インタビュー

モバイル版「Dead by Daylight」開発者インタビュー

Mathieu氏「『Dead by Daylight』はすべてのプラットフォームで同じ体験ができます」

2019年内 リリース予定

価格:無料(アイテム課金制)

 Behaviour Interactiveが2016年にPC版を発売した非対称対戦ホラーサバイバルゲーム「Dead by Daylight」。4人のサバイバーが協力して1人のキラーから捕まらないように逃げ回ってフィールドからの脱出を目指すという作品だ。現在サービス中のWindows/プレイステーション 4/Xbox One用に加えて、Nintendo Switch版の発売も発表されるなど、ローンチから3年を迎えた今も盛り上がり続けているタイトルである。

 そんな「Dead by Daylight」のモバイルアプリ版を2019年内に配信するというニュースが入ってきた。弊誌では開発元のBehaviour Interactiveからゲームディレクターでありパートナーシップ部門統括のMathieu Cote氏と、「Dead by Daylight」モバイルアプリ担当でシニアプロダクトマネージャーのAlexandre Rogaum氏にインタビューする機会を得られたのでその模様をお届けしたい。

「Dead by Daylight」ゲームディレクター Mathieu Cote氏
「Dead by Daylight」 モバイルアプリ担当のシニアプロダクトマネージャーAlexandre Rogaum氏

 なお、インタビューに先立ち、開発版のビルドをプレイする機会も得られた。モバイル版で最も印象的だったのがその操作性だ。実際に操作の説明を聞いたのは2、3分程度だっただろうか。操作はすべて画面内のバーチャルパッドを使用して行なうのだが、驚くほどスムーズで直感的だ。左の親指で移動、右親指の近くのボタンでアクションを行なう。画面中央部をスライドすることでに視点を動かすことができる。驚くほどスムーズにゲームをプレイできた。

 そしてまたラグや描画の遅さなども一切なく、ノーストレスでゲームをプレイできたことも記しておきたい。さすがにPC/コンソール版と同等のグラフィックスというわけではないが、「Dead by Daylight」ならではの暗く重々しい空気や、サウンド、そして緊張感を煽る効果音など、ゲーム体験はモバイルでもまったく変わらない印象だった。

【モバイル版「Dead by Daylight」】
グラフィックスの表現は多少簡素になっているものの、おどろおどろしい雰囲気は健在だ
モバイル版を実際にMathieu Cote氏とAlexandre Rogaum氏とプレイしている様子。友達同士で集まってプレイすることができるのもモバイル版の利点のひとつだ

コンテンツは他プラットフォーム版と同一!モバイル版「Dead by Daylight」

――本日はよろしくお願いいたします。まずは「Dead by Daylight」のモバイル版の開発にいたったきっかけをお教えください。

Alexandre Rogaum氏:色んな理由があるのですが、多くの人にプレイをしてもらいたいというのが1番大きな理由です。ゲーミングPCやコンソール機を持っていない人も多いと思うのですが、モバイル端末は所持率も高いので、多くの人にプレイしていただけるようにというのが狙いです。

――課金体系についてお教えいただけますでしょうか。

Alexandre Rogaum氏:基本プレイ無料のアイテム課金制です。ダウンロードしたばかりの無料で遊べる範囲では、選択できるキャラクターは少なくなっていて、キャラクターやチャプターを購入することで幅が広がるというシステムです。すべてのコンテンツを購入しないと対戦できないといったことはなく、自分が持っていないキャラクターを対戦相手が持っていても普通に対戦することができます。

――基本プレイ無料にした理由をお教えください。

Alexandre Rogaum氏:なるべく多くの人にプレイしてもらいたい、というのが理由です。ただ買い切り型のモデルのPC/コンソール版の人が裏切られたと思わないように、PC/コンソールで既に購入している金額と、基本プレイ無料のモバイル版で追加コンテンツを購入していったときの金額が最終的に同じくらいの金額になるようになっています。

――いわゆる"無課金"でもゲーム内クレジットを貯めてキャラクターなどをアンロックすることはできますか?

Alexandre Rogaum氏:もちろん可能です。外見のカスタマイズや、一部のIPキャラクターなどを除いたキャラクターをアンロックすることができます。このあたりもPC版やコンソール版と同じですね。

――ということは“Pay to Win”ということにはならなさそうですね。

Alexandre Rogaum氏:はい、その点に関してはサービス中のPC/コンソール版と同様で、モバイル版も決してPay to Winではありません。安心してください。

Mathieu Cote氏:“Pay to Lose”ということはあるかもしれません(笑)

“Pay to Win”という単語を出したときには「そんなことはありえない」というリアクションが返ってきた

――それではモバイルならではの体験や特徴はありますか?

Alexandre Rogaum氏:モバイル版はどこでもプレイできるのが大きな特徴だと思います。一匹狼的に知らない人と対戦するというのもあるでしょうし、4人の友達が集まってグループを作ってサバイバーとして参戦するのも想像できます。簡単にグループを作って集まってプレイできるというのはモバイル版ならではのメリットですね。

 全体を通してPC/コンソール版とまったく同じ体験ができることを意識しました。モバイルならではの操作方法については工夫もありますし、直感的に操作できるというところは特に時間をかけて研究してきました。

Mathieu Cote氏:逆に言うと今後モバイル版だけが独自の進化を遂げることはありません。ブランドとしての統一感を大切にしているので、「Dead by Daylight」ではPC/コンソール/モバイルとすべてのプラットフォームで同じ体験ができます。

――ということはモバイル版のローンチのタイミングで他プラットフォームに実装されているキャラクターはすべて使用できるということですか?

Alexandre Rogaum氏:その通りです。一部IPキャラクターについては権利元と調整を進めているのですが、それ以外はPC/コンソールと同じコンテンツをモバイル版にも実装する予定です。既に登場しているチャプターはもちろんですし、今後追加されるチャプターなどはすべて実装される予定です。

――他プラットフォームとのクロスプレイは可能ですか?

Mathieu Cote氏:技術的に不可能ではありませんが、今回の主眼はあくまでもモバイル版をリリースすることですので、現在は対応していません。また他プラットフォームとのアカウント共有なども現時点では対応していません。

――基本プレイ無料ということでモバイル版の配信をきっかけにこれまで「Dead by Daylight」をプレイしたことがない人に本作の魅力を語っていただけますか。

Mathieu Cote氏:他に類を見ない様々なリアクションを生み出すゲームだと思います。人間が決断を迫られる瞬間だとか、本当に手に汗握る様々なストーリーが語られるゲームです。

――最後に読者へのメッセージをお願いします。

Alexandre Rogaum氏:まずは日本の「Dead by Daylight」のファンの皆さん、ありがとうございます。本作がこれだけの大成功を収めることができたのはファンの皆さんの情熱、エネルギーのおかげだと思います。この先もぜひ長くプレイしていただければと思います。

Mathieu Cote氏:これまで「Dead by Daylight」に関心を持っていたけど、触ったことない方も大歓迎です、ぜひ本作を触ってみてください。そして幸運を祈っています。攻略は決して簡単なものではありませんが、それだけに勝利の味わいは大きなものになるでしょう。

――本日はありがとうございました。