インタビュー

NCが放つ次世代アクション「MXM」クリエイターインタビュー

注目の「グローバルサーバー」構想。「軽い気持ちで始めるわけじゃない」

注目の「グローバルサーバー」構想。「軽い気持ちで始めるわけじゃない」

「MXM」統括プロデューサーのキム・ジョンジン氏。飄々とした仙人のような雰囲気がユニーク
「グローバルサーバー」構想では、日本、韓国、台湾の3地域が同一サーバーでプレイすることになる

――先日の発表会に参加させて頂きましたが、グローバルサーバーの構想がおもしろいと思いました。

キム氏/イ氏:ありがとうございます。「おもしろいんじゃない?」といってはじめたのが正直な所です。韓国でCBTをやったときに、台湾や日本、アメリカからプレーヤーがβキーを手に入れて遊んでいた人がいたのですが、それがかなりスムーズでラグもなくて、楽しめましたよっていうレポートがたくさんあって、もう少し正式にやってみようと考えたんです。あと、PvPのゲームは、人数が多い方がおもしろいんですね。ですから、グローバルで全部集めてやったほうが、ユーザープールも作れるし、大会なども盛り上がるし、いいなと思ったんです。

――確かに、特に工夫しなくても気軽にアジア大会ができますよね。

キム氏/イ氏:はい、それも狙いです。1国単位だと国際トーナメントを実施するのに様々な手間がかかりますが、グローバルサーバーならその場でできます。

――グローバルサーバーというのはどこまで広げるつもりですか?

キム氏/イ氏:今のところは、韓国、日本、台湾の3カ所です。サーバーは韓国に置きます。

――そうなると日本と台湾のユーザーは、遅延が問題になりませんか?

キム氏/イ氏:もちろん、そうならないように平等な対戦ができるように、クラウド技術を使ってレーテンシーの問題を解決したいと思います。

――ユーザー間のコミュニケーションはどうなりますか?

キム氏/イ氏:基本的にはすべての言語に対応します。通訳機能はありませんが、基本的なコミュニケーションは簡単にできるようにマクロは用意しますし、ミニマップ上で自分の位置とか、マーキングは出すことができるようになっていますので、それほど苦労することはないと思います。

――グローバルサーバーはリスクもありますが、やりきるつもりですか?

キム氏/イ氏:はい。まずはβテストをやってみてから考えます。難しい問題が発生したらそのときに考えます。軽い気持ちで始めようと思っているわけではありません。確かにリスクもありますが、おもしろいと思います。

――ちなみに、ユーザーの国籍はわかるのですか?

キム氏/イ氏:いいえ、わからないようになっています。ただ、名前にハングルや漢字を使うとバレますよね。

――逆に言うと、日本人なのにハングルネームで韓国人を装う偽装もできそうですね(笑)

キム氏/イ氏:そうですね(笑)。どうなるか楽しみです。

――グローバルサーバーということはサービス開始時期も同時ですか?

キム氏/イ氏:基本的には同時を考えていますが、正確にはそれぞれの地域で方針が異なるので、数日ズレたりすることはあるかもしれません。現時点ではまだ決まっていません。

――NEXONとの資本関係が解消されましたが、それによって何か開発に変化は生じますか?

キム氏/イ氏:まったくないですね。もともとなかったので、影響は特にありません。

――ブースでは、フィギュアやコミックなどが展示されていましたが、メディアミックス展開はどういったことを考えているのですか?

キム氏/イ氏:「MXM」はメディアミックスをするためのプラットフォームでもあります。現在確定しているのは、コミックスと「Vita」というアイドルの歌をダウンロード販売する計画があります。声優さんは内緒です(笑)。韓国ではもう音源を販売していますが、日本展開する際は、日本の声優さんに声を当てて貰うことになると思います。将来的にはアニメもやってみたいですが、興味ある日本のアニメ会社はいらっしゃいませんか?(笑)

――過去にも「ラグナロクオンライン」をはじめ、様々な韓国タイトルがアニメ化されていますね。

キム氏/イ氏:「ラグナロクオンライン」も、弊社の「ブレイドアンドソウル」もそうですが、あんまりおもしろくありませんでした(笑)。作ること自体は難しくないので、作るならちゃんとした形でやりたいですね。

――日本サービスについて抱負を聞かせて下さい。

キム氏/イ氏:来年第1四半期にグローバルテストを実施して、2016年の上半期内にローンチ予定です。韓国と一緒にリリースしていく予定ですが、時期的には完全に同時かどうかはわかりません。最近の日本市場は、詳しくはわからないというのが事実ですが、今は日本もモバイル時代で、さらにコンソールゲームも強いので不安もあります。ただ、PCゲームはそれ自体の独特のおもしろさがあるので、成功することを期待しています。IPを重視していて、ゲームの中に登場するキャラクターを使ってコミックを作っているので、日本の方も気に入っていただけると思います。

――ゲーム本編のローカライズはどうなりますか?

キム氏/イ氏:もちろんテキスト、音声も含めてフルローカライズしますので、どうぞご期待下さい。

――ありがとうございました。

(中村聖司)