【連載第291回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。 |
画面の大きさ約1.9倍!! 3DSの新機種「ニンテンドー3DS LL」がいよいよ発売された。新機種発売となれば、当然気になるのが液晶保護フィルター選び。もちろん3DS LL本体と同時にたくさんの液晶保護フィルターが発売されている。当研究所ではジャンル別にわけて順次、使って試して行く。最初の今回は、定番的な貼りやすいフィルターや、各メーカーの最上位モデルから試してみた。
【今週のおしながき】 |
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・3DS LLの大きな画面を守る! 同時発売の液晶保護フィルターはどんなタイプがあるのかチェック!! ・うまく貼れなきゃ意味がない! 貼りやすい保護フィルター・画面の美しさを重視した「プレミアム」な液晶保護フィルター ・“激硬”フィルターでがっちりガード!! |
● 3DS LL用の液晶保護フィルターは形状に大きな違いはなし。特徴で選んでいこう
画面サイズの違いもさることながら、上画面の枠の違いもポイント。3DS LLは3DSと違って液晶画面と筐体との間に境目があるため、フィルターのサイズも液晶画面サイズになっている |
3DS LL用の液晶保護フィルターも他の携帯ゲーム機発売時と同様に、非常にたくさんの種類が既に発売されているが、3DS用のものと比べると製品は選びやすいのではないだろうか? というのも、形状がどれも「液晶画面のみを保護するタイプ」になっているためだ。
3DSでは上画面と筐体に境目がなく、上画面用フィルターを全体に貼るタイプが扱いやすいという印象があったが、3DS LLは上画面と筐体の間に境目がある。そのため、フィルターも従来に近い「液晶画面のみを保護するタイプ」になっている。
フィルターの特徴でおおまかに分類すると、最上位モデル、いわゆる「プレミアム」を筆頭に、「光沢」、「防指紋」、「反射防止」、「傷修復」などが主な種類。この他に、HORI独自の貼り付けに失敗しない方式がヒットしている「ピタ貼り」、特殊なものでは菌の繁殖を防ぎ清潔を保つ「抗菌」、気泡が入らない「無気泡」、さらにサイバーガジェットの高い硬度を特徴にした「激硬」などがある。
今回は主に各メーカーの最上位モデルな「プレミアム」、さらにHORIの「ピタ貼り」やサイバーガジェットの「激硬」を試してみた。
- メーカー:HORI
価格:880円
任天堂ライセンス商品
特許を取得した独自の貼り付け方式で簡単に貼れる「貼りピタ」。2枚のフィルターの他に、簡易のクリーニングクロスとヘラが付属する |
独自の貼り付け方式は特許も取得し、まさに貼りやすさの代名詞となったHORIの「ピタ貼り」。画面サイズが大きいため、貼り付けの難易度が上がっている3DS LLだけに、その貼り付けやすさは1つの武器といえる。
パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつと、簡易のクリーニングクロス、気泡を押し出すためのヘラが付属している。
フィルターの構造としては、上画面用はAR層(反射防止)、ハードコート層、シリコン層の3層。下画面用はハードコート層とシリコン層と、標準的な作りになっている。
貼り付けはピタ貼りの手順通りに行なえば非常にスムーズ。左端をフィルターに元から付いているテープで固定し、密着層のフィルムを右へ引き抜く。これだけで位置合わせも貼り付けもばっちりできあがる。
ただし、少し気泡が入りやすいところがあるようで、フィルムを引き抜きつつ指でフィルターを丁寧に密着させていくのがポイントと感じた。それでも残ってしまった気泡は、付属のヘラで押し出す。気泡もキレイに消せて、手軽に貼り付けできた。
貼り付け後の外観は自然で、3DS LL上画面の角のカーブもきちんと合っている。色味の変化については、上画面用フィルターのみAR層があるが、これが結構効いているようで、一段ギラツキが落ち着いたように感じる。画面の半分だけに貼って比べてみると違いがハッキリわかる。
下画面へのタッチペンの滑りは何も貼っていない状態に近いのだが、少し抵抗感が強いだろうか。使い込むとこなれて消えていくかもしれないが、少しひっかかりがちに感じられる。
貼りピタの貼り付けは、写真左のように画面外の左にテープでフィルターを固定し、密着面のフィルターを右へ引き抜くというもの。こうすることで位置合わせが簡単にでき、剥がしながらの密着も手早くできる |
上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ |
● 画面の美しさを重視した「プレミアム」な液晶保護フィルター
- メーカー:サイバーガジェット
価格:オープン価格(購入価格:743円)
2枚のフィルターの他、布製のクリーニングクロスが付属している |
