PS3/Xbox 360ゲームレビュー

ほぼ全てのガンダムシリーズが参戦!
オンラインプレイまでも搭載した最新作

「ガンダム無双3」



本作からセルアニメ調の表現を採用。アニメで慣れているせいか、違和感はなく、自然に感じられる
ガンダムシリーズ最新作となる「機動戦士ガンダムUC」も参戦!

 株式会社バンダイナムコゲームスのプレイステーション 3/Xbox 360「ガンダム無双3」は、プレーヤーが操るたった1機のモビルスーツ(以後、MS)で多くの敵機をなぎ倒す爽快なアクションがウリの「ガンダム無双」シリーズ最新作だ。従来通り開発は無双シリーズで知られる株式会社コーエーテクモゲームスが担当している。

 シリーズ3作目となる本作では、これまでより戦術性を持った駆け引きに重きが置かれている。ビジュアル面ではセルアニメ調の表現を採用。シングルプレイの大ボリュームに加え、シリーズ初(国内版)となるオンライン協力プレイを搭載したことで、さらに長く遊べるタイトルに仕上がっている。

 ほぼ全てのガンダムシリーズからMSが参戦することにも注目してもらいたい。これまでのシリーズ参戦作品に加え、「機動戦士ガンダム00」、「機動戦士ガンダムUC」、「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」、「機動新世紀ガンダムX」が新たに参戦している。

 初回封入特典として、初回生産分にのみ「武者ガンダム」と「武者ガンダムMk-II」をゲーム序盤から入手できるダウンロードパスワードが同梱されている。“ゲーム序盤から入手できる”とある通り、これら2機体はダウンロードパスワードがなくともゲームを進めれば入手可能だ。

 今回レビューに使用したのはPS3版のほぼ製品レベルというバージョンとなっている。



■ 「戦力ゲージ」、「フィールド施設」により、戦術性の高い戦闘を実現

ミッションの成否に大きく関与する戦力ゲージ(画面右上)。青が味方の、赤が敵の戦力ゲージを示している

 本シリーズの特徴であるプレーヤーが操るたった1機のMSで多くの敵機をバッタバッタとなぎ倒す爽快感は健在ながら、「戦力ゲージ」と「フィールド施設」を採用したことで、戦術性がアップしている。

 「戦力ゲージ」は敵味方双方にある戦力を表わしたゲージ。敵の戦力ゲージを0にすると敵指揮官機が敵本拠地に出現する。基本的なミッションの勝利条件は“敵指揮官機を倒す”ことなので、戦力ゲージを減らして、敵指揮官機を撃墜すればミッションクリアとなる。

 戦力ゲージはエースパイロット撃墜、フィールド制圧で減らすことができる。エースパイロット撃墜で減るゲージ量は撃墜したMSによって決まっており、より高性能なMSほど多く減らすことができる。なお、マップで黄色い枠の付いている重要拠点を全て制圧することでも戦力ゲージは0になる。

 フィールド内にいるMSを撃墜し、フィールドのゲージを0にすればそのフィールドを制圧できる。逆に1度制圧したフィールドであっても、敵機の侵入を許し、フィールドのゲージが0になってしまうと制圧されてしまう。敵味方ともに制圧していないフィールドは最初に到達したエースパイロット機が所属する部隊のものとなる。

 「戦力ゲージ」は再出撃にも影響している。これは自機、敵機ともに言えることで、プレーヤーはゲージがある限りやられても再出撃できるし、敵側もゲージがあれば再出撃してくる。多くのミッションでは“味方戦力ゲージが0の状態で自機が撃墜される”とミッション失敗となってしまうため、自分の被撃墜だけでなく、味方戦力ゲージにも注意が必要になる。だが、「戦力ゲージ」が0になってしまっても撃墜されなければ何ら問題はないため、撃墜されない自信があるなら「戦力ゲージ」を気にせず、敵機撃墜だけを考えてプレイすることもできる。もちろん、敗北条件が“味方戦力ゲージが0の状態で自機が撃墜される”以外にもある場合は、それらも考慮に入れてのプレイが不可欠となる。


