スタイリッシュなデザインのお手軽ギター タカラ「WE LOVE GUITAR」(ウィー・ラブ・ギター)
WE LOVE GUITAR |
発売 |
タカラ |
価格 |
10,290円 |
電源 |
アルカリ単3電池×4(別売) |
発売日 |
発売中 |
ギターは、音楽好きなら一度は憧れる楽器だろう。ロックでいえば、ギタリストは、ボーカルと並ぶ人気のポジションだ。ハードロックのギタリストのようにソロをバギューンと決められたら、さぞかし気持ちがいいだろう。しかし、多くの楽器がそうであるように、ギターもまた弾けるようになるには、相当の練習が必要になる。左手で押さえるコードが難物で、これに泣いてギターの習得をあきらめた人も多いのでは? 筆者はといえば、コードを押さえるまでにも至らぬ段階。「今度の日曜日にはギターを買いにいこう」と思い立って以来、22年間まったく実行に移していないていたらくだ。
今回紹介する「WE LOVE GUITAR」(ウィー・ラブ・ギター)は、そんな「ギターを弾きたい症候群」に捧げられたアイテム。複雑なコードと弦が簡略化され、初心者でもギターの演奏を楽しめるという触れ込み。以前、当連載でレポートしたピープルの「持ったときから、弾ける、唄える。」に近いコンセプトを持っている。「持ったときから、弾ける、唄える。」との比較も交えながら、遊び心地をお伝えしていこう。
■ “未来型のギター”ともいえるスタイリッシュなデザイン
パッケージを見て驚いた。皮製の楽器ケースを思わせるシブい色使い。まるでトイとは思えない。ハハ~ン、わかった。この「WE LOVE GUITAR」、簡単プレイを目指しながらも、ギターという楽器が持っている“カッコよさ”や“色っぽさ”はそのまま再現し、本格的なイメージでユーザーを魅了しようと考えているのだな。その考えは、パッケージの上ぶたをめくったときに確信となった。まるで、ケースに収められたギターそのままだ。確かに格好いい。
「WE LOVE GUITAR」本体を取り出して、実際に手にしてみても印象は変わらない。本体はウクレレを彷彿とさせるコンパクトなサイズ。しかもトイらしく軽い。だけど全然安っぽさを感じさせない。ギターの弦が大胆にも省略され、丸みと直線が混ざったイメージは、“未来のギター”にも見える。このままどこかへ持っていって誰かに自慢をしたい。そんな気分にさえなる。
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パッケージ。日本語を使わず、大人っぽいテイストを演出している |
ふたを開けたイメージは、まさにギターケースに収められたギター |
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「WE LOVE GUITAR」本体。ギター本来の味わいを残しながら、新しさも感じさせる |
本体。プレイに必要なボタンのほとんどが前面にあり、操作も簡単 |
■ ボタンを押すだけで最適な音が奏でられる
とはいえ、これはあくまでギターのトイ。弾き心地がよくなくてははじまらない、と気を取り直してプレイをしてみる。
マニュアルを読まずにとりあえず挑戦してみたところ、さすがはポピュラーな楽器。操作方法はすぐにわかった。本来のギターなら弦が張ってある部分のスイッチは、「プレイスイッチ」。これを指でこすると、音が奏でられるのだな。ネックにズラリと並んだボタンは、「コードボタン」。表面に「Am」や「E」、「Fm」などとコード名が書かれており、ボタンを押すだけでコードを押さえたことになる、というわけか。指を複雑に折り曲げて押さえるコードを、ボタンひとつで押さえたことになるのだから便利だ。
「WE LOVE GUITAR」には、大きくわけてふたつのプレイ方法がある。「デモプレイ」と「ノーマルプレイ」だ。「デモプレイ」はプリセットされた曲を再生しながら、弦を弾くように「プレイスイッチ」をこすると、そのときに最適な音が鳴り響く。プレーヤーが行なうのは、指を上下に動かすだけなので、とても簡単だ。
プリセットされている曲は、全部で24種類。吉田拓郎の「結婚しようよ」やチューリップの「サボテンの花」、イルカの「なごり雪」のようなフォークソング。スピッツの「ロビンソン」やSMAPの「夜空ノムコウ」、福山雅治の「桜坂」のような最新J-POP。そして、ビートルズの「イエスタデイ」やベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」などの定番の洋楽曲が収められ、幅広いジャンルにまたがった選曲に好感が持てる。
さっそく弾いてみよう。「コードボタン」に数字が振られており、これを押すことで選曲ができるようになっている。ジョン・レノンの「イマジン」をセレクト。本体に内蔵されたスピーカーからおなじみのイントロが流れてくる。思いのままに指を動かし、「プレイスイッチ」を押すと……オッ、オロロロ? ギターの音が聞こえてこない。耳を「WE LOVE GUITAR」に近づけても、どれがギターの音かハッキリしない。
