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★GBAゲームレビュー★
「マリオ&ルイージRPG」のストーリーは、またまたキノコ国のピーチ姫に災厄がふりかかった。隣国の使者を装ったゲラゲモーナに、その美しい声を奪われてしまったのだ。この緊急事態に召還されたマリオは、持ち前の正義感と勇気、そして卓越したジャンプ力を武器に、ゲラゲモーナに立ち向かうこととなる。プレーヤーはマリオとルイージとして、ピーチ姫の声を取り戻し、事件の背後に隠されているであろう巨大なる陰謀を阻止しなければならない。
■ アクションコマンドを使いこなせ
「マリオ&ルイージRPG」は、基本的にアクションゲームである。通常移動時には十字キー操作に加えて、AボタンやBボタンによるジャンプなどのアクション要素がある。戦闘時においてはキャラクタの行動はメニューによって選択されるが、その戦闘効率はタイミングよくボタンを押す追加入力によって、2倍にも3倍にもなるのだ。これこそが、この作品の特徴でもある操作法「アクションコマンド」なのである。
■ アクションコマンドの基礎知識 ● 攻撃コマンド
戦闘時に攻撃(例:ソロアタック)を選択すると、キャラクタはモンスターに対して攻撃を行なう。この攻撃がヒットする瞬間にタイミングよくボタンを押すと、与えるダメージがアップする。ただし、コマンドの入力は、マリオならばAボタン、ルイージならばBボタンによって行なわれ、間違えたボタンを押すと失敗するので注意しなくてはならない。
● 回避コマンド
敵からの攻撃を受けた時にタイミングよくボタンを押すことで、その攻撃をよけることができる。さらに、タイミングによってはカウンター攻撃まで繰り出すことができるため、回避行動はとても重要。本作には多種多様な敵が登場し、それら全てに様々な攻撃パターンがある。その“クセ”を的確に見抜き、効率よく攻撃を回避することが攻略への近道なのである。
■ 兄弟パワー炸裂のブラザーアクション 本作のもうひとつの特徴として忘れてはならないのが、マリオとルイージが力を合わせて行なうアクションコマンド「ブラザーアクション」である。ブラザーアクションには、移動時に活用する「ハイジャンプ」や「スピンジャンプ」、戦闘時に活用する「ブラザーアタック」などがある。先に説明したアクションコマンドのみならず、このブラザーアクションの活用無くして、本作の攻略は不可能なのである。 ● どこまでも高く「ハイジャンプ」 マリオが前、ルイージが後ろに並んでいる時に使えるブラザーアクションである。通常のジャンプコマンドよりも高く跳躍することができるため、序盤では越えられなかった壁などを越えることが可能となる。残念ながらジャンプの飛距離はあまりのびない。 ●どこまでも遠く「スピンジャンプ」
ルイージが前、マリオが後ろに並んでいる時に使えるブラザーアクションである。ルイージの肩に乗ったマリオがヘリコプターのように回転することで跳躍の飛距離を大きくのばす。覚えれば、序盤では跳び移れなかった距離を移動することが可能になる。
● コンビネーション攻撃「ブラザーアタック」
ブラザーアクションを戦闘に応用したのが「ブラザーアタック」である。マリオとルイージの絶妙なコンビネーションで繰り出される「合体攻撃」であり、そのダメージたるや通常攻撃の数倍にもなる。「ブラザーアタック」はマリオとルイージが個別に持っており、タイミングよくボタンを押すことでコンビネーションをつないでいくのだ。タイミングが悪かったり、押すボタンを間違えると「ブラザーアタック」は失敗してしまうが、その失敗アクションがまたコミカルで見ていて楽しい。アクションゲームに自信があるプレーヤーにも、ぜひとも1度は失敗アクションを見て楽しんでもらいたい。
■ レベルアップはRPGの醍醐味
