インタビュー

「セガ3D復刻アーカイブス」インタビュー

パッケージイラストは杉森建氏!

パッケージイラストは杉森建氏!

―― 今回、「セガ3D復刻アーカイブス」のパッケージイラストに杉森さんを起用されていますが……?

パッケージイラストは杉森建氏によるもの

奥成氏: パッケージを誰に担当してもらうのかは、堀井さんを含めいろんな方と話しあってきました。「ダウンロード版を知らない方にとどけたい」というのが命題でしたから、セガ好きの人はもちろん、そうでない方にも「おや?」と店頭で気づいてもらいたいな、というところが大事だった。そういう意味で、杉森さんは、日本一、もしかしたら世界一売れたシリーズのソフトのパッケージを書いている人かもしれないと。

 PS2の「SEGA AGES」のときも、タイトルによるかもしれないんですが、オリジナルのアーケード版のイラストを使ったものって、実はあまり売れなくて。パッと目についたときに、既存のファンが気づくだけじゃなくて、何かしら楽しさをつかめたほうがいいのかなと。それと、「スペースハリアー」と「ファンタジーゾーン」は収録タイトルの中で知名度的に頭ひとつ抜けているところがあったので、それをメインにしたイラストを……ということでああいった形になりました。

堀井氏: お店で気づいてくれた方が興味を持ってくれる、導入ができそうな方、ということですよね。

―― パッケージもひとつの周知の手段ですからね。

堀井氏: 「ジャケ買い」という言葉もあるぐらいですから。

奥成氏: 杉森さんのセガのイラストっていうと、僕は「メガドライブFAN」の連載の印象が強いんですが、その後お知り合いになって、「杉森さんといつか仕事がやりたいなー」って思っていて。ある時、映画の試写会に2人で行って、帰りがけに「杉森さんって、イラストのお仕事を頼んだりできるんですかね?」ってチラッと言ったら「手が空いていたら、できますよ!」って話だったので、「できるんだ!」と。そうしたら、そのすぐ後に「大乱闘スマッシュブラザーズ」で「ゲッコウガ参戦」のイラストを描いてらしたりして……「なるほど」と。それで今回、プロジェクトがスタートしてすぐにお願いしてみました。確かたまたまなんですけど、「3D サンダーブレード」の配信日にご連絡したんですよ(笑)。

堀井氏: 杉森さんがセガのゲームの絵を描いてくださるって、ファンもびっくりですし、それ以外の方にも刺さると思うんですよね。

奥成氏: 「スペースハリアー」の正面画ってアーケード版のポスターぐらいしか実はなくて。アーケードのプロシャーでりりしく立っている絵ぐらいなんですよね。32X版とか後ろを向いているし、「SEGA AGES 2500」のリメイク版のものもバズーカの推進力に掴まって飛んでいる、みたいな新解釈になっていて。

―― 元の設定の超能力戦士じゃなくなっていると(笑)。

奥成氏: 杉森さんもアーケード版のポスターのイメージを気に入ってらっしゃるようで、「オフィシャルで杉森さんのカッコいい超能力戦士のハリアーを描いてください」ってお願いしました。

―― (笑)。パッケージでまたひと勝負できるってことですものね。

「せひ、このボーナスステージにお付き合いいただければ」

―― さて、そろそろお時間も迫ってきましたので、メッセージなどありましたらお願いします。

奥成氏: 多分このインタビューをご覧になっている方は、きっと何本かこのシリーズを購入されたお客さんだと思います。そういう方には、この「セガ3D復刻アーカイブス」は、ある意味「セガ3D復刻」シリーズの中に登場した、「HAYA OH」みたいな追加ボスなのかなと思います。

 いなくても十分楽しめますが、いたらいたで、結構嬉しい要素にはなっていると思いますので、せひ、このボーナスステージにお付き合いいただければ幸いです。あと、これをきっかけに、個別にはダウンロードしてないゲームに触れて、その立体感や面白さを知っていただけると嬉しいですね。

 念のためお伝えしますが、パッケージ版の次回作は、特別予定はされていません。個人的には、残りのタイトルもパッケージ化するチャンスがあればやってみたいと思っていますが、まずはこのパッケージ版が成功するかどうかなので、頑張って完成させたいと思います。

―― 改めて確認しますが、「スペースハリアー3D」と「アウトラン 3D」に関しては、単体でダウンロード版、という話も現状ない、ということですね。

奥成氏: 単体販売の計画はないです。絶対にない、とは言いませんが、現状その予定はありません。逆にもし次のパッケージ版を作ることがあったら、今度こそオマケに「メイズウォーカー」を移植したいですね。あれの3Dの立体感は本当に素晴らしいです。

堀井氏: 今、「マスターシステムのバーチャルコンソールをやれ!」って言われたら、うれしいですが……。

奥成氏: といいながら、今まさにバーチャルコンソールでは規格外になっちゃう仕様を追加しようとしているじゃないですか(笑)。

―― ありがとうございました。12月の発売を楽しみにしています。

【おまけ】
倉庫に保管されている筐体群
「アフターバーナーII」はダブルクレイドルとシングルクレイドルが保管されていた
「エンデューロレーサー」。1986年に登場した体感ゲーム第3弾で、基板は「スペースハリアー」とほぼ同等のものが使われていた
「SEGA GRAND PRIX」1969年リリースのエレメカ
Amazonで購入

(佐伯憲司)