は、冒険者たちが活動するための最低限の準備は行われているので、早速その環境を調整するなど探索が進みます。惑星環境に紐づいた世界設定や表現、天候なども特殊にしていますので、全体を通じて新たな探索を感じていただけるかと思います。
また、遊びや報酬のバリエーションももちろん増やしていきますが、これまでと全く異なるシステムが来るというわけではなく、基本的にはクラフターとギャザラーの人たちが力を合わせて惑星を探索し、活動範囲を広げていきます。「暁月のフィナーレ」で世界はメーティオンによって結構な範囲が絶望させられ、滅んでしまっているので、いつか生き残った生物たちが見つかったときに、こういった惑星に移住してきてくれるといいよね、という大目的はあまり変わらないです。
前回たくさんのフィードバックをいただいたので、それを1つ1つ丁寧にチェックして、先日の北米出張する前に大規模なテストを2回やったうえで、帰国後にさらにもう1回細かくチェックしています。全体の遊びも大事ではあるのですが、やはり1つ1つがシステマティックになりすぎているところが僕はすごく気になったので、多人数でのプレイを重ね、意見取りを徹底し、手触りに関する調整を優先に行っています。
――発表されているスクリーンショットでは、かなり月と印象が違っていますね。
吉田氏: その星の環境に合わせた内容になるので、見た目は月と全然変わります。ただ工程自体が大きく変わるわけではありません。
――サーバーによっては共同施工作業を完遂するのが難しいところもあったようですが、今後どういう調整が入っていくのでしょうか?
吉田氏: パッチ7.25で発生頻度や成功と失敗の閾値を調整させていただきました。今のところはプレイヤーの皆さんの安定度が非常にいい状態なので、数値的にはこのくらいで良さそうだろうと思っています。月の探索自体は完了していて初動の時のようにどんどんやっているわけではないので、その時のデータと見比べたうえで今後も引き続きデータを見つつ調整していきます。あまり数値を下げ過ぎるとあっという間に終わってしまって、参加できなかったという状態になってしまってもよくないので。それと、失敗した時のリカバリーに関しては、今回のパッチでもう一段フォローを入れる予定です。
ギャザラーとクラフターの作業というのは、どうしても単純化してしまいがちです。その上でも、例えば様々なオブジェクトにアクセスする時のリアクションが汎用的システムにとどまってしまっているところがすごく気になっています。今回はそこを改めて徹底チェックしています。
10年以上やってきたからこそ、例えばSE1つ、VFXの出しどころ1つとっても、たくさん作るためにすでにあるものを割り当てていくみたいになってしまっている。そこを改めて、アクションもSEもVFXもこだわってお届けしないと、それこそ本当に作業感が強くなってしまう。
もちろん、たくさんのコンテンツを作るための「汎用化」は必要なことではあるのですが、大切なのはそのさじ加減です。こだわるべき所は絶対にこだわって作らなければならないのですが、そのこだわりが数を作ることになってしまっている。ここをもう1回実機を触りながら話し合っています。1つでも2つでも、みなさんがレポリットから依頼を受けてやっている時に、ちゃんとそれぞれに作業に手ごたえを感じられるよう、それぞれに合った形になっているかどうかは、全体のシステムと同じくらい大事なんです。
例えば、新しい共同施工作業で、ドローンが一緒にオートで参加するものがあるんですが、ドローンが移動する座標もやはりグラフィックスとばっちり合わせた方が、ドローンが割り当てられたプログラムに基づいてみなさんと一緒に一生懸命やっていると感じることができますよね。でも惑星の探索状況によって、後からコリジョンのある障害物ができたり、変化していくことが決まっているので最初からそのコリジョンを避けて飛ぶと、ルートが微妙になってしまうんです。
コリジョンが後から乗るのが分かっているなら、最初からそのコリジョンを避けたルートにグラフィックス側を修正して、そこに合わせてルートも修正してドローンを飛ばすか、レイヤーを二重にして、この段階に進んだ時にはドローンのルートを変えるという2段階を作ることになる。手間になってスタッフには申し訳ないんですが、でもそういう小さいことの積み重ねが大事なところじゃないかと思うんです。ただそれを期間内に作ろうとすると大変で、だからこそ「落としどころ」が必要にはなりますが、それがズレてきていると感じたので、その点を強く意識して調整を行っています。
――大変そうです。でも、確かに神は細部に宿るといいますものね。
吉田氏:そうなんです。やっている時の1つ1つ積み重ねた達成感が結果に繋がっていくのです。
――そういえば、月ではパワーローダーに乗りますが、作業が終了するとローダーは飛んで戻っていきますが、乗っていた人たちは現地解散になりますよね。ああいったことはどうなんでしょうか?
