インタビュー

アニメ「ATRI -My Dear Moments-」放送目前!アトリ役・赤井さん&夏生役・小野さんメールインタビュー

「ひと夏の物語を、みなさんに見届けてもらえたら」

【ATRI -My Dear Moments-】

7月13日 放送開始

 いよいよ7月13日より放送開始を迎えるアニメ「ATRI -My Dear Moments-(以下、ATRI)」。

 原作にあたる「ATRI」は、アニプレックスのノベルゲームブランド「ANIPLEX.EXE」が手掛ける第一弾タイトルとして、「徒花異譚」と共にPC向けにリリースされたアドベンチャーゲームだ。人と遜色ないほど精巧で、可愛らしくて感情豊かで元気なロボットの少女アトリと、過去に片足を失い義足で生活している、賢くもどこか厭世的な雰囲気を持つ主人公・斑鳩夏生の出会いから始まる物語が、海面上昇で沈みかけた世界の中、海辺の田舎町で展開されていく。

ゲーム版「ATRI -My Dear Moments-」

 そんな原作をベースにしたアニメ「ATRI」は、美しい青の色使いや印象的なBGMの演出はそのままに、アトリが可愛らしく動き回っている姿や、シリアスなシーンなどもPVで確認できる。純粋なアニメ作品としてはもとより、原作ファンにとってはプレイ時のワンシーンが蘇るような演出が盛りこまれており、放送が本当に楽しみな作品だ。

 今回は放送を前に、ゲーム版から引き続きアトリ役を務める赤尾ひかるさんと、アニメ版の斑鳩夏生役を務める小野賢章さんにメールインタビューを実施。作品の見所や魅力などを伺うことができたので、その内容をお伝えする。

【アニメ『ATRI-My Dear Moments-』第1弾PV】
【アニメ『ATRI-My Dear Moments-』第2弾PV|7月13日放送・配信スタート】
斑鳩夏生役の小野賢章さん(左)とアトリ役の赤尾ひかるさん(右)
アトリ
斑鳩夏生

「アニメで動いているアトリの可愛さだったり、元気さっていうのがすごく魅力的に描かれている」

――アニメ「ATRI」の見どころを教えて下さい。

赤尾さん:美しくて愛おしい夏が詰まっています。涙なしじゃ観られません!

小野さん:海面上昇の影響により住んでいた町が海の中に沈んでしまうのですが、そこに取り残されてしまった人たちがどういう風に生活しているのか、不自由な暮らしをしている夏生たちがヒューマノイドのアトリと出会うことで生活にどう影響していくのかなどいろいろありますが、住みやすくするために必死に知恵を絞って、何とか改善しようとする姿は見どころのひとつなんじゃないかなと思います。そして、アトリと出会ったことで、夏生の気持ちがどういう風に変化していくのかは、注目していただきたいポイントのひとつです。

――ご自身が演じているキャラクターはそれぞれどういったキャラクターだと捉えていますか。

赤尾さん:アトリは一生懸命で可愛くて、なんと言ってもサポートしてくれるヒューマノイドなのに、こちらが応援したくなっちゃう女の子です。台本を頂いて、ヒューマノイドの抱えるわからないことに向き合う素直さがあるなと思いました。

小野さん:夏生は、最初はかなりいろんなことを諦めてしまっているというか、本土のアカデミーに通ってロケットを打ち上げたいという夢があったんですけど、夢半ばで作品の舞台となる田舎町に戻ってきます。過去の事故で片足を失っているんですが、それがトラウマとなって、結構いろんなことが起きるたびに夢に出てきたりして。成し遂げたい夢や、何とかこの不自由な状況を打破したいという気持ちがある中で、それができないフラストレーションが溜まっているような印象を受けました。

――それでは赤井さんから見た夏生、小野さんから見たアトリに対する印象はいかがですか?

