「RE/100 1/100 イフリート改」レビュー
RE/100 1/100 イフリート改
「機動戦士ガンダム外伝」のライバル機。その作りやすさに注目
- 発売日:
- 4月23日
- 価格:
- 3,780円(税込)
(2016/5/18 00:00)
バンダイのガンプラ「RE/100(REBORN-ONE HUNDRED)」シリーズの第5弾として、「1/100 イフリート改」が、4月23日に発売となった。
「RE/100」シリーズは、1/100スケールのガンプラながら、内部フレームのない構造にすることで、同スケールのMG(マスターグレード)シリーズと比較して、総パーツ数を少なくした作りやすい設計を実現している。それでいて、MGと変わらないハイディテールの造形を楽しめるというもので、これまでにあまりキット化されていない機体が選ばれているのも興味深いところだ。
そんなRE/100の最新作として選ばれたのが、「MS-08TX [EXAM] イフリート改」である。グフの進化系にあり、局地戦用に開発されたモビルスーツ「イフリート」に、意図的に暴走させることで性能の限界を引き出すシステム「EXAM」を搭載したカスタム機体だ。
初登場はセガサターンで発売されたアクションゲーム「機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY」で、ジオンのパイロット、ニムバス・シュターゼンの搭乗機として登場し、プレーヤーの前に強大な敵として立ちはだかった。イフリート改はその後様々なゲームで登場し、近年では昨年5月に発売された「機動戦士ガンダム サイドストーリーズ」のプレイアブル機体として登場しているのが記憶に新しい。
ゲーム畑での仕事を主としている筆者には、ゲームから生まれて人気が出た機体には特に愛着が強く、過去にはHGUCのブルーディスティニー3機種を製作した経験もあり、このイフリート改も昨年11月の「ガンプラEXPOワールドツアージャパン2015」で見て以来、その発売を心待ちにしていた次第だ。
今回のレビューでは、発売されたばかりの「RE/100 1/100 イフリート改」を、塗装なしの素組みにて製作、キットの内容や完成後のスタイリングなどを、写真を交えてレビューしていく。なお今回工具は、模型用ニッパー、デザインナイフ、シールを貼るためのつまようじのみを使用している。
大きなパーツに精密なディテール表現。組みやすく面白いキット
1/100スケールのガンプラということもあり、箱にはかなり厚みがありパーツ1つ1つにボリューム感がある。パーツのランナー数はポリキャップも含めて13枚で、これは手持ちの「MG 1/100 MS-07B グフ Ver2.0」と同じ枚数だった。
MGシリーズなどと同様、多色成型のイロプラのランナーなども含まれているが、ざっと眺めてみると、やはり機体内部を表現するグレー系のパーツが少ないという印象だ。またポリキャップのほか、動力パイプのパーツはポリ製で、可動はしやすいが塗装はしにくいかも知れない。
前評判や実物のパーツなどから予想はしていたが、フレーム部分がないことで、キット自体が非常に作りやすい印象だ。パーツは1/100のサイズで数も多いのだが、作っている感触はHGシリーズにも近いものがある。
パーツ1つ1つが大きいので、単純に扱いやすいというのもあるだろう。それでいながら決して大味ではなく、モールドもしっかり刻まれていて、パーツの色分けなどもしっかりされている。特に後者については、写真を見ていただければわかるとおり、塗装をしなくても十分見栄えがするようなパーツ分けがほどこされている。
作っていて面白かったのは、パーツとランナーをつなぐゲートの位置で、キットが完成してみると、これがほとんど見えない場所に位置しているのだ。よく切れるニッパーを使っても、未塗装の素組みの場合どうしても要所にゲート跡が目立ってしまうのがプラモデルの泣き所であるが、このキットではほとんどそれが目立つことがない。
パーツの一部にはゲート跡が目立たない“アンダーゲート”なども導入されていて、素組みでの製作もかなり意識して設計されているようだ。
製作時間は合計で4時間程度というところだろうか。特に難しかったり、面倒だったりすると感じることもなく完成させることができている。普段MGシリーズを中心に作っている人には少し物足りなさを感じるかもしれないが、そうでなければ十分に楽しめるキットといっていいだろう。
完成した本体はがっしりとした体つきで、かなりのボリューム感も感じられる。機体のが比較的シンプルなデザインで、パーツが少ないぶん、無理に動かさなければパーツが外れてしまうようなこともなく、完成後もアクションフィギュアのようにポーズがつけやすいというのもポイントだ。
手のパーツが握った状態と、ヒートサーベルを持ったものの2種類しかないのが残念ではあるが、イフリート改はヒートサーベルの二刀流が象徴的なので、その範囲内のポーズで決めるのがベストかと思う。
また今回は塗装はしなかったが、パーツの色分けがしっかりとされているので塗装もしやすいのではないだろうか。また未塗装でもスミ入れを行なうだけで、かなり引き締まる完成品となるはずだ。また作例では貼っていないマーキングシールは、説明書に一例があるので、それに従うことでパッケージの作例に近い姿に完成する。
MGシリーズよりも手軽に作れる1/100スケールのキットとして優秀なこの「RE/100」シリーズ。先頃の静岡ホビーショーでは、「機動戦士ZZガンダム」の機体が次回作になることが発表されたが、個人的にはこのイフリート改と並ばせられる1/100スケールのブルーディスティニーの登場にも期待したいところだが、難しいだろうか?
この「RE/100 1/100 イフリート改」は好評のようで、5月中旬現在、大手量販店などでは一部品切れ状態となっているところもあるようだ。ここまで書いてきたように、キットとしても非常に面白い製品なので、イフリート改という機体に抵抗がなければぜひ手にとって、実際に作ってみてほしい。
(C)創通・サンライズ