どうやら原因はボリュームのようだ。筆者がプレイした環境だと、ボリュームスイッチを動かして、MAXに近い音量にしないとギターの音が前面に出てこない。伴奏の方が目立ってしまうのだ。ボリュームをMAXにすると、ギターの音が立ってきた! あとは「プレイスイッチ」に触れるたびに、最適のコードで音が鳴り響く。あまりの簡単な動作に最初は気恥ずかしさも感じたが、次第にノッて、どんどん気持ちよくなってきた。立て続けに、風の「22才の別れ」やイーグルスの「ホテル・カルフォルニア」を演奏した。
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中央付近にあるふたつのボタンが「プレイスイッチ」。演奏の要だ |
ネックにズラリと並んだ「コードボタン」 |
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付属のストラップを付ければ、肩にかけて演奏できる |
基本的なプレイスタイル。ギタリストの気分を味わえる |
■ より本物のギターに近い演奏も体験できる
「ノーマルプレイ」は、24個あるコードボタンを自分で押さえながら、「プレイスイッチ」を指で弾き、曲を演奏するモード。伴奏がなく、コードも自分で押さえるので、本物のギター演奏に一歩近くなっている。
コードを押さえるとはいえボタン形式だし、簡単だよな、とタカをくくって始めた筆者は、たちまち青ざめることになった。ボタンになっているとはいえ、24個もある。次に押すべきボタンをすぐには見つけられず、オタオタしてしまう。付属の歌本を見ながらさっそうとコードボタンを押したいのだが、そうはいかず。ひとつのコードを奏でては、ネックをジッと見つめ次のボタンを探す。次のコードを押してはまたコードボタンを見つめる。というふうに、中断することおびただしい。初心者対応がうたい文句とはいえ、多少の練習は必要のようだ。
筆者自身のプレイで言えば、まず歌を大きな声で歌う。コードボタンを押すのは多少遅れようが間違えようがかまわない! と割り切ってプレイしたら、少しずつ上達しはじめた。こうなってくると現金なもの。先ほどまでの不満はどこへいったやら、「WE LOVE GUITAR」のプレイが楽しくなり、次から次へと歌いまくってしまった。
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「プレイスイッチ」をこすると音が奏でられる |
曲の展開に合わせて、「コードボタン」を押す |
■ 練習を重ねれば達成感も味わえる
結論をいえば、多少の練習は必要だが、確かに初心者でも楽しめる。練習が必要なところは、「腕が上がった!」という達成感を味わわせてくれるための配慮かな、とも思える。
何度も述べてきたが、デザインはやはり格好いい。フェンダーの「ぞうさん」のように、「WE LOVE GUITAR」を使って曲を披露するミュージシャンが今後登場する予感もある。
冒頭で述べた、ピープルの「持ったときから、弾ける、唄える。」と比べると、「持ったときから、弾ける、唄える。」の方が7千円近く高い事情はあるが、筆者としては僅差で「持ったときから、弾ける、唄える。」かなあ……という気がする。初心者でも弾ける点において、「持ったときから、弾ける、唄える。」の方がコードボタンがさらに簡略化され、より一層の敷居の低さを感じたからだ。弦が付いている点も、筆者のような「ギターを弾きたい症候群」にとってはうれしく感じられる。
わがままをいえば、「WE LOVE GUITAR」の優れたデザインと、「持ったときから、弾ける、唄える。」の遊びやすさが合体した商品が登場してほしい。
(C)TAKARA Co.,Ltd. 2004
□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/
□「WE LOVE GUITAR」のページ
http://www.takaratoys.co.jp/wlg/
□関連情報
【3月29日】タカラ、東京・COREDO日本橋に直営ショップ「GARAGE」オープン
30歳台をターゲットにしたライフエンタテインメントショップ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040329/garage.htm
【2月17日】春の「東京インターナショナル・ギフト・ショー」開幕
タカラの「WE LOVE GUITAR」など出展される
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040217/gift.htm
【1月15日】「2004 コナミ・タカラ新商品合同発表会」開催
手軽にギターを楽しめる「WE LOVE GUITAR」など
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040115/toy.htm
毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部) → game-watch@impress.co.jp ←
(2004年4月22日)
[Reported by 元宮秀介]
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