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「GALLERIA GAMEMASTER CUP」がついに開幕!

超満員の中、熱戦を繰り広げた「フィギュアヘッズ」。「CSGO」はSZ.Absoluteが決勝へ

9月16日、17日開催

会場:東京都港区「スターライズタワー Studio Earth」

入場:無料

 サードウェーブデジノス主催のeスポーツ大会「GALLERIA GAMEMASTER CUP」が9月16日、スターライズタワー Studio Earthにおいて開幕した。初日は、「フィギュアヘッズ」の決勝戦と、「Counter-Strike: Global Offensive」の準決勝2試合の計3試合が行なわれ、「フィギュアヘッズ」はcoco'sキッチンが優勝し、「CSGO」はSZ.AbsoluteとALTERNATIVが明日の決勝戦にコマを進めた。

【GALLERIA GAMEMASTER CUP オフライン決勝1日目】

声優の近村さんや織田Pも参戦! 満席で行なわれた「フィギュアヘッズ」決勝

挨拶を行なうサードウェーブデジノスの大浦豊弘氏
まずは「フィギュアヘッズ」決勝戦から

 大会開催に先立ち、大会委員長を務めるサードウェーブデジノスの大浦豊弘氏が登壇し、「本大会は日本のeスポーツシーンを盛り上げ、世界を目指すeスポーツプレーヤーを応援する目的で企画させていただいた。第1回目の大会として、今日明日で3つの初代チャンピオンが誕生する。ぜひ最後まで楽しんでいってください」と挨拶。

 最初に試合が行なわれたのは「フィギュアヘッズ」。ゲストMCとしてレティシア役の声優を務める近村望実さん、PC版「フィギュアヘッズ」プロデューサーの織田英治氏も応援に駆けつけ、同作通算4回目の公式大会として、オフラインでの決勝戦となった。

 当日は台風18号が接近しているという悪天候で観客の入りが心配されたが、ふたを開けてみれば立ち見が出るほどの満員となった。来場者の目当ては、選手の応援だったり、近村さん狙いだったり、スケルトニクスの体験、入場特典のアイテムコードなど、実に様々だったが、200弱設けられた客席は満席となり、「フィギュアヘッズ」コミュニティの大きさを実感させられた。

 織田氏は試合開始に先立ち、「第4回目の公式大会となり、どんどんレベルが高くなっている。本大会も波乱続きで、プレーヤーの1人として楽しみたい。選手達は緊張しているのでぜひ声を出して応援してあげて下さい」と挨拶、試合がスタートした。

【「フィギュアヘッズ」決勝戦出演者】
MCを務めたレティシア役声優の近村望実さん
PC版「フィギュアヘッズ」プロデューサーの織田英治氏
軽快なトークで大会を盛り上げてくれた一条さん
わかりやすく解説してくれた「フィギュアヘッズ」運営スタッフ小澤氏
選手入場
実況解説席はすぐ側にある。選手達は、ヘッドセットの中にイヤフォンを入れて聞こえないようになっている

 筆者は、「フィギュアヘッズ」のオフライン大会を始めて観戦したが、非常に楽しく観戦することができた。同作はどちらかといえば、キャラクター性や起用声優に注目が集まりがちのタイトルだが、実際には海外の有力タイトルに勝るとも劣らない複雑な駆け引きを備えたeスポーツタイトルで、日本を代表するオンラインシューターの醍醐味をたっぷり堪能することができた。

 試合人数は5対5だが、それぞれが2機のAI機を従えており、それほど大きくない戦場に合計30体のロボットがひしめく戦いはなかなか見応えがある。ゲームルールも独特で、相手ロボットの撃破数はそれほど重要ではなく、ポストチャージと呼ばれるポイントをより多く減らした方が勝利となる。ポストチャージは、各陣営の拠点にあるコアを攻撃することで激しく減るため、お互いに敵の拠点を狙って総攻撃、波状攻撃が仕掛けられるのだ。

 その風景は、お互いにカウンターからの速攻を仕掛け合うサッカーの試合を見ているようで、拠点を巡って激しいラッシュと、それを必死に凌ぐ防衛側の駆け引きで、絶えず手に汗握る熱戦が繰り広げられる。ただ、観客は、オフライン大会に慣れていないのか、熱戦とは裏腹に、ややお行儀が良すぎる印象で、もう少し声を出しやすくなる運営側の工夫が欲しいと思った。

