ゲーミングPCレビュー「GT70 2PC Dominator」
GT70 2PC (Dominator)
付属ツールが大充実。ライブ配信ツール「Xsplit Gamecaster」に要注目
(2014/3/13 01:00)
付属ツールが大充実。ライブ配信ツール「Xsplit Gamecaster」に要注目
いくらハードの性能が高くても、最終的に遊びの幅を決めるのはアプリケーションだ。その点、本機はプリインストールされたゲームツールが非常に充実していて、箱出し直後から様々な機能を利用できるのが良いところだ。
本機にプリインストールされたたくさんのゲームツールは、MSI謹製のツール「Dragon Gaming Center」で全容を確認できる。まずチェックしたいのはキーボードの設定に使える「SteelSeries ENGINE」だ。このツール上でキーボードマクロやバックライト動作、プロファイルの切り替えなどのコンフィグが可能だ。SteelSeriesのゲーミングマウスと合わせれば同ツール上で両方を管理できるのでオススメである。
続いて「NVIDIA Geforce Experience」。このツールでは、各ゲームの画質設定を自動で最適化できるほか、クオリティとパフォーマンスのバランスをスライダーで調整することで、簡単に自分好みの設定とすることができる。また、GTX 870Mなら、GPU内蔵エンコーダーを使った負荷ゼロの録画・配信可能なShadowPlayを利用できることも大きなニュースだ。
録画や配信に関してはもっと凄いツールも付属している。それが「Xsplit Gamecaster」だ。これは、人気のライブ配信&録画ツール「Xsplit Broadcaster」をゲーム向けに特化した最新のアプリで、2014年2月にリリースされたばかり。有料アプリではあるが、本機に6ヶ月間の試用ボーナスが付属しているのですぐに試すことができる。
「Xsplit Gamecaster」の良いところは、最適設定を自動検出してくれるため、自分で設定作業をしなくともいきなり良質のライブ配信が開始できてしまうところだ。ShadowPlayとは違い、ゲーム内のオーバーレイUIを使ってインゲームでの設定変更や、タスク切り替え時の待機画面配信なども可能と、配信専用ツールらしい使い勝手の良さが実現しているのもいい。
また特筆すべきは様々なハードウェアエンコーダに対応していること。本機「GT70」ではCPU側に統合されたGPUを使うエンコーダーIntel Quick Sync Videoが利用可能。これをエンコーダーに指定すると、NVIDIAのShadowPlayと同様、ゲーム動作にほとんど負荷を与えずに配信や録画が可能だ。
これらのツールを使えば本機「GT70」ひとつで快適にゲームをプレイしつつ、何も犠牲にすることなくライブ配信もできてしまう。少し前ならハイエンドPCがなければ難しかったこのような遊び方も、ハードウェアの進化と周辺ツールの充実によって当たり前に可能なものになった。
PS4やXbox Oneにも負けない充実のゲーミング環境が、アウト・オブ・ボックスで実現している、それがこれからのゲーミングPCに求められる条件なら、本機「GT70」はまさにそれを体現したモデルと言えるだろう。なお、この性能を活かすためには標準のストレージ(7200rpmのHDD)だけでは心もとないので、予算が許せばシステムドライブ用にSSDを実装するのがオススメだ。
これまでデスクトップとノートの双方でゲーミング環境を必要としていた人でも、「GT70」をもってすればノートPCに投資を一本化できるかもしれない。そう考えると、ノートPCの性能向上はPCゲームのスタンダードなありかたも大きく変えていくことになりそうだ。