ミッション開始前のブリーフィングでは勝敗条件に目を通しておきたい。特に敗北条件の確認は必須味方本拠地が健在で戦力ゲージが残っていれば、撃墜されても再出撃が可能敗北条件を満たさなければ味方本拠地が制圧されてしまってもミッションは継続できる

ミッション開始前のブリーフィングでは事前にフィールドの情報が確認できる

 「フィールド施設」も戦術性をアップさせている要因の1つ。「フィールド施設」は、マップでアイコン表示されており、それぞれの施設のアイコンと制圧時の効果は頭に入れておきたい。

・ 味方本拠地/敵本拠地
 制圧されると、撃墜されたエースパイロットの再出撃が不可となる。味方本拠地を制圧されると「戦力ゲージ」が残っていてもプレーヤーは撃墜時に再出撃できず、ミッション失敗となってしまう。敵エースパイロットの再出撃を阻止するため、ミッション序盤に制圧したいと考えるのは最もだが、敵本拠地には砲台が設置されており、序盤での制圧は難しい。これら砲台は“敵の戦力ゲージが半分以下”になると停止する。砲撃のダメージはかなり高いので、“敵の戦力ゲージが半分以下”にしてから制圧に挑むといいだろう。また、制圧状況に関わらず、敵指揮官機は敵本拠地に登場することも忘れてはならない。

・ カタパルト
 特定のフィールドへと瞬間移動できる。移動先はあらかじめ設定されたフィールドのみで、自由に選ぶことはできない。自機の移動だけでなく、敵機の移動を防ぐためにも制圧しておきたい施設だ。

・ 通信施設
 制圧すると、味方の援軍が登場する。逆に敵の通信施設を制圧すると、敵の援軍を撤退させることができる。

・ 前哨基地
 制圧するとパートナーを呼び出すのに必要なパートナーゲージが溜まるようになる。

・ 要塞
 制圧すると戦力ゲージが減りにくくなる。要塞には攻撃機能があるため、制圧するのは簡単ではない。数秒間隔で自機の位置に攻撃がくるため、素早く移動しながらの戦闘が要求される。制圧してしまえばその攻撃は敵機に向かうので、敵機を要塞に誘導して戦闘するのも手だ。

・ ミサイル基地
 フィールドをミサイルで攻撃し、フィールドとそのフィールド内にいる部隊にダメージを与える。その威力は絶大で、敵ミサイル基地からのミサイル攻撃を受けたフィールドは敵フィールドになり、そのフィールドにいる部隊(エースパイロット機を含む)はやられてしまう。自機ですら1発で撃墜されてしまうほどだ。ミサイルの着弾位置はマップで確認できるため、確認を怠らないようにしたい。制圧したら、その能力はこちらのものになるため、早々に制圧しておきたい。

・ 修理用ハンガー
 味方部隊のアーマーゲージを回復。戦闘を有利に展開するために有効な施設といえるだろう。

・ ニュータイプ研究所
 味方部隊を強化。こちらも戦闘を有利に展開するために有効な施設だ。

・ モビルスーツ工場
 戦力ゲージが少しづつ回復。数少ない戦力ゲージ回復手段の1つ。戦力ゲージはミッション成否に関わるだけでなく、再出撃に必要な保険的存在でもあるので制圧しておきたい。


 どの「フィールド施設」から制圧するかにより、展開は大きく変化する。味方フィールドを守りつつ、敵フィールドを倒して有利に戦闘を展開したいものだ。多くのフィールドを素早く制圧するには、制圧する順番や戦闘力アップが欠かせないが、自機のMobility(素早さ)、Thruster(スラスターゲージ)といった移動力の高さも重要。移動力が高ければ、両軍の制圧していないフィールドをミッション序盤にいくつも制圧できるからだ。数多くある「フィールド施設」だが、その効果はチュートリアルでも教えてくれるし、プレイを重ねていくことで自然と頭に入っていくだろう。

敵フィールドを制圧するにはフィールド内にいる敵機を撃破し、フィールドゲージを0にする選択した移動先まで一気に移動できるカタパルト。利用することで効率良く移動できるフィールド施設だけでなく、フィールドで獲得できるアイテムも忘れてはならない


