★ PS3/Xbox 360ゲームレビュー★
バリエーション豊かな対戦ルールを収録!
乱戦ならではのバトルが堪能できる格闘アクション!
「MAX ANARCHY」
ジャンル:
  • 乱戦格闘アクション
発売元:
開発元:
  • プラチナゲームズ
プラットフォーム:
  • Xbox 360
  • PS3
価格:
7,980円
発売日:
2012年7月5日
プレイ人数:
1人(オンライン時 2~16人)
レーティング:
CERO:D(17才以上対象)

 7月5日、株式会社セガからプレイステーション 3/Xbox 360「MAX ANARCHY」が発売された。多彩なネットワーク対戦が楽しめる乱戦格闘アクションだ。開発はプラチナゲームズ株式会社。

 セガ×プラチナゲームズの協力体制で作られたゲームには、「BAYONETTA」や「無限航路」などがあるが、本作には「BAYONETTA」から主人公の「ベヨネッタ」が参戦している。初回限定特典として付いているダウンロードコードを入力することで使うことができる。

 なお、本レビューにはPS3版を使用しており、操作方法についてもPS3版のものとなっている。



■ 簡単操作ながら、格闘ゲームの要素が詰め込まれたバトルシステム!

 各アクションに難しいコマンド入力の必要はない。ボタンを順番に押せば連続攻撃が繰り出せるし、他のアクションもボタン2つの同時押し程度のものだ。操作は簡単ながら、攻撃のバリエーションは多く、うまくつなげることができれば、多段ヒットコンボも生み出せたりと、やり込みがいのあるバトルシステムに仕上がっている。また、3D対戦格闘ゲームではお馴染みの、ガードには投げ、投げには打撃、打撃にはガードといった3すくみの要素も取り入れられている。早速、バトルシステムを構成する数々のアクションについて紹介したい。

■ 弱攻撃と強攻撃

 攻撃の基本となるのが、弱攻撃(□ボタン)と強攻撃(△ボタン)。弱攻撃は出が早いがダメージは低く、強攻撃は出は遅いがダメージが高い。キャラクターによって使える攻撃は異なるが、□□△などと入力すれば連続攻撃となる。また、キャラクターの体格が大きいと1撃の威力は高いが手数は少ない、体格が小さいと1撃の威力は低いが手数が多いといった傾向もある。どんな技があるのかはトレーニングモードのコマンド表で確認できる。

 相手を浮かせるコンボ始動技の多くは強攻撃。△や△□で相手を浮かせてから、無防備な相手にコンボを叩き込むわけだ。乱戦のため、途中で邪魔されてしまうことも多いが、1回のコンボで高いダメージを叩き出せるかどうかは、勝敗に大きく影響するので練習しておきたい。

 連続入力による攻撃で面白いのがディレイ入力。例えば、□□・□と間を空けてボタンを入力することで技が変化する。相手の横に回りこんで攻撃する技もあるので、状況に応じて使い分けたい。

 大半のキャラクターは、△ボタンを押しっぱなしにすることで突進攻撃を行なえる。突進するだけあって、通常の攻撃よりも射程が長く、さらに△ボタンを押す時間を長くすれば敵のガード状態を崩してくれる。

 左スティックとの組み合わせも重要。例えば、弱攻撃の際、左スティックと組み合わせると入力方向へのリーチが少し長くなる。コンボを決める場合などに重宝するテクニックだ。また、左スティックは移動操作に使うのだが、一定距離移動するとダッシュ移動となり、ダッシュ中に△ボタンを入力すれば、ダッシュ攻撃となる。このダッシュ攻撃は左スティックを同方向に2回入力してから△ボタンでも繰り出せる。ダッシュ攻撃がコンボ始動技となるキャラクターもいるので、使うキャラクターによってはマスターしておきたいアクションだ。

 ジャンプ(×ボタン)から□や△ボタンを入力すれば空中での攻撃に。上昇中に△ボタンで対空攻撃、下降中なら対地攻撃となる。□ボタンは上昇下降に関係なく同じ攻撃になる。キャラクターにもよるが、(上昇中)△→□→□→(下降中)△ボタンのように、1度のジャンプで複数回の攻撃が可能で、コンボにも組み込める。通常×ボタンはジャンプだが、敵に吹っ飛ばされた際の着地時に入力すれば受け身となる。自分がコンボを食らった場合は、受け身を取らないと無防備なダウン状態に追撃を受けてしまうので注意が必要だ。また、本作では地面があればどんな高さから飛び降りてもノーダメージで着地できるが、一定以上の高さだと着地時に隙が生まれてしまう。この隙も受け身でなくすことができる。