赤尾さん:夏生は沈みゆく世界に対し諦めて塞ぎ込んでいる部分がありますが、それでもまだ微かな希望を見つけようともがいている男性だと思います。

小野さん:アトリはとにかく元気で溌剌としていて、ヒューマノイドっぽいところもあるかと思えば、ふとした瞬間に人間っぽさもある魅力的なキャラクターだと思います。夏生の視点だと、かなりアトリに振り回されるので、最初の段階でのアトリの印象っていうのは、夏生の中ではそんなに良くないかもしれないですね(笑)。ただ、なんか放っておけないというか、もともと夏生のおばあさんである八千草乃音子博士が残したというのもあって、引っかかっている部分もある印象です。

――赤尾さんはゲーム版でもアトリを演じていらっしゃいましたが、アニメ版でアトリを演じるうえで変えたこと、逆に変えないよう意識したことなどあれば教えて下さい。

赤尾さん:一途で元気なところがアトリの魅力だと思うので、そこはしっかりと本編でも意識させて頂いてます。アニメはみんなでお芝居をするので、ヒューマノイドではありますが、生のお芝居にも重点をおいて演じさせて頂きました。

――夏生は元々ゲーム版ではCVがないキャラクターでした。アニメ版で演じるうえで意識したこと、苦労したことなどはありますか?

小野さん:ゲームが原作っていうのは、アニメの収録ではあまり意識はしていませんでした。ただ、僕以外のみんなはゲームで1回演じているというのもあって、良い意味でできあがっている状態だったので、作品の雰囲気やキャラクターたちの会話が自然になるようにっていうのは意識していました。あとは、アニメの収録中にアトリ役の赤尾さんに、「ATRI」のことをかなり聞いて、いろいろ補完していきました。赤尾さんには、かなり助けてもらいました。

――特にゲームからのファンに向けて、注目してほしいポイントはありますか。

赤尾さん:ゲームではエンディングが複数ありましたが、今回はアニメですのでエンディングは1つ。どんな結末を迎えるのかご期待ください。また、ゲームでのイベントシーンがどのように映像化されたかご注目です!

小野さん:キャラクターたちが自由に動いているところでしょうか。ゲーム版の時からアトリはかなり魅力的だったと思いますが、やっぱりアニメで動いているアトリの可愛さだったり、元気さっていうのがすごく魅力的に描かれていると思うので、注目して見ていただきたいです。あとは、とにかく絵が綺麗なので、海の綺麗さだったりとか、荒廃している建物や廃校になっている学校だったりとか、綺麗な景色の中で廃れているものがあるアンバランスさみたいなものも、ひとつ注目してほしいポイントです。

――ご自身が演じるキャラクターも含め、最も好きなキャラクターは誰ですか。よろしければ、理由も教えて下さい。

赤尾さん:出会ってから4年、変わらずアトリが大好きです!!可愛らしい容姿、明るい言葉、たくさん元気にさせてもらいました!アトリに出会えてよかった!

小野さん:僕が好きなのは、竜司ですね。もともと細谷さんが好きというのもあるのですが(笑)。夏生としても、登場人物が女性が多いということもあって、同世代の男友達の存在はけっこう大きいんじゃないかなと思います。最初の竜司の登場は、夏生にとって印象は良くないんですけど、そこから徐々に距離が縮まっていくというか、友情が芽生えていく姿っていうのも見ていただきたいポイントです。

登場キャラクターのひとり、野島竜司。やさぐれ気味だが根は真っ直ぐな青年で、夏生とも友情を深めていく

――6月23日には先行上映会が行なわれました。感想はいかがでしょうか。

赤尾さん:アフレコの時のような、気を張らず笑い溢れる時間でした。観客のみなさんは海のように煌くペンライトを振って応援してくださり、「カニー!」、「高性能ですからー!」と声出しもしてくださって、温かい方達に愛されている作品だと感じました。

小野さん:上映会に登壇させていただいた時は、いよいよ「ATRI」の放送が始まるんだなと感慨深い気持ちになりましたね。上映後の登壇だったんですけど、みなさん満足した表情をされていたんじゃないかなと思います。僕たちも、早くみなさんに見ていただきたいなという気持ちが強くなりました。あと、普通はダルマに目を入れるんですけど、「ATRI」はカニがかなりキーアイテムになっているので、カニに目入れをしたことは、けっこう思い出として残っていますね。あのカニ、今どこで保管されているんだろうと気になっております(笑)。

――「ATRI」の放送開始を楽しみにしている多くの方に向けて、一言コメントをお願いします。

赤尾さん:シナリオも映像も、たくさんの方に届けたいほど美しく心の奥に触れる作品です。忘れられない夏を共にしましょう!

小野さん:いよいよ放送が始まります。夏生がアトリと出会ってどう変化していくのか、この不自由な世界でどういう風に生きていくのか、魅力的なキャラクターたちひとりひとりが生きていく中でどういう選択をしていくのか。ひと夏の物語を、みなさんに見届けてもらえたらなと思います。応援よろしくお願いします!