今回は第3回目となるニンテンドー3DS LL用の液晶保護フィルター特集。指紋跡が目立たない指紋防止タイプや、気泡が自然と除去される無気泡タイプの液晶保護フィルターを試してみた。最後にはこれまで試してきたニンテンドー3DS LL用の液晶保護フィルターの中からオススメの製品もまとめているので、そちらもぜひチェック頂きたい。

● 指紋跡が目立たない“指紋防止”タイプの液晶保護フィルター

・「ハイパークリーンフィルム」

メーカー：サンクレスト
価格：780円

親油膜コーティングにより、フィルターについた指紋がしばらくすると自然と薄くなるという指紋防止タイプのフィルター。クリーニングクロスは付属していない

　特殊な親油膜コーティングにより、フィルターについた指紋がしばらくすると自然と薄くなり、さらに拭き取りやすいという“防指紋タイプ”の液晶保護フィルターだ。パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつ入っており、クリーニングクロスは付属していない。

　フィルターの構造は上下共に、表面から特殊親油膜コーティングハードコート層、PET層、シリコン層の3層構造。シリコン層には静電気防止加工が施されていて、貼る際に静電気でホコリの吸い付きを防いでくれるという。

　貼り付けは密着面のフィルムを剥がしながら貼り付けていく従来のスタイル。少しフィルター自体が柔らかくて持ちづらさを感じるところがあるほか、気泡ができやすいようにも感じた。ホコリは静電気防止加工のおかげか入りづらいようなので、ゆっくりと気泡が入らないよう貼っていけばキレイに貼れる。

　貼り付け後の外観は、特殊親油膜コーティングがあるためか少し独特な柔らかいツヤがある。コーティングによる光の反射加減のためか、少し白っぽく反射しがちなのが気になるところで、透明度に関しては少し落ちる。また、意識して見ないと気づかない程度だが光に反射させるとうっすらと油膜のようなにじみも見えるので、画質を重視する人には合わないフィルターと思える。

　タッチペンを滑らせてみたところ、こちらもやはり表面のコーティングのためか、少しビニール質な感触がある。何も貼っていない状態と比べると、少し滑りやすいところがあった。

　最後に、時間が経つと指紋跡が自然に薄くなるという機能について調べてみた。指紋を、フィルターを貼った側と貼っていない側にそれぞれ付けて、24時間後の状態を調べてみたのだが、結果としてはあまり大きな変化は見られなかった。指紋の付きやすさについても従来のフィルターとあまり大きな違いは感じられず、防指紋の効果はあまり期待できないが、指紋跡や汚れが拭き取りやすかったので、そちらのほうがメリットとして実感できるかもしれない。

左の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼り付けた直後に指紋をつけたもの。右はその翌日の写真だ。あまり目立った変化は見られなかった
上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ

・「CYBER・液晶保護フィルム［指紋防止タイプ］」

メーカー：サイバーガジェット
価格：オープンプライス(購入価格：743円)

指紋跡が目立たないアンチグレアタイプの液晶保護フィルター。小さな布製のクリーニングクロスが付属している

画面の右半分にだけフィルターを貼って指紋をつけてみた。フィルター自体がアンチグレア加工で白さがあることもあり、指紋跡は確かに目立たなくなっている

　指紋が目立たないアンチグレアタイプの液晶保護フィルター。パッケージには上画面用と下画面用のフィルターがそれぞれ1枚ずつ入っているほか、布製の小さなクリーニングクロスが入っている。フィルターの構造は、指紋防止＋ハードコート層、PET層、シリコン層の3層構造。貼り付けは、密着面のフィルムを剥がしながら画面に貼っていく従来の方式だ。

　貼り付けてみる。このフィルターは他のフィルターと比べて硬さがあり、貼り付けた感触も剥がす時にペリペリと音が鳴るような独特なところがある。感触は独特ではあるが、貼り付けの難易度自体はそれほど高くはなく、ホコリの混入にさえ気をつければ貼りやすいフィルターと言える。

