(2013/11/8 15:30)
ゲーマー向けのPCはいつでも時代の最先端を要求する。古かったり動きがのろのろのローエンドPCでは、まともにゲームをプレイすることができない。ハイエンドCPUとハイエンドGPUによって武装された最高品質のPCが、ゲーマーにとっての武器となるのだ。2011年の10月(日本では2011年11月発売)、全世界のFPSゲーマーの話題をかっさらった「バトルフィールド3」が発売されて早2年。本稿が掲載されるのと同時期に「バトルフィールド4」もリリースされる予定となっている。そして、「バトルフィールド4」の発売に合わせるかのように、マウスコンピューターからリリースされるFPSゲーマーをターゲットにしたゲーミングPCが、「NEXTGEAR-MICRO im540GA4-W7-GW」。通称GAME Watchモデルだ。
コンパクトボディにハイスペックビデオカードを搭載
「NEXTGEAR-MICRO」は、マウスコンピューターのゲーマー向けのハイエンドPCブランドであるG-Tuneのシリーズの1つ。microATXフォームファクターのマザーボードを採用しコンパクトでハイパフォーマンスな製品ラインナップを取り揃えている。ここで紹介するのはマウスコンピューターとGAME Watch編集部のコラボレーションモデルとして誕生した、いわゆるGAME Watchモデルだ。開発のコンセプトは最新FPSをヌルヌルと動かすことのできるハイパフォーマンスPCをイメージ。27型の高リフレッシュレートに対応した大画面が付属し、ゲームへの没頭感も高めている。早速だが、このGAME Watchモデルのスペックを見てみよう。
NEXTGEAR-MICRO im540GA4-W7-GW | |
---|---|
CPU | Core i7-4770 |
マザーボード | Intel H87 Expressチップセット採用マザーボード |
メモリ | DDR3-SDRAM 8GB PC3 12800(8GB×1) |
ビデオカード | GeForce GTX 770 |
ストレージ(システム用) | ADATA SP900 128GB |
ストレージ(データ用) | 2TB、7,200rpm、Serial ATA 3.0 |
光学ドライブ | DVD±R 2層書き込み対応22倍速DVDスーパーマルチドライブ |
PCケース | NEXTGEAR-MICRO |
電源 | ATX 700W |
ディスプレイ | iiyama ProLite G2773HS |
OS | Windows 7 SP1 64bit版 |
その他 | G-Tuneブランド キーボード・マウスセット、18in1カードリーダー |
まず、PCの基本部分から見ていこう。CPUにはIntel Core i7-4770を搭載し、マザーボードはIntel H87チップセットを採用となっている。最新の第4世代Coreプロセッサの中で、動作周波数3.4GHz、Turbo Boost状態で3.8GHzとなるCore i7-4770は、ほぼハイエンドの位置付けの製品。これより上位のCPUは、動作周波数が3.5GHz、Turbo Boost状態で3.9GHzとなるCore i7-4770Kと、この9月に発売となったCore i7-4771のみだ。Core i7-4770Kに付けられたK型番は、オーバークロック(OC)の可能な製品に付けられるもの。Core i7-4770KとCore i7-4771は同じ動作周波数で、Core i7-4770KのOCなしバージョンとなる。
マザーボードはH87で、ハイエンドのIntel Z87チップセットを採用しているわけではないが、Z87はH87の機能に加えてOCとPCI Express 3.0のレーン分割が可能になっている。OCは先ほど書いたK型番が付いたCPU以外では必要ない。また、PCI Expressのレーン分割とは、広帯域のPCI Express 3.0を分割してx16/x8/x8などとして使うことを言う。対して、H87では、PCI Express 3.0が分割して使用できないため、1スロットのみがPCI Express 3.0に対応。それ以外のPCI Expressスロットは1世代前のPCI Express 2.0で動作することになる。このレーン分割が有効なのは、複数のスロットで高速なデータ転送速度を求められるSLIやCrossFireXといったマルチビデオカード環境だ。ビデオカード1枚だけの利用の場合、実質的な問題は、まったくないと言ってもよいだろう。
ここまでの、CPUとマザーボードに関する記述を読んでもらえばわかることだが、本製品は完全なハイエンド構成ではないものの、ゲーマー向けのPCとして見た場合にはまったく問題がない。購入したままで利用するならOCを行なうこともないし、SLI構成にすることもないからだ。
