山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第44回

長年待った大作ラッシュ&シリーズ最終作に沸いた2016年のゲームシーンを振り返ってみる話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

クリスマスも終わって一気に年末ムードですが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 2016年もいよいよ終わり。この連載も今年の最後の回となっております。

いやーそれにしても、今年のゲームシーンはいろいろありましたねーホント。特にこの1カ月がいろいろなことがあり過ぎて、夏にテレビ局も含め各マスコミが「ポケモンGO」の配信開始をこぞって報道したりとか、秋にあった今年の東京ゲームショウとか。もう、遠い昔のことのよう。

今年のゲームシーンを振り返ってみると、“長く開発が続けられてきた期待のあのタイトルがついに発売!”っていうことが多かったんですね。

プレイステーション4もXbox Oneも発売から既に約3年がたって、これからが成熟期。その入り口に、長年開発が続けられていたタイトルが一斉に発売を迎えたというところでしょうか。

主だったところでは、

前作「ペルソナ4」からは約8年ぶりのナンバリング新作であり、途中には親会社が変わるという大きな出来事も乗り越えてのリリースとなった「ペルソナ5」。

「ファイナルファンタジー ヴェルサスXIII」としてのタイトル発表から数えればですが約10年たっての発売となった「ファイナルファンタジーXV」。

7年前にタイトルが発表され、途中にはPS3用からPS4用タイトルへのプラットフォーム変更もあった「人喰いの大鷲トリコ」。

といったものがあり。なにしろこの3本は9月、11月、12月と数カ月の間に立て続けに発売されたわけで。そりゃあ盛り上がりますよね。最近のことなので記憶にも新しい……というか今プレイ中ですっていう人もたくさんいるのではないでしょうか。

ちなみに、来年2月には2006年に制作発表されてから約10年の時を経てついに発売になる、「仁王」もありますから! 「仁王」先輩もいよいよ卒業の日がやってくるんですねぇ。

「ペルソナ5」はPlayStation Awards 2016にてGold Prize&ユーザーズチョイスのW受賞! それも納得の面白さでした
「ファイナルファンタジーXV」はいいところと悪いところがくっきりと混在していて、なかなか難しいところ。ゲームとしての手触りはかなり良くて遊び続けたくなる良さもあるんですけどね
大鷲のトリコとのもどかしいぐらいの協力関係もまたゲームデザインと言える「人喰いの大鷲トリコ」。美しいゲームですホントに

また、“人気シリーズの最終作が今年に発売された”のも印象的でした。

ダークファンタジーのアクションRPGとしてもはや世界的な人気を誇るシリーズの最終作「DARK SOULS III」。

PS3時代から冒険家ネイトの物語を描いてきたシリーズの最終作「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」。

どちらもこの10年を代表するクラスのタイトルであり、世界中にファンのいるシリーズ。最終作というのは寂しいですが、どちらもそれにふさわしい素晴らしい作品でした。

ちなみに「アンチャーテッド」は、シリーズに登場した女性キャラクターであるクロエとナディーンが登場する新作「アンチャーテッド THE LOST LEGACY」が発表されました。2017年発売予定。

ダークファンタジーゲームの代表格とも言える存在になった「DARK SOULS」シリーズ。「DARK SOULS III」が最終作とされています
ネイサン・ドレイク最後の物語を描いた「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」。今年前半のビッグタイトルでした

ちなみにシリーズ最終作という観点に近いものだと、「ペルソナ5」も開発当初は「3」や「4」とは路線を変更して、"自分探し"、"旅"という2つのキーワードをもとに外の世界へと旅立つものを想定されていたのだそう。(詳しくはこちらのインタビューなどをご参考に)。