ボタンを続けて押すだけで連続攻撃が繰り出せる。コンボ始動技の多くは△や△□。△での攻撃をヒット確認してからコンボに繋げたい。ヒット確認できる時間は結構長いので、練習すればすぐにできるようになるだろう

■ ガード

 打撃に対してはガード(R1/R2ボタン)が有効。移動速度は遅めながら、ガードしながらも移動できるので使いやすい。受けてしまったらコンボとなる連続攻撃も1度ガードしてしまえば、ガード入力を外しても、他のアクションを行なわない限り、残りの攻撃を自動でガードしてくれる。

 敵の攻撃を受け続けたり、突進攻撃を受けるとガード状態が崩れてしまう(ガードブレイク)。ガードは重要な防御手段だが、ガードブレイク中は無防備になってしまうので、ずっとガードしているわけにはいかない。ある程度ガードしたら、回避するなり、他のアクションへと移行すべきだ。

打撃に対してはガードが有効。ガードし続けるとガードブレイクになってしまうので、ある程度ガードしたら、別の行動を取り、ガードブレイクされないように気をつけたい

■ 回避

 R1/R2+×ボタンでは回避行動が繰り出せる。左スティックを入力しておけば入力方向へ回避できる。ガード状態から×ボタンを押せばいいので使い勝手は非常にいい。3回連続して回避すると隙が生まれてしまうが、途中に別のアクションを挟めば隙は生まれない。

転がって攻撃を免れることのできる回避は、ガードと共に習得必須な防御手段。ガードと回避を使って、相手の攻撃を凌ぎ、攻勢に転じたい。

■ 掴み攻撃

 掴み攻撃(○ボタン)は、敵のガードの有無に関係なく攻撃できるアクション。正面、背後、ダウン中と相手の状態により、自動的に異なる掴み攻撃になる。掴み攻撃は、ガード中の相手に決められるだけでなく、成立すれば攻撃終了まで無敵となり、他の敵からの横槍が入らないといったメリットもある。間合いは広く、弱攻撃や強攻撃からスムーズに掴み攻撃へと繋げられるので、決められるチャンスは多い。

 掴み攻撃は、掴まれてからタイミング良く○ボタンを入力することで投げ抜けが可能。掴まれると専用の投げカメラになるので、すぐに○ボタンを入力するようにしたい。

 体格の大きいキャラクターは2人を同時に投げることができ、さらに○ボタンを押しっぱなしにすることで突進投げが行なえる。乱戦中の一群に突進投げで突っ込むなんてのも悪くない。

 廃車やドラム缶など、ステージにあるオブジェクトを掴むのも○ボタン。掴んだオブジェクトは、△/□ボタンで敵を殴り、○/R2ボタンで投げる。L2ボタンを押せば狙いを定めることもできる。

防御を固める相手には投げが有効。投げ抜けされる可能性はあるが、成立すれば、他の敵からの攻撃を受けずにダメージが取れる。ダウン中の相手にも決められるので、受け身を取らない相手にも有効だ。体格の大きいキャラクターは1度に2人を投げることができる。その分、どちらかが投げ抜けを成功させると、2人とも投げ抜けされてしまう
ダメージを与えるだけでなく、一定時間動けなくするなど、オブジェクトを使った攻撃は強力。近くに敵がいなければ、積極的にオブジェクトを拾い、攻撃しよう

■ 全方位攻撃

 □+×ボタンを入力すれば全方位攻撃に。体力を一定量消費するものの、地面に足が付いた状態であれば、敵の攻撃を食らっている最中でも出せるし、無敵時間もある。複数の敵に囲まれた場合や仕切りなおしたい場合に有効だ。

 便利な全方位攻撃だが、失敗した際の隙は大きく、全方位攻撃を後だしされると負けてしまう。ヒットの有無に関係なく体力を消費してしまうこともあるので多用は禁物だ。

与えられるダメージは少ないが、緊急回避手段として有効な全方位攻撃。囲まれた場合などはすぐに使うようにしたい。また、全方位攻撃なら敵の連続攻撃の最中にも割り込んで反撃できる