次にビデオカードを見てみよう。搭載されているのはNVIDIA GeForce GTX 770となっている。GeForce GTX 770はGeForce 600シリーズから採用されているGPU、開発コードネーム「Kepler」を採用した製品だ。Keplerは登場当初、低消費電力で、消費電力あたりのパフォーマンスが高いことで話題を呼んだGPU。GeForce GTX 680としてデビューをかざり、チップ名はGK104とされた。その後、ラインナップをナンバーごと一新。GeForce GTX 700シリーズの発表で、Keplerの最新チップ、GK110がGeForce GTX 780としてデビュー。同時にGK104をGeForce GTX 680として出荷していたときよりも少し動作周波数を上げて、GeForce GTX 770のGPUとして採用している。
最高のゲーマー向けPCなら最高のビデオカードを搭載したいところだが、GeForce GTX 780を搭載したビデオカードの市場価格は、安価な製品でも68,000円前後とかなりお高い。対して、GeForce GTX 770は40,000円前後と、30,000円近くも相場が下がるのだ。このことから、GAME Watchモデルは現時点での最高の性能ではなく、最適な性能を目指しているのがわかる。実際のコストパフォーマンスが高いことは、後半のベンチマークを見てもらえれば理解していただけるだろう。
次にメモリだが、PC3-12800 DDR3 SDRAMの8GBモジュールを1枚搭載している。H87などの現行のスタンダードなチップセットでは、2枚のメモリを搭載してデュアルチャンネル動作させるのが一般的だ。容量的には8GBも載っていれば、メモリとしては十分だが、やはりこれもコストの関係だろう。4GBモジュールを2枚搭載するよりも8GBモジュールを1枚搭載したほうが、コストがかからないということだ。ただ、ゲーム用途に関してデュアルチャンネルが必ずしも有効かと言うとそうでもない。その性能についても後述のベンチマークを見てほしい。
ストレージに関しては、システム用にA-DATAのSP900を搭載しており、ゲーム中にストレスを感じることはないだろう。ただし、SSDの容量が128GBなので、いくつかのビックタイトルをインストールするとSSDが一杯になってしまう。その場合にはデータ用として2TBのHDDが搭載されているので、それほど使用頻度が高くないソフトウェアに関しては、1度アンインストールしてからHDDにインストールし直すとよい。
そのほかの装備として、光学ドライブはBlu-rayこそ対応していないが、ゲームマシンとしては必要十分な2層書き込み対応のDVD±Rスーパーマルチドライブ。定格出力700Wの電源を搭載しているので、ビデオカード1枚で運用する分には十分だし、ちょっとした拡張でも問題がないレベルだ。おまけと言っては何だが、18in1カードリーダーやキーボード、マウスもセットになっており、とくにキーボードやマウスはこだわりがなければ十分にゲームに堪え得る代物だ。キーボードにはWindowsキーの誤操作を防ぐためのWindowsキー無効ボタンが用意されており、マウスもLEDで6ボタンのマルチボタン構成となっている。
高リフレッシュレートの大画面でゲームにのめりこめ!
特筆すべきなのは、このGAME Watchモデルに付属するディスプレイが、フルHD対応の大型LEDモニタであること。パネルサイズは27型だが、この付属ディスプレイは大きいだけではない。何と144Hzの高リフレッシュレートに対応した、本格的なゲーマー向けモニタなのだ。一般的な液晶パネルのリフレッシュレートは60Hz程度であることを考えると、倍以上の描画速度ということになる。ちなみに応答速度はGray to Grayで1msだ。
実際に、ゲーム画面を見ているときに困るのが、キャラクターの頭の上に出ている名前などの文字を読むときだ。キャラクターが動いたり、自分の視線を移動させたりしているとき、応答速度やリフレッシュレートが高いとちらつかずになめらかに動くため、文字を読むことができる。しかし、描画速度が遅いと、文字がチラチラとして読み取りにくい状態になる。高リフレッシュレート設定でのプレイ時には、このようなちらつきが落ち着くため、画面の情報を確認しやすいようになるのだ。
FPSなどのゲームをプレイする際に、ディスプレイが大きいと、その没入の度合いはまったく違う。臨場感あふれる画面が視野に広がるため、非常に惹き込まれる。GAME Watchモデルは前述のとおり、コストダウンの跡が散見されるが、ディスプレイを大型で高リフレッシュレートの製品にしてきたのは高く評価できるところだ。
実機を分解! 開けてみてわかったお得な仕様
せっかく実機があるのだから、中身を見ないで終わらすのはもったいない。というわけで、分解して中に使われているパーツを確認してみた。ここで1つ注意。このGAME Watchモデルはあくまでもマウスコンピューターが販売するメーカーPCということだ。大手のPCメーカーでは基板から開発が行なわれることもあるが、現在は、大手メーカーでさえもほぼ100%OEM製品が主流。海外のPCメーカーが製造したPCパーツを使っている。PCパーツの供給メーカーから、販売終了が告げられれば別のパーツを組み込むことになるのは当然のことだ。しかし、メーカーが言う仕様上のスペックは、モデルナンバーが変わらなければ基本的に同じ性能が保たれる。搭載しているPCパーツに変更があっても、同等製品でスペックが変わらない場合は、モデルナンバーを変更せずに販売し続けることも多い。
