「Gun O'clock」 |
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[ おもちゃソムリエ ] | |
朝晩の肌寒さが秋を実感させてくれる今日この頃、ご機嫌いかがでしょうか。私、エレトイ──電池、電源を用いて駆動する玩具のご紹介をさせていただく、おもちゃソムリエの田渕健康と申します。ここでは、今が旬の逸品や、世に埋もれている通好みの快作、そしてイベントレポートなどをお届けし、皆様とエレトイの距離をお近づけするお手伝いをさせていただきます。それでは皆様、しばしの間、心を童心に帰してお付き合いください。 |
生きることは試練の連続なり。長い人生の間にはいろいろとあるものですが、毎日向き合わねばならない試練が「朝の起床」です。快食快眠一発起床という完璧超人ならいざ知らず、多くの方は眠い目をこすりながらやっと起きているのではないでしょうか? そこで今回ご紹介したいのが、朝の目覚めをちょっと楽しくしてくれるエンターテインメント目覚まし時計「Gun O'clock」です。その名のとおり、「拳銃」と「目覚まし時計」を組み合わせたユニークなエレトイ。さっそくその魅力をチェックしていきましょう。
■ 撃ってアラームを止めろ! 朝は男の戦場だ!
「Gun O'clock」のパッケージには、本体と拳銃型の専用ガンが入っております。本体はいわゆるデジタル表示のアラーム時計ですが、おもしろいのがアラームの鳴り方。一般的な目覚まし時計はけたたましくアラーム音が鳴り響くだけですが、本製品は設定した時刻になるとアラーム音が鳴るとともに、ダーツ板のような「的」が本体上部から跳ね起きる仕掛けになっています。そうです! 本製品ではアラームを止めるために、専用ガンで的を撃ち抜かなければならないのです。
専用ガンから発射されるのは銃弾ではなく赤外線のビームとなっており、ガンを本体に向けて引き金を引けば簡単に命中させられます。しかし、寝起きですぐにガンを構えられるかというと、これがなかなか難しいもの。さらに、ノーマルモードでは1発命中させるだけでアラームを止められますが、ハードモードでは5発命中させなければなりません。アラームを止めるためには、起きる→銃を構える→的を撃ち抜くというステップを踏む必要があります。
アラームを止める際にどうしても体を動かす必要があるので、「いつも布団に入ったままアラームを止めてしまい、二度寝してしまう」という人には、うってつけの目覚まし時計といえるでしょう。
■ ソムリエが実体験! 目覚まし時計としての実力はいかに!?
当コーナーはソムリエ自身が気になるエレトイを使い倒して、そのおもしろさや使い勝手を実際に体験するのがモットーです。そこで今回は「Gun O'clock」を持ち帰って仮眠を取り、目覚まし時計としての実力を試してみました。本体は枕から1メートルほど離れた床に、専用ガンは胸元に設置。設定は1発命中させればアラームを止められるノーマルモードです。アラームを3時間後に設定し、さっそく仮眠します。ちなみに、撮影場所は実家で、家族に寝起きの様子を観察してもらいました。
眠りについてから3時間が経ち、アラームが鳴り響きます。目覚めから専用ガンで的を撃ち抜くまでの様子を見ていた家族によると、目を開けてから普段目覚まし時計が置いてあるはずの枕元をまさぐっており、的を撃ち抜くのにずいぶんと時間が掛かったそうです。はじめての使用ということもあるのでしょうが、すっかり専用ガンの存在を忘れており、引き金を引くのに手間取ってしまいました。また、ソムリエは普段メガネを着用しているため、寝起きだと焦点がうまく合わず無駄撃ちしてしまったようです。幸いノーマルモードだから良かったものの、ハードモードだったらアラームを停止させるのに七転八倒していたことでしょう。
なんとか的を撃ち抜いてもう一眠りと布団を被ったのもつかの間、再びアラームが鳴り響きます。実は的を撃ったあとに本体の「決定」ボタンを3秒間押し続けないとスヌーズ機能が働き、アラームを完全には解除できないのです。おかげで何度も体を起こして拳銃で的を撃ち抜くというアクションを繰り返すハメになりましたが、「二度寝の防止」という意味ではありがたい機能です。