吉田氏: あれは利便性のためですね。たぶん演出で時間を奪われたくない方もいると思うんです。そういう方は、「乗って帰るところはいらないんだよ」と思うでしょう。現地解散ならすぐに次の行動に移れますので、これはどちらかを取るのが難しいですね。細部の話ではなく、今の例ですと、我々のこだわりでプレイヤーの皆さんの時間をどこまで占有していいのかという問題になります。
――今回もローダーは出るのですか?
吉田氏: 新しいメカオペレーションがあります。これも今皆さんにどこで何をしてもらうかを調整しています。やっていただくメカオペレーションがきちんと設定的に納得のいくものになっていないと、結局作業感が出てしまうので。そのあたりを1つ1つ、QAチームのテスターからの意見も入れつつ7、80人で見てもらって調整を繰り返しました。前回は作っては壊しをやっていたこともあり、作るだけで精一杯だったところがどうしても出てしまって、それが本当に良くなかったと自分でも思っているので、今回は丁寧にやっています。
――最初に、基本は変わらないとおっしゃっていましたが、細部はかなり変わりそうですね。
吉田氏: ギャザラーとクラフターはどうしてもシステマチックになってしまいますし、ある程度物量を作ろうと思ったらどうしても1つ1つは単純になります。でもだからこそ、1つ1つの工程にきちんと気持ち良さ、手応え、SEやVFXの違いを作ることを意識しなければダメだということをスタッフのみんなに伝えつつ、自分も初心に戻るつもりで反省しながらやっています。
久しぶりの第一世界。ダンジョン内ではフェオの手助けも
――次は「ピルグリム・トラバース」についてお伺いします。久しぶりの第一世界でストーリーがあるということですが、第一世界の本編に関わるようなものになるのでしょうか?
吉田氏: 光を奉じる教団がかつて存在していたというのは「漆黒のヴィランズ」でも描かれていましたが、そこにまつわるエピソードが展開します。闇の戦士の活躍によって、大罪喰いたちは討たれましたが、罪喰いもすべてが消え失せているわけではないので、その後どういう状況になっているのかがほのかにわかると思います。また、イル・メグには新たな妖精王となったフェオがいますが、きちんと関わってくる部分もあります。踏破した後に、ボーナスクエストが1つ出たりもするので、ロアが好きな人はそちらも楽しんでいただきたいと思います。ちなみにダンジョン内でもフェオが助けてくれたりしますよ。
――そのボーナスクエストは、全クリアした後のボスとはまた別の要素なのですか?
吉田氏: 別物です。高難度ボスをクリアしないと見られないといったものではありません。
――全クリア後のボス戦はどういったものになるのですか?