■ シリーズ最高峰の爽快感を実現したバトルシステム

単機で多くの敵機をなぎ倒す爽快感がたまらない

 簡単な操作ながら、たった1機のMSで多数のMSをなぎ倒す爽快なバトルが楽しめる本シリーズ。本作ではその爽快感をさらにアップさせてくれるバトルシステムも搭載されている。これらバトルシステムについて紹介したい。

 □ボタンでの通常攻撃、△ボタンでのチャージ攻撃。この2つのボタンでの攻撃が基本となる。通常攻撃は基本的に打撃武器による近接攻撃で□→□→□などと入力することで連続攻撃を繰り出す。チャージ攻撃はMS毎に独自の方法で攻撃する。△ボタンを1回入力するだけのチャージ攻撃1は基本的に射撃武器による遠隔攻撃となる。その他のチャージ攻撃は通常攻撃後に繰り出すことが可能で、□→△ならチャージ攻撃2、□→□→△ならチャージ攻撃3となり、それぞれ攻撃方法が異なる。

 通常攻撃の連続攻撃回数やチャージ攻撃の数は、パイロットレベル(後述)と搭乗するMSにより決定される。パイロットレベルが高ければ高いほど、多くの連続攻撃回数、チャージ攻撃が可能となり、よりMSの性能が活かせるわけだ。


基本となるのは通常攻撃からチャージ攻撃に繋げるコンボ。機体毎にその性質は大きく異なる。使用機体の単体向け、複数体向けのチャージ攻撃を把握しておくと場面を選ばず戦いやすい。またチャージ攻撃後、△ボタンの追加入力により、攻撃回数が増えたり、攻撃継続時間が延びるものも存在する
MSのアクションは大きくエース/準エース/一般MSタイプの3つに分けられる。これらアクションをどこまで使えるかはパイロットレベルに依存する

 ×ボタンではスラスターゲージを消費してダッシュする。長押しすればダッシュしたまま移動できる。フィールド間の移動などにはこのダッシュ移動を利用することになる。×→×長押しで変形して移動できるMSもある。このタイプのMSは変形することで通常のダッシュ移動よりも少ないスラスター消費で移動できる利点がある。

 ×→□→□などと入力すればダッシュ攻撃が可能。通常攻撃に繋げる場合、最大で3発までの連続攻撃を繰り出せ、×→□→□→△のようにダッシュチャージ攻撃に繋げることもできる。

 スラスターゲージは通常移動など、攻撃やダッシュなどのアクションをしなければすぐに回復する。スラスターゲージが0になってしまうとオーバーヒートとなり、スラスターゲージを必要とするアクションができなくなり、回復には通常よりも長い時間を要する。

ダッシュは戦闘だけでなく、フィールド間の移動にも活躍する。スラスターゲージ残量に注意しつつ利用したい移動に有利な変形が可能な機体なら、変形を使わない手はない。長距離の移動も楽々ダッシュからはダッシュチャージ攻撃が可能。連続して攻撃を叩きこむのに便利だ

 また、×ボタンでは、通常攻撃やダッシュ攻撃の隙をキャンセルしてのエマージェンシーダッシュが可能。エマージェンシーダッシュからダッシュ攻撃につなげられるため、スラスターゲージがある限り、攻撃し続けられる。エマージェンシーダッシュは攻撃を受けた際にも発動可能なだめ、回避手段としても有効。特にダメージの高い、敵エースパイロット機に攻撃されたら、すぐに反応して繰り出せるようにしておきたい。

 さらにチャージ攻撃2~6、ダッシュチャージ攻撃ヒット時に×ボタン入力で、体当たりで敵を吹き飛ばすブーストダッシュが発動する。こちらもダッシュ攻撃に繋げることができる。

通常攻撃やダッシュ攻撃の隙をキャンセルしてのエマージェンシーダッシュ、特定攻撃ヒット時に出せるブーストダッシュは通常では決められない連続攻撃を可能にしてくれる。どちらも攻撃後に×ボタンを押すだけでいい

