【連載第299回】ゲームライフに役立つグッズをレポート


ブルーライトから眼を守ろう!!
3DS LL/3DS/PS Vita用のブルーライト低減フィルターをまとめて試してみた


 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


 今年、ちらほら話題に上がっていたキーワードの1つ「ブルーライト」。ディスプレイから発せられる光の中でも青色光が紫外線に最も近く、眼にダメージを与えるというもので、それを防ぐ某メガネ製品のCM等で知ったという人が多いだろう。

 もちろんTV画面や、ひいては携帯ゲーム機のディスプレイからも発せられているということで、3DSやPS Vitaといった携帯ゲーム機向けに“ブルーライトをカットする画面保護フィルター”が続々と登場している。今回はそうした、“ブルーライト低減系”の保護フィルターを使って試してみた。

【今週のおしながき】
ブルーライトってなに? 反射型と吸収型ってどう違うの?
眼、守っていますか? 3DS LL/3DS用ブルーライト低減フィルター
PS Vitaにも! PS Vita用のブルーライト低減フィルター
オススメのブルーライト低減フィルターはどれ?



● ブルーライトってなに? 反射型と吸収型ってどう違うの?

ゲームテックの商品ページより。ブルーライトとは380~495ナノメートルの光であり、それは眼の奥の網膜にまで届いてしまう。そこで登場したのが、携帯ゲーム機の画面に貼るブルーライトをカットできるフィルターだ

 そもそも、“ブルーライトってどんなものだろう?”という疑問から調べてみよう。もちろん今回試している各製品にも、ブルーライトがどういうものなのかの説明が記載されている。それを当研究所の方でまとめると、ブルーライトとは「画面が発する光の中に含まれる青色光」のこと。色の波長(可視光線)を赤外線か紫外線に分類すると、ブルーライト(380~495ナノメートル)は紫外線に最も近く、強いエネルギーを持っている。

 眼の角膜や水晶体は400ナノメートルまでの可視光線はブロックできるものの、ブルーライトはそれを突き抜けて眼の奥の網膜にまで届く直進性がある。その結果、眼精疲労や体内時計のズレなどがひき起こされる、ということだ。

 それを防ぐ方法は、シンプルに言えば“ブルーライトが眼に届く前にカット(低減)すればいい”ので、今回試している製品は“保護フィルターの段階でブルーライトを低減させる”製品となっている。

 ブルーライトを低減するための方式には“反射型”と“吸収型”の2種類がある。反射型は、文字通りフィルターの段階でブルーライトを反射させて直進性を弱めるもの。一方の吸収型は、フィルター自体にブルーライトの直進性を弱める黄色い色をつけ、相殺(吸収)させるやり方だ。ブルーライト低減のメガネ製品等でも、黄色い色がついたタイプと、透明なクリアタイプがあるが、それはこの方式の違いによる。

 今回試している携帯ゲーム機用のフィルターでは、ゲームテックでは「反射型」を、他のメーカーでは「吸収型」を採用している。「反射型」はブルーライト低減効果が多少低くなってしまうものの、画面の色味を変えすぎない透明色が実現できる。「吸収型」はフィルターそのものに黄色い色をつけなくてはいけないため、他の色にも影響が出がちだが、ブルーライト低減効果は比較的高い。こういった違いがある。




● 眼、守っていますか? 3DS LL/3DS用ブルーライト低減フィルター

「目にやさシート3DLL」(写真右)

    メーカー:ゲームテック
    価格:オープン(購入価格:1,260円)
    ブルーライト反射型・低減率 14.8%

 

「目にやさシート3D」(写真左)

    メーカー:ゲームテック
    価格:オープン(購入価格:1,260円)
    ブルーライト反射型・低減率 14.8%

 


 ゲームテックから発売されているブルーライト低減フィルターは、フィルター自体は透明で、ブルーライトを反射させて低減する方式だ。なお、パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつ封入されており、クリーニングクロスは付属しない。

・3DS LL用

ゲームテックのブルーライト低減フィルターは、うっすらと色はついているものの、基本的には透明なクリアタイプ。ブルーライトを反射して低減する「反射型」となっている

 3DS LL用のフィルターは上画面の画面枠全体に貼り付けるタイプ。フィルターの構造は表面から順に、「ブルーライト低減特殊AR層」、「ハードコート層」、「PET層」、「シリコン層」の4層構造。ブルーライトを反射して低減する方式で、フィルター自体は透明だ。

