山村智美の「ぼくらとゲームの」
連載第25回
リオ五輪閉会式のマリオ登場に感慨深くなったり、新PS4発表の期待高まる「PlayStation Meeting」も控えていたりと、ゲームの未来はいろいろ忙しい話
2016年8月24日 12:00
この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。
お盆が過ぎ、リオオリンピックも終わりまして。
2016年の夏も、台風が過ぎ去る度にほんの少しずつ、
秋の気配が混じり始めてきたような気がしますね。
……まぁ、まだまだめっちゃ暑いですけどね。
さてさて今週は書きたい話題が多いので、さくさくと書いていきますよ。
まずは、
「リオオリンピックの閉会式で披露された2020年の東京大会プレゼンテーション」
こちらは長年ゲーム好きをやっている身としては語らずにいられないです。
大きく報じられましたのでご存じの人が多いとは思いますが、
オリンピックの閉会式にて、オリンピック選手の姿に混じって、ドラえもん、ハローキティ、キャプテン翼、パックマンが登場。ドラえもんの出してくれた土管のひみつ道具をマリオが通っていき、最後にはマリオのコスプレをした安倍首相が登場という、驚きの演出となっていました。
その光景を見たとき、なにかこう
“こんな日が来るなんて”と、感慨深い気持ちになりました。
タレントの伊集院光さんもTBSラジオの「JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力」でおっしゃられていたのですが、昔は「ゲーム」って世間的にもっと虐げられてたんですよね。はっきりいってそんなに堂々と言える趣味ではなかったというか、当時のゲームセンターのイメージなどもあいまってアウトローな趣味扱いだったというか。
小学生のうちはよかったんですけど、中高生ぐらいになると今よりももっとこう“こそこそ楽しむ”ものになりがちだったというか。
のめりこみ度合いが凄いと、マンガ「ハイスコアガール」の主人公である矢口ハルオくん的にクラスのちょっと変わった奴扱いになることもあったり。
でも、今ではだいたいの人が大なり小なりゲームが好きで、それは普通のことっていう感覚になったなぁと思います。ゲームコンテンツの魅力やセンスには大人のファンも多いですし、特に海外では、ゲームを文化的・芸術的な観点から評価することが増えました。
そんな風にだんだんと時代が変わっていってるなぁと思っていたなか、今回オリンピックのような世界的な注目を集める舞台で、日本のエンターテインメントの魅力やクールさを伝える題材にマリオが大きく扱われ、内閣総理大臣である安倍晋三氏がマリオのコスチュームで登場するというサプライズとなったわけで。
「ゲームキャラクターがこんな風に扱われる日が来てくれるなんて」と思わずにはいられないものがありますし、2020年の東京オリンピックに向けて、もっともっといろんなことが変わっていけるような、そういう予感も感じられたほど。
とりあえず、オリンピックの定番ゲーム「マリオ&ソニック AT」シリーズは、4年後にはスペシャル感たっぷりな入魂作を期待したいですよね。いつもはあまり同シリーズに手を出していなかったという人でも、東京オリンピックのときには記念に購入したくなること間違いなし。
きっと4年後には、日本の様々なエンターテインメントがここぞとばかりに爆発的に華やかな盛り上がりを見せてくれるのではないでしょうか。
そんなことを思ったリオ五輪での東京大会プレゼンテーションでした。
だいぶ先である4年後の話はさておき、いよいよ8月も残りわずか。
まずは、僕が個人的にとても楽しみにしている独特&奇妙なゲーム「No Man's Sky」のプレイステーション4版発売日である8月25日がやってきます。
「ポケモンGO」や「ファイナルファンタジーXV」発売延期の話題があったので「No Man's Sky」のことをこの連載に書くタイミングがなかったのですが、実は以前からかなり楽しみにしていたんですよ。
「No Man's Sky」は1,800京個もの惑星が存在する果てしない宇宙を探索していくSFアクション・アドベンチャーゲーム。
こう書くと壮大で開発規模も大きいビッグタイトルのように思えますが、開発元のHello Gamesは2008年に設立され、比較的ライトなゲームを手がけてきたデベロッパーです。コンセプトこそ壮大ですが、ビッグタイトルというよりもアイデアが魅力的な意欲作という捉え方がいいかもしれません。
実際のところ、「No Man's Sky」はPS4版より先にSteamにてPC版がすでに販売されているのですが、少なくともそちらでは不具合が多数報告されていたりと、ちょっと厳しい評価になっているようで、ゲーム内容としてもプレイの幅が狭いという指摘もあるようです。(僕はなんだかんだと忙しくてPC版に手を出すヒマがなく、PS4版待ちになってしまいました)
で、そういう評価も見た上でも、それでも楽しみにしているのは、僕が“どこまでも遠くに行けるゲームフェチ”だからなんですよ。あんまり共感してもらえたことがないんですけど、RPG等でマップの行ける限り1番端っこまで行ってみたり。乗り物を操縦できる系のゲームで、果てしなく走り続けたり、飛び続けたり。しないですかね?
僕は頭空っぽにそういうプレイをしてから、「あぁ、ずいぶん遠くまで来たなぁ……」って思うのが妙に好きなんです。
そんなわけで果てしなく宇宙を進んでいくことで、そういう気分がたっぷり味わえそうな「No Man's Sky」が楽しみでしょうがなかったんですよね。
そういう好みの人であったり、または、仕事から帰ってきてぼんやりとその日のことを思い出しながら宇宙空間を漂うみたいな楽しみ方ができるゲームを求めている人に良さそうです。
決して万人受けはしなさそうですけど、こういう“一方向へ全振り”みたいなゲームが家庭用機にリリースされるのは昨今珍しくもあり。PS4版をプレイして実際どうだったのかはこの連載でお伝えしたいと思います。
8月が終わって9月に入ると、ゲーム業界は怒濤のイベント・発表ラッシュがやってきます。
まずは、ニューヨークにて9月7日午後3時(日本では9月8日の朝4時)にソニー・インタラクティブエンタテインメントによる「PlayStation Meeting」が開催されます。
SIE自身もほぼ存在を認めているとされるPS4の上位版「Neo」の発表が期待されるなか、ここ数日には「筐体が小型化したスリム版PS4」や「新デザインのコントローラ」なども発表されるのでは……などなどリークというか噂が飛び交っています。どのような発表になるのか大注目ですよ。
それが終わると、いよいよ東京ゲームショー2016がやってきます。同日には、期待の大きい最新作「ペルソナ5」の発売もついにやってきます。
それも過ぎて10月13日にはバーチャルリアリティシステム「PlayStation VR」が発売です(僕もなんとか予約できました)。
今年は本当にいろんなことがあって波瀾万丈な1年ですが、ゲーム好きはまだまだ休むヒマなしといった感じです。
ではでは、今回はこのへんで。また来週。