インタビュー

NCが放つ次世代アクション「MXM」クリエイターインタビュー

もうひとつの魅力はキャラクター。そのためにカジュアルなモードも搭載

もうひとつの魅力はキャラクター。そのためにカジュアルなモードも搭載

「MXM」ディレクターのイ・ジホ氏。キム氏に比べると口数は少なかったが、ゲーム性の部分では硬い芯のようなものを持っていると感じた

――このタイミングで、韓国を代表するMMORPGメーカーがMOBAに挑むというのが風景としておもしろいと思いました。

キム氏/イ氏:私たちはあえてMOBAを作ろうと思ったわけじゃないんです。アクションシューティングをやろうというのがきっかけで、アクションシューティングを楽しく遊べるモードはなんだろうと考えて開発した結果、こうなっただけです。だから我々は「LOL」に勝とうと思って作っているわけではありません。

――結果としてMOBAとして見られる存在になったわけですが、こだわった部分はどこですか?

キム氏/イ氏:操作感とキャラクターです。特に操作感については、シューティングの回避ができるように、凄く真面目に取り組んでいます。その部分は多くの人にとって魅力的に感じられる部分だと思います。

――試遊した感じでは、小さな女の子から巨漢のロボキャラまで様々なサイズのキャラクターがいましたが、キャラクターによって当たり判定も違いますか?

キム氏/イ氏:少しずつ違っています。キャラクターには職業があって、タンク型、近接型など様々なタイプがあります。そのタイプによって大きさを変えるようにしています。

――キャラクターについては、何と言ってもNCキャラが特徴ですよね。これはどのタイミングで入れようと考えたのですか?

キム氏/イ氏:これについても最初からではありません。まずはオリジナルキャラを作っていて、キャラをもっとたくさん作ろうということになって、ウチの他のゲームとかおもしろいんじゃないということになり、会社に言ったら、社長も「おもしろいね」といってくれて全面的に採用することになりました。

【NCキャラクター】

――NCキャラクターの選定基準みたいなものはあるんですか?

キム氏/イ氏:攻撃タイプを見て、「MXM」に合ったキャラクターを探して入れています。あとは有名なキャラクターですね。開発チームに声をかけて探して貰ったりもしています。有名キャラクターの場合は、必ずしも「MXM」に合っているわけではないので、たとえば「ブレイドアンドソウル」のジンソヨン(日本名:ジンヴァレル)は実装に凄く苦労しました。ジンソヨンのスキルが、「MXM」のシステムになかったので、入れるのに苦労しました。

――野球チームのマスコットもキャラクター化しているのがいいですね。

キム氏/イ氏:NCは「NCダイノス」という野球チームも持っているんですが、これもおもしろいんじゃないということでキャラクター化しました。ただ、いまはユニフォームを着た野球選手とマスコットキャラだけです。特定の選手を模したキャラクターも作ろうと思えば作れるんですが、実在の選手の場合は、別にクリアしなければならない問題もあります。でも、できるんだったらやってみたいですね(笑)

【NCダイノスもマスターに】

――NCキャラクターがゲームに登場することについて、韓国のゲームファンはどういう反応を示していますか?

キム氏/イ氏:NCファンからは良い反応がありますね。ただ、今のNCSOFTはMMORPGが中心なので、客層の年齢が高めなんですね。「MXM」は子供も遊べるようにデザインされていますから、もっと若い層や、ダイノスファンも獲得したいですね。

――キャラクターは正式サービス開始時に何人ぐらいで始めるつもりですか?

キム氏/イ氏:今30人で、色々作っていますが、ビジネスモデルが決まっていないので、何人で始めるかについてはまだ決まっていません。

――これだけキャラクターがいるとゲームバランスを調整するのが大変そうですね。

キム氏/イ氏:「MXM」は1対1のゲームではなく、常に2人でタッグを組んで戦うので、対戦ゲームみたいに1対1のバランスは必ずしも取れていなくていいと思います。1人で2キャラ選べるので、近距離と遠距離みたいにそれぞれの弱点を補う形でキャラクターを選べば、戦えないということはないと思います。組み合わせは凄く多いので、どうしても勝てない場合は、違う組み合わせを試してみて貰いたいです。もちろん、バランスとか無視して、好みで選んでもいいと思います。

――なるほど、思い切った考え方ですね。

キム氏/イ氏:あと、キャラクターチェンジの際、0.3秒の無敵時間が設定されているので、ピンチの時にうまくつかってください。ただ、キャラクターを切り替えると15秒~20秒のクールタイムがあるので、それも考えてください。基本的な戦い方は、近接キャラで、一気にスキルを使った後は、キャラクターを切り替えて距離を取って戦うとか、いつもは攻撃タイプキャラで戦いながら、ピンチになったら守備的キャラに切り替えるとか、様々な戦い方が可能です。

――キャラクターの成長システムはどのようになっていますか?

キム氏/イ氏:「MXM」はRPGじゃないので、強くはなりません。スキル強化と武器強化のシステムがあります。オプションであるアイテムがあって、キャラクターをカスタマイズできるようになっています。武器には3つのタイプがあって、たとえば、マシンガンのキャラだと、マシンガンを剣に変えることはできませんが、3つの性能から選べるようになっています。マシンガンなら、攻撃速度を短くする、射程距離を長くする、オーバーヒートが短くなるの3つです。キャラ毎に設定でき、マッチングを始めるタイミングでどのタイプにするか選ぶことができます。

――見た目を変えるスキンのようなものはありますか?

キム氏/イ氏:あります。各キャラクター毎に3つから5つで、新しいスキンを定期的に追加していきます。

――PvEとPvPコンテンツ以外にもたくさんのミニゲームが用意されていますが、これらの実装意図はどういうものですか?

キム氏/イ氏:単純操作で遊べるように、女性向けに作ったものです。キャラクターが好きなのにこのゲームできないよということがないように、疲れないミニゲームを用意しました。今のMOBAは、ゲームがどんどん難しくなっていると感じます。奥行きはありますが、難しそうだし、ちょっと抵抗あると感じる人が増えていると思います。「MXM」は、MOBAではなくて、好きなキャラクターを使って色んな遊び方ができるゲームになっています。ミニゲームによって入りやすく、カジュアルにしました。報酬は名前の前に付けられるタイトルです。ゲームがカジュアルなので、リワードもカジュアルです(笑)。

【ミニゲーム】

(中村聖司)