 貼り付けてみると、フィルターの密着面に貼られているフィルムが全体の3割ほどのところで折り曲げられるようになっており、そこを先に貼り付けて位置を調節してから、全体を貼れるようになっている。フィルターそのものも吸い付きが良く、気泡もホコリもほとんど入らない。貼りやすいフィルターだった。

 貼り付け後の画面を見ると、フィルターそのものは透明なものの、フィルター越しに見る画面は青みが薄くなる、そのぶんの色が強くなる。その結果として、少し黄色が元よりも強まって見える。ブルーライトの低減効果としては、眼に刺さってくるようなギラつき感が減っているのが感じられて、見やすくなったと思えた。なお、画面に光が反射すると、その反射色が少し青紫になるところがあるが、それもあまり目立たない程度に抑えられている。

 全体的な印象として、他の「吸収型」のフィルターと比べると少し低減効果が控えめに思えるが、画面の色味はこのゲームテックのものの方が自然。ブルーライト低減効果を求めつつも、ゲーム画面の自然さも欲しいという人にオススメ。

 下画面にタッチペンを滑らせた時の感触は、フィルター表面に滑らかなツヤがあるので、そのぶん滑りやすくなっていた。適度にペンが止まるような抵抗感もあるので、感触は結構変わるがバランスは悪くないと思えた。


上の2枚の写真は画面全体にフィルターを貼ったところ。下の2枚は右半分にだけフィルターを貼ったところ。透明な反射型のフィルターなので、画面の色味にはそこまで影響していないものの、よく見ると青色が低減されているのが分かる

・3DS用

 3DS用のフィルターでは、フィルターの構造などの基本的な作りは3DS LL用と共通。上画面用のフィルターは上半分の内側全体に貼り付ける全体タイプのフィルターとなっている。上画面用のフィルターの貼り付け範囲が広いこともあり、光を紫色に反射する特徴が3DS LL用よりも目立つ。

 ブルーライトの低減による効果や、その自然さは3DS LL用のものとほぼ同じ印象だが、3DS LL用のものよりも3DS用の画面のほうが、青紫色の強さを控えめにしてくれて白い色に近づけている感覚で、3DSでは色味の変化がはっきりとわかった。おそらくこれは、3DSと3DS LLの液晶自体にも質感に違いがあるためと思うが、このゲームテックのフィルターは3DS用のほうが効果や変化がわかりやすかった。


3DS用のフィルターは3DS上画面側の内側全体にフィルターを貼る「全体タイプ」。右の写真はフラッシュをわざと当てている写真で、光を紫色に反射する特徴が3DS LL用よりも目立つ
上の2枚の写真は画面全体にフィルターを貼ったところ。下の2枚は上画面には上半分にだけ、下画面には右半分にだけフィルターを貼ったところ



「3DSLL用ブルーライトカット自己吸着フィルム」(写真右)

    メーカー:アンサー
    価格:1,480円
    ブルーライト吸収型・低減率 22%

 

「3DS用ブルーライトカット自己吸着フィルム」(写真左)

    メーカー:アンサー
    価格:1,480円
    ブルーライト吸収型・低減率 22%

 


 アンサーから発売されているブルーライト低減フィルターは、フィルターそのものに黄色い色がついた吸収型。ブルーライトカット率22.0%、透過率95%となっている。パッケージには上画面用、下画面用のフィルターが各1枚ずつ封入されているほか、小さめながら布製のクリーニングクロスが付属している。

 なお、アンサーでは貼り付けに失敗した時に製品を無償交換してもらえる「交換保証」を実施している。保証を受けるには、まず期間は購入日から1ヶ月以内で、購入時のレシートが必要となる。

・3DS LL用

アンサーのブルーライト低減フィルターは、フィルターそのものの黄色い色でブルーライトを低減させる「吸収型」。パッケージには小さいながらも布製のクリーニングクロスが付属する

 3DS LL用フィルターの上画面用は、上画面の周囲にある画面枠全体に貼り付ける形状。フィルターの構造は表面から順に「ブルーライトカット・防汚層」、「ハードコート層」、「PET層」、「シリコン樹脂層(エアーレス密着面)」、「PETライナー(密着面)」の5層構造で、空気が抜けやすくて気泡を簡単に消せるという特徴も持っている。

 実際に貼り付けてみると、画面への吸い付きが良くてホコリも入りづらい。多少気泡ができるところはあったのだが、それもフィルター越しに押せばすぐに抜けて消えていった。上下ともに画面枠や画面に対して約1mmほどフィルターが小さめなので、中心を意識して貼り付けるのがポイントとなる。そこさえ意識していれば貼りやすいフィルターだ。

