PCゲームレビュー「バトルフィールド 4」

バトルフィールド 4

遊びの幅も大幅に広がり、「BF3」以上のボリューム感

遊びの幅も大幅に広がり、「BF3」以上のボリューム感

狭い領域に殺到する「ラッシュ」は64人サーバーだとえらいことに
もっと狭い「オブリテレーション」や「ドミネーション」は24人でお腹いっぱい
激しい激しすぎる!
オールドファン待望のコマンダーモード
マップ上を右クリックでコマンドメニューを呼び出す

 本作はマルチプレイだけでも、64人で遊ぶシリーズ独自の「コンクエスト」の他に、「ラッシュ」、「チームデスマッチ」、「オブリテレーション(爆弾を確保して指定目標を爆破するルール)」、「スクワッドデスマッチ(分隊単位でデスマッチ)」、前作ではDLCでの提供だった「ドミネーション(コンクエストの小型版)」、そして「コマンダー」と多数のモードを搭載している。

 特に「バッドカンパニー」シリーズ生まれの「ラッシュ」は本作でも人気の高いモードで、特に24人対戦までとなるコンソール版ではこちらをメインで遊んだほうが楽しいほどだ。逆にPC版では、64人サーバーでプレイすると守りが途切れず鉄壁すぎて、攻撃側では勝った試しがないので、PC版でも24~32人程度のサーバーで遊ぶことをおすすめする。

 ひたすら歩兵でバリバリ撃ち合いたいなら各デスマッチ系ルールのほか、「オブリテレーション」や「ドミネーション」も面白い。いずれもかなり限定された狭いマップで戦うことになるので試合のテンポが速く、「コンクエスト」とは全く違ったテイストで楽しめる。時間あたりのキル数も増えるので武器のアンロックが捗るという利点もある。これも64人サーバーでは戦場全域が混雑しすぎて大味になるので24~32人程度のサーバーが良いと思う。

 そして「BF2142」以来の大復活となった「コマンダー」は、FPSプレーヤーではなくむしろRTSプレーヤーに体験してもらいたいモードだ。これは「コンクエスト」にひとりだけ司令官の立場で参加するモードで、試合中ずっとマップ画面を見ながら各分隊へのターゲット指示や、偵察ドローンの展開、物資・車両の投下といった仕事をし続けるものだ。

 コマンダーがいるチームといないチームとでは、コマンダーがいるチームがより有利になることは確かで、どちらのチームにもコマンダーがいるならその腕の差がモノを言う。コマンダーが発動できる各種のコマンドのうち、特に大きな効果を持ついくつかのもの(ハープーンミサイルでの攻撃や、ガンシップ投入、車両・歩兵の全マップ走査)はそれぞれ特定の拠点を支配することで発令可能になるため、どの拠点を優先的に攻め・守るかの見極めが重要なのだ。

 この拠点が欲しい!と思っても、そもそも状況的に各分隊がその指示を遂行不可能であればむしろチームにとってマイナス。今あるチームにできることを見極めて、それをひとつひとつ積み重ね、勝利を手繰り寄せる感覚だ。

 筆者のようなアクションゲーマーにとっては、1ラウンドが終わるまで30分近くもマップ画面とにらめっこするのはさすがに数試合で辟易してしまったが、より深いところで戦略的な情報を見極めて判断できるプレーヤーなら非常に面白く遊べるに違いない。

 有能な司令官が適切な指示をバシバシ出し、的確なサポートをよこしてくれるのは戦場を這いずるプレーヤーには非常にありがたく、チームを大いに鼓舞してくれる。今のところ国内の64人サーバーではコマンダーの空席が目立つので、ここはFPS以外を専門とするプレーヤーに、ぜひ1度チャレンジしてもらいたい。

複数の分隊の目標をうまく振り分けて戦線を構築したい。任意の分隊に「昇進」コマンドでフィールドアップグレードを与えることもできる
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(佐藤カフジ)