吉田氏: 今回は、そのクリア後のボスの前に、ディープダンジョンそのもののコンセプトを変え、誰にでも楽しめる要素を持ったディープダンジョンを目指しました。まず初動のクエストは30層の突破でクリアできます。その後の99階の突破を「固定パーティ」で目指す、というのが今までのディープダンジョンでした。
今回はもっと多くのプレイヤーの皆さんに挑戦してもらえるように、マッチングシステムに手を入れたり、セーブのやり方を変更したりということを行いました。後は、99階のボスに関しても、1度到達できたら別の独立したボスコンテンツとして開放するようにしています。ここで報酬を目的にしつつ、ボス戦の練習を重ね、99層の突破を目指していけるように、と考えています。
いままで踏破はちょっと面倒くさいなと思っていた方にも遊んでいただけるよう工夫しつつ、ソロで全層踏破を目指すような方もたくさんいらっしゃるので、同時に「ソロ攻略」が簡単になりすぎないよう努力しています。ディープダンジョン第3弾の「オルト・エウレカ」では低層階から即死系の敵が多かったと思うんですが、それを改めて「アメノミハシラ」くらいのバランスに戻して、もっとワイワイ楽しんでもらえる難易度にしようと思っています。
そのうえで、全層踏破した時にもう1つバトルコンテンツがオープンします。全層踏破した時に「供物」というアイテムがもらえるんですが、そのアイテムを複数個捧げることで、更なるボス戦へと挑むことが可能になります。また、このボスは供物を「何個捧げるか」によって、強さが可変するという特徴を持っています。
――何段階あるのですか?
吉田氏: 段階の説明は難しいのですが、捧げる供物の種類によって、ボスの強化内容が変わります。最大HPが伸びたり、特定の属性攻撃が強化されたり……。また、トータルいくつの供物を捧げたかによって、ボスのギミックやタイムライン自体が変化することもあって、段階数がお伝えしにくいですね(苦笑)
供物をいくつ捧げたかによって、撃破時に得られる報酬の個数も変わります。ですのでギミックは得意だけれど火力がちょっと苦手だよねというパーティならHP以外を上げるとか、そういう開発がデバッグコマンドでやっていそうなことをプレイヤーの皆さんでやっていただいて、それぞれの難易度に合わせたボスに挑んでいただくという今までにないシステムになっています。
供物を全部投入した状態のボスは、零式4層より難しくなります。この時のバトル総時間は10分弱ですので、絶とまでは言えませんが、ギミック難度は絶レベルのものが登場します。ワールドファーストレースをしていただけるくらいの難易度にはなっていると思いますので、今回のディープダンジョンは、カジュアルな楽しみ方から、高難度をお好きな方まで、幅広く遊んでいただけるものを目指しています。
――ボスの強さを自分で選べるのは面白いですね。
吉田氏: ボスにもっとたくさんの難易度があってもいいんじゃないかというフィードバックもお寄せいただいており、今回はそれにお応えする仕組みの投入にもなっています。
これまでディープダンジョンは「自分たちには関係がないからプレイしないんだよ」という方もいらっしゃったと思うのです。そういう方に、改めて自分たちでも楽しめそうだからやってみようかなと思っていただけるようなきっかけを作りたいと思っています。
まずは楽しく99層突破を目指していただきつつ、踏破することができたら、今度はいきなり激ムズのボスではなく、自分たちでパラメータの強化具合を工夫してそのうえで挑んでいただく。もちろん最低限の強化でもちゃんと倒せば報酬を得られるように作ってあります。まったく新しい仕組みなので、ぜひ多くのプレイヤーの皆さんに遊んでいただけるディープダンジョンになるよう、今頑張っています。
――そういえばイル・メグなので、ダンジョン内にジャイアントビーバーは出たりしますか?
吉田氏: どうでしょうかね。でも、ディープダンジョンじゃないところでも、ジャイアントビーバーネタは昨日のチェックでどこかで見たような気がします(笑)
――今回のパッチでは、新しいヴァリアントダンジョンは追加されませんでした。「黄金のレガシー」になってからはまだ実装されていませんが、今後実装の予定はあるのでしょうか?