言ってしまえば、モデルが同じものだからと言ってからなずしも、同じパーツが使われているというわけではないということだ。なので、ここで紹介するGAME Watchモデルも、同じPCパーツが採用されているかどうかはわからない。しかし、現物にどんなPCパーツが使われているかについて興味がある人もいるだろう。そのあたりを踏まえ、ご理解の上でここを読んでほしい。
まず、外側だが、仕様上はNEXTGEAR-MICROとなっているPCケース。こちらはInWin製のmicroATXフォームファクターに対応したBR-665という製品が採用されている。スチール製で14cm角ファンを前面と天板に備え、背面には9cm角ファン、3.5インチシャドーベイのケージには8cm角のファンが搭載されている。microATXのケースとしては、冷却機能が高い豪華な装備だ。
5インチと3.5インチのオープンベイを1つずつ備え、その下には2.5インチシャドーベイが1つ用意されている。3.5インチシャドーベイは2つ。こちらはレールを用いたツールレス構造だ。これらのベイは、上から光学ドライブ、18in1カードリーダー、SSD、HDDで埋められており、空きは3.5インチシャドーベイ1つ。この3.5シャドーベイを利用したい場合は、スペースの問題から電源を1度外す必要はあるが、増設の余地が残されているのはうれしいところ。
フロントパネル部分にはUSB 3.0ポートが1つ、USB 2.0ポートが2つ、あとはオーディオ端子が用意されており、いずれもマザーボードと接続されているため利用可能だ。裏面配線が可能なPCケースなので、出荷時の配線もきれいに整理されており、メンテナンスが必要な場合でも行ないやすいようになっている。
マザーボードはMSI H87M-S01とシルクで書かれている製品で、市場では見ることがないことからOEM専用の製品と思われる。基板上には、Serial ATAのポートが6つあり、そのうちの3つは使用済み。空きは3つで、シルクやH87の仕様上から予測するに、Serial ATA 3.0と思われる。PCI Expressスロットは、ビデオカードの挿してあるx16スロットのほか、x1が2つ、x16形状のx8が1つ。内、x1の1つは2スロットを占有するビデオカードで利用できないため、実質利用可能なのはx1が1つとX16形状のx8スロットのみだ。いずれも、チップの仕様上、ビデオカードの挿してあるスロットがPCI Express 3.0、それ以外は2.0と思われる。
バックパネルはキーボードとマウス共用のPS/2が1つ、USB 3.0ポートが2つ、USB 2.0ポートが4つ、RJ-45の1000BASE-Tが1つとオーディオ端子が一式。そのほかに映像の外部出力用としてHDMIとDVI、Dsub 15ピンが1つずつ備わっているが、基本的にビデオカードを利用するため、このあたりはあまり重要ではない。CPUは特筆することもなさそうなので取り外したりはしなかったが、CPUクーラーは、バックプレートを利用したファンのまわりにだけ覆いがあるもので、OEM品でよく見られる一般的なものだ。
驚いたのは採用されているビデオカード。MSIのゲーマー向けのシリーズに位置付けされる製品に付けられるファンが取り付けられていた。型番はシールにN770TF 2GD5と記載されており、市場で販売されているOC版のN770TF 2GD5/OCとは異なるが、Twin Frozrと呼ばれるMSI独自のツインファンは、冷却力が高く静かなことに定評がある。MSIのグラフィックスカードは作りがよく、ほかのメーカーよりもちょっぴり高価だ。GPU-Zを使って動作状態を調べてみたが、一般的なGeForce GTX 770と同じ、定格の動作周波数だった。市場のOC版と異なるのはわかったが、安心感を得られる製品チョイスだ。
ストレージには、SSDがA-DATAのSP 900、HDDはSeagate製の2TBのDesktop HDD Burracudaが搭載されていた。HDDの型番はST2000DM001で7,200rpm、Serial ATA 3.0の製品だ。SSDは、A-DATAの製品群の中ではミドルレンジに位置付けされるもの。爆速というわけではないが、リード速度がメインのゲーム用として考えるとコストパフォーマンスの高いチョイスといえる。
電源はFSP Groupの80PLUS Gold認証を取得している700W電源。筆者個人の見たてでは、構成的に考えてもう少し定格出力の小さな電源でもよさそうだが、今後、拡張を行なうときに余裕があると考えれば妥当な線だ。
高スペックを要求するゲームをなんなくこなすベンチマーク結果
さて、それではいろいろなソフトウェアを使ってベンチマークを行ない、GAME Watchモデルの実力を計ってみよう。以下は計測したベンチマークと結果、そしてその解説だ。CrystalDiskMarkは結果を画像として掲載している。
・3DMark