■ アイテムと武器

 ステージ中のアイテムボックスを壊すと、アイテムや武器が手に入る。これらは2つまで所持でき、方向キーの左右で選択して使用する。アイテムには、一定の衝撃ダメージを無効化できるバリア、爆撃機による援護爆撃を要請できる空爆などがあり、選択後すぐに効果を発揮する。武器は選択すると装備し、L2ボタンで構え、R2ボタンで使用する。武器の威力は高いが、弾数に制限があるため、好きなだけ撃てるわけではなく、1度装備すると使い切るまでキラーウェポン(後述)は使用できなくなってしまう。

 武器の中には、1発で半分以上体力を減らせるものがあったりと、アイテムや武器には高性能なものが多い。アイテムボックスを見つけたら、積極的に破壊し、アイテムや武器を手に入れたい。


■ ロックオン

 攻撃は向いている方向に繰り出されるのだが、L1ボタンでロックオンしておけば、注視点がロックオン対象に固定され、攻撃も自動追尾してくれる。ロックオン中は右スティックの左右で対象の切り替えが可能。

 コンボを決める場合などにはロックオンしておくことで成功率が高まるので、基本的にはロックオンして攻撃するのがいいだろう。また、相手を追いかける場合にもロックオンが有効。ロックオン中は移動速度が上がるからだ。

 ロックオン中は注視点が対象に固定されるため、逃げる際に後ろへ振り向く場合などには再度L1ボタンを押してロックオンを解除しておきたい。

ロックオンせずとも攻撃は可能だが、ロックオンすれば攻撃が対象を追尾するため、決めやすい。オブジェクトを投げる場合にも、ロックオンしておけば、投げる方向がロックオン対象に固定されるので、狙いをつけやすい

■ キラーウェポン

 本作には、体力ゲージ、キラーウェポンゲージ、レイジゲージと3つのゲージがある。この内、キラーウェポンゲージを消費して繰り出せるのが、キャラクター固有の武器を使ったキラーウェポンによる攻撃だ。コマンドはL2ボタン+□/△ボタンで、□ボタンならゲージ1ブロック、△ボタンならゲージ2ブロックを消費する。キラーウェポンゲージは、通常攻撃をヒットさせる、攻撃を受ける、挑発する(方向キー上)などで回復。通常攻撃ヒットによる回復量は大きいため、うまく通常攻撃を織り交ぜて戦うことでキラーウェポン攻撃は多用できる。例えば、主人公の1人ジャックであれば、△□→□□□・□△と1連のコンボを決めただけで、3ブロック近く回復するといった具合だ。

 ゲージを消費するだけあって、キラーウェポンの威力は高い。通常弱攻撃をキャンセルして出す事もでき、発生の早いL2+□ボタンの弱キラーウェポンは様々なコンボに組み込める。その威力の高さから、1度のコンボで半分以上の体力を奪うことも可能だ。強キラーウェポンは出が遅いものの、2ブロック消費だけあって威力は圧倒的。キャラクターにより違いはあるが、決めることができれば1発で体力ゲージ半分程度のダメージを与えることができる。ジャンプからもキラーウェポン攻撃は可能なため、ジャンプ攻撃のコンボに組み込むこともできる。

キラーウェポンを使えば一気に敵の体力を削れる。キラーウェポンゲージは消費するが、すぐに回復できる。決められる場面ではきっちり決めていきたいアクションだ

■ レイジ解放

 敵にダメージを与えたり、ダメージを受けることでたまるレイジゲージがMAXの状態でL3+R3ボタンを入力すればレイジ解放となる。レイジ解放中は体力が回復し、かつ無敵状態に。さらにゲージを消費せずにキラーウェポン攻撃が使え、通常攻撃ヒット時には大ダメージを与えられるラッシュ技に自動的に変化する。レイジ解放中はレイジゲージが徐々に減っていき、使い切るとレイジ解放は終了となる。

 レイジ解放中は無敵だが、互いにレイジ解放中のキャラクターの攻撃がぶつかると、レイジ合戦が発生する。レイジ合戦では画面に表示されたボタンを連打し、負けた方はレイジゲージが0となり、強制的にレイジ状態が解除されてしまう。

 ゲージはたまりにくいが、強力なレイジ解放。一気に敵を倒したい場合だけでなく、無敵と体力回復があるため、やられそうな場面での緊急回避にも使っていける。自分がレイジ解放している場面なら、ガンガン攻めていきたいが、敵がレイジ解放しているなら近寄らないのが得策だ。


レイジ解放中は、無敵になり、体力も回復。その上、キラーウェポンは使い放題、通常攻撃はラッシュ技になったりと、一定時間大幅にパワーアップする。ラッシュ技はボタンを連打することでヒット数・ダメージが大幅に増加する


■ 多彩なルールで楽しめるネットワーク対戦!