また、あくまで個人的な感想ですが、一連のアクションを繰り返すことで血行が良くなったのか、いつもよりもすっきりと目覚められたような気がします。アラーム+運動効果というふたつの刺激によって、朝が苦手な人にとっても実用性の高い目覚まし時計といえるかもしれません。
アラームを3時間後にセットして実際に仮眠を取ります。専用ガンは胸元に、本体は床下に設置しました | 3時間後、本体上部の的が「バン!」と跳ね起きてアラームが鳴り響きます。点滅もなかなかに激しいです | 最初は事態を把握できず動揺しましたが、どうにか専用ガンを手にして的を撃ち抜くことができました |
慣れてきたら古今東西のヒットマンの慣習に従って、専用ガンを枕の下の置くのがいいかもしれませんね | 本体の決定ボタンを押さないとスヌーズ機能でアラームが解除されません。まるでゾンビを撃っているような気分…… |
■ 早撃ちゲームも搭載! いつでもカウボーイ気分です
ここまでは目覚まし時計としての機能について触れましたが、「Gun O'clock」にはタイムトライアルとランダムショットという、ふたつのゲームモードが搭載されています。
タイムトライアルは「3、2、1……」とカウントダウンが始まり、ゼロになった瞬間に撃つ早撃ちゲームです。どれだけ素速いタイミングで撃てたかを競い、誤差が小数点2位以下の時間まで表示されます。後者のランダムショットは、その名のとおり変則的なタイミングで光る的を撃つゲームです。こちらも早撃ちゲームの一種ではありますが、的の中心部が光っている間に撃ち抜かなければならないため、より反射神経が求められます。
どちらも至ってシンプルなゲーム性ですが、それゆえについつい繰り返して遊んでしまう魅力があります。射撃に成功すると「Good Job!」や「Excellent!」などといったド派手なボイスが鳴り響くため、テンションが上がることも請け合いです。特に前者のタイムトライアルなんかは、振り向きざまに撃つといったアクションを取り入れることで西部劇の早撃ちシーンのような雰囲気が楽しめてグッドです。
早撃ちゲームのタイムトライアル。まずは専用ガンで的を撃ってカウントダウンを開始させましょう | カウントダウンは「3、2、1……」と進み、ゼロになった瞬間に的が光ります。この瞬間にシュート! | 撃ったタイミングの誤差がスコアとして表示されます。シンプルながらも熱中度の高いゲーム性です |
■ 音量にこだわるなら、REDかBLACKのカラーがおすすめ!
赤外線を使ったガンシューティングトイはこれまでにもありましたが、目覚まし時計としての機能をプラスしたことにより、起床シーンをエンターテインメントに変える意欲作。
目覚まし時計として機能も十分に備わっておりますが、あえて難点を挙げるとするなら、アラーム音がやや小さめで音程にパンチが欠けるのが残念というところ。今回ご紹介したのは初期型のWhiteですが、後発のREDやBLACKはアラーム音が強化されているので、カラーリングにこだわらなければそれらのカラーを選んでいただくのがいいかもしれません。
とはいえ、「Gun O'clock」があれば苦手な起床時間も遊び心で満たせることは間違いなし。これから朝の冷え込みも厳しくなり、ますます起きるのが辛くなる季節です。ぜひとも専用ガンを枕元に忍ばせて、朝から激しい一日を送ってみてはいかがでしょうか?
【テイスティング】 | |
■ 独創性:☆☆☆☆ 目覚ましに遊びの要素を取り入れた革新的なアイデア。すばらしい企画だと思います ■実用性::☆☆☆ ■スッキリ度:☆☆☆☆ |
(C)BANDAI 2008
□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□「Gun O'clock」のページ
http://www.asovision.com/gun/
(2009年 10月 7日)