 スペシャル(以下SP)ゲージをいっぱいまで溜めるとSP攻撃アイコンが点灯し、強力なSP攻撃が繰り出せるようになる。SPゲージは敵機を攻撃することなどで溜まっていき、SP攻撃アイコンは最大3つまで溜めることが可能。溜められる数は、レベル1~13が1つ、レベル14~23が2つ、レベル24~が3つとパイロットレベルにより決定される。

 エースMSタイプと呼ばれるMSは溜まっているSP攻撃アイコンの数により、攻撃が変化する。溜めれば溜めるほど、強力な攻撃が繰り出せると考えてもらえればいいだろう。逆に一般MSタイプと呼ばれるMSは溜めた数に関係なく、SP攻撃アイコンを1つ消費して、SP攻撃を繰り出す。また、空中では通常と異なる空中SP攻撃になる。

発動時に無敵時間があるため、緊急回避としても使えるSP攻撃。SP攻撃や空中SP攻撃の性能からメインとするMSを決めるのもいいだろう

 そのままでも強力なSP攻撃だが、自機のアーマーゲージが減って、赤色になっていると、さらに強力なハイパーSP攻撃が繰り出せる。

 また、特定のパイロットの側でSP攻撃をすると、コンビネーションSP攻撃という他のパイロットとの協力による、より強力なSP攻撃が可能。コンビネーションSP攻撃可能な場合、相手と光の線で結ばれる。

自機のアーマーゲージが減って、赤色になっている場合にのみ繰り出せるハイパーSP攻撃。その破壊力はかなりのもの。とある条件を満たせば、アーマーゲージの状態に関わらずハイパーSP攻撃が出せるようになる
相手と光の線で結ばれたらコンビネーションSP攻撃のチャンス! 威力だけでなく、パイロット同士の組み合わせにより異なる掛け合いにも注目してプレイしてもらいたい。バナージとプルツーでコンビネーションSP攻撃をすると……

 ×ボタンでの各ダッシュアクションは、攻撃、移動、回避に大活躍する。その分、スラスターゲージの管理が重要となる。オーバーヒートには要注意だ。攻撃中はスラースターゲージは回復しないといったが、SP攻撃だけは例外。攻撃してスラスターゲージを消費してしまってもSP攻撃を挟むことでスラスターゲージが回復できるわけだ。これを利用すれば休むことなく、攻撃し続けられる。


誘爆を狙えば1度に多くの敵を撃墜することができる。まとめて撃墜してフィールド制圧時間の短縮を図りたい

 爽快感をさらにアップさせているのが新要素の「誘爆システム」。チャージ攻撃やSP攻撃などで敵を撃墜すると周囲の敵を巻き込む誘爆を発生させられるもの。うまく利用すれば、複数の敵機をまとめて撃墜できる。

 最も誘爆を狙いやすいのはフィールド制圧直後。制圧後、残っていた敵機は残りアーマーゲージに関わらず、1撃で撃墜できる状態になる。誘爆を誘える攻撃を決めて、残存勢力を一掃してやろう。

 「パートナーストライク」も新要素の1つ。フィールド施設の前哨基地制圧やアイテム獲得でパートナーゲージを1つ以上溜めると発動できるもので、パートナーを呼び出して攻撃に加わってもらったり、戦術ゲージを回復してらったりすることができる。

 他にもダメージの何割かが時間経過で回復するリカバリーゲージ、耐久力が高くリカバリーゲージの回復も早い難敵・巨大モビルアーマーの存在、表示されたボタンを一定時間内に入力するつばぜり合いなど、多くの要素がある。


パートナーを呼び出すパートナーストライク。攻撃だけでなく、回復や補助効果など様々な効果がある。プレイスタイルやミッションに合わせて使い分けていきたい。通常使用できないモビルアーマーもパートナーとして呼ぶことができる
時間経過で回復するリカバリーゲージは敵味方共通。早く撃墜したければ短時間に集中して攻撃を叩き込まねば回復されてしまう巨大モビルアーマー戦は本作でも健在。攻撃をヒットさせたり、避けたりするとたまるチャンスゲージを最大までためると表示されるターゲットマーカーに攻撃を当てると、ダウンさせることができ、一定時間一方的に攻撃を叩き込める