 本作の醍醐味はネットワーク対戦にある。対戦ルールも豊富で、ルールによって遊び方も大きく変わってくる。また、ネットワーク対戦では、アビリティと呼ばれる特殊能力、キル数によるレベルアップ、ランクといった要素も存在する。

■ アビリティ

 アビリティは1つだけセットできる特殊能力。対戦ルールにより、使用可否が決まっている。全ての通常コンボ攻撃の威力が1.2倍になる「デストロイヤー」、全方位攻撃を出しても体力ゲージが減らない「360°マスター」、ガード耐久力が5倍になる「ガードマスター」など、その性能は様々だ。

 アビリティは、ストーリーモード(後述)で条件を満たしたり、ランクを上げることでアンロックされる。ランクは、ネットワーク対戦をプレイすることで得られるXPをためることで上がっていく。最大ランクは50。

■ レベルアップ

 レベルアップは連続キルを重ねることで、体力ゲージやキラーウェポンゲージの上限が上がる要素。アビリティと同様に、対戦ルールにより、レベルアップの有無が決まっている。なお、倒されてしまうと、レベル1からの再スタートになる。

 レベルは最大で3なのだが、レベル3になると、一部のコンボやため攻撃に属性効果が付与される。一定時間、移動とジャンプ以外の動作ができなくなる「炎属性」、一定時間、身動きが取れなくなる「氷属性」など、全4種類があり、どの属性になるかはキャラクターにより決まっている。また、同属性のキャラクター同士では、属性攻撃の効果時間が短縮される。

■ 対戦ルール

【対戦ルール一覧】
名称人数プレイ時間勝利条件アビリティレベルアップリスポーンタイプ
バトルロイヤル最大16人10分個人獲得ポイント1位時間固定型
チームデスマッチ8人(4人×2チーム)10分20キル達成時間固定型
タッグバトル8人(2人×4チーム)10分チーム合計ポイント1位移動型
タッグデスマッチ4人(2人×2チーム)5分チーム合計ポイント1位××即時復活
デスマッチ4人5分個人獲得ポイント1位××即時復活
ケージマッチ2人1ラウンド99秒3ラウンド先取××
キャプチャー・ザ・フラッグ8人(4人×2チーム)10分より多くのフラッグを陣地に持ち帰る時間固定型
3チーム・キャプチャー・ザ・フラッグ6人(2人×3チーム)10分より多くのフラッグを陣地に持ち帰る時間固定型
チームバトル8人(4人×2チーム)10分先に敵チームの隊長を10キル××移動型
デスボール8人(4人×2チーム)10分より多くの得点を稼ぐ××時間固定型
サバイバル3人(協力戦)10分チームが全滅することなく10ラウンド制覇××時間固定型

 上記の通り、対戦ルールは、個人戦、チーム戦、1対1など多彩。スポーツに似たルールで勝敗を競うものまで用意されている。この中から、いくつかの対戦ルールについて紹介したい。

 ○ バトルロイヤル

 自分を含めた16人が全て敵同士という、本作を象徴する最大規模の乱戦ルール。とにかく多くの敵や上位の敵をキルすることがトップへの近道。キル=トドメをさすことなので、逃げ回りつつ、体力が減ったプレーヤーを見つけたら攻撃なんてのも有効。


 ○ ケージマッチ

 1対1の対戦格闘ゲームのようなルール。乱戦ではないため、頼れるのは己のみ。技量が問われるため、上級者と当たると圧倒されることは必至だが、コンボや1対1での立ち回りを勉強するのに適している。


