2011年12月22日にKONAMIから発売された新作RPG「フロンティアゲート」。開発はKONAMIと「スターオーシャン」シリーズ、「ヴァルキリープロファイル」シリーズ、「エンド オブ エタニティ」など数々のRPGを手がける株式会社トライエースが担当している。
ロード時間を短縮できるデータインストールに対応しており、利用するには350MB以上の空き容量が必要。PSP-3000、SanDiskの8GB Ultra II Memory Stick PRO Duoの環境で、インストールに必要な時間は5分程度であった。場面切り替えが多めなので利用することをオススメしたい。
■ 未知の大陸フロンティアを舞台に繰り広げられる開拓者の物語!クエスト制で迷うことなく進められる!
2人の若き開拓者によって発見された新大陸「フロンティア」―― 世界中の人々が外の世界へと乗り出していく変革の時代。 ある者は、自らの腕を試すため。 ある者は、古代文明の探索のため。 ある者は、隠された財宝を求めて。 開拓者たちは、次々とフロンティアへ上陸し開拓を進めていった。 彼らによって、未知の生物、未知の文明が次々と発見され、この地には豊かな資源が眠っていることが明らかにされた。 まだ見ぬ資源を求めて、各国がフロンティアの領有権を主張する中、国同士の争いを恐れた2人の開拓者の働きで、キルケニア、インデーグ、エイブローの三大国を中心とした「未開拓地協定」が成立。この地の開拓を目指す者、すべてに中立である開拓者ギルドが設立される。 その後、2人は開拓者ギルドの未来を後世に託し、未開拓地の深部へと旅立っていった。伝説の理想郷を求めて―― 彼らは後に、「青の英雄」、「赤の英雄」と呼ばれ、開拓者たちの象徴となった。 時は流れ、2人の英雄が姿を消してから10年―― 朝もやの中、未知の大陸に憧れる者たちを乗せた年初めの船が、「拠点」へと入っていく。その中に、1人の新米開拓者の姿があった。 「君は、何を目指してここに来た?」 |
プレーヤーは新米開拓者となり、未開の地フロンティアへと足を踏み入れる。初回プレイ時には、プレーヤーの分身となるキャラクターを作る。キャラクターメイクで選べるのは、性別、名前、フェイス(21種)、ヘアスタイル(男24種/女27種)、ヘアカラー、体格(3種)、ボイス(20種)となっている。
多数用意されたパーツからプレーヤーの分身となるキャラクターを作る。なお、ヘアスタイルとヘアカラーはいつでも変更できる |
クエスト制が導入された本作では、【拠点】準備→【開拓者ギルド】クエスト受諾→【フィールド】クエスト遂行を繰り返すシンプルな流れで進行する。出てくるクエストをクリアしていけば、物語も進んでいくため、クエストで悩むことはあっても、進行で悩まされることはない。
多くのクエストが登場するが、そのクエストのタイプは大きく分けて、討伐、捕獲、採取、調達、昇級の5つ。討伐・捕獲クエストでは、指定のモンスターを倒したり、捕獲したりする。採取クエストでは、フィールドに点在するポイントを調べてアイテムを獲得し、納品する。調達クエストでは、モンスターのドロップから得られるアイテムを納品する。昇級クエストは、一定以上クエストをこなすと発生するもので、クリアすればフロンティアレベルが上昇し、より難易度の高いクエストに挑戦できるようになる。
拠点で準備し、開拓者ギルドでクエストを受け、フィールドでクエスト達成を目指す。クエストのスタート地点にはキャンプがあり、体力回復などが行なえる | |
ギルドでは様々なクエストを受けることができ、クリアすれば報酬が得られる。提示されている報酬はSランククリア時のものとなる。Sランク獲得にはクリアタイムは一切関係なく、全滅しなければOKなので比較的簡単に取ることができる |
数多くのクエストをこなしていく本作では、快適にクエストが進められるような仕様がいくつも組み込まれている。代表的なものを3つほど紹介したい。