　貼り付け後の外観は、やはりアンチグレアタイプなので映り込みは軽減されるものの、全体に画面が白っぽくなる。とはいえ、この白さは電源オンでバックライトがついている時にはまったく気にならない。ただ、暗転時や電源がオフの時に白いと感じる程度のものだ。特殊なところはあるが、プレイ中には透明度も色味も気にならないフィルターとなっている。

　タッチペンを滑らせてみたところ、何も貼っていない画面に比べると少しサラサラ感がはっきりと感じられるものの、何も貼っていない状態にかなり近い感触。自然な書き心地だ。

　指紋をつけて実際にそれが目立たないかを試してみた。画面の右半分にだけフィルターを貼って、何も貼っていない側とフィルター側の両方に指紋をつけて見比べてみる。同じように指紋を付けてみても、確かにフィルターには指紋がつきづらく、跡が薄い部分はほとんど見えないぐらいに目立たなかった。

上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ

・「防指紋 GAFLL-01」

メーカー：ナカバヤシ
購入価格：680円
任天堂ライセンス商品

光沢タイプながら防指紋加工を施しているという液晶保護フィルター。クリーニングクロスは付属していない

画面の右半分にだけフィルターを貼って指紋をつけてみた。光沢のツヤがあることもあって、指紋はかなりくっきりと見えてしまう

　防指紋加工の施された、任天堂ライセンス商品の液晶保護フィルターだ。パッケージには上画面用と下画面用のフィルターがそれぞれ1枚ずつ入っており、クリーニングクロスは付属していない。

　フィルターの構造については詳しい記述がないため不明だが、表面層は防指紋層とされている。見ると上下のフィルターともに表面に油膜のようなにじみが少しある。これはおそらく防指紋層によるものだろう。

　貼り付けてみると、少しフィルター自体に硬さがあり、吸着感はペリペリとしている。そのためか密着力が強く、少し気泡が出しづらいところがあった。それ以外は特にクセもなく、適度に硬さがあるので扱いやすいフィルターだ。

　貼り付け後の外観は、光沢が強めでツヤツヤとしている。そのぶん、光の反射が少し目立つところがあり、映り込みも多少強まるのが気になるところ。透明度は良く色味の変化は少ないので、ツヤのぶんキレイに見えるところもある。反射は気になるものの見栄えはいいフィルターだ。

　タッチペンを滑らせてみたところ、やはりツヤのぶんツルツルとした滑りが強くなる。何も貼っていない画面と比べると、もう少しペンが止まるような抵抗感が欲しかったところだ。

　指紋跡が目立たないかを見てみたが、ツヤが強いためか、指紋跡はむしろクッキリと見えてしまうところがあった。やはり光沢タイプのフィルターに特性が近いようで、防指紋効果についてはあまり感じられなかった。

上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ

● 気泡を除去しやすい“無気泡”タイプの液晶保護フィルター

・「空気入らなシート3DLL」

メーカー：ゲームテック
価格：オープン価格(購入価格：680円)

自然と気泡が抜けるという無気泡タイプの液晶保護フィルター。クリーニングクロスは付属しない

　時間が経つと自然に気泡が消えるという“無気泡”タイプの液晶保護フィルター。パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつ入っており、クリーニングクロスは付属していない。

　フィルターの構造は防指紋＋ハードコート層(硬度3H)、PET層、シリコン層の3層構造。防指紋加工が施されているほか、ホコリが混入してもフィルターが浮かずに密着するという特徴もある。

　このフィルターは貼り付け方式が一工夫されている。フィルターの密着面に貼ってあるフィルムが7:3のサイズで左右に2分割されていて、片方を剥がして画面に貼り、位置をしっかりとあわせてから残りを貼り付けていく。フィルムが残っているので持ちやすいというわけだ。

