インタビュー

「CS:GO」日本代表SCARZ Absoluteチームメンバーインタビュー

「やれることは全部やって来た、それを出しきって次に繋げたい」

10月19日収録

 BenQ主催のeスポーツイベント「ZOWIE eXTREMESLAND CS:GO ASIA OPEN 2017」が中国上海において10月19日に開幕した。会期は22日までで、全日程をGALLERIAが日本語による実況中継を行なう

「CS:GO」日本代表SCARZ Absoluteチームメンバーインタビュー オープニングセレモニー
オープニングセレモニー
「CS:GO」日本代表SCARZ Absoluteチームメンバーインタビュー トロフィーはeXTREMESLANDのロゴがモチーフになっている
トロフィーはeXTREMESLANDのロゴがモチーフになっている
「CS:GO」日本代表SCARZ Absoluteチームメンバーインタビュー メディアインタビューでは、「アジアのeスポーツを盛り上げる」ストラテジーが繰り返し語られた
メディアインタビューでは、「アジアのeスポーツを盛り上げる」ストラテジーが繰り返し語られた

 初日の19日は、オープニングセレモニーとして選手入場が行なわれ、主催であるBenQによるメディアインタビュー、そして予選トーナメントの第1試合が行なわれた。

 日本代表であるSCARZ Absoluteが所属するAグループには、King's(オーストラリア)、MhARUM(モンゴル)、vRn(パキスタン)の4チームが所属し、SCARZの第1試合はvRnが予定されていたが、チームメンバーのVISAが降りず、SCARZの不戦勝が確定した。選手入場では、事前に撮影した映像が公開され、MCは「来年の参加を期待している」と激励のコメントを出していた。

 メディアインタビューでも、BenQサイドから「アジアのeスポーツを盛り上げたい」というメッセージが繰り返し発せられていた。“アジア”というと、日本、中国、韓国、台湾、フィリピン、ベトナムなど、実質的に東アジアを指すことが多いが、BenQが定義するアジアは、文字通りアジア全域で、強さは別にしてeスポーツがゲームファンにしっかり認知されている東アジア勢のみならず、今回残念ながら欠場となったパキスタンや、インド、モンゴル、アラブ首長国連邦といった中央・西アジア勢の参加も積極的に推進している。eXTREMESLANDはすでに2018年に第3回大会の開催も決定しており、さらに中央・西アジアからの参加国を増やして行く方針だという。

 初日は不戦勝となり、試合がなくなってしまったSCARZ Absoluteだが、少しでも試合感を養うために台湾代表のTalonと練習試合が決定した。GALLERIAが予定している18時(日本時間)から放送される予定となっているため、SCARZファンは見逃さないようにしたい。

 さて、今回は試合を目前に控えたSCARZのメンバーに意気込みを聞いた。SCARZのメンバーはcrow選手、barce選手の2人以外は、海外での国際大会自体が初めてという新参クランで、これがデビュー戦となる。メディアインタビューの経験がほとんどないためか、率直な感想や不安をストレートに口にするところは、年齢相応の若さ、経験の少なさを感じたが、彼らが今後多くの経験を経て、どのように成長していくのか見守りたいところだ。

【開幕試合】
「CS:GO」日本代表SCARZ Absoluteチームメンバーインタビュー 開幕試合は、前大会優勝のViCi(中国)とBeyond Maple(タイ)。ViCiは乱戦時のヘッドショットの精度が高く、明確な実力差があった。主導権を一度も渡さず16:5の横綱相撲で勝利した
「CS:GO」日本代表SCARZ Absoluteチームメンバーインタビュー 開幕試合は、前大会優勝のViCi(中国)とBeyond Maple(タイ)。ViCiは乱戦時のヘッドショットの精度が高く、明確な実力差があった。主導権を一度も渡さず16:5の横綱相撲で勝利した
「CS:GO」日本代表SCARZ Absoluteチームメンバーインタビュー 開幕試合は、前大会優勝のViCi(中国)とBeyond Maple(タイ)。ViCiは乱戦時のヘッドショットの精度が高く、明確な実力差があった。主導権を一度も渡さず16:5の横綱相撲で勝利した
「CS:GO」日本代表SCARZ Absoluteチームメンバーインタビュー 開幕試合は、前大会優勝のViCi(中国)とBeyond Maple(タイ)。ViCiは乱戦時のヘッドショットの精度が高く、明確な実力差があった。主導権を一度も渡さず16:5の横綱相撲で勝利した
開幕試合は、前大会優勝のViCi(中国)とBeyond Maple(タイ)。ViCiは乱戦時のヘッドショットの精度が高く、明確な実力差があった。主導権を一度も渡さず16:5の横綱相撲で勝利した

オーストラリアには「勝てない」。SCARZ Absoluteが抱える課題とは?

「CS:GO」日本代表SCARZ Absoluteチームメンバーインタビュー 入り口で記念撮影するSCARZのメンバー。右端はオーナーの友利洋一氏、左端は通訳の源源さん
入り口で記念撮影するSCARZのメンバー。右端はオーナーの友利洋一氏、左端は通訳の源源さん

――EXTREMESLANDが開幕しました。意気込みを聞かせてください。

SZ Absolute Laz選手:できることはしてきたので、試合ではそれを出して、次に繋げていければいいと思っています。

――GALLERIA GAMEMASTER CUPから約1カ月が経ちましたが、日本代表に決定してからどれぐらい練習してきましたか?

Laz選手:ほとんど毎日です。6時から12時もしくは9時から12時までですね。

――自信はありますか?

Laz選手:自信はちょっと前まであったんですけど(笑)、最近また新しい問題が見つかって、それが完全に修正できたわけではないので、その点で不安があります。

――その新しい問題とは何ですか?