1つ目がマップ。クエストの舞台となるフィールドは、複数のエリアで構成されているのだが、スタートボタンを押すことで、現在のエリア・フィールド全体の2つのマップが閲覧できる。現在のエリアのマップでは隣接するエリアへの出入り口や敵の位置が確認できるし、フィールド全体のマップでは踏破済みの各エリアの繋がりが表示される。多数のエリアで構成される広いマップであっても簡単に目的地へと辿り着けるわけだ。また、フィールド移動中にも画面右上にフィールドマップが表示される。現在のエリアのマップの一部を切り取ったようなもので、プレーヤーに近い場所の情報が記されている。敵の配置も確認できるので、視界の悪いマップでは特に重宝する。
2つ目がクエスト終了後やクエスト画面からの移動の省略。納品系以外のクエストでは、クエストクリア条件を満たすとキャンプ(クエストスタート地点)へと瞬時に戻ることができる。戻るかどうかは任意なので、クエストは達成したが、フィールドをもう少し探索したいなんて場合も安心。キャンプへ戻ることを拒否し、探索が終わってからキャンプに戻りたい場合には、メニューのクエスト画面から○ボタンを押せば瞬時にキャンプに戻ることができる。クエスト画面からキャンプへと戻る機能はクエストの達成に関わらず、常時利用できるが、クエスト未達成の状態で使用するとクリア時のランクが下がり、報酬が減ってしまう。ただし、1度利用しても報酬のお金が減るだけなので、納品系のクエスト後に歩いて戻るのが面倒であれば利用するのも手だ。
3つ目がキャンプ。キャンプでは、休憩(有料でのHP回復)、拠点への帰還、アイテムの納品(納品系クエスト時限定)が可能。回復アイテムが尽きた場合や温存したい場合などに便利だ。拠点への帰還はクエスト達成後などに利用する。未達成時に利用するとクエスト放棄となる。
ゲーム進行に応じて追加されるクエストとは別に、様々な人から入手できるゴシップワード(「どこで?」と「なにが?」)を組み合わせて、プレーヤーがクエストを作成するゴシップクエストという、ちょっとかわったクエストも存在する。例えば、“ピースーの森に”+“潜む怪しい影”とすれば、開拓者ギルドに「ピースーの森で謎の死神を追え!」というゴシップクエストが登録される。ゴシップワードはゲーム中だけでなく、DLCとしても配信されている。
ゴシップワードを組み合わせてゴシップクエストを作る。ゴシップワードは人との会話だけでなく、拠点の中を調べて得られることも。組み合わせにより作り出せるクエストの数はかなり多い |
クエストに挑戦するにはパートナーが必須で、常に2人で行動することになる(オフライン時)。序盤で選べるパートナーは数人だが、条件を満たせば最大15人ものパートナーとペアを組むことができるようになる。パートナーはいつでも変更できるので、誰か1人を選ばなければならないなんてことはなく、好きなパートナーとクエストに挑戦できる。これら15人のパートナーには専用の物語が用意されており、メインストーリーと平行して、選んだパートナーごとに異なる物語が展開していく。
パートナーとして15人のキャラクターが登場する。それぞれのキャラクターに用意されたストーリーを楽しんでもらいたい。パートナーのCVは、阿部敦さん、坂本真綾さん、小清水亜美さん、名塚佳織さん、鈴村健一さんら豪華声優陣が担当している |
拠点にはショップなど、冒険に有用な施設が数多く存在し、ゲームを進めることで拠点は拡張されていく。どの施設も冒険に有用なものだが、頻繁にチェックしておきたいのが連絡掲示板。アイテムの価格変更、新規店舗出店、モンスターの戦意変化、クエストの報酬金額の変化など、フロンティアに起こる変化が書き込まれる。アイテムの買取価格が高騰したら換金アイテムを売るなど、うまく利用すれば冒険が楽になる。
■ コマンド選択式ながら斬新な要素が詰め込まれたバトルシステムは必見!