 さて、試合のほうは、1戦目は一進一退の攻防が繰り広げられ、coco'sキッチンがわずかな差で勝利。2戦目にcoco'sキッチンが複数人でのコア攻撃を成功させて、ポストチャージを一気に1,000以上も削り、勝利を確実にした。coco'sキッチンは、下馬評では必ずしも優勝候補ではなかったようだが、優勝インタビューでは選手達はお互いに他のメンバーを褒めあい、こうした大会の機会を提供したサードウェーブデジノスにも感謝を述べていた。

 最後に今後の目標を尋ねられると、「連覇目指して頑張ります。『フィギュアヘッズ』サイコー!」と絶叫。サードウェーブデジノスとしても、「フィギュアヘッズ」は、予想以上のeスポーツとしてクオリティが高く、スクウェア・エニックスの協力も積極的なことから、第2回目以降も採用される見込みで、eスポーツという側面でも今後「フィギュアヘッズ」が盛り上がることになりそうだ。

【「フィギュアヘッズ」決勝戦】
coco'sキッチン
月下衆
常に声を出してチームを鼓舞したcoco'sキッチンリーダーの霧雨響選手
1人が3キャラずつ操作するため、3本のHPバーが表示されている
マップの多くは空が開けており、空に打ち上げるミサイル攻撃が有効
試合を決めたアウトポスト攻撃

【「フィギュアヘッズ」決勝戦】
coco'sキッチンには優勝トロフィーと100万円、月下衆には30万円がそれぞれ贈られた
全員で記念撮影
スケルトニクスを体験する近村さん

断続的なトラブルに見舞われた「CSGO」準決勝。勝者は優勝候補のSZ.Absolute

「CSGO」準決勝
規定違反について説明する大浦氏
実況解説は、MamE氏(左)とZodiaX氏(右)が行なった

 午後からは観客の入れ替えを挟んで「CSGO」の準決勝2試合が行なわれた。試合に先立ち、大会委員長の大浦氏よりアナウンスが行なわれた。アナウンスの内容は、準決勝に勝ち進んだ4チーム中3チーム(ALTERNATIVE、zxcv、SZ.Absolute)が、予選大会において18歳未満の選手を参加させるという試合規定違反を犯したことが報告され、3チームの失格、DETONATORの不戦優勝も視野に入れて議論が交わされ、最終的に“日本のeスポーツシーンを盛り上げ、世界を目指すeスポーツプレーヤーを応援したい”という大会の理念に則り、3チームを失格とはせず、ペナルティを与えるだけに留め、試合そのものは予定通り実施することが報告された。

 ペナルティの内容は、「試合前のマップのバンピック権の喪失」で、DETONATORのみがバンピックの権利を所持していたが、結局DETONATORも権利を行使せず、2試合ともバンピック無しで試合が行なわれた。

 4チーム中3チームが規定違反となった背景には、18歳以上という規定が、eスポーツの一般的な規定から外れていたことが挙げられる。本大会では上位入賞チームに高額賞金が提供されるため、参加資格を18歳以上としていたものの、「CSGO」を含め、eスポーツ大会における一般的なレギュレーションは、16歳以上というものが多いため、規定を精読せずに参加してしまったチームが多かった模様だ。このため「周知徹底を行なわなかった運営側の落ち度もある」とし、比較的寛大な措置が執られることとなった。

 第1試合は、ALTERNATIVとzxcvの1戦。お互いに超攻撃的で、最短距離で突撃し、スモークグレネードや火炎瓶を投げ込んでの大乱戦というゲームが多く、スーパープレーヤーが何人かいる野良試合のような雰囲気で、見ていてすこぶる楽しかった。

 とはいえ、各プレーヤーのスキルはトップレベルで、最初の数ゲームこそ硬さが目立ったものの、試合の雰囲気に慣れてきた後は、壁抜きでのキル、相手の動きを読み切っての置きヘッドショット、乱戦からのダブルキル、トリプルキルと、各ゲーム毎に繰り広げられるスーパープレイを存分に楽しむことができた。

 「CSGO」の観戦モードは、両チームメンバーの位置、投擲武器の軌跡、射線を見ることができるため、会敵の瞬間を事前に知ることができる。とりわけ、スモークグレネードや火炎瓶が切れた後の乱戦は非常に見応えがあり、次々にスーパープレイが生まれる。