 フィルターを貼った画面を見てみると、ギラつきがかなり抑えられ、画面を凝視しても眼が痛くならない。効果をはっきり体感できるぐらいの変化があった。また、ブルーライトが低減されて見やすくなったからなのか、画面がより精細に見える印象だ。ただ、色味についてはやはり全体的に画面が黄色くなる。ここは好みが分かれるところだろう。

 このフィルターは「吸収型」なのでフィルターそのものに黄色い色が付いているのだが、フィルターの表面はむしろ光を青く反射するという特徴がある。この反射色が結構目立つので、全体的な印象としては黄色よりもむしろ青い色のフィルターのように感じるところがある。

 下画面にタッチペンを滑らせてみた感触は、フィルターそのものに滑らかなツヤ感があるので、何も貼っていない画面の状態に近いが少し滑りが強くなっていた。


上の2枚の写真は画面全体にフィルターを貼ったところ。下の2枚は右半分にだけフィルターを貼ったところ。フィルターによる黄色味は出ているが、むしろ白色に近づいてバランスがよくなった

・3DS用

 こちらは3DS用のフィルター。フィルターの構造など、基本的な作りは3DS LL用と共通している。3DS用の上画面用フィルターは、上画面の内側全体に貼り付ける形状で、スピーカー穴や内側カメラの部分だけフィルターが開口されていて、それ以外の内側全体に貼るというもの。そのため、貼り付ける範囲が広く、フィルターが光を青く反射する傾向がより目立つところがあった。

 貼り付け後の見栄えや色味の変化度合い、タッチペンを滑らせてみた時の感触などは、3DS LL用のものとほぼ同等に感じられたので、そちらを参考にして頂きたい。


3DS用のフィルターは3DS上画面側の内側全体にフィルターを貼る「全体タイプ」。右の写真はフラッシュをわざと当てている写真で、光を青く反射する特徴がある
上の2枚の写真は画面全体にフィルターを貼ったところ。下の2枚は上画面には上半分にだけ、下画面には右半分にだけフィルターを貼ったところ。3DS LL用同様に黄色い色が結構目立つ



「3DS LL用ブルーライト低減フィルム」(写真右)

    メーカー:デイテルジャパン
    価格:980円
    ブルーライト吸収型・低減率 22%

 

「3DS用ブルーライト低減フィルム」(写真左)

    メーカー:デイテルジャパン
    価格:980円
    ブルーライト吸収型・低減率 22%

 



 デイテルジャパンのブルーライト低減フィルターは黄色い色でブルーライトを抑える吸収型。低減率は他の吸収型フィルターと同じく22%となっている。パッケージには上画面用、下画面用のフィルターが各1枚のほか、簡易の紙クリーニングクロスが付属する。

・3DS LL用

今回試した中でも最も黄色い色が濃かったデイテルジャパンのブルーライト低減フィルター。簡易の紙製クリーニングクロスが付属する

 デイテルジャパンの3DS LL用フィルターは、フィルター構造等の記述がないため詳細は不明だが、ブルーライト低減効果の他に、気泡を抜きやすい空気抜け構造やハードコートが特徴とのことなので、基本的には他のフィルターと近い構造をしていると考えていいだろう。

 実際に貼り付けていくと、吸い付きは良く、ホコリもあまり吸い寄せずに気泡も抜きやすい。ただ、フィルターのサイズがだいぶ小さめで、上下ともに約1.5mm近く画面枠や画面よりも小さいため、貼り付けの位置合わせが少し難しいところがあった。

 貼り付け後の外観についてだが、このフィルターはブルーライト吸収型の特徴であるフィルターの黄色い色がかなり濃い。そのため、画面の色味は相当に黄色が強くなった。元の色がかなり変わってしまうぐらいに影響があるので、これはちょっと辛いところ。

 この濃さによるブルーライト低減の効果も確かにあるとは思えるのだが、同時に色味のメリハリが薄れるためか、少し画面がぼやけて見えた。ある意味、画面の印象が1番ソフトになるフィルターで、疲労低減の効果だけを見れば1番強いかもしれないのだが、その副作用ともいえる影響が出ている。

 このほか、このフィルターは指紋跡が付いてそれを拭き取ろうとしても、フィルターに油分が残ってなかなか拭き取れないところがあった。クリーニングクロスで拭くだけでは跡が広がるばかりで拭えず、ウェットティッシュ等の水分のあるものを使わないとキレイにならなかった。他のフィルターと比べて何かコーティングに違いがあるのかもしれない。