言わずと知れたFuturemarkのベンチマークソフト。ゲーム用途に適しているかどうかの3D描画能力をチェックできる。Ice Stormはスマートホンやタブレットでも動くので、それらと比較したい場合の指標となるが、PC用の最新ビデオカードと比較するのはあまり意味がないかもしれない。Cloud GateはCPU内蔵グラフィックス機能やちょっと古いビデオカードの性能をチェックするのに適している。最新のビデオカードの性能はDirectX 11の性能も計測できるFire Strikeで比較をするとよいだろう。
ちなみに筆者のところに以前あったゲーム環境(Intel Core i7-3770K+Intel Z78マザー+NVIDIA GeForce GTX 670(OC版)+8GBメモリ)での計測結果は6,161ポイント(http://www.3dmark.com/3dm/579259)。CPUやビデオカードは1世代前の構成だが、現在のゲームタイトルはストレスなくプレイできる状態の自作PC。ある程度クオリティの高いPCパーツを使用しており、とくにストレージは公称最大転送速度がリード540GB/s、ライトが450MB/sというSSDだ。そこから考えると、本機の6,714と言う数値がいかに優秀かと言うのがわかるだろう。環境はリンク先でも確認できるので、比較対象の情報が欲しい方はチェックしてみてほしい。
テスト項目 | 数値 |
---|---|
Ice Storm | 150,409 |
Cloud Gate | 21,978 |
Fire Strike | 6,714 |
・PCMark 7
3DMarkと同じFuturemarkのベンチマークソフト。3DMarkがゲームプレイ時の性能をチェックするのに対し、こちらはシステム全体の性能を見ることができる。結果の数値は個別の数値にばらつきがないほどバランスのよいPCと見ることができる。総合結果であるPCMark scoreから前後1,000ポイント以内に収まっているので、大きな弱点はないとみてよいだろう。
テスト項目 | 数値 |
---|---|
PCMark score | 5706 |
Lightweight score | 5927 |
Productivity score | 5079 |
Entertainment score | 5714 |
Creativity score | 6458 |
Computation score | 5824 |
System storage score | 5325 |
Raw system storage score | 5903 |
・CINEBENCH R15
CINEBENCHはCPU以外のシステムの構成にあまり左右されない結果が出るため、CPUの性能を端的に見ることができるベンチマークソフト。ハリウッド映画などにも利用されている3DCGツールを製作しているMAXONの無料ベンチマークツール。同社の3DCGツールCinema4Dがベースとなっている。R15がリリースされたばかりのため、新しくなって比較対象としてピンと来ないかもしれないが、Intel Core i7-4770Kを搭載したシステムで計測したところ760ポイント程度であった。計測を何回か繰り返したところ、結果にばらつきがあるため、ちょっと実用的でないかもしれないが、GAME Watchモデルでは740ポイント程度の数値が出ており、ハイエンドCPUと比較しても、ほとんど遜色がないのが分かる結果だ。
テスト項目 | 数値 |
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CPU | 742 |
CPU(シングルコア) | 150 |
・「バトルフィールド3」
GAME Watchモデルが発売されるころにリリースされる「バトルフィールド4」を試すことはできなかったが、「バトルフィールド3」を使ったベンチマークを行なってみた。キャンペーンモードのGOING HUNTINGを初めて空母内のシーンに移動した後、扉をくぐってから1分間の平均フレームレートを計測している。フレームレートの計測に使用したのはFrapsというソフトウェア。
設定は1番負荷の大きくなる「最高」としたが、結果は平均88fps以上と非常に良好。現在においてもかなり負荷の高い3Dゲームでこれだけの結果を出せるあたりは、さすが最新PCと言うところだ。
テスト項目 | 数値 |
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平均fps | 88.264 |
・「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」ベンチマーク キャラクター編
2013年8月から正式サービスが開始された人気の国産MMORPG。スクウェア・エニックスが提供するベンチマークソフトで、ソフトウェア名のとおり、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」をプレイするために、自分のPC環境がそれに適しているかどうかを確認できる。
