★ PS3ゲームファーストインプレッション★
「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズを手がけるサンタモニカスタジオの手により生み出された
PlayStation Move専用アクションRPG
「LORD OF SORCERY」
ジャンル:
  • アクションアドベンチャー
発売元:
プラットフォーム:
  • PS3
価格:
3,980円
発売日:
2012年6月14日
プレイ人数:
1人
レーティング:
CERO:B(12才以上対象)

 6月14日、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントからプレイステーション 3「LORD OF SORCERY」が発売された。「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズや「風ノ旅ビト」などのヒットタイトルを手がけてきたサンタモニカスタジオによるPlayStation Move専用タイトルだ。



■ 見習い魔法使いの少年フィンとなり、魔法を使って敵を倒し、謎を解くアクションアドベンチャー。 美しいグラフィックスにも注目!

 見習い魔法使いの少年フィンは、師匠の留守中に魔法の杖を拝借し、その魔法の杖の能力に浮かれ、師匠の作りかけの薬を爆発させてしまう。薬は元通りにならないものの、薬の材料を揃えておかなくては怒られると考えたフィンは、材料の在り処を知るという喋る猫のアーリンに導かれ、薬の材料を求め、恐ろしい怪物たちがうごめくロックバロー島へと赴く。島の奥へ進み、怪物を倒すとアーリンの体に異変が起きる。アーリンは何者なのか?怪物たちが街の人間を襲う理由は?数々の謎を解き明かすため、フィンたちはナイトメアの女王に支配された王宮を目指す。

 実際の操作方法は後ほど紹介するが、プレーヤーはフィンとなり、魔法を駆使して怪物を倒し、謎を解きながらゲームを進めていく。戦闘、謎解きはそれほど難しいものではなく、プレイしながらのチュートリアルやヒントが用意されているため、進行で迷うことはなく、サクサクとゲームが進められるだろう。マップもそれなりに広さはあるが、迷うような作りではないし、マップがいつでも閲覧できるので安心だ。

 海外製ながら、ゲーム中のボイスは全て日本語に置きかえられている。また、日本語字幕を表示することもできる。




■ PS Moveモーションコントローラを魔法の杖に見立て、数々の魔法を繰り出す!魔法を組み合わせれば合体魔法に!

 本作ではモーションコントローラ、ナビゲーションコントローラ or DUALSHOCK 3を持って操作する。ナビゲーションコントローラ/DUALSHOCK 3側は、アナログスティック、L1/L2 or R1/R2ボタンが必要になる。操作関連のオプションはないが、アナログスティックは左右どちらでもOKなので、DUALSHOCK 3を使う場合であっても、左右好きな方にコントローラを持つことができる。

 魔法の杖のアクションはモーションコントローラで行なう。魔力のこもった弾丸を飛ばすガンド、地面を隆起させるアース・ストライク、氷の矢を放つアイスなど6種類の属性がある。ガンド以外の魔法の使用には魔力が必要で、1度に使える回数に制限があるので、普段はガンドを使い、状況に応じて各属性魔法を使っていくことになる。

 魔法はPlayStation Eye(カメラ)に対し、モーションコントローラをどう振るかで攻撃する位置や攻撃方法が変化する。高台にいる敵に攻撃したければPS Moveを高めで振り、画面左側に位置する敵に攻撃したければ左前方向に振るといった具合だ。それほど大きく振らずとも攻撃できるので、小さく振って攻撃すると、狙った位置に攻撃しやすいのでオススメだ。また、各魔法独自の操作があり、魔力の弾丸を打ち出すガンドであれば、捻るように振ることでカーブをかけ、岩場に隠れた敵を攻撃することができる。これに関しては少し慣れが必要だが、本作ではキャラクターが自由に移動できるので、直線的な攻撃がヒットする位置までフィンを移動させることでも解決できる。

 ウィンドなら風を巻き起こし、巻き込んだ敵を気絶させる、フレイムなら炎の壁を作り出し、敵の接近を阻むなど、各魔法には特徴があり、戦闘・謎解き共に状況に応じて使い分けていく。アース・ストライクならMoveボタンを押しながらモーションコントローラを下に振り下ろす、ライトニングならMoveボタンを押しながらモーションコントローラを左右に振るといったように、魔法はMoveボタンを押しながら特定の振り方をすることで切り替えられる。激しい戦闘中での切り替えが難しいと思われるかもしれないが、Moveボタンを押している最中は時間の流れがゆっくりになるため、その点は安心してもらいたい。