透過率95.7%という高い透明度が特徴な、サイバーガジェットの最上位モデルがこの「CYBER・液晶保護フィルム Premium」。パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつ入っているほか、布製のクリーニングクロスが付属している。
フィルターの構造はAR+ハードコート層(反射防止層)、PET層、シリコン層の3層構造で、標準的な作り。
貼り付け方式は密着面のフィルムを剥がしながら貼り付けていく従来のものだが、このフィルターは非常に吸い付きがよく、気泡もできにくいだろう。液晶画面枠の角で位置を合わせることに注意さえすれば、かなり貼りやすいフィルターと言える。
貼り付け後の外観だが、透明度の高さがかなり印象的で、にごりのないツヤのある画面になる。AR層によって若干ギラツキが押さえられている感じがあるが、それも自然なものだ。これまでのサイバーガジェットのフィルター製品ではツヤがかなり強めについていた印象があるのだが、この3DS LL用ではかなり自然な作りになっている。
またフィルターのサイズにも変化を感じた。これまでのサイバーガジェットのフィルター製品というと画面サイズや枠のギリギリまでくるピッタリサイズだったのだが、3DS LL用では画面枠よりも若干小さめになった(約1mm程度余裕が取られていて、それでも他のフィルターと同等程度)。そのぶん、多少位置合わせの際に、ぴったりではなく少し内側にしたほうがバランスが整う。
下画面のタッチペンの滑り具合もやはり変わっている。以前はツヤの強さからガラス面のように滑っていたのだが、この3DS LL用では適度に抵抗があって何も貼っていない状態に近い。少し何も貼っていない状態よりも、サラサラとした手触りがある。
上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ |
なお、サイバーガジェットの3DS LL用フィルター製品には全て「交換保証」が付いている。製品購入から30日以内に、購入したレシートと使用したフィルム本体を申込書とともに送ると、新品と交換してもらえるというサービスだ。貼り付け失敗にも安心なサービスとなっている。
- メーカー:サンクレスト
価格:940円
各機種版でクオリティの高さを発揮してきた「プレミアムフィルム艶」。クリーニングクロスは付属していないので、別途用意する必要がある |
高品質な液晶フィルターとして常連のひとつであるサンクレストの「プレミアムフィルム艶」。この3DS LL用でもパナソニック電工製の「ファインティアラ」を使い、反射を抑えて艶やかで引き締まった色味にしてくれるフィルターだ。
パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつ入っている。クリーニングクロスは付属していないので、別途用意しよう。
フィルターの構造は、上画面用がAR(反射防止)・汚れ防止層、ハードコート層、PET層、シリコン層の4層構造。汚れ防止層があるのが特徴で、油性ペンのインクもはじくという。下画面用はハードコート層、PET層、シリコン層の3層になっている。
貼り付けは密着面のフィルムを剥がしながら貼り付けていく従来のスタイル。貼り付けてみると、吸い付きがよく気泡も入らない。位置合わせとホコリの混入に気を配れば、非常に貼りやすいフィルターとなっている。
貼り付け後の外観だが、ファインティアラのクオリティはこれまでの製品同様に高い。反射防止効果が高くギラツキがかなり抑えられ、そのぶん滑らかなツヤ感が出ている。クッキリと引き締まって見える良さもあり、貼り終えてすぐに画面の綺麗さを実感できる仕上がりだ。
下画面のタッチペンの滑りについてだが、適度な抵抗感はあるものの、何も貼っていない状態と比べるとツルツルと滑るところがある。
上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ |
- メーカー:サイバーガジェット
価格:オープン価格(購入価格:1,410円)
硬さを重要視した斬新なコンセプトの「激硬 -大-」。フィルター2枚のほか、布製のクリーニングクロスが付属している |
従来フィルターの硬度2Hを上回る“硬度4H”という硬さで徹底的に傷を防ぐフィルターがこの「激硬」。本連載の前回にも3DS用の「CYBER・超硬度液晶保護フィルム・激硬」を使って試しているが、3DS LL用に「激硬 -大-」の登場となった。
パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつ入っているほか、布製のクリーニングクロスが付属している。
フィルターの構造は超硬度ハードコート層、PET層、シリコン層の3層になっていて、超硬度ハードコート層は表面硬度の評価方法として用いられる「鉛筆引っかき硬度試験」で、硬さ4Hの鉛筆でフィルム表面を引っかいても傷が付かないというもの。ちょっとやそっとの事では傷が付かないというわけだ。
