山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第10回

「アンチャ4」は2周目がより面白いし、メイキングも必見すぎて、やっぱりノーティードッグ最高な話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」、最高でしたね。

やりました? やってます?

こっちのゆるゆるコラムとは違って真面目に書いたレビューがこちらに掲載されておりますので、気になっている人、エピローグまでプレイしたという人は、ぜひご覧ください。

先週のこのコラム連載で、

「5月10日0時のDL版プレイ解禁から「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」をプレイしはじめ、5~6時間ほど遊んで朝を迎え、そこからこのコラムを書いている」

と書いたんだけど、それを見たふなっぴーことGAME Watch編集長の船津さんから、

「アンチャ4のレビュー書いてください!」

という連絡がきてしまい。

「だったら先に言っておいてくれれば、スクリーンショット撮りながらプレイしたのにっ!」

なんて悪態をつきつつも、1周目を仕事抜きで純粋に楽しんだことが功を奏したのか、ドババババーッと火曜日、水曜日にレビューを書いて、金曜日の夜にめでたく掲載となりました。

そのレビューを書くがてら2周目を難易度プロフェッショナルにしてプレイして感じたのだけど、

「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」は2周目プレイがより面白い。

今作は本当にネイトたちが見せる人間ドラマの構図が素晴らしくて、
1周目には気がつかなかった、意識が向かなかったことが
2周目には次々にわかってくる。

「あぁ、昔はこうだったから、今度こそは、そうするんだ……」

とか、

「『アンチャーテッド』の初期の様子と年月の経過した後とを、2人のドレイクで表現しているんだ」

とか。

いわゆる“対比構造”。

ひととおりの物語と流れを理解したうえだと、その対比と、それを伝える微妙な表現までより理解できて、1周目とは違った感動が生まれる。周回プレイをすることで「本当にすごいゲームだ」というのが、より鮮明になります。

ちなみに難易度プロフェッショナルだと戦闘やトラップ回避のシビアさが、まさにプロフェッショナル。地獄。猛烈な敵の攻撃からひたすら逃げ回りつつ凌いだり、1周目で通用したゲームヒントどおりにプレイしたところで歯が立たない場面すらあったり。

自分で考えて工夫とリトライを繰り返さないと突破できないところ多数で、厳しい場面を乗り越えたときに思わず「やった……!」とガッツポーズしてしまうほど。ゲームらしい歯ごたえが楽しめます。

また、1周目は早く先へと進めたくて駆け足気味にプレイした、という人は、2周目でじっくり探索してみるのがオススメ。車移動の場面などをはじめ、あんな場所やこんな場所にかなりたくさんのものが仕込まれています。「こんなものもあったんだ!」と、またひとつ感動できちゃう。

景色を楽しみ、フォトモードで撮影しながらプレイするのもオススメ。本作は派手ではない場面でも、凄さが伝わってくる光景ばかり。年月を経て、本当の素晴らしさや美しさを表現できるようになったのかも
純正周辺機器の「ワイヤレスサラウンドヘッドセット」をお持ちのかたは、専用のヘッドセットコンパニオンアプリが、ついに日本でも配信開始されたし、そこには「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」のサウンドに最適化されるプリセットも用意されているので、要チェック

ファンの人はとっくにチェック済みだとは思うんだけど、

Youtubeで公開されているNaughty Dogスタッフインタビュー満載なメイキング映像

も必見です。

これは個人的には、映画を家で見終わったあとにボーナス収録のメイキングを観るように、プレイ後に見ると感慨深いと思うのですが。

「メイキング映像#5~すべての終わりに~」から一部を抜粋すると、

・ゲームディレクター ブルース・ストレイリー

「“人生が変わった”なんて手紙も届くんだ。僕らの作品が何かのきっかけになって、人の心を動かせた。すごいことだよ」

・クリエイティブディレクター ニール・ドラックマン

「かつて映画やゲームから影響を受けたように、他人に影響を与えたんだ。いつか誰かがさらに凄いゲームを作る。そのきっかけになれたら素晴らしいね。こんなにやりがいのある仕事はないよ」

・テクニカルアートディレクター ティーガン・モリソン

「日々の暮らしで遊んだり他人を理解したとき、生まれる喜びや充実感、ゲームであの感覚を出すのは難しい。キャラクター同士のやり取りでとなればなおさらだ。でも、少しずつ表現でき始めている。人間同士が感じる充実感や喜びをゲームの中でね。」

などなど……「ノーティー最高!」と言いたくなるばかり。

かつて映画「海の上のピアニスト」では、「何かいい物語があって、語る相手がいる限り、人生捨てたもんじゃない」という台詞がありましたが、

「アンチャーテッド」とノーティードッグのモノ作りの精神は、ゲーム好きにとって、まさに誰かに素晴らしさを語りたくなる話。

配信予定というシングルプレイ用のストーリーダウンロードコンテンツも楽しみにしつつ。ノーティードッグの次回作も楽しみにしつつ。しばらくは「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」の魅力に浸っていたいと思います。

なお、「iam8bit」では、「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」サウンドトラックのアナログレコード盤も予約受付中。ジャケットアートは、あのアシュレイ・ウッド!(日本のゲームファンには、「メタルギア」シリーズのアートなどでお馴染み)

アナログレコードと言えば、再生機器をお持ちなら聴くのはもちろんとして、ジャケットを額に入れて壁に飾るなんていうのも、いい感じ。数量限定の盤面がリバタリアのエイブリーコインになっているバージョンは残念ながら売り切れていますが、通常版はまだ購入できます。もちろん日本にも発送OK、お見逃しなきよう。(僕ももちろん購入しました)

アシュレイ・ウッドが描く、ネイトとサムの銃撃シーン! 輸入購入になるのでちょっと送料がお高くつきますが、最高のシリーズを味わい尽くした思い出に、いかがでしょうか?

ではでは、今回はこのへんで。また来週。

Amazonで購入

(山村智美)