【連載第69回】韓国最新オンラインゲームレポート

韓国Nexon、「Ever Planet」オープンβテストレポート
可愛いキャラクターたちが丸い大地で大冒険! 星と共に生きるMMORPG

1月14日よりオープンβテスト実施中




 韓国Nexonは1月14日から、韓国国内でMMORPG「Ever Planet」のオープンβテスト(OBT)を実施している。韓国での正式サービスの日程、日本でのサービスについては未定で、ビジネスモデルはアイテム課金が予定されている。

 「Ever Planet」は新生デベロッパーNCLIPSEが開発したMMORPGだ。小さな星のような“丸い大地”を冒険するというコンセプトが最大の特徴である。キャラクターたちは2頭身で、コミカルなタッチで表現されていて、その雰囲気は同じネクソンの「メイプルストーリー」を彷彿とさせる。

 OBTでは4つの1次クラスと8つの2次クラスが用意され、クエストを巡った様々な冒険と、ハウジングのように自分の星を持つ「マイ・プラネット」システムを楽しむことができる。本作は過去2回、韓国のゲームショウ「G-Star」にも出品されたNexonの主力タイトルで、「メイプルストーリー」との親和性の高さから、韓国でも多くの注目を集めている。早速、本作を紹介したい。



■ 丸い大地での冒険を楽しもう!! 丸いマップが齎す斬新なプレイ感と豊富なクエストが楽しい作品

「Ever Planet」の星々。6つの星が登場する予定で、現在のところ3つが実装されている。4つ目は砂漠の星「アスマラ」である
「エバーグリーン」は「イタッカー」の衛星だ。初めて訪れる星である

 本作の最大の特徴は丸い大地を舞台にしたマップだ。丸い星をイメージし、現在、「エバーグリーン」、「イタッカー」、「リーバーラン」の3つの星が実装されている。各、星には数カ所のフィールドマップとインスタンスダンジョンが広がっており、徐々に次のフィールドへと進行(ローディング)していくようになっている。フィールドは丸く表現されているが、完全な「球」ではなく、半球になっている。

 基本的に見下ろしの画面で、丸いフィールドが広がっており、従来のゲームとは異なるプレイ感がある。地面と空を一緒に見ることができ、距離感がすごく感じられて独特の視野になっている。なお、星という設定はこの独特のプレイ感を生み出すための演出に過ぎず、フィールド数を考えれば、明らかにおかしい曲率になっている。半球なので当然のことながら、ぐるっと1周することもできない。

 本作のキャラクターは、2Dのコミカルなデザインで、その模様は「メイプルストーリー」を彷彿とさせる。キャラクターの表情にも、通常の時、攻撃する時、攻撃を受ける時など、様々なバリエーションで、可愛らしく表現されていた。

 基本的には火山や砂漠など、様々なテーマを持つ、小さな星での冒険が目的のゲームである。プレーヤーは最初にキャラクターを作成すると、旅行者として「エバーグリーン」に訪れたという設定でスタートする。マップ上に次々と位置するNPCらから貰ったクエストをクリアしていくと、自然に次のマップへ進んでいくというタイプで、クエストを巡った冒険がメインコンテンツになっている。

 クエストはメインクエストにあたる「惑星クエスト」とサブクエストにあたる「一般クエスト」に分かれている。「惑星クエスト」は各星に起こっている重大な事件を解決していくという内容で、「一般クエスト」はNPCたちの悩みを解決するお使い系のクエストである。

 最初の「エバーグリーン」では、他の旅行者たちが「イタッカー」の位置を把握できるように夜空に目印の信号を打つという「惑星クエスト」からスタートする。実はこのクエストをクリアしなくてもイティッカーには行けるのだが、「惑星クエスト」のクリア報酬は、「スキルポイント獲得」といったものもあり、報酬目当てでクリアするプレーヤーが多かった。

 「惑星クエスト」の重大な事件というのは1つだけではなく、最初の「エバーグリーン」では2つの事件、「イタッカー」では4つの事件、「リーバーラン」では6つの事件と、徐々に多くの事件が盛り込まれている。クエストの数は各星に数十個に及び、クエストだけでレベル上げができるほどだ。狩りによるレベル上げを強制されないため、常に能動的に行動でき、飽きるなくプレイし続けることができた。


「イタッカー」は火山の星だ。ここでは1次転職ができ、本格的に本作のコンテンツを楽しむことができる(左)。「リーバーラン」は運河の星だ。レベル24からプレイできる中盤のステージで、レベル30からはここで2次転職ができる

丸くできたマップは、斬新なプレイ感覚をもたらしてくれる

マップの中にはクエストに関する様々なオブジェクトが置かれている。クエストのバリエーションが豊かで、狩りだけを繰り返す必要はなく、遊んでいて楽しい


■ 8つのクラスが用意され、誰でも楽しめるカジュアルなアクション!