 ○ キャプチャー・ザ・フラッグ

 敵チームのフラッグを自分の陣地に、より多く持ち帰った方が勝利となるチーム戦。フラッグを取る、キャリアーを守るといったことが要求されるため、連携が重要になる。


 ○ チームバトル

 役職が任命される戦略性の高いチーム戦。役職は一定時間ごとに任命され、チーム内順位により、役職が決定される。隊長はチームトップのプレーヤーが任命され、お互いに敵の隊長をキルした数が勝利条件となる。チーム最下位のプレーヤーは衛生兵となり、キラーウェポンが使えなくなる代わりに、L2ボタンを押し続けることで味方を回復したり、倒されたプレーヤーを即座に復活させることが可能。倒されたプレーヤーは、マーカーを移動することができるので、衛生兵自身が移動せずとも、マーカーを衛星兵の側に持っていけば復活してもらえる。


 ○ デスボール

 4対4のチーム競技で、緑色のボールをゴールに入れると1得点となる。最初、ゴールは閉じた状態だが、一定時間ボールを持ち続けると敵ゴールが開く。ボールはパスすることもできるので、敵にボールを奪われないように立ち回ることが鍵となる。


 11種類もの対戦ルールに加え、他にも武装ヘリで対戦する「ドッグファイト」、キャラクター設定に基づいたチームなど、個性的なチームと戦える協力プレイの「マッドサバイバル」の2ルールが存在する。この2ルールは、ゲームプレイでアンロックされないDLC。7月19日から「EXTRA RULE PACK」として有料配信されているので、気になる人は遊んでみて欲しい。

 個人での実力を試したいなら、バトルロイヤルやデスマッチ、個人での実力に不安はあるけど対戦を楽しみたいならチームタイプのルール、対戦は苦手なら、協力プレイのサバイバルと、プレイスタイルに応じて、ルールを選び、楽しめるようになっている。


■ マッチング

 ネットワーク対戦を行なうNETWORKメニューには、XPが獲得でき成績がランキングに反映される、真剣な対戦を望むプレーヤー向けの「RANKED MATCH」、XPは獲得できるが成績がランキングに反映されない、気軽に対戦したいプレーヤー向けの「PLAYER MATCH」、ルールを自由に設定し、招待したプレーヤー間で対戦できる「PRIVATE MATCH」、ランキングが閲覧できる「LEADERBOARDS」、招待メッセージが確認できる「FRIEND」が用意されている。

 「RANKED MATCH」と「PLAYER MATCH」では、回線の相性がいいものに自動で参加する「QUICK MATCH」、ルールや優先接続地域などの条件を設定して対戦セッションを探す「CUSTOM MATCH」、好きな条件で対戦セッションを作成し、他プレーヤーの参加を待つ「CREATE MATCH」が選択できる。

 マッチングは良好で、大きなラグを感じることなく対戦できる。ランクは下がることはなく、「LEADERBOARDS」で公開されるのは1試合での最高スコア(キル数・デッド数・キルレート含む)だけということもあってか、主流は「RANKED MATCH」のようで、「RANKED MATCH」ではすぐに人数が揃って対戦を始めることができた。逆に「PLAYER MATCH」ではなかなか人が集まらなかった。

 発売の1週間後にあたる7月12日時点で確認した限り、対戦したプレーヤーの半数以上は最大ランクの50で、プレイのレベルも高い。ただ、常に上位を狙うなら、それぞれのルールにおける立ち回り、ダメージの取れるコンボなどを習得していなければならないが、横槍を入れやすい乱戦であり、トドメをさすだけでも高ポイントが獲得できる本作では、ルールにもよるが、初心者であってもたまになら好成績を残すことができるだろう。また、順位が低くともXPは獲得でき、対戦数を重ねれば誰でも最高ランクに到達できるので、好成績が残せなくても継続してプレイするモチベーションは保てるのではないだろうか。



■ ストーリーやチュートリアルなど充実の1人用モード!様々な状況を再現して練習できるトレーニングモードは、ネットワーク対戦プレーヤーにも欠かせない!