 下画面にタッチペンを滑らせた時の感触は何も貼っていない画面の感触に近くて好印象。ただ、全体的にはメリット以上にデメリットと思える点が多いと思えてしまった。


上の2枚の写真は画面全体にフィルターを貼ったところ。下の2枚は右半分にだけフィルターを貼ったところ。全体が黄色がかっているのはあるが、それにより輝度が少し下がり、ぼやけも感じられるのが気になるところ

・3DS用

 3DS用のフィルターも基本的な作りや使用感は3DS LL用と同様だ。上画面用フィルターは本体上半分の内側全体にフィルターを貼り付ける「全体タイプ」で、他のフィルターと同じく貼り付ける面積が広いぶん、反射の色味が青くなるのが目立って見えるところがあった。また、3DS LL用にもあった指紋跡がクリーニングクロス程度では拭き取れないというところも同様で、上画面のフィルターはそれも3DS LL用以上に目立ってしまう。輝度の低下や黄色の強さもあり、3DS用もかなり厳しい印象となってしまった。


3DS用のフィルターは3DS上画面側の内側全体にフィルターを貼る「全体タイプ」。右の写真はフラッシュをわざと当てている写真で、光を青く反射する特徴がある
上の2枚の写真は画面全体にフィルターを貼ったところ。下の2枚は上画面には上半分にだけ、下画面には右半分にだけフィルターを貼ったところ。やはり黄色い色が濃くて、輝度がだいぶ下がっている



「3DS LL用ブルーライトカット液晶保護フィルター」(写真右)

    メーカー:アクラス
    価格:オープン(購入価格:980円)
    ブルーライト吸収型・低減率 22%

 

「3DS用ブルーライトカット液晶保護フィルター」(写真左)

    メーカー:アクラス
    価格:オープン(購入価格:980円)
    ブルーライト吸収型・低減率 22%

 



 アクラスのブルーライト低減フィルターは黄色い色でブルーライトを抑える吸収型。低減率は他の吸収型フィルターと同じく22%となっている。パッケージには上画面用、下画面用のフィルターが各1枚のほか、小さいながらも布製のクリーニングクロスが付属する。

・3DS LL用

アクラスのブルーライト低減フィルターも、黄色い色でブルーライトを低減させる「吸収型」。デイテルジャパンのフィルターほどではないが、これも黄色い色は濃いめ

 アクラスのフィルターは全体的な印象としてデイテルジャパンのフィルターに近いものがある。フィルターの黄色が濃いめで、フィルターのサイズも画面枠や画面に対して約1.5mmほど小さめなところなど、特徴も似ている。

 フィルターの構造は、表面から順に「ブルーライトカット層」、「ハードコート層」、「PET層」、「シリコン層」の4層構造。気泡が抜けやすい気泡吸収構造になっている。

 実際に貼り付けてみると、これも吸い付きはよくホコリも吸い寄せない。気泡はゆっくり貼っていけばできないが、できても上から押出すようにすればすぐに空気が抜ける。ただし、デイテルジャパンのフィルター同様に上下フィルターともにフィルターのサイズが画面枠や画面よりも小さめで、余白のバランスを考えて中心に貼らないと見栄えが悪くなる。貼り付け自体はしやすいが位置には注意しないといけない。

 貼り付け後の画面を見てみると、やはりフィルターの黄色の濃さが目立つところがあり、全体の色にも大きく影響している。デイテルジャパンのフィルターにかなり近いものがあるが、このアクラスのフィルターのほうが多少、色が薄めだろうか。こちらでは輝度が落ちすぎて暗いという印象は受けなかった。また、このフィルターでも光が反射した時の反射色が多少青っぽくなるが、それほど目立たない。

 ブルーライト低減による画面の見やすさという点では、このフィルターは効果をすぐに体感できるところがあって、画面が見やすく、精細さが増して感じられるところがあった。デイテルジャパンのフィルターだと、指紋跡が拭き取りづらいという難点があったが、これにはそうしたところもなく、全体的への印象として、黄色が濃いめながら効果もしっかりあるフィルターという印象となった。

 下画面にタッチペンを使った時の感触は、滑りが多少強くなるが、ツヤ感で滑るというわけではなくサラサラとした感触があった。何も貼っていない画面の感触に近くて、少し滑りやすくなるというところだ。