カジュアルな戦闘なだけに、スキルツリーもそう複雑なものではない

 本作の戦闘は、一般的なアクションRPGのように、攻撃やスキルキーを押して、攻撃操作を行なうというシンプルなスタイルだ。戦闘の難易度は非常にカジュアルに設定されて、同レベルのモンスターなら、休まずに数十匹を連続で狩ることができる。明るいゲームの雰囲気と簡単なアクションで、アクションゲームに不慣れなユーザーも迷わず楽しむことができる。また、パーティープレイも用意され、難易度の高いインスタンスダンジョンでは最大5人のパーティーを組んで攻略に挑むといったスタイルだ。

 本作には4つの1次職業と、各クラスに2つずつ分かれた8つの2次職業が用意されている。まずは、下の通りだ。

    ・ Fighter → Warrior、Knight
    ・ Archer → Hunter、Sniper
    ・ Magician → Sorcerer、Wizard
    ・ Rogue → Thief、Assassin

 レベル1から、レベル10まではクラス名の前に“見習い”が付き、装備といったものがある程度、制限されている。レベル10からクエストを通じて1次転職ができ、レベル30からは2次転職が可能だ。

 筆者がプレイした「Rogue」は、見習いのあいだは1つの武器しか使えなかったが、1次転職を終えると二刀流が使えるようになった。「Rogue」はバブルという専用の消費ポイントを持っており、バブルを使用することで強力なスキルを使えるのが特徴のクラスだ。バブルは「Rogue」が攻撃することで1つずつチャージされ、最大8つまでチャージすることができる。「Rogue」はパーティー内では役割が比較的薄く、自分の代わりにモンスターの攻撃を受けてくれる「案山子召還」といったスキルもあり、バブルスキルによる強力な攻撃もあるため、ソロ向きのクラスだった。

 スキルはスキルツリータイプになっており、レベルが上がる度に、獲得したスキルポイントでスキルを覚えていく。各スキルは決められた上限のレベルがあり、スキルポイントを使って、そのスキルのレベルを上げることができる。レベルが高くなるほど、そのスキルは強くなり、上位のスキルを覚えるには、スキルをある程度のレベルまで上げる必要があるスキルも存在する。獲得できたスキルポイントの中で、自分好みのスキルを覚えていき、キャラクターを成長させることができる。


キャラクターの作成時、ムービーを通じて各クラスのプレイを確認することができる

本作の戦闘の難易度は低く、多数のモンスターも同時に相手できる。中でも「Rogue」はソロプレイに最適のクラスだ

インスタンスダンジョンでは様々な仕掛けが設けられている


■ ハウジングのように自分の星を持つことができる「マイ・プラネット」システム!

星の名前、空、フィールド、テントのタイプを決めて星を作る。レベル10になれば誰も作ることができる

 レベル10になり、1次転職クエストを終えると、プレーヤーは自分の星を持つことができる。この「マイ・プラネット」システムは、星の名前、空、フィールド、テントのタイプを決めて自分だけの星を作成し、「マイ・プラネット」アイコンメニューを通じて、街やフィールドなどを行き来することができる。

 「マイ・プラネット」に入ると、牧場のように垣で囲まれたフィールドがあり、テント、郵便箱、井戸などが置かれてある。テントにはアイテムを収納できる銀行が置かれ、郵便箱ではプレーヤー同士のメールを確認できる。井戸を使用するとHPやSPを回復してくれる「プラネット泉水」を獲得できる。1日に1回のみ使用可能だ。

 また、テントの北東には小さな畑がある。この畑では、街で購入したトウモロコシ、ニンジン、枝など、植物の種を植えることができる。種を植えてから現実の時間で2日が経つと、植物を収穫でき、料理の材料として使うことができる。本作は戦闘スキルだけではなく、料理、耕作といった生活スキルや、武器鍛冶術、鉱物学といった専門スキルを覚えることができるが、生活スキルや専門スキルは街の各NPCから習得でき、さらにレシピを購入すると様々な物が作ることができる。

 「マイ・プラネット」では家具を置く事もできる。家具は街で購入でき、購入する際に払うのはお金ではなく、「星の種」というアイテムとなる。「星の種」はクエストの報酬で獲得でき、「星の種」を使って自分の星のレベルを上げることも可能だ。星のレベルが上がると置くことができる家具の数は増やされたり、「プラネット泉水」の性能が上がったりなどの効果がある。

 本作は丸みを帯びたフィールドがもたらす独特なプレイ感が魅力の作品だ。その魅力に加え、可愛らしいキャラクター、誰でも手軽に楽しめる戦闘、「マイ・プラネット」と生活、専門スキルといった様々なコンテンツが盛り込まれ、完成度の高い作品になっていた。戦闘システムは非常にカジュアルで、バトルを期待するユーザーには物足りないゲームに映るかもしれないが、その代わりにコミュニティ機能の充実は、来るべきソーシャルゲーム時代にマッチしており、非ゲーマー層も含めて盛り上がる可能性もある。今後の展開に注目したい。


物を収納したり、「プラネット泉水」を獲得したり、畑を管理したり、星のレベルを上げたり、などなど、キャラクターだけでなく、自分の星を管理する楽しさもある作品だ

家具は向き、大きさなどを決めて置くことができる。他のプレーヤーを招待して、自分の星を自慢することも可能だ

生活、専門スキルを通じて色んなものを作ること可能だ。本作は生活感が溢れる作品である

(c) 2010 NEXON Corp. & NCLIPSE Corp. All Rights Reserved.

(2010年 2月 4日)

[Reported by DongSoo“Luie”Han]