【連載第236回】ゲームライフに役立つグッズをレポート


アーケード筐体と同サイズの天空の剣とボタンで熱くバトル!
「ドラゴンクエスト モンスターバトルロードコントローラ」を試してみた


 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


 アーケード用カードバトルゲーム「ドラゴンクエスト モンスターバトルロード」を、そのまま家庭で楽しめるWii用ソフト「ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー」がついに発売された。

 今回は、ソフトと同時発売されたHORIのWii用コントローラ「ドラゴンクエスト モンスターバトルロードコントローラ」を使ってみた。アーケード筐体そのままのサイズに再現された天空の剣とアクションボタンでプレイを楽しめるのがポイント。また、クラシックコントローラと同等のボタンやスティックを備えているので、他のタイトルをプレイするのにも使えなくはない。そのあたりも調べてみた。

【今週のおしながき】
Wii HORI 「ドラゴンクエスト モンスターバトルロードコントローラ」

 




● Wii HORI 「ドラゴンクエスト モンスターバトルロードコントローラ」

「ドラゴンクエスト モンスターバトルロードコントローラ」

    メーカー:HORI
    価格:12,800円
    スクウェア・エニックス、任天堂ライセンス商品


Wiiリモコンと接続したところ。Wiiリモコンの大きさと比較すると、コントローラーの巨大さがよくわかる。パッケージはさらに大きいため、店頭で購入して持ち帰るつもりならば、なんらかの持ち運び方を考えておいたほうがいいだろう

 アーケード筐体の最大の特徴である「天空の剣」型のスイッチをそのまま再現しており、その見た目のインパクトは強烈だ。全体のサイズは、200×300×405mm(縦×横×高さ:天空の剣部分の高さを含む)、土台部分の高さだけでも約70mmと大きい。また、重量も約2.1kgとそこそこの重さだ。

 スティックコントローラーのような平べったい土台部分がベースで、天面に大きめの赤と青のボタンが並び、大きな天空の剣が刺さったように伸びている。背面からはWiiリモコンに繋げるケーブルがあって、Wiiリモコンに接続して使用する。ケーブルの長さは約74cm。

 搭載されているボタンや各ギミックへのボタン割り当ても、クラシックコントローラと同様になっている。赤いボタンはaボタン、青いボタンはbボタン、「ゆうきスロットル」という名称の天空の剣のグリップ部分をひねる操作はRボタン、「とどめの一撃」という名称の天空の剣を押し込む操作はZRボタンになっている。

 そのほか、クラシックコントローラと同等のボタンやスティック類も搭載されている。コントローラー土台部分の手前側、左右の角に、クラシックコントローラを半分に分離させたような形で配置されている。十字ボタンと左スティックは土台の左角に、a/b/x/yボタンと右スティックが右角にあり、+/-ボタンとホームボタンは中央の手前に配置されている。正面からだと見えづらいが、R/ZR、L/ZLボタンも筐体の左右側面に搭載されている。

 まず、各ボタンやギミックの感触を確かめてみた。赤いaボタンと青いbボタンはアーケード筐体と同サイズ同デザインの円型ボタンで、押した感触はパコパコとしている。ボタンの反発も素直で、嫌ながたつきや安っぽさは感じない。

 アーケード筐体同様の大きいボタンなので、「つばぜり合い」の連打シーンでは両手で交互にバシバシと連打できるのが嬉しいポイント。ただその分、連打している時のボタン音はバチバチバチバチバチとかなり大きく鳴るので、その点には注意が必要だ。

 「天空の剣」は、“ひねる操作”と“押し込む操作”ができる。ひねる操作は、グリップ部分をバイクのアクセル部分のようにひねるというもので、グリップ部分が45度ぐらい可動する。グイッとひねるのはそれだけでちょっと気持ち良さがあって、ついついクイッとひねってみたくなる。

 もうひとつは、剣を押し込む操作。約2cmほどが沈むようになっていて、底をつくとカチッとスイッチが押されるような音と感触がある。自分の手で剣を押し込み、「とどめの一撃」を決める醍醐味がしっかりと再現されている。ただ、さすがに「とどめの一撃」時に剣がせり上がってくる仕掛けは搭載されておらず、押し込む操作のみになっている。

 その他の、クラシックコントローラと同等のボタン類やスティックに関しては、ほとんどそのままクラシックコントローラ風な手触りをしている。素材の違い等の細かな感触の違いというのは感じるが、各ボタンの大きさやスティックの形状、八角形のスティック枠など、基本的にクラシックコントローラの感触そのものを再現するという方向性が感じられる。

上段の写真は左から順に、コントローラーの正面、左側面、背面の写真だ。大きさもさることながら、天空の剣の造形もしっかりとできていて、高級とは言わないまでも安っぽい感じはあまりしない。実際に目にするとなおのこと理解頂けると思う。下段の写真はコントローラーの手前側にレイアウトされている、クラシックコントローラと同等のボタン類の写真だ。

 

プレイ中の手の位置はだいたいこんな感じに。天空の剣のグリップをひねるギミックと押し込むギミックには体感ゲーム的な面白さがある
赤と青の大きなボタンはそれぞれaボタンとbボタンになっている。大きいので両手で連打しやすいが、連打音は大きいので注意
スティック操作時の手の位置はこのようになる。ある程度の高さがある場所にセッティングすれば写真のように手を添える感じで持てるので、思いのほか操作しやすくフィットする
筐体の角はへこみが付けられていて、ここをグッと握れる
「ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー」以外のタイトルにも活用できないかと色々と試してみた。クラシックコントローラ部分は案外素直に扱えるという感想になったが、ひねるギミックなどの独特なギミックを他のタイトルで活かすのは難しかった。写真のようにグリップ部分をアクセル操作的に活かせたら面白かったのだが