 属性魔法を特定の順番で重ねて発動することで強力なコンボ魔法が生み出せるのも本作の魅力の1つ。例えば、フレイムウォールを作り、炎の壁にトルネードを通過させれば、巻き込んだ敵を燃やしながら移動するファイヤーストームが生み出せる。2つだけでなく、3つ組み合わせることもできたりと合体魔法の種類は様々で、組み合わせを探す楽しみがある。

フレイムでコントローラを下に向けつつ横に振れば地面にフレイム・ウォールになる。この状態で素早くウィンドに切り替え、コントローラを上に振り上げるトルネードを通過させればファイアーストームになる

 ナビゲーションコントローラ/DUALSHOCK 3では、アナログスティックでキャラクターの移動、L1/R1ボタンでカメラリセット、L2/R2ボタンでシールドの操作を行なう。DUALSHOCK 3なら、親指でアナログスティックを、人差し指や中指でL1/L2ボタンを押すわけだ。移動やシールドが即座にできるよう、常に指をかけて、ボタンを押せるようにしておきたい。

 ディフェンス面では、移動や前転(アナログスティック+×ボタン)での回避、シールドでの防御が重要になる。立ち止まらないようにしつつ攻撃するのがいいだろう。また、シールドでの防御中に×ボタンを押せば、近くの敵を押し返すシールドアタックが可能。さらにシールドアタックにはガンドの弾丸を跳ね返してしまう盾を持つ敵の盾を破壊する効果もある。

 他にも周囲の敵に攻撃するルーン・ストライク、大きなものを動かすテレキネシス、壊れたものを直すリストアなど、様々な魔法が存在する。これらを駆使し、敵を倒しつつ、ステージの各所にある謎を解いて、ゲームを進めていく。

シールドと前転を使いこなし、余計なダメージを受けないようにしたい
行く手を阻む障害物を動かしたり、壊れた橋を直したりと、戦闘以外でも魔法が活躍する。ネズミに変身して人間の姿では通ることのできない道を進んだり、鳥に変身して空を飛んだりと魔法世界ならではのアクションが満載だ



■ 錬金術でポーションを作り出し、フィンの能力や魔法を強化!

 物語が進んでいくと魔法は増えていくが、レベル制ではないため、戦闘を重ねることではフィンは強くならない。ポーションを飲むことで、フィンの能力や魔法の効果がアップする。

 基本的にポーションは錬金術で生み出す。錬金術に必要な素材はステージ中や錬金術師から得られ、素材3点の組み合わせを調べることでポーションの効果が判明し、調合できるようになる。素材を選べばポーションが完成するのではなく、粉を振る、液体を注ぐ、混ぜるなど、モーションコントローラを使ってポーションを作成する。

 完成したポーションもただボタンを押して使用するのではない。ポーションは振って活性化させてから飲む必要があるため、モーションコントローラを一定回数以上振り、実際に飲むように傾けて使用する。これは体力回復ポーションも同様で、戦闘中にポーションを使うには、振る→飲むの動作が必要になり、瞬時に回復することはできない。早めの使用が肝心だ。

素材3点の組み合わせを調べると、その素材で出来上がるポーションの効果が判明し、作成できるようになる
ポーションは体力回復、能力アップと多方面で活躍する。モーションコントローラを振ってポーションを活性させ、実際に飲むように傾けて使用する



■ 最後に

 数々のヒットタイトルを生み出してきたサンタモニカスタジオが開発、久しぶりのPS Move専用タイトルということもあり、PS Moveユーザーには気になる1本だろう。PS Moveモーションコントローラを魔法の杖に見立てて遊ぶというPS Moveの特徴に合ったゲーム性で、それほど難しい操作も必要なく、子供から大人まで楽しめるタイトルに仕上がっている。

 操作はゲーム中にプレイしながら習得できるようになっているし、謎解きの面でもヒントが適宜出されるので詰まることもないだろう。簡単な操作とはいえ、操作の種類は多いので、ゲーム中に操作を確認できるオプションが用意されていない点は少し残念。ダウンロード版のユーザーはオンラインマニュアルを確認してみよう。

 少年が主人公、魔法・ファンタジーの世界と、親子で遊ぶにはもってこいのタイトルだ。モーションコントローラを振ると、画面の中でフィンが魔法を繰り出す、これだけでも子供には喜ばれるのではないだろうか。美しい世界や魔法のエフェクトもムードを盛り上げてくれる。ゲーム中いつでも難易度が変更できるので、難易度の面でも安心。ただ子供向けというわけではなく、複数の魔法の組み合わせによる合体魔法、高難易度、育成要素など、大人でも充分楽しめるだろう。

 ゲーム性やグラフィックスもさることながら、良心的な価格設定も嬉しい本作。PS Moveユーザーであれば手に取ってみてはいかがだろうか。


Amazonで購入

(2012年 6月 14日)

[Reported by 木原卓 ]