使って試してみました! ゲームグッズ研究所
連載第310回
快適操作&プレイ時間アップなPS Vita用グリップや、保護カバー装着で充電できるWii U GamePad用スタンドを試してみた
(2013/4/15 00:00)
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
今回はPS Vita用の海外製グリップアタッチメントをチェック! NYKOの「Power Grip for PS Vita」はグリップに内蔵のバッテリーも備え、操作性アップとプレイ時間増加の2つのメリットを打ち出したグッズ。PDPの「PDP PSVita トリガーグリップ」はコンパクトな形状ながらホールド感が良く、L/Rボタンをトリガータイプに変えるというグリップだ。どちらもオススメしたいグリップアタッチメントになっている。
また、Wii U用のグッズでは、ゲームテックの「そのまま充電スタンドU」を試してみた。こちらはWii U GamePadに保護カバーを着けたままで充電が可能になるスタンドだ。保護カバーと充電スタンドの両方を活用したいという人はぜひチェックして頂きたい。
【今週のおしながき】
バッテリー内蔵でプレイ時間もアップ! ホールド感も良く一石二鳥のオススメグリップ
海外のグッズメーカーNYKOが発売するPS Vita用のグリップで、充電式のバッテリーを内蔵していることが大きな特徴だ。グリップによる快適な操作性と、内蔵バッテリーによるプレイ時間延長効果の、2つのメリットが得られる。
海外製のグッズではあるが、取扱説明書には多国語で説明が書かれており日本語もある。購入先については、NYKO製品を取り扱っている海外グッズを取り扱うお店が主になる。
グリップとしての形状は、バッテリーを内蔵していると言ってもそれほど独特ではなく、スマートな作り。丸みを帯びたフォルムでグリップが2本伸びていて、中央下部に少し突き出たブロックがある。この突き出たところにバッテリーが入っていて、PS Vita底面のマルチユース端子にグリップ側のコネクタを繋げて使用する。
コネクタには固定用のスライドスイッチがあり、コネクタごと上下に動くようになっている。PS Vitaをセットしてからコネクタを上に動かして接続、スライドスイッチをロック側にすれば固定される。コネクタの左横にはマルチユース端子があり、ACアダプターからのケーブルをそこに挿せばグリップの内蔵バッテリーごとPS Vitaの充電が行なえるというわけだ。
内蔵バッテリーの容量は2,200mAhと、PS Vitaに内蔵されている容量の2,210mAhに近い。単純計算であれば約2倍程度の容量を得られるわけだ。グリップの充電中にはコネクタ脇にあるLEDが、充電中は赤、充電が完了すると緑に光る。また、グリップ内蔵バッテリーの残量が少なくなってきたら赤ランプで点滅する。
なお、バッテリー消費の順番は、グリップからの給電が常に行なわれている状態になり、グリップ側のバッテリーが尽きてから、PS Vita本体のバッテリー消費が始まっていくという順になる。
グリップ全体にはラバーコーティングが施されており、質感はマットな吸い付きもありながらサラサラとした手触り。重量は約159gとバッテリーを内蔵していることもあって多少重さがあるが、しっかりとした作りのグリップと内蔵バッテリーを合わせた重量と考えれば、充分に許容範囲な重量と思える。
PS Vitaへの装着時は、スイッチやボタンのほとんどにはそのまま触れるが、PS Vitaゲームカードのスロットと隣のアクセサリ端子、メモリーカードスロット、SIMカードスロット(3G/Wi-Fiモデルのみ)がグリップによって塞がってしまう。ゲームカードを頻繁に入れ替えるスタイルの人にはちょっと辛いところだ。
また、グリップのマルチユース端子はあくまで充電専用になっていて、データ通信は行なえない。Windows用の専用アプリケーション「コンテンツ管理アシスタント」とUSBケーブルでやりとりをしているという人も、その都度の着脱が必要になる。
実際に装着してゲームプレイ等を試してみた。グリップはまっすぐ下方向に伸びているストレートな作りで、手触りはサラサラ。グリップの裏側には指を置くくぼみもあって、自然な持ち方でばっちりフィットする。そうした工夫もあってホールド感は良好。作りもしっかりとしている。