 爽快感を重視したゲームだけあって、防御より攻撃に重きが置かれた調整がなされている。パイロット、自機、敵機、難易度などにもよるが、SP攻撃アイコン3つを消費して繰り出すSP攻撃は、敵機を1撃で撃墜できるほど。その逆も然りで、ハイレベルのパイロットや機体であっても、1撃で撃墜されるなんてこともある。このSP攻撃にはビームや乱舞系のヒットさせた時間や回数でダメージを蓄積させていくものと、1発の攻撃でダメージを与えるものがある。前者であれば少し食らってしまってもエマージェンシーダッシュで回避できるが、後者の場合はどうにもならない。敵の状況を良くみて回避したい。特に敵指揮官機は登場直後に強力なSP攻撃を繰り出してくることがあるため、わざと発動させて、SP攻撃が終わるまで距離を取るという方法が有効と感じられた。

 自機が動かない時間はまずないというほどの戦闘の展開は速い。どの難易度であってもL1ボタン(カメラのリセット+ガード)でのガードという選択肢を取ることなく、攻撃とダッシュによる回避だけで気持ちよくプレイすることもできる。L1ボタンは主にカメラのリセットで使うことになるだろう。



■ オリジナルストーリーも楽しめる300を超えるミッション

オリジナルストーリーでしか実現しえない作品の枠を超えた夢の共演

 様々なパイロット、MSで多くのミッションが楽しめるのも本シリーズの魅力といえる。オフラインでのメインとなるストーリーモードでは300を超えるミッションが用意されているそうだ。

 異世界に集められたパイロット達によるオリジナルストーリーが展開されるミッションでは、各パイロットたちが、複数ある勢力のいずれかに所属し、それぞれの勢力からの視点で物語が進む。オリジナルストーリーだからこそ実現する作品の枠を超えた夢の共演はガンダムファンなら見逃せないところだろう。プレイしてもらえればわかるが、公式サイトでも一切発表されていない驚きのMSがオリジナルストーリーには絡んでくる。正直、「えっ!? このMSが出てくるのか!」と驚かされた。

 オリジナルストーリーのミッションクリア状況は勢力に依存し、パイロットには依存しない。例えば、アムロ・レイでミッションをクリアすれば、その勢力に所属する全てのパイロットはそのミッションをクリアしたことになる。

 他にも、過去にあったとされる様々な戦いの歴史を振り返るヒストリーミッション、難易度の高いチャレンジミッション、実力を身につけるのに適したシンプルなミッションがプレイできるチュートリアルミッションなど、多くのカテゴリのミッションが用意されている。これらのミッションは最初から全てプレイできるわけではなく、ミッションクリア、一定数のMS撃破、通信メッセージを読むなど、特定の条件を満たすことで解放されていく。

オリジナルストーリーや原作の追体験ができるものなど、様々なカテゴリのミッションがある。1つのミッションは基本的に5~10分程度と短いが、全てをクリアするまでにはかなりの時間を要するほどの数が用意されており、オフラインでのプレイだけでもかなり長く遊べる

 ミッション解放条件の中には、共感に関わるものがある。共感は前作での友好度に近いイメージだが、前作と違い、各パイロット間の友好度ではなく、プレーヤーとの共感を表している。前作ではミッションを解放させるために一部のパイロットの友好度を下げなければならない状況が出てくるなど、難しいシステムであったが、プレーヤーとの共感になったことで遊びやすくなった。また、共感が下がらないことも遊びやすくなった一因といえるだろう。

 共感には1~5のレベルがあり、プレーヤーとして出撃したり、味方機として出撃することで上がっていくのだが、共感レベルを上げるには共感対象に入っていることが大前提となる。本作ではゲームを進めると、通信イベントとしてパイロットなどから通信メッセージが届く。これを読むことで新ミッションが解放されたり、特定のパイロットが共感対象として追加される。つまり、通信メッセージを読まなければ共感対象には追加されず、共感レベルを上げることはできないわけだ。多くのミッションは共感レベルに関係なくプレイできてしまうため、共感に関するメッセージを読まずに進めてしまうと、その分の共感レベルを上げるチャンスを逃してしまう。未読メッセージがある場合にはインフォメーションが表示されるので、必ず読むようにしてもらいたい。また、メッセージは追加されたものから順に表示されるわけではないことにも気をつけてほしい。

