インタビュー

VR版「バイオ4」は“最初から最後までを再構築”! カプコン川田将央プロデューサーインタビュー

「バイオ4」をまるごとVRアレンジ。“ジェスチャー操作”などもポイントに

2021年 発売予定

価格:未定

 先日、「バイオハザード4」のVR版が発売されるというニュースが飛び込んできた。対応プラットフォームはOculus Quest 2。発表された情報によれば、本作はVRならではの主観視点でプレイする「バイオ4」として蘇るという。

 ゲームの映像は先日放送された「バイオハザード・ショーケース|April 2021」にて確認できるが、本作が「バイオ4」のどの部分を取り上げているのか、操作システムはどうなっているのかなど、気になる点は数々ある。

【バイオハザード・ショーケース|April 2021】
VR版「バイオハザード4」は配信番組「バイオハザード・ショーケース|April 2021」のなかで発表された。発表では、プレイ映像も確認できる

 今回、本作プロデューサーを務めるカプコンの川田将央氏にインタビューできたので、その辺りを聞いてきた。なおゲームのさらなる情報は4月22日7時より配信の「Oculus Gaming Showcase」でも明らかにされているので、あわせてご覧いただきたい。

プロデューサーの川田将央氏

プレイ中にナイフと銃を同時に構えられる!

――本日はよろしくお願いいたします。いきなりですが、今回発表されたVR版「バイオハザード4」について、改めて概要をお聞かせいただけますか。

川田氏:Oculus Quest 2用「バイオハザード4」は、Oculus StudiosさんとArmature Studioさんによって開発されているタイトルです。いわゆる移植ではありますが、「バイオ4」はもともとTPS(3人称視点)のゲームです。ですから、VR化にあたって、様々な部分に手を入れています。

――今回は「バイオ4」のどの部分が遊べるのでしょうか。

川田氏:「バイオ4」を最初から最後まで遊べるものになります。VRで遊ぶための「バイオ4」として、手を入れるところは大きく手を入れているような形です。Oculus Quest 2で「バイオ4」をまるごと遊べるので、タイトル名も「バイオハザード4」とそのままにしました。

タイトル名は「バイオハザード4」。「○○Ver.」など、余計なものが付いていない

――「バイオ4」をフルで遊べるんですね! TPSからVRの主観視点へと切り替わって、体験はどのように変わるのでしょうか?

川田氏:VRがいいなと思うのは、空間への感覚が通常のゲームとはまったく違うところです。ゲームの中に入り込んだような体験ですね。「バイオハザード7 レジデント イービル」でもVRモードがありましたが、同じような感覚で「バイオ4」が遊べるとイメージしていただけるとわかりやすいと思います。

――VR版「バイオ4」ならではの特徴はありますか。

川田氏:「バイオ7」のVRモードとも違うのは、Quest 2のコントローラーを使った操作方法です。本作ではジェスチャーを使った操作にこだわっていて、たとえばナイフで攻撃するときはコントローラーを振ります。

また銃を構えて、マガジンの弾倉を詰め込むアクションなども両手を使ったジェスチャー操作で行ないます。銃とナイフを一緒に構えられたりもして、「バイオ4」を新しい体験のなかで楽しめると思います。

それと、今回はインベントリもVRならではアレンジになっています。アタッシュケースのパズル要素も、今までとは違う見せ方ですがちゃんとあります。VR専用タイトルならではの工夫がたくさん入っていますね。

銃とナイフを片手ずつ、同時に所持。コントローラーのジェスチャー的な操作がポイントになるようだ

――ワイヤレスであるQuest 2の特徴を活かした操作もあるのでしょうか。

川田氏:すべての操作は静止状態でも可能ですが、頭を動かして、覗き込むような動きもできます。体全体を使ったダイナミックな操作も可能になっていて、シューティングがしやすくなっていると思います。

――今回の「バイオ4」では、新たなコンテンツやエピソードの追加はあるのでしょうか。

川田氏:体験は変わりますが、シナリオや設定という点ではまったく変えていません。本当に、そのままの「バイオハザード4」です。

 ちなみにイベントシーンは、目の前に2Dのスクリーンが表示されて、映像を見るような感じになります。「バイオ7」の無料DLC「Not A Hero」と同じ形式ですね。

――川田さんご自身、試してみて手応えはいかがですか。

川田氏:今は開発段階のものをだいたい月1回のペースで試遊しているのですが、やはり臨場感がすごいですね。初めて「バイオ4」をプレイする人にも楽しんでもらえますし、従来からの「バイオ4」ファンの方にも驚いてもらえると思います。

 VRならではの部分がよく活きていて、好きな人にはたまらないような、とても面白いものになっていると思います。

本作ならではのアレンジを施すことで、VRタイトルらしい体験ができるという

――ゲームは確かに「バイオ4」だけど、体験は今までの「バイオ4」とは違って新しくなっている、ということですね。

川田氏:そうです。新しいという意味では、グラフィックス周りもテクスチャから手を入れてもらっています。イベントシーンもライティングを調整するなど、見た目にも新たな「バイオ4」を楽しめます。発売は2021年の後半なので、ぜひ楽しみにしていてください。

――ありがとうございました。