設定は1番負荷の大きな「最高品質」として計測を行なった。結果が7,000以上なら、「非常に快適」、5,000~6,999なら「とても快適」となるが、本機の結果は12,000オーバー。「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」は余裕でプレイできることがわかった。
テスト項目 | 数値 |
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スコア | 12,202 |
・「ファンタシースターオンライン2」キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0
「ファイナルファンタジー」シリーズと同じく、人気を博す国産MORPG。こちらは「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」よりもゲームプレイ時の同時参加人数は少ないが、それなりにマシンパワーが要求されるオンラインゲームだ。測定はフルHD表示のフルスクリーンで、簡易設定としては1番負荷の大きい「5」で行なった。
ベンチマーク結果としては、公式Webサイトでは快適に動作する指標を5,001以上としており、42,000オーバーを記録するGAME Watchモデルはオーバースペック気味だ。この程度の負荷の3Dゲームならなんなくこなす実力を持っていることがわかる。
テスト項目 | 数値 |
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スコア | 42,687 |
・CrystalDiskMark 3.0.2f
正直なところストレージの性能に関しては、上で述べたとおりミドルレンジのSSDを使用しているためライト性能はあまりよくない。公称では最大転送速度がリード550MB/s、ライト520MB/sとなっているが、いかんせんシステムがインストールされている状態だし、テストのためにソフトウェアを何個もインストールした状態のため、この結果と考えることができる。しかし、ゲームプレイで重要なリード性能はシーケンシャルで460MB/s、ランダムでも362MB/sという結果が出ており、問題になるほどの性能ではないだろう。
HDDの性能に関しては悪くなく、シーケンシャルでは180MB/s以上の性能がリード、ライトともに出ている。
【4GB×2の結果】
・3DMark
テスト項目 | 数値 |
---|---|
Ice Storm | 150,011 |
Cloud Gate | 22,323 |
Fire Strike | 6,732 |
・PCMark 7
テスト項目 | 数値 |
---|---|
PCMark score | 5829 |
Lightweight score | 6079 |
Productivity score | 5080 |
Entertainment score | 5776 |
Creativity score | 6862 |
Computation score | 6480 |
System storage score | 5311 |
Raw system storage score | 5849 |
最後に、スペックの説明時に書いたメモリの件も、メモリを同クロックで合計が8GBになるように4GB×2のメモリを使ってベンチマークを行なってみた。
PCMark 7と3DMarkを動かしてみたが、結果は上とおり。見てもらえばわかるが、PCMark 7の評価が少し上がったと感じる程度の値が出ている。3DMarkにいたっては誤差範囲内で、詳細なデータを比較しても、ほとんど変化はない。
このベンチマーク結果を簡単にまとめると、メモリがデュアルチャンネル動作をしていなくても、ゲームには支障がほとんどないということだ。メモリへの頻繁なアクセスが想定されるビデオトランスコードなどでは、多少数値に差が出ているが、描画関連の性能に関してはまったくと言ってよいほど影響がない。詳細は、FuturemarkのリザルトブラウザのURLをリンクしておくので、そちらで確認することができるようになっている。ベンチマーク内容が分かる人にとっては、ゲームプレイ時に差を感じるような結果でないことがさらに理解できるはずだ。
全体的な完成度が高くこれ以上のカスタマイズは不要かも
GAME Watchモデルは、全体的にコストダウンの影響は見て取れるが、非常にうまくゲーマー心理を突いたマシンと言える。
ベンチマーク結果を見る限り、現時点で最高レベルの3Dゲームをプレイするのにまったく問題のない性能。使い勝手を高めるための装備を施し、コンパクトにまとめられた構成。27型の大画面液晶ディスプレイ、それも高リフレッシュレート品が付属してくるというのも、ゲームの臨場感を大いに盛り上げてくれる。それでいて購入後の拡張の余裕を少し持っており、HDDや拡張カードの追加に堪えるスペースや電源容量を備えている。
厳しいプレイ環境を要求するタイトルが毎年増えるFPS業界だが、マウスコンピューターのGAME Watchモデルを手に入れれば、しばらくの間は、快適なゲームプレイが保証できると断言しよう。