次々にクエストに挑む本作では、幾度もバトルを重ねることになる。多くのRPGで採用されてきたコマンド選択式バトルながら、トライエースらしい凝ったものになっており、飽きることなくバトルが楽しめる。さっそくバトルシステムについて紹介していきたい。
まず戦闘は、フィールドに点在する敵に接触する所から始まる。歩き(アナログパッド)、ダッシュ(アナログパッド+Rボタン)の2種類の移動方法があり、歩いて敵に接触する場合、正面同士で接触すれば普通に、背後から接触すれば有利に戦闘が始められる。ただし、背後を取られると不利となる。ダッシュの場合は、背後から接触すれば有利なのは歩きと同様だが、それ以外は全て不利になってしまう。ダッシュは移動速度が速いため、背後を取りやすいが、急にモンスターが振り向いてしまった場合などには不利になってしまうというリスクをはらんでいるわけだ。
敵と接触したら戦闘が始まる。技や魔法のコマンドを選ぶのだが、これらの行動にはAP(アクションポイント)が必要になる。APは行動の上限を示すポイントで、技や魔法を使用するには、それぞれに設定されたAPが必要になる。最大APの範囲内であれば、1ターンに何度も行動が可能となっており、1ターンが経過すると最大までAPは回復する。
ベースのAPはパートナーとのフロンティアレベルに応じて決定される。最初は3から始まり、特定のフロンティアレベルに達すると上昇する。さらにAPは戦意によっても変化する。戦意は選んだ技や魔法に応じて変化するもので、戦意が上がればAPは増え、下がればAPは減ってしまう。戦意は敵にも存在し、戦意によって攻撃力や攻撃方法などが異なる。
戦意は技や魔法、敵の攻撃だけでなく、前述の戦闘開始の接触状態にも影響を受ける。背後から接触すれば、味方の戦意が高い状態から始まり(ベースAP+1)、敵の戦意も低くなる。逆に背後から接触されると味方の戦意は低い状態から始まり(ベースAP-1)、敵の戦意も高くなる。戦意は7段階あり、最大まで戦意が高まるとベースAP+2まで増やすことができる。
また、捕獲クエストでも戦意が重要になる。捕獲を成功させるには戦意の下がった敵を攻撃する必要がある。そのため、捕獲クエストでは、対象となる敵の戦意を下げることが求められる。捕獲はクエストで必要になることに加え、捕獲時に必ずアイテムをドロップするというメリットもある。
味方の戦意を上げればAPが増え、より強力な技が使えたり、1ターンで多くの行動が選択できるようになる。また、敵は戦意によって大きく性能が異なる。これらのことから、味方の戦意を上げ、敵の戦意を下げることが重要になる。戦意の状態は顔アイコンで確認できる |
技や魔法には、必要APだけでなく、区分(攻撃/補助/回復)、威力(小/中/大/特)、発生速度、付加(属性など)、対象(敵1体、味方全体など)、戦意の上下(敵や味方の戦意が上がる、下がるなど)、攻撃タイプ(打ち上げ、打ち落としなど)が設定されている。
技は武器毎に異なり、1度習得したものであっても武器の系統が変われば使うことはできない。魔法は武器に依存せず、習得しているものはいつでも使用できる。
戦闘に持ち込める技や魔法は最大で6つ。必要APの高い技は当然強いが、ベースAPを考えて持ち込む技や魔法を選択したい。さらに味方の戦意を上げる、敵の戦意を下げる技や魔法のバランスも考えておきたい。中には味方の戦意が下がる、敵の戦意が上がるといった技も存在する。それらの技はリスクがある分、必要APが同じ他の技と比べ、威力や効果は高くなる。また、技や魔法の選択の際に後述のボーナス効果を考慮しておくと、より有利に戦闘が進められる。
必要AP、戦意への影響などを考えて技や魔法をセットする。技は武器毎に使用できるものが異なるが、魔法は習得してしまえば、武器に関係なく使用できる |
