Windows 10 ゲームマラソン

「刀剣乱舞」 女性ファンを熱狂させる刀剣たちのつばぜり合い

Microsoft Edgeで快適プレイ! DMMの人気ブラウザゲーム

「刀剣乱舞」

正式サービス中

価格:基本無料(アイテム課金)

 この春、日本中の刀剣資料館で軒並み女性の入場者数が増加するという社会現象が起きた。その発信源となっているが、DMMゲームズとニトロプラスが開発しているブラウザゲーム「刀剣乱舞」、略して「とうらぶ」だ。本作は、日本の歴史上に名をはせる名刀から生まれた付喪神「刀剣男士」を育てて、歴史修正主義者たちによる過去への攻撃を阻止するというシミュレーションオンラインゲーム。

 2015年1月のサービス開始からわずか半月でユーザー数が50万人を突破。それ以降もサーバー増設を繰り返している。本日の「Windows 10ゲームマラソン」では、女性の心を鷲掴みにしている「とうらぶ」を紹介したい。

Windows 10への対応状況(8月16日現在)
動作状況★★★★(快適に動作)
メーカー対応未対応
Windows 10独自機能Xbox App、Game Bar、GameDVR
不具合報告特になし
サポート情報特になし

女性が喜ぶシステムでがっちりとプレーヤーの心を掴む

5種類の個性的な打刀から1人を選んでゲームをスタートする
ゲームの基本画面
内番では専用の衣装を着た立ち絵を見ることができる

 本作はインストールなしで遊べるPC専用のブラウザゲーム。パソコン用のブラウザが動く環境ならスペックの低いノートPCでもWindowsタブレットでも気軽に遊ぶことができる。8月16日現在では公式でサポートされている環境はWindows 8まで、ブラウザはIE 9以上、Chrome/Firefox最新版となっている。動作にはAdobe Flash Player 11.9以降が必要だ。

 Windows 10で遊ぶ場合に気になるのは、Microsoft Edge(以下、Edge)での動作だろう。結論から言うと、非常に快適に遊ぶことができた。本作はブラウザゲームとはいえ、演出が凝っているのと、ボイスが多いためローディングされるデータのボリュームがかなり多いのだが、IE、Firefoxと比べてEgdeはゲームスタート前に必要なローディング時間が、体感できるほどに短かった。また、Game BarやGame DVRなどWindows 10の新機能については問題なく動作した。

 本作の基本システムは、DMMゲームズがサービスしているブラウザゲームと似通っているところもあるが、しかし「とうらぶ」ではあまりシミュレーションゲームの経験がない女性でも気軽に遊べるよう、よりわかりやすく単純化されている。そして女性プレーヤーが喜びそうなシステムが色々と盛り込まれている。

 女性は、“関係性に萌える”とよく言われるが、例えば「内番」という刀剣男士を2人組み合わせて24時間の仕事をさせるというシステムがある。「内番」中も戦いに出たりといったことは自由で、お気に入りの2人が1日一緒にいるというシチュエーションを作るためだけのシステムといっても過言ではない。さらに、「内番」スタート時には、専用衣装の立ち絵でお互いがセリフを言い合うカットシーンも入るという念の入れようだ。

 ほかにも、脇差と打刀を同じ部隊に入れると、2人で同時攻撃を行なう「二刀開眼」や、史実に基づいた刀を同じ部隊に入れて特定の戦場に出陣させると発生する「回想」など刀剣男士同士の関係性を妄想して楽しむようなシステムがあれこれと入っている。美麗なイラストや30人余りの声優を使った豪華なボイスはもちろんだが、これら関係性を作るシステムの果たす役割は大きい。

 ゲームシステム自体は決して目新しいものではないが、確かにシステム的な共通点は多いものの、決して見た目だけを変えたゲームではない。実際にプレイしてみると、ユーザー層に合わせた細やかなゲームバランスの調整と、丁寧な世界観の構築が新しいファンを呼び込んでいるのだと気づく。

【スクリーンショット】

派手な演出で白熱の戦闘シーンは生きるか死ぬかの真剣勝負

機動力の高い刀から順番に攻撃していく。小さなマスに入っている「刀装」が敵の攻撃を受け止めてくれる装備の役目を果たす
戦闘マップは分岐しており、サイコロで行き先が決まる。白いコマには敵か資源のどちらかが隠れている
味方がダメージを受けた時にだけ発動する逆転要素の「真剣必殺」。ギリギリの戦いを制すると熱い

 では「とうらぶ」がどんなゲームなのか、一連の流れを説明していこう。刀剣には7つの種類があり、それぞれに性能が異なっている。これを6人組み合わせて部隊を作り、「出陣」させることで経験値やアイテムを稼ぐ。刀の入手方法は自分作る「鍛刀」と戦闘でのドロップのみ。「艦これ」と同様にガチャなどの課金では手に入らない。

 戦闘マップは幕末の函館から始まり、江戸、織豊時代、戦国時代と遡るほど敵が強くなっていく。戦闘の流れは大きく、偵察→陣形の選択→戦闘となる。このうちプレーヤーが決定できるのは陣形のみで、あとはすべてオートで進む。敵味方のうち機動力の高い刀剣から順に攻撃していき、敵が全滅するか、攻撃が2巡した時点で終了して判定で勝敗が決まる。

 敵からダメージの大きな攻撃を受けると、中傷、重傷という傷を負い、そのまま行軍を続けてHPがなくなるとその刀剣は壊れてしまう。1度壊れると、修復は不可能で、手塩にかけて育てた刀剣を失ってしまう(ただし1度だけは回避できるアイテムもある)。かといって、傷を負うたびに撤退していたのでは、いつまでたってもボスにたどり着けない。この辺りの駆け引きが本作の悩みどころであり、面白さだろう。

 ちなみに「艦これ」では艦がダメージを受けるとだんだん服が破れていく。「とうらぶ」でも服は多少やぶれるが、むしろ傷を受けて本気になる感じのイラストが多い。これを反映して、部隊の中にダメージを受けている刀剣がいるときにだけ発動する「真剣必殺」のような逆転要素もある。

 戦闘が終了した後は、「本丸」という拠点に戻って雑務をこなす。負傷した刀は「手入れ」で修理にあたり、戦いの中で消費しきってしまった「刀装」を補給する。ほかにも、デイリークエストにあたる「任務」の報酬を回収したり、ドロップの中で必要のない刀をほかの刀の強化に回したりして、次の戦いに備えることになる。主力以外の部隊を遠征させて、資源を取ってこさせることもできる。

 最近のブラウザゲームは、インストールが必要ない手軽さに、演出の豪華さまで加わって、非常にリッチなゲーム体験ができるようになっている。本作も静止画を動的に見せる様々な演出で、飽きさせない作りになっている。女性向けという評判で二の足を踏んでいる人も、せっかくWindows 10にしたのならEdgeの快適さを確かめる意味でも1度遊んでみてはどうだろう。

【スクリーンショット】

(石井聡)