RPGの醍醐味は色々あるが、やはりレベルアップのカタルシスは外せない。ついさっきまで苦戦していたモンスターに、レベルアップした後は楽々勝てる。この爽快感と達成感にヤミツキになるがゆえにRPGが成立すると言っても過言ではないだろう。本作でもレベルアップの要素は重要な位置を占めるだけでなく、プレーヤーごとのプレイスタイルを主張できるような味付けが成されている。 獲得経験値が一定の値に達するとレベルアップするのはRPGのお約束。本作ではまずレベルアップすると能力値が上昇し、HPやブラザーポイントが一定値回復する。さらに、プレーヤーが任意の能力値にボーナスポイントを加算することができるのである。7つの能力値の中でもひときわ異彩を放っているのが「HIGE」である。この能力値、実際何の役に立っているのかは全く不明。説明書にも「ヒゲのツヤ」としか書かれていないミステリィな能力値である。レベルアップに必要な経験値に影響するのではないか、とか、クリティカルヒット率に影響するのではないか、など、推論は飛び交うものの、未だ真実は解明されていない。
マリオとルイージは対象的な能力成長をする。そのため、自然と互いの役割も分担されていくのだ。ボーナスのポイントを、長所を伸ばすように与えていくのか、弱点を補うように与えていくのかでもゲームバランスは大きく変わっていく。
■ いざ出発、マリオワールドでの冒険へ
それでは、基本的なシステムを理解したところで、さっそくマリオワールドの冒険に出発としゃれこもう。声を奪われたピーチ姫のために立ち上がったのは、マリオとクッパ大魔王。ふたりはクッパ軍団を率いて、悪のゲラゲモーナ追撃に出発するのである。いつものようにマリオを見送るルイージではあったが、クッパ大魔王の勘違いによってクッパ軍団に編入されてしまうのであった。この辺のストーリーは、シリーズのファンならニヤリとさせられる。前作とも言える「マリオストーリー」でのルイージの見事な留守番っぷりを見ていれば、なおさら笑えてしまう演出が山盛りなのである。
本作をプレイしてみて痛感したのは、制作者側の「これでもか」と言わんばかりのサービス精神だ。ひとつイベントをクリアするたびに追加される新要素。冒険の本筋だけでなく、ちょっとした脇道に用意された「お遊び要素」やサイドストーリーは、よくぞここまでと言いたくなる程にエンターテインメント精神に満ち溢れている。にもかかわらず、美しいヴィジュアルと豪華なサウンドのイベントシーンの合間にちょろちょろと戦闘シーンがあるような小手先のRPGとは比べモノにならないくらい「ゲーム」なのである。まさに「退屈するヒマもない冒険活劇」と呼ぶに相応しいタイトルである。 本作の中でもうひとつ注目してもらいたい点は、ルイージの活躍である。これまで冒険に出ることなく留守番していたルイージは、気が弱く、強くもなく、およそ冒険には向かない性格。そんなルイージがマリオとの冒険を通して少しずつヒーローになっていくのである。そう。本作は「ルイージの成長物語」でもあるのだ。 ■ クラシックファンに嬉しいオマケ付き
また、本作には昔懐かしい「マリオブラザーズ・クラシック」もオマケとして収録されている。さらに、このマリオブラザーズを使っての4人対戦バトルもできるというのが嬉しい。マリオブラザーズの原点がココにあるのだ。
プレイも中盤を越えると、アクシュンコマンドやブラザーコマンドもどんどん増え、ゲーム中のアクション要素に加えてパズル的謎解き要素も加わってくる。やがて、ある地点から、アクションが苦手なプレーヤーが対応しきれなくなってしまう可能性がでてくるだろう。つまりは、ゲームが要求するプレイ技術がプレーヤーのキャパシティを越えてしまった瞬間に、このゲームは「行き詰って」しまうのだ。だが、これを問題点とは考えたくない。そういった壁を努力や練習で突破できた時の達成感こそがアクションゲームの醍醐味なのだから。
人がゲームを選ぶように、ゲームが人を選んでもよいのではないか。ゲームが突きつけた挑戦状をプレーヤーが突破する。それに対してゲームはエンターテインメントを与えてくれる。その課程がゲームとして面白ければ何も問題はないのではないか。改めてそう感じさせてくれるゲーム。それが「マリオ&ルイージRPG」なのである。
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□任天堂のホームページ (2004年1月21日) [Reported by 松野桂司(冒険企画局)]
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