 オンライン対戦だけが注目されがちな本作だが、ストーリー、チュートリアルなど、1人用モードも充実している。

■ ストーリー

 ストーリーモードでは、凄腕チェイサー・ジャック、治安維持局のエージェント・レオの2人から1人を選んでプレイする。1つの物語が各々の視点で描かれるのだが、2人はいつも一緒にいるわけではなく、描かれるシーンの多くはそれぞれ異なるため、両方を新鮮な気持ちでプレイできる。

 ストーリーでは、敵を倒したり、ミッションをクリアするとポイントが加算され、ポイントが一定に達すると新たなミッションがアンロックされる。周辺の敵を倒す→ポイントが一定に達する→ミッションがアンロック→ミッションクリア→ポイントが一定に達する→新たなミッションがアンロックといった流れだ。ミッションには何度もプレイできるフリーミッション、物語の進行に関係するメインミッションの2つがあり、メインミッションをクリアしていけば、物語が進み、ステージクリアへと近づいていく。基本的にフリーミッション、メインミッションが交互にアンロックされていくので、新たにアンロックされたミッションをクリアしていけば、自然とクリアできる。何度も挑戦できるということから、ポイント稼ぎに同じフリーミッションを何度もプレイしなければならないと思われるかもしれないが、好成績を残すことができれば、次のミッションアンロックに必要なポイントを1回で稼げるようになっている。

 難易度にもよるが、ノーマルであれば、難しいコンボなどは必要なく、サクサクと進めることができる。ネットワーク対戦で使用できるキャラクターのアンロックにも関わっているので、1度はプレイしておきたいモードだ。



■ チュートリアル

 チュートリアルモードでは、「基本アクション」、「基本攻撃」、「掴み攻撃」、「特殊攻撃」、「防御・回避」、「アイテムの使い方」、「実戦」の7レベルに区分けされたステージがあり、プレイしながら基本的な操作が学べる。

 前述の通り、1つ1つのアクション操作は簡単だが、具体的な使い方なども教えてくれるので、初めてゲームをプレイする場合にはまずチュートリアルをプレイしておくのがいいだろう。


■ トレーニング

 トレーニングの「プラクティス」では、CPU相手に対戦の練習が行なえる。キャラクターやアビリティの選択、コマンド表示、各種ゲージや武器アイテムの設定が可能なことに加え、最大3体のCPUキャラクターを登場させることができる。

 CPUに対して設定できるのは、CPUレベル(3段階)、通常行動、ダメージ行動の3つ。通常行動は、待機、素手攻撃、キラーウェポン攻撃、ジャンプ、ガード、回避などが、ダメージ行動は、ガードや受け身などが設定できる。

 コンボや特定のシチュエーションを再現しての練習ができるので非常に重宝する。特にコンボの練習はしっかりしておきたい。実際プレイするとわかるのだが、コンボのバリエーションはかなりある。ネットワーク対戦のプレーヤーや各キャラクターのコンボ動画が公開されている公式サイト(プラチナサイド)を参考にしつつ、自分に合ったコンボを見つけるのがいいのではないだろうか。

 トレーニングでは、「シミュレーター」も用意されている。ネットワーク対戦のルールで、CPUと戦えるモードだ。基本的に戦うだけでいいバトルロイヤルといったルールはともかく、デスボールなどの特殊なルールがオフラインで練習できるのはありがたいところだ 。




■ 最後に

 1対1の格闘ゲームは腕前の差が大きく、複雑な技のコマンド、フレーム数、確定反撃など覚えることも多いが、本作は操作系もシンプルだし、多くのプレーヤーに入り混じって戦うことができるため、それほど多くの知識がなくても充分に勝負できる。では、スキルは関係なく運任せのゲームかというと、そんなことはない。コンボでのダメージアップ、立ち回りなど、上手くなれば結果も伴ってくる。知識や技術差が通常の対戦格闘ゲームより小さく、知識が無くてもうまく立ち回れれば、いつもビリになることはないし、時には上位に食い込めるといった印象だ。

 ストーリーモードのプレイ時間は、1~2時間程度×4ステージ×2キャラクター+α(3つの難易度を全部遊ぶならさらに3倍)と、ネットワーク対戦主体のゲームながらオフラインのモードも充実。トレーニングやCPUとの仮想対戦など、ネットワーク対戦を遊ぶために必要な練習を1人でじっくりできるのも嬉しい。

 対戦を主眼に置いて開発され、多くの対戦ルールを搭載した本作の楽しさはやはりネットワーク対戦にある。そのため、対戦相手の多い、発売から近い時期のプレイがオススメだ。遊びたいと思ったのならすぐにゲームを始めてもらいたい。


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(2012年 7月 19日)

[Reported by 木原卓 ]