戦闘では、プレーヤーキャラクターとパートナーで交互にコマンドを選ぶのが基本。どちらか1人だけが続けてコマンドを選択することも可能だが、交互に選択することでコンビネーション攻撃(コンボ)が可能だからだ。
コンボには様々なメリットがある。まずはダメージアップ。攻撃するメンバーが入れ替わる度にダメージの倍率が上昇し、敵に与えるダメージがアップする。攻撃タイプに応じたボーナス効果が得られることも大きい。打ち上げなら戦意効果UP、崩しならアイテムドロップ率UPなど、攻撃タイプに応じて様々な効果がある。例えば、効率良く、味方の戦意を上げたり、敵の戦意を下げたりしたいなら、コンボに打ち上げタイプの技を入れ込めばいいわけだ。さらにコンボ中であれば、稀にクリティカルモードが発動する。クリティカルモード中は全ての攻撃がクリティカルヒットとなるばかりか、敵の攻撃に割り込まれなくなる。
コンボは、敵の行動や回復・補助・全体攻撃が挟まらない限り続く。このため、技や魔法に設定された発生速度がここで生きてくる。発生速度の速いものをチョイスし、敵の行動前にコンボを決めたり、遅いものをあえてチョイスし、敵に先に攻撃させて、割り込まれないようにしたりといった形だ。
コンボを決めれば単体よりも高いダメージを与えられる。さらに攻撃タイプによるボーナス効果までも得られる |
APは最大10(最大値はベースAPに依存)なので、それほど多くのコンボは決められそうもないが、戦闘中稀に得られるBoostAPを利用することで、多段かつ強烈なコンボを決めることが可能。BoostAPは、コマンド選択中に□ボタンを押すことでAPを一定値回復するもので、最大3つまで溜めておくことができる。1ターン内で使用できる数に制限はなく、3つのBoostAPを使用すれば、最大AP分のコマンドを選択→BoostAP使用→最大AP分のコマンドを選択→BoostAP使用→最大AP分のコマンドを選択→BoostAP→最大AP分のコマンドを選択、と多くのコマンドを1ターンで選べるため、通常では考えられないような段数のコンボを狙うことができる。
BoostAPを使えば夢のようなコンボが実現可能。また、選択できるコマンドが増えるため、一気に回復したい場合などにも有効。稀にしか得られないBoostAPだが、特定の技やコンボの攻撃タイプによるボーナス効果により、発生確率を上げることもできる |
さらにバトルの幅を広げているのがアイテムの存在。アイテムは1ターンに1つしか使えない制限はあるが、なんとAP消費がない。さらに、アイテム→技→技、技→アイテム→技など、使用タイミングが自由に決められる。敵の攻撃を読み、最後に回復アイテムを使用するように仕込んでおくなんてことが可能なわけだ。任意のタイミングで使用できるとはいえ、コンボ中にアイテム使用が入ると、コンボが中断されてしまう点には注意しておきたい。基本は最初か最後のどちらかになるだろう。回復魔法などでAPを消費してしまうと、その分、他の行動ができなくなってしまうため、AP消費のないアイテムは積極的に利用していきたい。
コンボ、AP、戦意、アイテムといった要素が絡まりあうことで実現された、斬新で戦略性の高いバトルは本作ならではと言える。難しく感じられるかもしれないが、基本的には味方の戦意を上げ、敵の戦意を下げるように技や魔法を選択すればいいだけなので、それほど難しくはない。特に序盤はベースAPは3で、使える技も少なく、できることは限られているし、徐々にベースAPや技が増えていくので、遊んでいれば自然にバトルシステムが理解できる。
■ 育成・強化のやりがいも抜群!好きなデザインの装備を使い続けることも可能!