 共感レベルはミッション解放条件にだけ関わるものでもない。レベルを上げることで、“パートナーやオペレーターとして選択可能になる”、“ニュータイプになってニュータイプ専用機に搭乗できる”、“特定のMSが強化される”などの効果がある。

ストーリー進行や共感対象への追加には通信メッセージを読むことが欠かせない。未読メッセージがあれば必ず読んでおこうプレイ記録から共感の情報が閲覧できる。使用したり、味方として出撃することで共感レベルは上がる。共感レベルを上げることで、ミッションが解放されたり、特定MSが強化されたり、新スキルが習得可能になる。パイロットにより、その効果は様々だ


■ やればやるほど強くなるパイロット育成、設計図によるMS開発と改造

 ミッションをこなすとパイロットポイントが獲得でき、パイロットレベルを最大50まで上げることができる。レベルが上げると、格闘武器と射撃武器の攻撃力、敵から受けるダメージを減らす防御力、SP攻撃アイコンの最大ストック数に関係するSPレベルが向上する。プレイすればするほど強くなるわけだ。

 レベルだけでなく、最大3つまでセットできるスキルも重要。巨大な敵との戦いが有利になる「小さな巨人」、集団の敵との戦いが有利になる「一機当千」、攻撃力が大幅に上昇するがガード不能になる「若さゆえの過ち」といった戦闘が有利になるものから、ミッション終了後に獲得できるパイロットポイントが増える「パイロットセンス」など、多くのスキルが存在する。スキルはショップで購入するものだが、序盤から全てのスキルが購入できるわけではなく、特定の条件を満たすことで増えていく。また、スキルはパイロット毎に購入して、セットする必要がある。

レベルを上げることで性能に大きな差が出る。プレイしてみてもその差は歴然だ。何度もミッションに挑戦し、レベルを上げたいせっかくセットできるのだからスキルは必ず3つセットするようにしたい

 ショップではスキル以外にも、MSのライセンス購入やトレーニングが行なえる。ライセンスを購入すると全てのキャラクターがそのMSに搭乗可能になる。一部のミッションではパイロットやMSが限定されるが、大抵のミッションでは自由に選択できるため、ライセンスを購入しておけばレベルの低いパイロットを強いMSに搭乗させて難易度の高いミッションに挑戦するなんてことも可能になる。トレーニングは受講するとパイロットポイントが獲得できる。このため、お金さえあれば上限まですぐにパイロットレベルを上げられる。お金はミッションクリアや設計図の売却などで入手できる。

ライセンスの価格は高めだが、1つ購入すれば全てのキャラクターがそのMSに搭乗可能になるお金を払うことでパイロットポイントが瞬時に獲得できるトレーニング。受講料が高いものほど、その効果も高い。高額のトレーニングを受けたら、なんとレベルが1から33までアップした!

 ミッションクリア後にはMSの設計図が獲得できる。必ず獲得できるのが、プレーヤーが搭乗したMSと撃墜したエースパイロット機の設計図。その他のMSは撃墜数が多いほど獲得しやすくなる。

 1回のミッションで獲得できる設計図は15枚までとなっているが、狙ってプレイしない限り15枚獲得することはないだろう。同じMSで所持できる設計図は4枚までで、5枚目以降を獲得した場合は売却することになる。なお、一部のMSに至っては特定の条件を満たさないと撃墜しても設計図は得られない。

設計図にはランクがあり、ランクが高いものほど、ベーススペックが高くなり、難易度が高いミッションほど、高ランクの設計図が入手しやすくなる。高ランクのハイスペックな設計図が獲得できた時の喜びはかなりのものだ。ただし、高ランクの設計図を得るには特定のミッションクリアが必須となる。設計図は4枚までしか所持できず、それを超えた分は売却することになる。弱いものから売っていくようにしたい

 モビルスーツ研究所では、獲得した設計図を使って、MSが開発できる。開発に必要なコストは開発するMSやスペックにより異なる。つまり、同じMSであってもスペックが高ければその分開発コストも高くなる。1つのMSで所持できるのは4機までとなっており、5機目を開発すると、どれか1機を売却しなくてはならない。

