3DSゲームレビュー

ゼルダの伝説 神々のトライフォース2

詰まらずにゲームを進められる親切設計!

詰まらずにゲームを進められる親切設計!

 本作には12種類のダンジョンが収録されており、進行状況によっては攻略すべきダンジョンが複数同時に出現。好きな順番で攻略することができる。

 好きな順番となると、どのアイテムを借りていけばいいのか、どこの行くべきかかわかりにくいと思われるかもしれないが、迷うことなく進められる親切な作りになっている。

 目的地には下画面に表示されるマップに×印がつけられるため、どこに行くべきかは明らか。目的地への行き方がわからずとも「占い屋」を利用すれば、どうすればいいのか教えてもらうこともできる。そして、ダンジョンに入るには、そのダンジョン内で必要となるアイテムを使うことが必要になるため、借りられるアイテムが多くありながらも攻略に必要なアイテムは1発でわかる。

 各種アイテムに加え、壁画化、高低差といったことから、ダンジョンのギミックもより複雑になっているのでは?と思われるかもしれないが、複雑で遊びにくいというような心配はあまり必要ない。もちろんダンジョンの階層の繋がりやギミックを理解して、思考する必要はあるが、多くのアイテムを駆使することが求められるダンジョンがない。さらに、ダンジョンやフィールドに配置されている「ヒントおばけ」からヒントをもらうことができるため、攻略で詰まることはないだろう。

 「ヒントおばけ」は「ヒントメガネ」を装備することで見えるようになり、ゲームコイン(3DS本体を持ち歩くことでたまる)をお供えすることで謎解きのヒントが得られるというもの。占い屋もヒントおばけも意図的に利用しなければヒントが得られないため、ヒントなしで遊びたい人も安心だ。

ミニゲームや収集要素も完備! すれちがい通信で多額のルピー獲得のチャンス!

ミニゲーム「オクタ球場」

 「占い屋」や「ヒントおばけ」によりスムーズに遊べることもあり、クリアするだけなら比較的ストレスを感じることなくゲームクリアできるようになっていると感じられるが、ミニゲームや各種収集要素など、ゲームクリアには必須ではない遊びが多く盛り込まれている。

 ミニゲームは、ハイラルやロウラルの各所に存在。多方向から飛んでくる「コッコ」(にわとりのような生き物)を避け続ける「コッコよけゲーム」、制限時間内に指定された場所までダッシュする「ダダっとレース場」、タコ型モンスター「オクタ」の投げるボールを打ち返す「オクタ球場」など、その種類は多い。これらはプレイすることでルピーなどの報酬が得られる。

 世界各地に散らばった「ベビーマイマイ」を探し出すことでアイテムがパワーアップできるという要素も。ベビーマイマイは鳴き声を手がかりにして探すことになり、10匹集めるたびにアイテムをパワーアップできる。全100匹を探し出せば、強力な技が習得できる。他にも鍛治屋で剣の強化、魔法をも反射できる盾の獲得など、主となる装備品のレベルアップやお馴染みのハートのかけらを集めて体力の最大値を増やす要素も健在だ。

 別のプレーヤーとすれちがい通信すると、そのプレーヤーが「シャドウリンク」として自分の世界にやってくる。話しかけるとバトルがスタートし、勝利するとルピーが手に入る。強敵であればあるほど勝利時に獲得できるルピーは多くなる。このバトルでは、回転斬りで倒すなど、特定の条件をクリアすればメダルが獲得できる。中にはかなり特殊な条件の目標もあり、全メダル獲得を目指してプレイするのも面白い。

 前述の通り、これらはゲームクリアには必須ではないが、ルピーが多くあればアイテムを買い上げられるし、装備品などを強化すればクリアは楽になる。なお、クリア後には高難易モードが遊べるようになるので、腕に自信があるなら挑戦してもらいたい。

アイテムを強化すれば冒険が楽になる。アイテムを強化するには各地に散らばるベビーマイマイを集める必要があるが、剣・服・盾の主装備はゲームを進行するうえで必ず訪れる場所で入手できるアイテムを使って強化したり、直接入手できたりするので寄り道せずにパワーアップさせられる
すれちがい通信をしたプレーヤーはシャドウリンクとして自分の世界に現れる。勝利すればルピーが獲得でき、強敵であればあるほどルピーの量が増える。敗北してもデメリットはないので、多くのプレーヤーとすれちがい対戦してもらいたい

最後に

 “壁画になる”という斬新な発想を加えリリースされた本作。当時スーパーファミコンで前作を遊んでいたであろう、今の30~40代には馴染み深い見下ろしタイプの「ゼルダの伝説」だ。タイトル発表時には大好きな「神々のトライフォース」の続編が遊べる喜びと共に、「ゼルダの伝説」シリーズでナンバリングタイトルなのか!と驚いたことを記憶している。

 壁画化や高低差を活かしたダンジョン、3DSに合わせて一新されたグラフィックスにより、新しさを感じさせてくれつつも、見下ろし視点やハイラルのフィールドなど懐かしさも同時に感じさせてくれる。ゲームの進行に詰まらないような今のゲームらしい配慮もあるため、プレーヤーを問わずゲームがクリアできる。アクションの手触りが良く、操作していて気持ちがいい点も好印象。メインの物語はテンポよくクリアまで進めていけ、ミニゲームや収集要素、すれちがい通信といったクリアしてからも楽しめる遊びがあるのも嬉しいところだ。

 当時「神々のトライフォース」を遊んでいたプレーヤーには絶対に遊んでもらいたい本作。ストーリーに直接的な繋がりがあるわけではないので前作を遊んだことがない方にもオススメできる。シリーズの面白さが詰まった、幅広い年齢層が楽しめる良作だ。

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(木原卓)