　貼り付けてみると、気泡がだいぶできやすいところが気になった。だが、これが時間と共に消えるというのが本製品の特徴なので、あえてそのままにして時間を置いてみた。数時間経ってから見てみると、大きな気泡はさすがに残っていたもののだいぶ小さくなり、小さい気泡は消えていた。気泡自体は貼り付け直後に押し出しやすいところもあったので、貼り付け時の気泡の入りやすさはカバーされているという印象だ。

　貼り付け後の外観についてだが、透明度や色味の変化については特に不満はないが、このフィルターは表面側を保護するフィルムが貼られておらず、パッケージから開けた段階で少し擦り傷のようなものがついていたのが気になった。「傷ではなく汚れかもしれない」と考え、貼り付け後にクリーニングクロスで拭いてみたが、やはりそれは擦り傷で消えなかった。表面を保護するフィルムはやはりつけて欲しかったのが正直なところ。

　タッチペンを滑らせた感触については、何も貼っていない画面の感触に非常に近い。適度な抵抗もあってペンを使いやすい。

上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ

・「無気泡フィルム」

メーカー：カンタービレ
購入価格：650円

自然と気泡が抜ける無気泡タイプであり、アンチグレア加工になっている液晶保護フィルター。クリーニングクロスは付属しない

　自然に気泡が抜けるタイプの液晶保護フィルター。アンチグレア加工が施されていて指紋が目立たないほか、ホコリが混入してもフィルターが浮かずに密着するという加工も施されている。

　パッケージには上画面用と下画面用のフィルターがそれぞれ1枚ずつ入っているが、クリーニングクロスは付属しない。フィルターの構造については詳しい記述がないのでわからないが、おそらくは防指紋＋ハードコート層と思われる。

　貼り付けだが、このフィルターは他のカンタービレの3DS LL用フィルターと同様に、上画面用のフィルターが液晶画面だけのサイズになっている。画面枠ではなく、その中の画面部分だけなので、少し独特な作りだ。

　気泡が自然に抜けるというのがこの製品の特徴ではあるが、貼り付け時にはほとんど気泡ができず、端に少しできた気泡も簡単に押し出せる。気泡が抜ける特徴を気にせずともいいフィルターだ。吸着もよく、ホコリも入りづらい。

　貼り付け後の外観だが、アンチグレア加工のフィルターなので、全体が白っぽくなっている。画面のギラツキが少し抑えられるので、全体に柔らかい印象の画質となった。ただし、そのぶん少し画面が暗くなるところもあるので、透明度を重視する人には向かないところがある。

　タッチペンを滑らせてみると、少しサラサラとした感触があって、元の何も貼っていない状態とはまた違った感触にはなるが、書きやすい感触と言える。

上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ

・ ここまで試してみた中でオススメの画面保護フィルターは?

　今回は指紋防止や無気泡といった特殊な機能を持つフィルターを試してみたが、どちらのタイプもあまり効果の大きいものが無かったのが残念なところ。そうした中で注目したいのは、アンチグレアタイプのサイバーガジェット「CYBER・液晶保護フィルム［指紋防止タイプ］」。画面のギラツキを抑えて柔らかい画質にしてくれるので、そうした映りを好む人にオススメできる。カンタービレの「無気泡フィルム」もアンチグレアタイプで良かったのだが、フィルターのサイズが小さいのがネックとなった。

　これまで試してきた全ての製品の中では、光沢タイプではサンクレストの「プレミアムフィルム艶」やサイバーガジェットの「CYBER・液晶保護フィルム Premium」、アンチグレアタイプでは、サイバーガジェット「CYBER・液晶保護フィルム［指紋防止タイプ］」をオススメしたい。

・ 各フィルターのサイズ一覧表

　最後に、スクリーンタイプの画面保護フィルターのサイズを一覧にまとめておこう。3DS LL本体の数値については、3DS LLの液晶画面は上下共に画面以外に外枠が少しあるのだが、その外枠を含んだ測定となっている。なので、フィルターが数値的に多少小さめでも液晶画面は全て覆っているという数値だ。