 MSには、Fight(格闘武器の攻撃力)、Shot(射撃武器の攻撃力)、Defence(敵から受けるダメージを減らす防御力)、Armor(アーマーゲージの最大値)、Mobility(素早さ)、Thruster(スラスターゲージの最大値)、Equipments(特殊装備)、強化スロット(強化できる回数)が設定されており、同じMSであっても設計図によりそのスペックは異なる。

 強化スロットはお金を払うことでスロット数分、FightやShotなどのスペックを強化できる。ただし、上限を超えて強化することはできない。また、特殊装備を付加することもできる。付加できる特殊装備の種類は研究所のレベルに応じて増えていく。研究所のレベルは、研究所を何度も利用することで上がる。

設計図を手に入れたらMSを開発できるようになる。同ランクであってもスペックの高いものもあるので、ミッションにつまづいたらMSを開発してみるのも手だ
開発後には強化と特殊装備付加をお忘れなく。改造することで大幅にMSを強化できる

 プレイを重ねると設計図はすぐに4枚を超えることになる。使用頻度の高いMSや一般MSタイプの設計図は毎回のように売却することになるだろう。こだわる人なら、じっくりと見比べて売却する設計図を選べばいいが、さっさと次に進みたい人だとそれは面倒と感じると思われる。そういう人は売却価格を目処にするといい。安いものから売却すればいいわけだ。筆者の場合、ランク、強化スロット数、価格の順の優先度で売却する設計図を決定していた。



■ 15の専用ミッションが用意されているオンライン協力プレイ

 この原稿執筆時は発売前ということで実際にはプレイできていないが、シリーズ初となる最大4人同時でのオンライン協力プレイが搭載されており、オンライン専用ミッションは15種用意されている。

 オンラインプレイには専用のパートナーサポートというルールがある。オフラインプレイではR2ボタンでパートナーストライクが繰り出せるが、オンラインではこれがパートナーサポートとなる。効果はサポートランプの数に応じて変化する。ランプ×1なら全プレーヤーのアーマーゲージを一定量回復、ランプ×2なら全プレーヤーのアーマーゲージを全回復、ランプ×3ならランプ×2の効果に加え、戦力ゲージを最大まで回復する。

 オンラインプレイではオフラインプレイよりもお金が稼ぎやすいというメリットもある。オンラインモードで獲得した金額に応じてプレーヤーには階級が設定される。

 マッチング面では、セッションを選んで参加したり、自分でセッションを作成が可能で、ホストが招待したプレーヤーのみ参加させられる設定もできる。知らない人とプレイしたい場合、友人とプレイしたい場合、どちらもOKだ。シングルプレイをしながら、マッチングを待つ待ち受けモードを搭載しているも嬉しいところ。

 定型文による文字チャットとボイスチャットがサポートされているため、コミュニケーション面も十分といえるだろう。



■ 最後に

 シリーズ最大となる参加作品数、「誘爆システム」による爽快感のアップ、ある程度は気にしなくてもプレイできる戦術的要素、シリーズ初となるオンライン協力プレイ、遊びやすくなった共感システム、大ボリュームのミッションとあらゆる面で進化を遂げている。

 前作でも相当長く遊べると感じたのだが、本作も相当な時間遊べるのは間違いない。パイロットのレベルアップ、より強いMSの開発(設計図集め)、膨大なミッションと多くの遊びが用意されている。ミッション面だけで言っても、50時間以上プレイしているが、まだ全てのミッションはプレイできていないほどだ。これらに加え、オンライン協力プレイ、パイロット・MS・ミッションの有料ダウンロードコンテンツ(以後、DLC)まである。DLCは発表済みの「クシャトリヤ」&「マリーダ・クルス」、「ミスター・ブシドー」&「スサノオ」や新ミッションなどが予定されている。エンディングまで辿り着ければさらなるDLCパイロット、MSについての情報を得ることができる。

 本シリーズファン、ガンダムファンだけでなく、爽快なアクションを求める全ての方にオススメしたい。買いである。



(C)創通・サンライズ
(C)創通・サンライズ・毎日放送

(2010年12月17日)

[Reported by 木原卓 ]