上の2枚の写真は画面全体にフィルターを貼ったところ。下の2枚は右半分にだけフィルターを貼ったところ。全体の黄色味は濃いものの、輝度が下がる印象はなく画面が精細に見える

・3DS用

 3DS用フィルターは、基本的な作りやフィルターの構造などは3DS LL用と共通している。大きな違いとして3DS用の上画面用フィルターは、上画面の内側全体に貼る「全体タイプ」となっているが、そのぶん、光が反射した時の反射色が青くなるところが、3DS LL用より目立つところがあった。フィルターの外観等は3DS LL同様にブルーライトを低減したことによる見やすさもしっかりと感じられるのだが、それだけにフィルターの黄色がそこそこ濃いため、画面全体が黄色になるところがある。


3DS用のフィルターは3DS上画面側の内側全体にフィルターを貼る「全体タイプ」。右の写真はフラッシュをわざと当てている写真で、光が当たると反射の色が青くなる
上の2枚の写真は画面全体にフィルターを貼ったところ。下の2枚は上画面には上半分にだけ、下画面には右半分にだけフィルターを貼ったところ



● PS Vitaにも! PS Vita用のブルーライト低減フィルター

 PS Vita用にもゲームテック、アンサーそれぞれから、反射型と吸収型のブルーライト低減フィルターが発売されているわけだが、そこには「有機ELディスプレイからも液晶画面と同様のブルーライトが出ているの? 」という疑問があると思う。

 そこで双方のメーカーの方にこの疑問をぶつけてみたところ、「液晶画面ほどの強さではないが、青い色を発色している以上は、有機ELからもブルーライトが出ている」ということだった。色と光の原理として、青い色の発色というのは紫外線に近いブルーライトであり、有機ELディスプレイのそれは液晶画面ほどの強さではないが、低減すると疲労防止の効果を得られるとのことだ。


「目にやさシートV」

    メーカー:ゲームテック
    価格:オープン(購入価格:1,470円)
    ブルーライト反射型・低減率 14.8%

 



PS Vita用の「反射型」なブルーライト低減フィルター。PS Vita前面の全体に貼り付けるタイプとなっている
フラッシュをわざと当てて反射させたところ。写真のように反射色が紫になるのが結構目立つ

 ゲームテックのPS Vita用ブルーライト低減フィルターは、画面からのブルーライトをフィルターの時点で反射させるという「反射型」。ブルーライト低減率は14.8%と、吸収型に比べると低めにはなるが、フィルターそのものが透明色で、画面の色味への影響が少ないところがポイントだ。

 フィルターはPS Vita前面の全体(方向キーやボタンなどの左右まで)に貼る「全体タイプ」。方向キーや○/△/□/×ボタンやアナログスティックなどの周囲は型抜きされている。フィルターの構造は、「ブルーライト低減特殊AR層」、「ハードコート層」、「PET層」、「シリコン層」の4層構造。空気抜けがよく気泡を消しやすい加工が施されている。

 実際に貼り付けていくと、フィルター自体の吸い付きはよくホコリや気泡もできなくて扱いやすいが、PS Vitaの正面全体に貼るため、位置合わせは非常に難しい。工夫として、密着面のフィルターに折り目がついていてフィルターの左3割ほどだけ貼って位置を調節してから残りを貼れるようになっているが、それでも、左側で位置があっていても逆側へ貼っていくと右側がズレていたりといったことが起きてしまう。左右のバランスをうまくとってキレイに貼るのがなかなか難しいフィルターだ。

 貼り付け後の画面を見ると、反射型な透明フィルターなので、パッと見た時の印象は従来のフィルターとそんなに違いがないように思える。だが、白い色を見ると青紫な色味が減って少し黄色寄りの色味になっているのがわかる。眼に刺さるようなギラつき感も減っている。ただ、外観で言うと、このフィルターは光が反射すると反射色が青紫色になるところがあり、PS Vitaの全体に貼っているだけにその反射色が目立つ。

 タッチ操作の面では、このフィルターは滑らかなツヤがあって、指でタッチ操作をするとスルスルとした滑りのいい感触がある。指紋跡がそれほど目立たないところも嬉しい。


左の写真は画面全体にフィルターを貼ったところ。右の写真は画面の上半分にだけフィルターを貼ったところ。透明色な反射型のフィルターであり、ほとんど色に変化は見られない

「PS Vita用ブルーライトカット自己吸着フィルム」

    メーカー:アンサー
    価格:1,480円
    ブルーライト吸収型・低減率 22%

 