重量においては、やはりPS Vita本体と合計だと約442gとなるので、さすがにずっしり感がある。また、若干全体のサイズが大きめになるので、手が小さい人だと持ちづらく感じるかもしれない。グリップそのものは細めでホールドはしっかりできるのだが、重量の点と合わせ、手が大きくてしっかりとホールドできる人向けと思える。
各部のスロットにアクセスするという点では、着脱そのものはスライドスイッチでコネクタを外すというもので手軽にできるのだが、やはりPS Vitaゲームカードスロットが塞がるのは残念なところ。ソフトはダウンロード版をメインにしていて、あまりPS Vitaゲームカードを入れ替えない人はあまり気にならないかもしれない。
また、データ通信においても「コンテンツ管理アシスタント」とWi-Fi通信経由でやり取りしているという人なら、着脱にせずに済むので扱いやすい。ヘビーにPS Vitaを活用している人ほど、バッテリー内蔵という特徴も含めてメリットを活かせるだろう。
気になる連続駆動時間の伸びだが、PS Vita用ソフト「ソウル・サクリファイス」のタイトル画面(輝度最高、3G/Wi-Fi通信ともに接続状態)にて、自然にバッテリーが切れるまでを測定してみたところ、5時間27分でグリップ・PS Vitaともにバッテリーがなくなった。この設定でPS Vitaのみだと、だいたい3時間前後でバッテリー残量が尽きるのだが、1.7倍ほど延長されたことになる。3G/Wi-Fi通信を未接続の状態では、9時間52分と約10時間動作したので、こちらもほぼ1.7倍の延長効果となった。
次に、PS Vita本体のバッテリーが完全に尽きてから、PS Vitaを外してグリップのみを充電して、グリップから充電し、完了するまでの時間を測定してみた。すると、約5時間10分で充電完了を示す緑ランプが点灯した。PS Vitaのバッテリーも込みでまとめて充電すると6~8時間程度かかる計算になるので、だいぶ長めだが、寝ている間に充電しておくように心がければ、翌日はほとんどフルタイムにプレイができることになる。
グリップとしての作りの良さ、内蔵バッテリーによるプレイ時間延長効果は、気になるところもいくつかあったもののそれ以上の魅力がある。特にホールド感の良さと操作のしやすさは優れていて、それに加えて、内蔵バッテリーによる駆動時間延長効果もあり、まさに一石二鳥。バッテリーはグリップに内蔵されているものなので、外付けバッテリーのようなケーブル接続等の煩わしさがなく快適なのも嬉しい。よりがっつりと、快適にプレイを楽しみたい人へ、強くオススメしたいグッズとなっている。
コンパクトでホールド感良好! L/RボタンをトリガータイプにするPS Vita用グリップ
海外のグッズメーカーPDPが発売しているPS Vita用のグリップアタッチメントだ。こちらも購入方法は海外メーカーのグッズを取り扱っているネット通販等が主になる。
このグリップはシンプルな形状で全体がコンパクトなのがポイント。グリップが最も伸びているところでもPS Vita本体から約1.5cm伸びている程度で、L/Rボタン付近が高くなっているものの、それ以外は本体から約2mm程度の厚みが加わるだけとなっている。重量も約56gと軽量だ。
もうひとつ大きな特徴として、L/Rボタンをグリップのトリガーボタン越しに押す作りになっている。このL/Rのトリガーにはスプリングが仕込まれているようで、ググッと抵抗がありつつ奥へと押し込む感触になる。グリップ背面のL/Rトリガーの下あたりには、家庭用コントローラーのようななだらかな傾斜が付けられていて、指の収まりもいい。
グリップを装着したままでも、PS Vitaの各スロットやボタンに触れる。唯一3G/Wi-FiモデルでのSIMカードスロットにはグリップを着けたままだと触れないが、ここは触れずとも問題ないところ。電源ボタンや音量ボタンは、すぐ脇のL/Rボタンがトリガーのぶん高くなっているので、側面から指を伸ばしてボタンを押すというのがしづらくなるのが、多少気になるところだろうか。
実際にグリップを装着してゲームプレイ等を試してみた。まずグリップにとって最も大事なホールド感だが、コンパクトなサイズでグリップも長くはないものの、手の平にグリップの先端がすっぽりと収まり、しっかりと握れる。手の小さい人でもしっくりくるサイズ感だ。
背面タッチにおいても、厚みがほとんどないので本体との段差もできず、とても触りやすい。グリップ全体にはサラサラとした感触のラバーコーティングが施されており、手触りも心地良い。