 実際に、Wii用ソフト「ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー」をこのコントローラーでプレイしてみた。

 まずはセッティングから。ケーブルをWiiリモコンに接続しコントローラーをプレイしやすい位置へと置く。接続は、Wiiモーションプラスを介しても問題ない。コントローラーはそこそこの大きさと重さがあるため、プレイの準備はさすがに手軽とは言えないが、扱っている感触はサイズ的にもアーケードスティックコントローラーと近いと考えてもらえばいいだろう。ゲーム開始時から(Wiiリモコンのストラップ装着を促す画面の段階から)、Wiiリモコンは操作を受け付けなくなり、操作はコントローラー側で行なうようになる。

 ゲームプレイでは、元々アーケードの移植が基本になっていることもあり、赤と青のボタンと天空の剣のギミックをメインで使うが、カードスキャンがない代わり、カード選びを十字ボタンで行なう。元のアーケード版からそうだが、天空の剣をひねったり押し込んだりといった“ギミックを触ること自体の面白さ”が大きな魅力であり、それが家庭でも味わえるのはこのコントローラーがあってこそだ。

 自分のチームの攻撃のタイミングに合わせて赤か青のボタンをぱしっと叩き、同時にグリップをグイッとひねって「ゆうき」を溜める。「ブォォォン」とバイクのエンジン音のような音が鳴るのが気持ちいい。グリップをひねってつばぜり合いを仕掛けたり、とどめの一撃時に剣を押し込むのも、いずれも体感ゲーム的な“触っているだけで面白い”という魅力を加えてくれる。その魅力によってゲームの面白さがより豪華に味わえるわけだ。

 ひねったり押し込んだりといったアクションで台座がずれてしまうようなこともなく、プレイ中に違和感も特に感じられない。独特のギミックを搭載した特殊なコントローラーだが、丁寧にできていると感じた。耐久性に関しては今回の段階ではなんとも言えないのだが、触っている感触としてはガッシリとした作りと感じる。よほどに乱暴な扱いをしない限りは……というところだろう。

 一方、アーケード版とは違う部分、例えばカードスキャンの代わりに手持ちのカードデータを選択したり、「大会モード」で自分のキャラクターを操作する場面等では、十字ボタンやスティック等のクラシックコントローラと同じボタン操作もある。

 コントローラー筐体の手前、両端にボタンが配置されているので、手は筐体を挟むように添える形になる。筐体の角には丸みが付けられていて、ボタンの距離もちゃんと工夫されているので、角を握るようにして持てばボタンの位置がしっくりとくる。ちゃんと親指で操作できるので、違和感はそれほど大きくはない。見た目で感じる印象よりも案外すんなりと扱えるという感想だ。

 ただ、筐体を置いた高さによって、操作のしやすさは変わってくる。テーブルの上や膝の上ぐらいまでなら、幅の広いクラシックコントローラのような感覚で操作できるものの、床など低い位置に置くと、操作がしづらくなった。特に十字ボタンの操作に影響が出て、低い位置では十字ボタンの下方向など、手前に押す操作がしづらくなる。セッティング場所は適度に高さのある場所のほうが、快適に扱えると感じた。

 気になった点としては、これはゲーム側の問題なのだが、画面上のボタンガイド等がWiiリモコンのボタン名称で固定されていて馴染みづらいというところがあった。オプションでボタンのガイド表示をコントローラーごとに変更できると良かったのだが、この点は残念なところだ。

 コントローラーに対してはあまり大きな不満を感じた点はなく、赤青のボタンと天空の剣の体感的な部分と、クラシックコントローラ操作のボタン類をうまいバランスで両立させていると感じた。絶妙というほどしっくりくるとは言えないまでも、アーケード同等サイズの大きな体感パーツと、小さなパッドタイプのボタン類という両極端な2つの要素をうまくまとめていると思えた。

 最後に、このコントローラーで他のタイトルを遊んでみたが、これはできなくはないという感想。基本的に、“台座が大きくて横幅の広いクラシックコントローラ”と考えればいいので、前述の通り、案外素直に操作できるという印象になる。

 ただ、コントローラーを手で持つというより、手を添える、側面から掴む、という持ち方になるので、感覚はかなり独特。平型のテーブル筐体のようなものなので、ボタン連打がけっこうしやすいというメリットもあったりするのだが、それを活かせそうなタイトルがあまり見あたらなかった。

 このコントローラー独自のボタン類だと、大きなA/Bボタン、天空の剣のひねれるグリップ部分のRボタン、押し込みによるZRボタンがあってそれを他のタイトルを面白くプレイするのに活かせないかと考えてみたものの、やはり上手く活かせるタイトルを見つけるのが難しい。ひねる操作はバイクのアクセル風な感触なので、レース系のゲームに活用できないかとも考えたのだが、研究所で所有しているタイトルの中ではこれというものを見つけられなかった。残念。

 大型で高価な特殊コントローラーだが、全体に作りはしっかりとしていて迫力やインパクトは抜群。「ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー」の魅力のひとつである“凝ったギミックで操作する体感の楽しさ”を味わうには選択肢はこれのみというオンリーな状況であり、そして必然的にもベストと言える。全体のサイズや各ボタン類のレイアウト的にも、うまいバランスを突き詰めていると感じた。

 使い道が限定された製品であることもあり価格は高価だが、「ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー」の魅力を100%楽しむなら、ぜひ使いたいコントローラーとなっている。



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(2010年 7月22日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]