PS Vita用の吸収型なブルーライト低減フィルター。PS Vita前面の全体に貼るフィルターとなっている
フラッシュをわざと当てて光を反射させた写真。反射色が青くなる

 アンサーのPS Vita用ブルーライト低減フィルターは、フィルターそのものの色(黄色)でブルーライトを吸収し抑える「吸収型」。ブルーライトの吸収率は22%となっている。PS Vita前面の全体に貼る「全体タイプ」のフィルターで、方向キーや○/△/□/×ボタンやアナログスティックの部分はフィルターが開口されている。

 フィルターの構造は3DS LL/3DS用と同じく、「ブルーライトカット・防汚層」、「ハードコート層」、「PET層」、「シリコン樹脂層(エアーレス密着面)」、「PETライナー(密着面)」の5層構造。空気が抜けやすくて気泡を消しやすい加工になっている。

 実際に貼り付けてみると、フィルターそのものは吸い付きがよくホコリも入らず、気泡も抜きやすくて扱いやすい。ただし、やはりPS Vita全体に貼るのは位置合わせの難しさがある。このフィルターだと密着面に貼られているフィルムが左端だけフィルター型にしてあり、まず左端だけ貼って位置を調節できるようになっているのだが、これでもさすがにPS Vitaの全体にうまく位置を取って貼るのには難しさはあった。

 貼り付け後の外観を見ると、フィルター全体が光を青く反射する傾向があり、フィルターの貼られたPS Vita前面全体で起こるので、結構目立つ。また、スピーカー横のフィルターが細くなっている部分が密着せず浮いてしまい、それがどうしても残ってしまったのが気になるところ。

 画面を見ると、フィルターそのものに黄色い色の付いている吸収型なフィルターだけに、画面の印象はだいぶ変わってくる。ブルーライトが低減されている効果なのか、ギラつき感が減って全体に落ち着いた画面となっていた。ただし、フィルターの黄色によって全体の色合いが黄色へ傾くので、3DS用のフィルターよりもその影響が強めに感じられた。

 指でのタッチ操作の感触は、フィルターにツヤがあって、キュッキュと指の滑りを止める感触があった。このツヤによる抵抗感が結構強くて、元の画面よりも指が止まる感触となっている。


左の写真は画面全体にフィルターを貼ったところ。右の写真は画面の上半分にだけフィルターを貼ったところ。フィルターを貼ると、少し青の濃さが薄れる



● オススメのブルーライト低減フィルターはどれ?

 製品選びのポイントとしては、やはり「反射型」か「吸収型」のどちらにするかが大きい。ゲームテックだけが反射型の透明なフィルターを発売しているが、画面全体の色への影響が小さく自然な画面になる。

 ただし、効果としては吸収型のほうがわかりやすく、吸収型の製品の中ではアンサーのフィルターがバランスが良かった。ギラつきを抑えつつ、画面の精細さが上がったようにも思えた。自然さを重視しつつブルーライトを低減するならゲームテック、画面への影響も出るものの低減効果を重視するならアンサーのものをオススメしたい。

・ 各フィルターのサイズ一覧表

 最後に、スクリーンタイプの画面保護フィルターのサイズを一覧にまとめておこう。3DS LL本体の数値については、3DS LLの液晶画面は上下共に画面以外に外枠が少しあるのだが、その外枠を含んだ測定となっている。なので、フィルターが多少小さめでも、液晶部分は全て覆っているという数値だ。

3DS LL用ブルーライト低減フィルターの各サイズ一覧
 上画面(サイズは横×縦mm)下画面(サイズは横×縦mm)
3DS LL本体の画面サイズ113.5×7087×66
ゲームテック 「目にやさシート3DLL」112×7085×64
アンサー 「3DS LL用ブルーライトカット自己吸着フィルム」111.5×69.586×64.5
デイテルジャパン 「3DS LL用ブルーライト低減フィルム」111.5×6984.5×63.5
アクラス 「3DS LL用ブルーライトカット液晶保護フィルター」112×69.584.5×63.5
3DS用ブルーライト低減フィルターの各サイズ一覧
 上画面全体(サイズは横×縦mm)下画面(サイズは横×縦mm)
3DS本体の画面サイズ129×6163×47.5
ゲームテック 「目にやさシート3D」125×58.562×46
アンサー 「3DS用ブルーライトカット自己吸着フィルム」127×6062×46.5
デイテルジャパン 「3DS用ブルーライト低減フィルム」125×5962×46.5
アクラス 「3DS用ブルーライトカット液晶保護フィルター」125×5962×46.5





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(2012年 11月6日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]