貼り付けについてだが、このフィルターは同社の「CYBER・液晶保護フィルム Premium」や今回試している他のフィルターと比べて、そのもの自体が硬さがある。持つとしなる程度なので、ものすごいとまではいかないが、手に持った時に硬さをはっきりと感じるはずだ。
また、密着力が多少強めなところがあって、剥がすとペリペリと音が鳴るような密着感になっている。そのため、気泡が入ると押し出しづらいところがあるので、気泡ができないようゆっくり貼るのがポイントだ。硬さがあるぶん持ちやすいという良さもあるので、貼り付け自体はしやすい部類だ。
貼り付け後の外観はとても自然で、超硬度なフィルターということでクセがあるのでは? と思いがちだが、そういうことも特になく、むしろ自然なフィルターだ。色味については若干、濃さが増して見えるところを感じた。
タッチペンの滑り具合は、何も貼っていない状態の時と比べて多少ザラザラとした抵抗感が薄れる。ツルツルとした滑りが少し強まるところがあった。
最後の傷のつかなさ加減だが、これは3DS用の「CYBER・超硬度液晶保護フィルム・激硬」同様、10円玉で削るようにしてこすっても、傷どころか擦り跡もまるでつかなかった。この硬さはタッチペンを激しく使うのはもとより、ちょっとやそっとラフに扱っても大丈夫な安心感がある。傷がつかないことで、フィルター自体の綺麗さも保たれるので、長く使えるという良さもあるだろう。
上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところ。少し下画面側の色が濃くなって影響しているのがわかる |
・ ここまで試してみた中でオススメの画面保護フィルターは?
発売当日に買っただけでも3DS LL用の液晶保護フィルターは写真のようにたくさんある。次回以降も特徴別にまとめて試して行く予定だ |
今回試している保護フィルターはいずれも好印象で、甲乙つけがたいというのが正直なところ。やはり貼り付けやすさという点では独自の方式を使っているHORIの「ピタ貼り for ニンテンドー3DS LL」が安定しているが、従来の方式のフィルターでも、そこそこ貼り付け慣れている人なら、いずれも貼りやすいものばかり。
画面の美しさの点で言うと、サンクレストの「プレミアムフィルム艶」が僅差で上になるだろうか。僅差と言ってもほとんど好みの領域に近く、サイバーガジェットの「CYBER・液晶保護フィルム Premium」も非常にキレイだ。
ただ、研究所員は個人的には「CYBER・超硬度液晶保護フィルム・激硬 -大-」をプッシュしたいところがある。硬いというコンセプトを持つ独特な製品だが、実際のところフィルターとしてのバランスもいいしクセがない。なにより、硬いという特徴はタッチペンを使う3DS LLにとって大きなメリットだし、クリーニングクロスでフィルターを拭く時に、たまにクロスにホコリが付いているのに気づかずそのまま擦ってしまってフィルターに傷をつけてしまうなんていうことがあるが、それもこの「激硬 -大-」なら心配ない。ラフに扱える良さがあり、硬い事によるメリットは多い。
結局、試した製品を全部紹介してしまっているが、今回は評価に定評のあるものを中心にチョイスしているので、必然的にこうなったというところ。好みに応じてお選び頂きたい。
・ 各フィルターのサイズ一覧表
最後に、スクリーンタイプの画面保護フィルターのサイズを一覧にまとめておこう。3DS LL本体の数値については、3DS LLの液晶画面は上下共に画面以外に外枠が少しあるのだが、その外枠を含んだ測定となっている。なので、フィルターが多少小さめでも、液晶部分は全て覆っているという数値だ。
各フィルターのサイズ一覧 | ||
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上画面(サイズは横×縦mm) | 下画面(サイズは横×縦mm) | |
3DS LL本体の画面サイズ | 113.5×70 | 87×66 |
HORI「ピタ貼り for ニンテンドー3DS LL」 | 111.5×70 | 85×64 |
サイバーガジェット「CYBER・保護フィルム Premium」 | 112.5×69.5 | 84.5×64 |
サイバーガジェット「CYBER・超硬度液晶保護フィルム・激硬 -大-」 | 112.5×69.5 | 84.5×64 |
サンクレスト「プレミアムフィルム艶」 | 112×69.5 | 86×64.5 |
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http://www.hori.jp/
http://home.cybergadget.co.jp/
http://www.suncrest.co.jp/
[Reported by ゲーム環境向上委員会]