 戦術的にも、ピストルラウンドにサブマシンガンを持ってきたり、ピストルラウンドに勝利したチームが安い武器を買ったり、いわゆる“エコラウンド”的な省エネゲームが減っており、毎ゲーム見所があった。

 試合は3試合目の延長戦までもつれ込み、3時間超の大熱戦となったが、最後まで気力を切らさなかったALTERNATIVがわずかの差で勝利し、決勝への切符を手にした。

【ALTERNATIV対zxcv】
ALTERNATIV
zxcv
絶えず激しい撃ちあいが繰り広げられ「CS」本来の打撃感を存分に味わうことができた

 第2試合目は、試合前と試合中に1回ずつマシンエラーがあり、2度に渡って試合が中断されるトラブルに見舞われた。今回、PCは主催側が選手1人に1台を用意し、ドライバやハードウェアの相性の問題からは開放されたが、大会システムをeXTREMESLANDから借りており、その部分にトラブルが発生した模様だ。

 そうしたトラブルを乗り越えて実施された第2試合は、昨年のeXTREMESLANDに日本代表として出場したRascal Jester CSGO部門を母体とするSZ.Absoluteと、FPSでは国内随一の実績を持つプロゲーミングチームDETONATORの1戦で、事実上の決勝戦といっていい好カードとなった。

 お互いがお互いの実力を知り尽くしているため、第1試合とはまったく違う展開となった。ファーストキルに全身全霊を注ぎ込む展開で、大事に大事に布陣し、なかなか撃ちあいが始まらないどころか、グレネードすら投げ込まない。潮が満ちていざ撃ちあいが始まると、第1試合はそのままどちらかが全滅まで撃ち合う感じだったが、第2試合目はヒットアンドアウェイで、ファーストキルを決めたほうがむしろ一歩引く感じで、そのまま守りを固め始める。こういう戦い方もあるのかと驚かされた。

 とりわけ印象的だったのが、カウンターテロリスト側のDETONATORだ。3人ないし4人残っていても、そのままSZ.Absoluteの爆弾の設置、爆破を許して1ラウンドを与えてしまうのだ。

 その理由を、会場で観戦していたDETONATORでストリーマーとして活躍するYamatoN選手に尋ねたところ、「セーブといって、武器を保持したまま次のゲームに繋げる戦術です。『CSGO』では死ぬと武器を失うので、次のゲームが不利になります。4人残っていても、投擲武器がない状態で、相手が5人で守りを完璧に固められると、まず攻めきれません。ですから無駄死にを避けて次のラウンドに賭けるんです」と解説してくれた。

 SZ.Absoluteはテロリスト側での守りが非常に上手く、DETONATORは終始攻めあぐねる展開となった。スモークグレネードからの乱戦も、SZ.Absoluteがやや上回り、惚れ惚れするほどのリコイルコントロールで、ダブルキル、トリプルキルを決めていく。さすがは自他共に認める“国内最強”チームだと感じた。試合はそのままSZ.Absoluteが2ゲーム共に勝利し、決勝にコマを進めた。

 試合後、DETONATOR代表の江尻勝氏に今回の規定違反について話を伺ったところ、「我々はお金のためだけにやっているわけではない。我々は違反はしてないので、後は運営側の判断です」とサバサバした表情で語ってくれた。試合とは関係ないところで物言いが付いてしまった「CSGO」日本予選だが、明日の決勝では、トラブルなく、日本代表決定戦にふさわしい戦いが繰り広げられることを期待したい。

【DETONATOR対SZ.Absolute】
非常にクオリティの高い戦いを楽しめた。ぜひ通しで試合の模様をビデオで見て欲しい

 明日17日は、12時開場、12時50分より「World of Tanks」決勝戦、12時35分より「CSGO」の決勝戦がそれぞれ行なわれる。Twitchとニコニコ生放送で配信も行なわれるが、やはりeスポーツはオフライン観戦が楽しい。会場の張り詰めた雰囲気、選手達のかけ声、実況解説の興奮した喋り、スーパープレイの感動を共有する他の観客との一体感は、その場にいなければ味わえないからだ。ちょっと天候が心配だが、会場に来れる人はぜひ会場で観戦することをオススメしておきたい。

【「CSGO」3位表彰式】

【3位チームによる記念撮影】