トリガー越しに押すL/Rボタンも反応は良好。ただし、ググッと押し込む深さが増すぶん、しっかり底まで押し込まないと反応しないところがある。ここは少し慣れが必要で、トリガー式そのものへの好みもわかれるところかもしれない。作りそのものはしっかりとしていて、押し込みの抵抗感もほどよい。また、PS Vita本体のL/RボタンよりもこのL/Rトリガーは位置が背面側になるので、より自然に指を伸ばした持ち方で押せるようになる。窮屈さがなくなるので、手の大きい人には大きなメリットになる。
シンプルかつコンパクトなグリップながら、ホールド感アップの効果はしっかりとあり扱いやすいグリップだ。手触りもよく、操作のしやすさはかなり向上する。L/Rトリガーも押し込みの深さには慣れが必要だが、より自然に指を伸ばして持てるようになるのは大きな魅力。ネックなのは、輸入製品となるので購入価格が少し高めになっているところだろうか。見た目が大げさにならないコンパクトなグリップを求めている人にオススメしたいグッズだ。
保護カバーを着けたままでも充電ができるWii U GamePad用スタンド
Wii U GamePadを、保護カバー類をつけたままで充電できる充電スタンドだ。以前に当連載で試したところ、Wii U GamePad用の保護カバーを着けると、ほぼ全てのカバーは純正の充電スタンドでは充電ができなくなってしまった。カバーによって増した厚みで、充電を行なう金属の接点がWii U GamePadに届かなくなってしまうためだ。それを充電スタンド側で解決したのが、この「そのまま充電スタンドU」だ。
スタンドの基本的な形状やデザインは、任天堂の純正スタンドのものを踏襲していて自然な作り。Wii U GamePadをセットする部分に違いがあって、前面の支えがなく、カバーを着けた状態でも置けるようになっている。
Wii U GamePadの高さを支える突起や金属接点も高くなっていて、金属接点においては、純正スタンドの接点が約3mmの高さだったのに対して、約7mmと倍以上の高さになっている。また、純正スタンドだとスタンド中央にあるレバーがWii U GamePadによって押されることで金属接点が突き出るようになっていて、保護カバー類を着けるとこれがうまく動かなくなるのも充電できなくなる理由だったが、「そのまま充電スタンドU」ではこの仕組みはなく、最初から金属接点が突き出ている。カバー類の厚みやスタンドの仕組みによって充電できなかったものでも、このスタンドなら解決するというわけだ。
実際にシリコンカバー、ハードカバー、TPUカバーを装着したWii U GamePadを充電できるか試してみた。用意した保護カバーはいずれも純正の充電スタンドで充電できず、スタンドに置く事もできなかったものだ。なお、「そのまま充電スタンドU」の公式サイトではゲームテックの保護カバー類との併用は実践済みで利用可能としているので、当研究所ではHORIやサイバーガジェットといった他社の保護カバーでも試してみた。
シリコン、ハード、TPUとそれぞれにいくつかの製品で試したのだが、結果はほとんどのものは問題なく充電できた。“ほとんど”というのは、一部のシリコンカバー等で金属接点の横にある固定用のくぼみが塞がってしまっているものだと、そもそもスタンドにセットすることができなかったというもの。この点には注意が必要だ。
この他にこのスタンドが利用できるかどうかのポイントとしては、金属接点周りのカバーの厚みが6~7mm以上あるとこのスタンドでも充電ができない可能性はある。ただし、どのカバーもだいたい厚みは5mm以下なので、スタンダードな形状のカバーであれば問題なく充電できるはずだ。
若干気になったのは、充電をしつつゲームプレイ等を行なう時に、純正の充電スタンドよりも動いてしまいがちなところ。保護カバーを着けたままで置けるように手前側の支えがないので、手前に外れやすいところと、スタンド全体の奥行きが純正のものより約1cmほど短いためか、画面の上側をタッチした時にスタンドごと浮いてしまうところがあった。どちらも支障のない程度ではあるが、プレイしながら使う時には多少気になるかもしれない。
保護カバーを着けたままで充電できるスタンドということで、試した限りでは全ての保護カバーを使えるとはさすがにいかないものの、Wii U GamePadの金属接点脇にある凹みさえちゃんと開いていれば大概の保護カバーは利用できる。全体を保護するカバーを使いたいが、手軽に充電できる充電スタンドも使いたいという人にオススメのグッズだ。