吉田氏: パッチ7.4での公開を予定してます。パッチ7.4では8人レイドの実装があり、零式もあります。それと同時期にカジュアルに楽しんでいただけるようにヴァリアントダンジョンは、7.4シリーズでの投入にさせていただきました。今回は今までの高難度ボスの作り方を改めて、もっと楽しくボス連戦ができるような仕組みを、いま皆さんのフィードバックをもとに方針を調整したうえで作っています。
1つの大きなコンテンツの中に誰もが遊べる仕掛けを
――「蜃気楼の島クレセントアイル」への批判は、レベリング主体で遊ぶ古いMMORPGの遊び方が受け入れられなくなっているからという可能性はありますか? 吉田さんは、現在のユーザーはどんな遊びを求めていると思いますか?
吉田氏: データを拝見しても「クレセントアイル」自体はしっかり遊んでいただいていますので、レベリングが主体かどうか、ジョブやキャラクター強化が受け入れられないか、と聞かれると、そうではないと思います。
「エウレカ」第1弾「アネモス編」の時にはまだバルデシオンアーセナルもなく、レベリングが主軸でした。でもさすがにそういう時代ではないので、今回は最初からサポジョブのレベリングや島内レベル上げをしつつ攻略をする、クリティカルエンカウントや、更にその先の遊びとしてフォークタワーを最初から用意していました。
前回のグンヒルド・ディルーブラムはマッチングでしたが、「あまりにもシステマチックで、探索エリアとの繋がりが感じられない」と、その当時はご批判も多くいただきました。今回は、あらためてバルデシオンアーセナルのようにコミュニティベースになってくれると嬉しいなと思っていたのです。探索型コンテンツなので、ある程度プレイヤーの皆さんに工夫をしてもらって、突入のための条件を探してもらったり……ということを想定していたのですが、それが突入方法の見えにくさになってしまいましたし、今度はシステムのフォローが無さ過ぎて、突入するためのハードルが高くなってしまった。この乖離が一番の問題点だと思っています。ここの調整を本当にミスしてしまったなと。
――フォークタワーに入りにくかったことが、一番の問題だったということですか?
吉田氏: もちろんそれだけが問題というわけではないですが、レベリングが終わったのにスムーズにボスと戦うことができなかった。グンヒルド・ディルーブラムのようなマッチングの方が良かったという声があるのはそれが原因だと思っています。
――過去に一度、オートマッチングで入れただけに、不満に感じる人がいたということですね。
吉田氏: マッチングでなくても、もう少しスムーズに誰もがフォークタワーにチャレンジできていれば、もっと綺麗に回っていたのかなと。初動で多くの人がクレセントアイルでサポジョブのアクションを使っていただいて面白いと言っていただきました。クリティカルエンカウントに関しても、難しいという方も、ちょうどいいという方も、もう少し歯応えが欲しいという方もいらっしゃいます。だから、やはりエンドコンテンツへの導線にシステムのフォローが足りな過ぎた、そしていびつだった部分も間違いなくあると思っています。そこはきっちり修正したいと思います。
フォークタワーのボスは、パーティ全体が慣れてきたら24人でクリアできるようにという考え方で、バランス調整したのですが、個人ギミックの中に一部連帯責任を伴うところがあって、そのギミックを採用すべきではなかったと思っています。それがなければ、慣れてくればもっとカジュアルに攻略できていたという部分なので反省点です。フォークタワーへの繋がり方がスムーズだったら、もっとポジティブに遊んでいただけていたと思います。
この点についても先日緊急投入させていただいたパーティ募集機能のおかげで、挑戦される方が格段に増えました。クリアされた方からは面白かった、というお声も多数いただけていますし、パッチ7.3では更に多くのシステムフォローをさせていただきます。遅くなってはしまいましたが、今後、拡張も予定していますので、しっかり対応させていただくつもりです。