「ペルソナ6」がでたら、シリーズ作のシステムが「3」から大きく変わったように、また大きな変化を見せるのかもしれません。

また、「龍が如く6 命の詩。」もシリーズの主人公、桐生一馬の最終章だったので。やはりこちらもひとつの節目を迎えたと言っていいでしょう。

桐生一馬の最終章となった「龍が如く6 命の詩。」

そして、忘れちゃいけない……というか本当につい先週のことなのでみなさん忘れているはずもなさそうなのが、「セガ 3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE」。往年のセガのアーケード・コンシューマーの名作を3D立体視化+αで復刻する、GAME Watchではお馴染みの例のアレですが、こちらも“FINAL STAGE”のサブタイトル通り、節目を迎えました。

いつものインタビューもなんとか皆様にお届けしたのですが(掲載当初、「サンダーフォースIII」の画像だらけになっていて、本当ごめんなさい!)。インタビューの最後にもあるとおり、今後の予定は本当に何もないということなんです。

でも、まだまだやって欲しいタイトルとか、3D立体視になったらどうなるのか見てみたいもの、ありますよね。個人的にはどうしても「NiGHTS into dreams...」を3D立体視で見てみたかったりするのですが。

セガ3D復刻シリーズのインタビューはぶっちゃけた話いつも大変なのですが、「ゲームを作ることの大変さと面白さ」をたくさん聞けたり、そうしてできた名作をプレイしてみると「ゲームの本質的な面白さとは何か」など、そういったものを再確認できたりもして。僕にとっても大切な機会だったりしたんですよね。

そんな気持ちも抱えつつ、インタビューの最後には「ずっと待っていますので」と言葉を添えさせて頂きました。

ついにFINAL!最後を惜しむ声がSNSなどでたくさん見られます

さてさて。

こんな感じに2016年は“長く開発が続けられてきた期待のあのタイトルがついに発売!”、“人気シリーズの最終作が今年に発売された”という年でしたーなんて並べると、なんだかゲームシーンが一区切りついてしまったかのような感覚を覚える人もおられるかもしれません。

なにしろ発売ラッシュが凄かったですから。それらがいざ発売されてしまうと、祭りのあとのような寂しさもでるかも。不思議なもので、発売されるまでが1番ワクワクしてたりするんですよね、何事も。

でも、来年早々にも1月には「ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期」、「キングダムハーツ HD2.8 ファイナルチャプタープロローグ」、さらに「GRAVITY DAZE 2」に「BIOHAZARD 7 resident evil」などが。2月にも「For Honor」、「NieR:Automata」が発売予定。

“発売ラッシュの2016年”というよりは、“発売ラッシュの2016年度”っていう感じで、まだまだ話題作が続きます。

そしてなによりも、1月13日には「Nintendo Switch プレゼンテーション 2017」、14日と15日には「Nintendo Switch 体験会 2017」が開催されます。

名前の通り“スイッチ”をコンセプトに持つ任天堂の新ハードがついにベールを脱ぐというわけで。

僕は今年のE3でもTGSでも“転換期のまっただ中にいる”というような感覚を覚えたところがあり、これからもゲームの形は変わっていくのだろうなと感じたのですが、「Nintendo Switch」も他にないアプローチでゲームのいろいろなものを変えてくれそうな予感があります。

年明け早々には「Nintendo Switch プレゼンテーション 2017」と体験会が開催予定。スイッチがやってきます!

あ、1年を振り返るっていうことで“ゲーム流行語大賞”的なものもちょっと考えたんですけど……どう考えても「やっぱ○れ○わ」がダントツです。煽りとか悪ふざけではなくて。あの、返答までセットになっての汎用性の高さはすごいですよ、ホントに。切れ味抜群で、思わず使いたくなる力のあるフレーズです。何のゲームかとか、伏せ字のなかとかは一切書けないですけど!

というわけで。いろんな盛り上がりあり、異様なほど過熱したブームあり、そんな2016年が過ぎ去っていきます。

ありがとう2016年。忘れない。

っということで。

ではでは、今回はこのへんで。よいお年を!

【お知らせ】
1月4日は連載をお休みさせていただきます。次回掲載は1月11日となります。