Laz選手:個人的なスキルの問題だったり、連携の部分だったりといったことですね。全体の問題だったら、特定のルールを決めるだけでいいんですけど、個人的な部分についてはそう簡単に直せるわけではないので。

――EXTREMESLANDは、賞金総額10万ドルという非常に高額な賞金が魅力ですが、本大会の目標は何ですか?

Laz選手:具体的には決めていませんけど、もちろん1位か、それに準ずる高い位置を取れればと思っています。

「CS:GO」日本代表SCARZ Absoluteチームメンバーインタビュー 昨日の練習試合の模様。中国eclipsと対戦した
昨日の練習試合の模様。中国eclipsと対戦した

――昨日の練習試合では、格上の中国eclipsと対戦し、結構良い試合でしたが0:2で敗れました。どのような手応えを得ましたか?

Laz選手:オフラインは環境が平等なので、オンラインで試合するよりは、いい試合ができたかなと思いますけど、全体的な動きでは、環境に慣れていないのか、オンラインよりは結構ごたごたしてしまいましたね。あまり良い手応えではなかったですね。

――2ゲーム目は、前半かなりリードしていてかなり良い勝負をしていたように感じましたが。

Laz選手:「CS」は最初から最後まで同じ状態で戦うわけではなく、途中で陣営を交代するので、途中まで勝っていたという感覚はなかったですね。テロリスト側は良かったんですけど、CT(カウンターテロリスト)側は良くなかったというだけです。

――自分たちの実力はどの程度発揮できましたか?

Laz選手:実力という意味ではすべて発揮できました。それでも中国チームにはなかなか勝てないです。

――大会初日は幸か不幸か、パキスタンチームが参加できず不戦勝となりました。不戦勝が決まったときどう感じましたか。

Laz選手:試合したかったですよね。海外のオフラインの試合数をできるだけ増やしたかったので、残念です。

――SCARZが所属するAグループのライバルはオーストラリアのKing'sですが、彼らに勝つための秘策は用意してきましたか?

Laz選手:オーストラリアのために用意した奇策のようなものはないですね。普段から練習していることをできるだけ実戦で出してどこまで通用するのか、それでダメだったらどこを修正すればいいのか考えたいと思います。

――ズバリ、勝てますか?

Laz選手:勝てないですね(笑)。

――それは何故ですか?

Laz選手:最近出てきた問題が解決していないのと、もしその問題がなくても、とても強いチームなので。

――King'sの強さというのはどのあたりに感じますか?

Laz選手:個人スキルのレベルも高いですし、全体的な動き、チームワークも良いですし、作戦にも幅があります。彼らがどう動くということが事前にわかっていてもなかなか対応できないぐらいなので、その時点で秘策とかは意味がありませんし。

――となると、残るモンゴルのKhARUMには絶対勝ちたいですよね?

Laz選手:モンゴルチームは、特に強いとは感じていません。いつもの自分たちの実力が発揮できれば勝てると思います。

――SZ Absoluteの戦いについて、どのあたりを観て貰いたいですか?

Laz選手:それ前も聞かれたんですけど、回答に困るというか、出てこないんですよね(笑)。

「CS:GO」日本代表SCARZ Absoluteチームメンバーインタビュー 選手入場で登場したSCARZのメンバー
選手入場で登場したSCARZのメンバー

――それでは最後に1人ずつ意気込みを聞かせて下さい。

poem選手:最近表面化してきた問題もあって不安なんですけど、この大会を通じてさらに成長していければいいなと思っています。

――t4k3j選手は、GALLERIA GAMEMASTER CUPの決勝トーナメントに出場できなかったわけですが、その点も含めて聞いてみたいですね。

t4k3j選手:うーーん、勝ちたいです(笑)。

barce選手:がんばりまーす。

――crow選手は、2度目の出場ですね。

crow選手:そうです。前回はAbsoluteというチームに属しながら、別のチームで出たので、同じメンバーでキチンと予選を勝ち抜いて練習を積み重ねてきた上で出場するというのは今回が初めてです。前回は2戦2敗で予選敗退したので勝ちたいですね。

 オフライン大会の経験についてはどのチームよりも負けているところがあって、緊張やプレッシャーであったり、こればかりは実際に体験してみないとわからないところなので、
どんな結果であれ全力を尽くしたい。結果より、自分たちの戦いをやりきりたいですね。

――crow選手から見て昨年のチームとどの程度進化していますか?

crow選手:まず、メンバーがガラッと変わって、個人的なスキルはかなり向上しています。それから問題点が出る度に、その都度改善していくというスタイルでやっています。今回は大会直前で大きな問題点が出て、それを克服できないまま来てしまったので、それが不安ですね。いつもなら大会までに克服するんですが、今回は直前で見つかって修正しきれなかったので。

Laz選手:いつもは問題点を徹底的に修正するんです。だからそれが自信に繋がるんですけど……。

Laz選手:不安を抱えて試合をするのが初めての経験なので、そこが心配ですね。

――深刻ですね。そのウィークポイントがバレなければいいですね。

crow選手:絶対に突かれますね(笑)。

Laz選手:相手が攻めてくる過程で、その影響は絶対に出てくるんですね。そこが崩されると、なし崩し的になってしまいますね。

――Laz選手は、1人での練習でひたすら投擲武器を投げていましたよね。あれはLaz選手のルーティンですか?

Laz選手:あれは、投げものの投げ方を思い出すためにやっていただけです。
試合では、できるだけのこと、僕らがやりたいことをやって次に繋げたいですね。

――最後にSCARZの試合を観戦するゲームファンに向けてメッセージをお願いします。

Laz選手:月並みですけど、応援よろしくお願いします。

――ありがとうございました。頑張って下さい。