PCゲームレビュー「バトルフィールド 4」
バトルフィールド 4
ゲームバランスはプレーヤーの個性を重視する方向へ
(2013/11/15 00:00)
ゲームバランスはプレーヤーの個性を重視する方向へ
本作では前作「BF3」と同様に膨大な武器・搭乗兵器が登場する。その大半がプレイスコアを蓄積することでのレベルアップ等によるアンロックで使用可能になっていく仕組みだ。
4つの基本クラス「突撃兵」、「工兵」、「支援兵」、「偵察兵」それぞれに1ダースほどのアンロック武器と、武器それぞれに20ほどのカスタムパーツのアンロック要素が存在する。1つの武器を極めるだけでも500キルは必要になるため、全解除への道は果てしなく遠い。
その中で、本作では特定の武器が単に強い・弱いという状況を注意深く避けている様子で、例えば前作「BF3」のように“炸裂弾・IRNV装備のオートマチックショットガンが最強”ということはない。ちなみに今回はアンロック要素から排除され、いくつかの戦場に1つだけ湧き、拾って刹那的に使用するレアドロップ武器に変更された。
アサルトライフルに限って言えば、レベル進行に応じてアンロック可能なものが10種類ほどあるが、それぞれのダメージ量・精度・射程距離のパラメータは極めて似たり寄ったりだ。違いといえば形状と連射速度くらいで総合的な強さはそう変わらず、むしろ見た目が好きな武器を使えばそれでいいという感じである。
性能の違いを出すのはむしろ武器につけるカスタムパーツのほうで、バレル、アンダーバレル、ストック、サイトといった部位に何を付けるかによって、使い勝手がかなり変わってくる。ここを自分好みに調整することが本作における武器の強化の本質だ。
確かに、相変わらずIRNV(赤外線ナイトビジョンサイト)は敵が視認しやすく使いやすいが、相手のレーザーサイトやフラッシュライトを向けられると完全に視界を失うなど弱点が強調されるようになっていて、性能バランスはよくとれている。
搭乗兵器は、受けた損害によって機動力が低下するなどシミュレーション要素が入り、全体的に歩兵状態に対して圧倒的な活躍をすることが難しくなった。進行度レベルで手に入るアンロック要素も一長一短で、例えば戦車で車両ダメージを増加させる「HE弾」を付けると弾道が山なりになりすぎて遠距離での撃ち合いに滅法弱くなったりする。近距離では確かに強いので状況によりけりだが、結局は自分のプレイスタイルに合ったものを選ぶのが1番正しい、というバランスだ。
このほかカスタム要素としては武器につける膨大なカモフラージュパターンや、前作から引き続き登場のカスタムドッグタグ、それに加えて自由にデザインできるエンブレムといった要素があり、ゲームの中に“自分らしさ”を出せる余地がよく整えられている。
もともと「BF」シリーズは、あまり多くない武器や兵器の選択の中で、プレイを通じて個性を出していくゲームだった。本作も、敵を倒すことだけなく、敵をスポットすること、拠点を占領すること、味方を回復させること、あるいはただそこにいること、などなど様々なプレイでスコアを稼げるゲームだ。それを考えれば、使用武器に大きな差をつけない調整は理にかなっていると思う。少なくとも、腕の差や立ち回りの工夫で違いを見せようという気になるので、射撃を極める、立ち回りを工夫するといった、試合そのものの面白さに集中できるのがいい。