凝ったバトルシステムに加え、育成・強化要素もバリエーション豊か。育てる楽しみも本作に欠かせない要素の1つといえるだろう。
まずはレベル。戦闘を重ねることで得られる経験値を貯めることでレベルアップし、ステータスが上昇する。RPGではお馴染みのシステムだ。得られる経験値はレベル差に依存しているので、同じ敵であっても、自分と敵とのレベル差に応じて得られる経験値は変化する。効率良く経験値を得たいなら、自分のレベル以上の敵と戦うようにするといい。
技や魔法にも成長要素がある。どちらも使い込むことで熟練度が上昇する。武器であれば、熟練度を上げることで使える技が増えていく。武器は、片手剣、両手剣、槍、弓、ボウガン、双剣、刀、闘拳、軽打撃、重打撃、戦盾の11種があり、それぞれの武器で習得できる技が異なる。熟練度は最大で15。戦闘回数や戦闘方法などにより異なるため、あまり参考にならないかもしれないが、50時間ほどのプレイで熟練度が最大になった武器は5種であった。ちなみに武器1種だけを使い続けても問題なくゲームは進められるが、習得できる技の中には特定タイプの敵に高い効果を発揮するものが存在するため、使い分けることで有利に戦闘できるようになっている。なお、全11種の武器が使えるのはプレーヤーキャラクターのみで、パートナーは装備できる武器タイプが決まっている。
全11種もの武器が用意されている。武器には様々な特徴があるが、一般的に片手タイプの武器は盾も装備できるため、防御面に優れている。逆に盾が装備できない両手タイプの武器は、片手タイプの武器と比べて高い攻撃力を誇る。習得できる技の他に、武器種により武器効果も異なる |
魔法の熟練度が上がると、魔法の効果がUPする。武器は武器種毎の熟練度だが、魔法は魔法1つ1つに熟練度が存在する。魔法は拠点の施設でお金とアイテムを渡すことで習得でき、習得できる魔法の種類はクエストクリアなどにより増えていく。武器に依存せず使える便利な魔法だが、武器のようにプレーヤーキャラクターとパートナーで受け渡しすることはできず、キャラクター毎に習得する必要がある。
熟練度を上げるにはひたすら、技や魔法を使い続ければいいのだが、コンボのボーナス効果(吹き飛ばし:スキル経験値UP)を利用すると効率良く熟練度を上げることができる。
拠点の施設で魔法は習得できる。魔法は技と同様にAPを消費して使用する。回復アイテムには限りがあるので、最低でもどちらか1人は回復魔法が使えるようにしておくといいだろう |
戦力アップには装備も欠かせない。装備箇所は、武器、盾、頭、上半身、下半身、手、足、アクセサリ×2。ショップで購入したり、鍛冶屋で製造することなどで入手できる。鍛冶屋で製造できるのはアクセサリ以外の7種で、お金と素材が必要になる。
鍛冶屋では製造以外にも装備品の強化・改造が可能。強化は装備品のRANKを上げるもので、RANKはアクセサリ以外の装備に設定されており、高いものほど高性能となる。改造では同RANKの別の装備品へと変化させることができる。
特徴的なのが、多くの装備において、同RANKの装備であれば同じ性能な点。このため、序盤で入手した武器であっても強化してRANKを上げれば使い続けられるし、好きなデザインの装備を使い続けることができる。
鍛冶屋では、武器・防具の製造、強化、改造が行なえる。武器や防具はRANKが1つ上がるだけで段違いの性能に化ける。武器であれば攻撃力が、防具であれば防御力が目に見えて違ってくる |
■ 最後に
最も注目すべきなのは、これまで多くのゲームで採用されてきたコマンド選択式のバトルながらも、新しさを感じさせてくれるバトルシステムだろう。やればやるほど発見のある、飽きのこない秀逸なバトルが楽しめる。
快適に遊べるように考え抜かれている点も見事。クエスト達成後は瞬時にスタート地点へと戻ることができるし、戻るかどうかの判断が任意なのもありがたい。マップが優秀なのでフィールドで迷うこともない。また、ランダムエンカウントではなく、敵と接触することで始めてバトルへと突入する点も大きい。襲いかかってくる敵はいるが、回避することは難しくない。バトルが必須ではないクエストでは全ての戦闘を回避することも可能なので、サクサクとクエストがこなせる。
アドホックモードでのマルチプレイもあるが、シングルプレイだけを考えてもそのボリュームは圧倒的。中級までのクエストを一通りプレイした段階で50時間を越えるプレイタイムに。パートナー専用のクエスト、上級クエスト、ゴシップクエスト、レベルや熟練度といったキャラクターの育成、装備品の製造・強化など、まだまだ遊ばせてくれそうだ。さらにDLCでのアイテムやゴシップワードの配信もある。ちなみにマルチプレイでは、最大3人(6キャラクター)でクエストに挑むことが可能。1人でクリアできないクエストがある場合にはマルチプレイで手伝ってもらうといいだろう。
RPG好きはもちろん、戦略性の高いバトルや大ボリュームを求める人にもオススメ。それほど素早い操作が要求されることもないので、アクションが苦手な人でも楽しめるだろう。興味があれば、PlayStation Storeや公式サイトなどでダウンロードできる体験版をプレイしてもらいたい。キャラクター、アイテム、所持金などのデータはそのまま製品版に引き継げるし、引継ぎ特典として専用の装備品も手に入る。
(2012年 1月 19日)