少し話は逸れますが、これまでの「FFXIV」は、「このコンテンツはカジュアルに遊べるもの」「このコンテンツはハードコアなもの」と、明確にコンセプトを分けて作ってきたものが多く存在します。これは、2.0で正式サービスを開始して以降、とにかく「コンテンツの総量を増やす」という目的においては、わかりやすくロードマップも作りやすく、プレイヤーの皆さんから見ても、取捨選択しやすいというメリットがあります。
しかし、それが長年続いてきたことにより、「全体としては10個のコンテンツがある、でも、カジュアルプレイヤーにとって意味のあるコンテンツはそのうちの3つしかない。逆にハードコアなプレイヤーにとっても、逆方向の3つがそれに該当する。中間層の方はもう少し幅広く、中間の4つくらいが自分たち向きのコンテンツに該当する」、といったセグメント分けが強くなりました。これは僕がPLLなどで「これはカジュアルな皆さん向けです!」など、そうお伝えしてきたことに起因しますし、そういったコンセプトでそれぞれを作ってきたことが原因です。
今世界中から多くのフィードバックを頂いて、前々回のPLLでお話した後のコメントや反応を拝見していて、たくさんのコンテンツを、ハードコア向け、ミドルレンジ向け、カジュアル向けという風に作るのではなく、1つの大きなコンテンツの枠組みの中で、どんな層の方にでも遊んでもらえるようなものを作る、というのが必要になったのだ、と考えるようになりました。
それぞれの方向に尖ったコンテンツは必要なので、「例えば、絶もカジュアルな皆さんにも遊んでいただけます!」はさすがに無理だと思うのです。でも、コンテンツ全体が10あるとしたら、どの層のプレイヤーの方でも、7-8個は意味のあるものになるよう、作り方やコンセプトの変更が必要だ、とようやく思い至ったのです。特にシリーズで作られていく今回のディープダンジョンや、ヴァリアントダンジョンは、常にそのコンセプトをアップデートしていかないと、常に「自分には関係の無いもの」というイメージが付きまとってしまう。
長く運営していると、今回のパッチはレイドがあるからハード向けとか、今回はアライアンスレイドがあってカジュアル向けというように、ある程度指標があったほうが皆さん考えやすくなることはあるのですが、ここも改めて見直す時期に来ていると考えています。パッチ7.3はそのスタート地点になります。今は「ピルグリム・トラバース」の最終調整中ですが、面白くなるという手応えは持っています。
――開発者からしてみると、せっかく作ったコンテンツは遊んで欲しいでしょうし、プレイヤー側の視点からも新しい発見が欲しいと思います。
吉田氏: 色々な仕組みを追加したりすることで、皆さんのモチベーションが壊れないよう担保しつつ、どうすれば全部遊んでもらえるかを一生懸命頑張ろうとおもっているところです。
――最後にファンの方にメッセージをお願いします。
吉田氏: まずは「黄金のレガシー」の完結に向けてメインクエストをじっくりご覧いただきたいです。そしてその先の展開が見えてくるかと思いますので、今後にもぜひご期待ください。
先ほどお話した通り、アライアンスレイドもディープダンジョンも、あらゆる人に今一度楽しさを見つけてもらおうと思っていろいろやっています。すでに発表しましたが、フォークタワーの突入まわりの調整も行なって、どんどん挑戦しやすくさせていただきます。パッチ7.3で入る調整でより参加しやすくなると思いますので、ぜひ改めて挑戦していただけると嬉しいです。
システムアップデートについても、皆さんからいただいたリクエストに対応しているものがたくさんあります。ぜひコンテンツもストーリーもシステム的にも楽しんでいただきたいと思います。いただいた叱咤激励は全面的に受けつつ、時間がかかることもあるかと思いますが、すべてにしっかりとお応えしていこうと思っていますので引き続きよろしくお願いします。
――ありがとうございました!
(c)SQUARE ENIX
IMAGE ILLUSTRATION (c)YOSHITAKA AMANO
※画面は開発中のものです。
















































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